世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
電王 ~時の列車の特異点~
蒔風が世界に到着する。
そして、まずは
「どこですかここーーー!?」
開口一番疑問文。
見渡す限りの砂砂砂・・・・
空にはオーロラが光っている。
ポケットをまさぐると、一枚のカードが入っていた。
「これは・・・チケット、か」
蒔風がカードを自分にかざす。
するとなにかが浮き上がってきた。
そこには「∞」と、それをまたがるように「INFINITY」と書かれていた。
そのカードを確認すると、目の前に線路が走ってきた。
線路だけだ。
それだけが走ってきた。
ファーーーーーン!!
そこに電車が走ってきた。
白いボディに赤いマスクの電車。
その車両部の扉が開く。
「客室乗務員のナオミです!デンライナーに、ようこそ!ご乗車、しますか?」
蒔風がなんだかわからない顔をしていると、中からナオミと名乗る女性ぎ出てきた。
「乗れるの?」
「乗らないんですか?」
「乗ります」
「ですよね!このままだと時間の砂の中で永遠にさ迷う事になりますし!」
「え?時間?」
「さあさあ、コーヒーもありますから!」
ナオミが蒔風の背中を押して、デンライナーと呼ばれた電車に押し込まれる。
向かった先は食堂車のようだ。
そこには赤、青、黄色、紫の怪人がいた。
いや、よく見たら黄色じゃなくて金色か?
「おいおい!こんなヒョロっちいのが他の世界から来た奴ってのかよ!?」
「先輩、いきなりそんなこと言っちゃ失礼でしょ?」
いきなり浴びせられるその言葉に、蒔風がムッ、とする。
「何いきなり言うんだよ!!戦いは力とか能力もあるけど、ノリのいい方が勝つんだよ!!」
その言葉に赤鬼のような男は蒔風のほうに歩いて来て、肩をバシバシ叩いた。
「お前・・・わかってんな!!」
「え?は?」
そう言って真ん中の席の方に連れてこられる。
そこにはスーツ姿の男性が座ってチャーハンを食べていた。
どうやらチャーハンに立っている旗を倒さないように崩していって食べてるようだ。
その旗がカタン、と倒れたところで、男性が立ちあがり蒔風の方に向いた。
「ようこそ、デンライナーへ!」
「デンライナー?」
「時を越える列車・・・それがこの、デンライナーです」
「で、こっちが電王の、野上良太郎君でーす!」
そこにナオミが一人の少年を連れてくる。
蒔風よりも結構年下だ。
「初めまして、野上良太郎です」
そう言って握手する。
「君が・・・・主人公か」
「え?」
「しかもまた「仮面ライダー」か。それにしてもちっちゃいな。何歳だい?」
蒔風がしゃがんで良太郎に訊く。
その答えは結構衝撃的だった。
「えっと・・・・こんな姿だけど、もうそろそろ二十歳・・・」
「・・・・・はぁ!!???」
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蒔風は良太郎から話を聞いた。
この世界に襲いくる脅威、「イマジン」
彼らは未来の人間が、精神体だけ飛ばして現代にやってきた時間の侵略者だ。
故に実体の持てない彼らは飛んできた時間の人間に憑依し、こう言う。
「お前の望みを言え。どんな願いでも叶えてやろう。お前の払う代償はたった一つ」、と
そうして契約を結び、実体化し、願いを果たせばその人間の時間を手に入れることができる。
すなわち、その人間が存在した時間を行き来できるのだ。
そうやって時間を飛び越えるイマジンを追って撃退しているのが「電王」だ。
野上良太郎はいかなる時間の影響を受けない「特異点」である。
それゆえに電王に変身することができる。
だが少しばかし前に何らかの時間の歪みの影響で、本来十九歳だったのだが、十二歳の少年姿になってしまったのだ。
「なるほどなぁ・・・で、あいつらは?」
と蒔風が先ほどの怪人たちを指さす。
すると一斉にこちらをむき、バァ、とおどけてきた。
「おう、俺はモモタロスってんだ。名前の事は気にすんなよ」
「僕はウラタロス。男を釣る趣味はないかな。名前の事は気にしないでね」
「わいはキンタロスや!お前さん、実は強いやろ!あ、名前の事は気にせんといてな」
「僕はリュウタロスだよ!他の世界ってどんなの?でも、名前の事は気にしないでよね!」
そう言って自己紹介してきた。
彼らもまた、イマジンだ。
だが良太郎の味方に付き、共に闘う仲間である。
良太郎は基本的には彼らに憑依させ、身体を貸して戦ってるらしい。
「ってことは悪霊みたいなもんか?」
「ちょっと!悪霊はないんじゃない!?」
ウラタロスが反論するが、蒔風はさらりと流す。
「あっちの男性は?」
「あの人はこのデンライナーのオーナー。あなたの事も、オーナーから聞いたの」
そこに女の子の声がした。
振り返るとそこには良太郎と同い年くらいの子がたっていた。
「ハナさん」
「私はハナ。こんな姿だけど、良太郎と同じくらいの年よ」
「へぇ~、やっぱり時間の歪みか。理由は?」
「私の事はわかってるけど、良太郎のは原因不明なの」
「へえ」
ハナは良太郎にベルトを与え、電王に変身させた張本人だ。
「ふんふん・・・なるほど。ん?さっきそういえば俺のことほかの世界とか言って?」
「うん。他の世界から来たって聞いたよ。そこらへんの話、少し訊かせてくれるかな」
自分の事を察知していたオーナーに戦慄を覚えながらも、蒔風は説明した。
それが終わり、モモタロスがウラタロスに質問した。
「で、どういうことなんだ?」
「先輩・・・話聞いてなかったの?」
「あはは、モモタロスのば~か」
「うるせえ小僧!」
「つまりや、この世界の中心である良太郎を殺すことで、この世界をいただこうっていうんやな」
「なにぃ!?」
「モモの字、ホンマに話聞いてなかったんかい」
「うっさいクマ公!!えーと、なんだ、良太郎を狙ってくる奴がいるから、そいつをブッ倒せばいいだけだろ?簡単じゃねえか」
「て言うか最初からそうとしか言ってないよ先輩」
「カメちゃん、それ以上はモモタロスがうるさくなるからやめようよ」
「なんだと小僧!!」
「わーーーー!!!」
イマジン達が車内で騒ぎだす。
キンタロスやウラタロスが「クマ」とか「カメ」と呼ばれているのは、彼らの元になったイメージが「金太郎」、「浦島太郎」だからだ。
イマジンがこっちの時間で手に入れる実体は、契約者の持つイメージから形づくられる。
この場合、少し事情の違うキンタロスのほか三人は良太郎の持つイメージだ。
ちなみにモモタロスは「桃太郎」の赤鬼。
ウラタロスは「浦島太郎」のウミガメ。
キンタロスは「金太郎」のクマ。
リュウタロスは「龍の子太郎」の龍だ。
「で、何かおかしなことはないか?」
そう蒔風が良太郎に訊くが、その前に良太郎が聞いてくる。
「そういえば君、チケットは?」
このデンライナーにはチケットがなければ乗ることができない。
持っていなければオーナーに乗車させてもらえず、時間の中に放り出されてしまう。
そこで蒔風は最初に持っていたチケットを差し出す。
それを見て良太郎は驚愕した。
「これは!!マスターパス!」
「なんであなたが?」
「いや、わからん。この世界にきたら持ってたんだよ」
「オーナー、これ」
ハナがオーナーにチケットを見せる。
「これは・・・ふむふむ、ひじょーぉうに、興味深いですねえ。ただ、乗車券以上の役割はもうすでにないようです」
「じゃあ、どういうことなんですか?」
「さて、ただのきっかけだったのでは?ほっほっほ~~」
そう言って客室から去るオーナー。
そこでリュウタロスが蒔風に訊いた。
「ねえ、お前本当に強いの?戦ってみてもいいよね?答えは聞いてない!」
「ちょっとリュウタ!あんた何言ってんのよ!!」
「おう小僧。お前いいこと言うじゃねえか。本当に強いのか?お前」
「ま、良太郎守るだけなら俺たちだけでも大丈夫やしな!」
「そうだね・・・ま、ここでのんびりしてれば?」
その言葉に引き下がる蒔風ではない。
「上等だ・・・やってやらあ!!表でろォ!!」
「いいぜぇ・・・その気迫!!久々に楽しめそうだ~~♪」
「ま、たまに身体を動かすのも悪くないかもね」
「俺の強さは泣けるレベルやで!!」
「へっへー。ディケイドとどっちが強いのかな?」
リュウタロスの言葉に蒔風が反応する。
「ん?知ってんのか?」
「うん。まぁ、あの時は引き分けだよ!!」
「そうか(ユウスケから話は効いていたが、あいつら「原典」ともクロスしてたのか)」
「あん?あの野郎知ってんのか?」
「おう、あいつらと引き分けるとは、楽しそうだな」
「へ!!こっちが一方的に楽しんでやるよ!!」
「ノリなら負けねえ!!」
「こっちもだ!!行くぞ良太郎!!」
デンライナーが止まり、皆が出口に向かう。
「ちょっとあんた達!!・・・良太郎、いいの?」
「うん・・こうなったらモモタロスたちは止まんないよ・・・」
「さあ、始めようか!!」
「おう!!いくぜ!!最初から最後までクライマックスだぜ!!」
to be continued
後書き
アリス
「電王の世界!!!」
いや、電王は凄い
なにがすごいってこれだけ続いてるんだから
アリス
「次回、コロコロ変わる電王たち!!」
ではまた次回
千の偽り、万の嘘。嘘の裏には針千本
それでもいいなら、お前、僕に釣られてみる?
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