転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1374話
「ほう……ここがシャドウミラーの基地ですか。この短時間で、よくこれ程の基地を……正直、驚きます」
ゲートの中心に……というか、ゲートを守るようにして建設されているシャドウミラーの基地へと入り、その様子を見てヨシサダが感嘆したように呟いている。
同時に、俺達と同じ場所から入ってきた草壁一行……草壁、白鳥、月臣の3人も、表情には出さないようにしていたが、驚いている雰囲気を感じ取れた。
ちなみに木連の中でも主要人物の秋山や、その秋山の副官でもある高杉はこの基地にはいない。
理由としては、みなづきの留守を守る人物が必要だったというのがある。
本人達は来たがっていたようだが、みなづきは木連の中でも最新鋭の戦艦……それも恐らくだが、試験艦という扱いの艦の筈だ。
それが万が一にもどうにかならない為にも……そして不測の事態に陥った時の為にも、指揮を執る人物がいなければならないということなのだろう。
正直、シャドウミラーの監視下でそんな真似をさせるつもりは毛頭ないんだが、木連にしてみれば俺達シャドウミラーはあくまでも味方ではない存在だ。
自分達の身の安全を完全に委ねるという事は、どうしても出来ないんだろう。
……まぁ……
「ぬぅ。あのロボットをもう少し……もう少し見ておきたかったのだが」
月臣が口の中で呟いている声が聞こえてくるのを考えると、決して皆が納得している訳ではないのだろうが。
みなづきから見える位置にシャドウミラー所属の特機が3機立っているというのは、月臣にとっては絶対に見逃せないものだったのだろう。
だが、結局はこうして会談を行う基地へとやって来ている訳だ。
……映像データは撮ってあるんだろうから、そこまで心配する必要はないと思うんだけどな。
やっぱり生で見るというのは違うのか?
「これは本当に凄いですね。正直、どうやったらここまでの施設をこの短時間で作ったのか……」
白鳥の方は月臣とは違い、基地の方に興味があるらしい。
「施設の大半はメギロートやシャドウによって作ったのよ。その辺は木連でも分かりやすいんじゃない?」
「い……いえっ! 虫型戦闘兵器はそれ程大きくはないので、シャドウミラーの用いているメギロートとは違い、そこまでの事は……」
エザリアの言葉に顔を赤くしながら、白鳥は叫ぶ。
……うん。特機に心を奪われている月臣とは違うけど、こっちはこっちでエザリアに心を奪われているな。
視線を草壁の方へと向けると、そんな2人を見て苦笑を浮かべていた。
この2人が腹心だというのは、草壁にとって微妙に不安要素がありそうだ。
いっそ連れてくるのを秋山と高杉にして、白鳥と月臣はみなづきに残した方が良かったんじゃないか?
そういう意味では、秋山はこの2人のような極端なところは……ああ、だから秋山をみなづきに残してきたのか。
「……っ!?」
不意に、草壁が息を呑む。
その視線が向けられているのは、通路の窓。……そして窓の先には1台のシャトルが飛んでいるのが見える。
シャトルがどこから来たのかというのは、考えるまでもない。
俺達がこうしてここにいるのだから、だとすればそれが来たのは……ニヴルヘイムに他ならない。
そして、ニヴルヘイムから来たという事は……
「地球人」
苦々しげに呟く辺り、まだ地球に対して思うところはあるのだろう。
ヨシサダに対しては穏健な性格という事もあって、ある程度友好的な関係を築けている。だが、見た事のない連合軍の軍人というのはやはり敵という思いが強いらしい。
あのシャトルには連合軍総司令官のグリューノがいるというのも関係しているのだと思う。
「草壁中将」
「うむ。分かっている」
草壁が白鳥の言葉に短く頷き、改めて俺の方へと視線を向ける。
「アクセル代表。我々はシャドウミラーを信用しています。ですが、それ以上に地球に対して不信感を持っています」
一瞬ヨシサダの方へと視線を向ける草壁だが、その瞳から何を思っているのか窺い知る事は出来ない。
だが、それでも今の草壁が強い決意を持ってここにいるというのは理解出来た。
「だろうな。それは否定出来ない」
100年前の件だけじゃない。戦争前に送った使者を暗殺されたというのを考えると、草壁が地球に対して強い不信感を抱くのは当然だろう。
俺だったら、真っ先に地球に奇襲を仕掛けていてもおかしくないだろう行為なのだから。
「だからこそ、これは言っておきます。今回、会談を行う事になったのは、あくまでも一部の木連の人間が起こした不祥事の為。この会談が行われたからといって、即座に地球との間で和平が成るとは思わないでもらいたい」
「分かってる。だが、何事にも初めてというのはあるだろ? ここで木連と地球が会談をした事により、いずれお互いに歩み寄れる可能性があるかもしれない」
「……つまり、アクセル代表は停戦して和平する事に賛成していると?」
「そうなるな」
そもそも、エザリアがバッタの生産プラントの代わりに要求したのが、この会談だ。
木連にも色々と思うところはあるだろうし、それは地球にしても同様だろう。
始まりは明らかに地球に非のある戦争だったが、同時に地球側がこの戦争で受けた被害も洒落にならない……というか、純粋に被害だけを考えれば地球だけが一方的に受けている形だ。
今でこそナデシコがある事によって……そして以前にナデシコに俺が乗っていた事によってバッタやジョロ、カトンボといった無人機に被害が出たが、それだって所詮は無人機でしかない。
……まぁ、シャドウミラーと違って資源が大量に余っている訳ではない以上、無人機の喪失は何だかんだで結構でかかっただろうけど。
「では、残念ながらアクセル代表の期待に添える事は出来ないでしょう。一応和平の条件を示してはみますが」
「草壁中将!?」
驚愕の声を上げたのは、月臣。
月臣にとってみれば、草壁のこの反応は予想外だったのだろう。
責めるような視線を草壁へと向けている。
だが草壁は、そんな月臣を無視して俺の方へとじっと視線を向けたままだ。
「どんな条件か、というのを聞いてもいいか?」
「いえ、この件に関しては政府からの指示もあって、厳重に管理しろとの事ですから。申し訳ありませんが……」
「そうか」
「草壁中将、もしその条件を地球側が呑んだら本当に和平を?」
俺の隣にいたヨシサダがそう尋ねる。
穏健派のヨシサダとしては、その辺の話はどうしても気になるのだろう。
そんなヨシサダに対し、草壁は小さく頷きを返す。
「うむ。もし連合軍と連合政府がきちんとこちらの要望に応えるのであれば、こちらとしても停戦、和平と考えている。……こちらの要望に応えるのであれば、だがな」
大事な事なので2度言いました的な草壁。
何だか妙な事を考えてないといいけど。
そんな風に思っている俺の前で、道案内をしていた量産型Wの動きが止まる。
「会議までの時間、ここでお過ごし下さい」
そうして部屋の扉を開けたのだが……中にあったのは普通の部屋でしかない。
いや、ここはいわゆる待機部屋や待合室とかいう部屋なのだから、それは別におかしくないだろう。
そうして中に入った草壁達へ言葉を掛ける。
「何かあったら量産型Wに声を掛けてくれ。基本的には対処出来ると思う。連合軍の方の会談の準備が出来たら呼ぶから、それまではここで待ってて欲しい」
そう告げると草壁は頷き、俺達は量産型Wをその場に残して再び歩き始め……
「アクセル代表、もしよろしければ、私は向こう……ニヴルヘイムでしたか? そちらからやって来たグリューノ総司令達と合流したいのですが」
ヨシサダにそう告げられる。
まぁ、何をしたいのかは分かる。さっきの草壁との会話で得た情報を知らせておきたいのだろう。
特に、和平の意思を草壁が持っているというのを知る事が出来たのは大きい筈だ。
……まぁ、和平の意思があっても、木連の世論を納得させるだけの条件を引き出す必要があるから、実際に和平を結ぶのは色々と大変だろうが。
それを行う為の準備という訳か。
「いいんじゃないの? これで話がスムーズに進めば、こちらとしても最善の結果だし」
エザリアの言葉に促されるように、頷きを返す。
実際問題、こっちとしては今回の会談で和平が成立するとは思っていない。
だが、草壁に言ったように、これを契機として木連と地球が話し合うようになってくれれば、それが俺達シャドウミラーにとっては最善の選択肢なのだから。
オーブのような国でもあれば、そこに協力して間接支配という形を取れるんだが……それが出来ないのは、正直残念だ。
まぁ、この世界には地球連合があるから、独立して存在している国家なんて殆どないんだが。
あっても、それはオーブとは比べものにならない程に国力の低い国で、とてもではないがその国に協力してナデシコ世界を統一するといった真似が出来るとは思えない。
企業辺りに支配させるという手段を本格的に検討すべきか?
ただ、企業は所詮企業であって、国じゃないからな。もし本気で企業にこの世界を支配させるとしたら、色々と面倒な事になるのは間違いないだろう。
「そうだな。じゃあ、量産型Wに頼むか」
タイミング良く近くを通りかかった量産型Wがいたので、丁度いいとその量産型Wにヨシサダの案内を頼む。
「ありがとうございます。では、また会談の時にお会いしましょう」
そう告げ、去って行くヨシサダ。
それを見送ると、俺達は自分達用に用意された部屋へと向かう。
……まぁ、実際にはこの基地全体がシャドウミラーの施設である以上、どこに行っても特に構わないとは思うんだが。
「あら、アクセル。もう案内の方はいいの?」
「……レモン?」
目の前にいる人物の姿に、思わず驚きの声を上げる。
それはそうだろう。てっきりホワイトスターの魔法球の中にいるとばかり思っていた人物が、何故かこうしてナデシコ世界にいたのだから。
しかもシャドウミラー用の控え室で優雅に紅茶を飲みながら、何らかのレポートを読みつつ。
「そこまで驚かなくてもいいじゃない。ちょっとした気分転換よ、気分転換」
「いや、驚くだろ普通」
溜息と共に驚きを吐き出し、改めて部屋の中を見回す。
他にいるのは何人かの量産型Wだけであり、本当にレモン1人でここに来たらしい。
「気分転換って話だったが、何か特別な理由があったりするのか?」
もしかして何らかの報告があるのかと思ったのだが、その言葉にレモンは首を横に振る。
どうやら、本当に特に理由もなく気分転換でやって来たらしい。
その辺どうなんだって感じはするんだが、レモンのやる事に一々驚いてもいられないしな。
それはエザリアやあやか、千鶴といった面々も同意見だったらしく、少し驚きの表情を浮かべた後は部屋の中に用意されていた椅子へと座る。
「それで、木連の方はどんな感じ?」
「どんな感じと言われてもな……」
視線をエザリアへと向けると、エザリアは小さく息を吐いてから口を開く。
「強硬姿勢……と言うのが正しいでしょうね。地球に対しては色々と思うところもあるようだから、その辺は仕方がないのかもしれないけど」
その言葉に、レモンは小さく頷く。
「やっぱりそうなるのね。出来ればこの会談で多少なりとも友好的になってくれれば良かったんだけど……チューリップの確保的な意味でも」
あー、なるほど。それが理由か。
技術班が開発した新素材において重要な役割を果たすチューリップ。
ゲートに組み込む事により、他の世界においても時の指輪の効果を得る事が出来るという、シャドウミラー全員に不老不死の力をもたらす夢の金属。
……いや、時の指輪で得られるのは不老の力だけか。
不老不死ってのも憧れがないでもないけどな。
ただ、今はいいけど、生きる事が苦痛になる程に長生きし、死を望むようになるといった者がいた場合、不老不死だとそれも不可能だ。
まぁ、時の指輪の不老ってのはその辺をどうにかしてくれる……と思いたい。
あくまでも願望でしかないけどな。
だが、魔法が関係しているだけに意外と何とかなりそうな気がしている。
「チューリップの方は、一応今まで手に入れた分が大量にあるだろう? 元々チューリップ自体が大きいんだから、そんなにすぐになくなるって事はないと思うんだが」
そんな俺の言葉に、レモンは小さく首を横に振る。
「チューリップを触媒として使うって話はしたと思うけど、その触媒として使う量がかなり多いのよ。今はアクセルの言う通り在庫があるから何とかなってるけど、将来的に不足するのは目に見えているわ」
「……そんなに使うのか?」
「そうね。触媒として優秀なのは間違いのない事実なのだけど、一度に使う量はかなり多くなるのも事実なのよ。だからこそ、出来るだけ多くチューリップが欲しいんだけど。いえ、出来ればチューリップじゃなくて、チューリップの装甲を構成している物質を素材という形で入手出来ればベストね」
チューリップの素材か。……今回の件が終わったら、それとなく草壁に話してみるか。
そんな風に思っている間にも時間が過ぎ……やがて会談の時間がやってくる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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