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女提督の航海(後悔)日誌

作者:蘭丸
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提督と瑞鶴

 
前書き
長波達を迎える為に駆逐棲姫とデッキへ向かう。足に傷を負った瑞鶴を気遣いおんぶする提督。 

 
ーーー

長波:「ふぃ~たっだいまぁ~!お、提督!御出迎え嬉しいなっ」

提督「お疲れ様。報告は後で良いから、入渠してらっしゃい」

長波「はいよー、瑞鶴さんの方を心配したげてよね」

提督「瑞鶴?…どうしたの?足は大丈夫なの」

瑞鶴「えへへ、ちょっちしくじったゃった。でも、これくらい平気ですよ。あたしよりも、あたしに肩をかしてここまで連れ帰って来た翔鶴姉ぇと阿武隈や中破してヲ級に喰らい付いてた夕雲ちゃんを労ってあげて」

翔鶴「そんな、私は何も出来なかったから良いのよ?」

提督「いやでも、翔鶴と阿武隈は瑞鶴を連れて帰ってきてくれたんでしょう、それで十分よ。夕雲も中破してるのに良く頑張ったわね。三人ともお疲れ様」

翔鶴「提督…有難うございます」

夕雲「提督にそう言って頂けると疲れが吹き飛んじゃいます」

提督「無理は駄目よ?ゆっくり休んでね」

夕雲「はいっ」

提督「瑞鶴、飛行甲板を取って私の背中に乗って?」

瑞鶴「え?て、提督さん?」

提督「気にしないで、足を捻ってるんでしょ?ほら?」

瑞鶴「て、提督さん…じ、じゃあ…」

提督「木曾、瑞鶴の艤装を頼めるかしら」

木曾「良いぜ同じ編成になったよしみだ、艤装くらい任せな。工廠に行ってくるぜ」

提督「ええ。有難うね木曾」

木曾「応!」

提督「ふふっ軽い軽い」

瑞鶴「提督さんのばかぁ」

提督「なぁに?重いって言われるより良いでしょ?」

瑞鶴「むぅ」

提督「こうしてると、唯の事を思い出すわ…あの子が転んで泣いちゃった時は、頭を撫でておんぶしてあげたっけ…瑞鶴は偉いね、深海棲艦と戦って怖い思いしてるのに泣くの我慢して…」

瑞鶴「提督さん…あたしだって、うんん、艦娘だって泣くよ?撤退した時は悔しくて泣くし、強い深海棲艦と遭遇してボロボロにされたら、その時の事が暫く忘れられなくて、戦うのが怖くなって泣くよ?」

提督「その、ごめんね。ちっさい頃の唯とあなた達とじゃ泣く理由が違うものね」

瑞鶴「べ、別に提督さんは悪くないですよ?あたしが泣くのを我慢出来るのは、翔鶴姉ぇや他の子達が支えてくれるから…それと、提督さんみたいなお母さんが居るからだよ」

提督:「ん?」

瑞鶴「な、何でもないっ提督さんにおんぶして貰うのは嬉しいけど、ちょっと恥ずかしいから、早く行きましょうっ」

提督「そうねっ」

翔鶴「提督がお母さん、か…悪くないわね、ふふっ」

阿武隈「うんうん、お母さんがどんな人かは良く分からないけど、提督みたいな人がお母さんなら、良いかも」

駆逐棲姫「オカアサン…?」

夕雲「ええ、提督は私達が迷った時や落ち込んだ時に手を差し伸べてくれる母親みたいな人なの。駆逐棲姫ちゃんも、困った時は提督に相談すると良いわ」

駆逐棲姫「ワタシタチシンカイセイカンニモ、オカアサンミタイナソンザイガイルノカシラ…」

翔鶴「もし、居るとしたら…そんな深海棲艦が居たら、戦いを終わせたいってお話してみたいわね…駆逐棲姫ちゃん、ひと段落ついたら私と瑞鶴の部屋に招待するわね~」

駆逐棲姫「エエ…」 
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