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Three Roses

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第五話 ローtリンゲン家その一

                 第五話  ローtリンゲン家
 マイラはロートリンゲン家から皇子、それも皇帝の嫡男であり帝国の次の主を迎える日を間近にしていた。
 そのことについてだ、大公は側近達に述べた。
「まずはだ」
「このことはですね」
「よしとして」
「続いてですね」
「他の方々のご婚礼もですね」
「進めていこう」
 是非にというのだった。
「王、そしてな」
「マリー様、セーラ様のご婚姻も」
「そちらもですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうしよう」
「はい、それでは」
「それではですね」
「お三方のご婚姻も」
「進めていきましょう」
「戦はしないに限る」
 まさにというのだ。
「だからな」
「婚姻政策ですね」
「それを行うべきですね」
「これまでとは違い」
「そうあるべきですね」
「そうだ、しかしマリー様はだ」
 彼女はというと。
「実は一つ考えがある」
「あの方はですか」
「婚姻政策を進めるのではなく」
「違い、ですね」
「あの方については」
「そうだ、少しだ」
 こう側近達に言うのだった。
「変える、あえてご自身の婚姻は結ばず」
「そのうえで」
「どうされるのですか」
「養子を迎える」
 そうするというのだ。
「そうしよう」
「北からですか」
「あの王子をですか」
「マリー様の養子に」
「そうしよう、そしてその王子にもだ」
 大公はさらに言った。
「王位継承権を与える」
「我が王家の血を引いておられるのは事実ですし」
「しかもマリー様の養子ともなられる」
「だからこそですね」
「あの方にも王位継承権を与えらえる」
「しかも男子ですから」
「そうだ、その継承権は私、そして」 
 さらに言うのだった。
「王子が国に入ってからだが」
「王位継承権の順位は」
「私、そしてマリー様の次にしたい」
「第三位ですか」
「そう定められますか」
「そうしたい、どう思うか」
 大公はここまで話してだった、側近達に自身の考えの是非を問うた。
「この考えについて」
「かなり思い切ったことかと」 
 即金の一人がまずこう言ってきた。
「それは」
「この婚姻政策は、だな」
「マリア様とマセーラ様のそれもそうですが」
「特にマリー様のだな」
「婚姻ではなく縁組ですね」 
 そうなるとだ、この即金は言った。
「それはまた」
「特に思い切ったものだというのだな」
「まさかそうしたことを思われているとは」
「考えたのだ」
「周辺諸国とのこと、王位のことを」
「どちらもな」 
 その結果のことだというのだ。 
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