英雄伝説~菫の軌跡~(零篇)
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第40話(2章終了)
~ミシェラム~
「はあはあ………」
「手こずらせてくれたね………」
戦闘を終えたロイドは息を切らせ、ワジは溜息を吐き
「わ、若頭………!?」
「………だ、大丈夫ですか!?」
戦闘不能になり、地面に膝をついているマフィア達は驚きの表情でガルシアを見つめた。するとその時
「ククク………ハハハハハ………味見だけのつもりだったが楽しませてくれるじゃねえか。」
ガルシアは凶悪な笑みを浮かべて笑った後立ち上がり、ガルシアに続くように戦闘不能になっていたマフィア達も次々と立ち上がり、更にガルシア達の背後から新手の軍用犬達が現れた!
「わっ……生き返っちゃった。」
「ば、馬鹿な………!?」
「あのヴァルドよりも遥かにタフみたいだね………」
「フウ、”西風”のお兄さん達やジョーカーお兄さん達も結構狩ったでしょうに、まだこっちに回す程残っているなんて、一体何匹いるのかしら?」
ガルシア達の様子を見たキーア驚き、ロイドとワジは信じられない表情をし、軍用犬達の登場にレンは溜息を吐いた。
「チッ………化物が。」
ランディは舌打ちをして、ガルシアを睨んだ。
「クク、何を抜かしてやがる。―――ランドルフ・オルランド。テメェだって同じだろうが?」
するとその時、ガルシアは凶悪な笑みを浮かべてランディを見つめ
「ッ………!」
ガルシアに今迄隠していた正体を言い当てられたランディは顔色を変えた。
「ランディ………?」
ランディの様子に気付いたロイドが不思議そうな表情でランディを見つめたその時
「クク、やっぱりそうだったか。大陸西最強の猟兵団の一つ”赤い星座”…………その団長の息子にして、ガキの頃から大部隊を率いて敵を殺しまくった赤き死神……――――”闘神の息子”ランドルフ・オルランド………!」
「…………………………」
ガルシアはランディの真の名と異名を叫び、それを聞いた反論することなくランディは目を細めてガルシアを睨んでいた。
「”闘神の息子”………」
「”赤い星座”………そちらのお二人が所属している”西風の旅団”と双璧を為す有名な猟兵団ですね………」
「……そうだったの……」
「クク、嬢ちゃん達の中にお前の姿を見た時はマジで驚いたで。」
「……まあ、以前と比べると腕は落ちているようだがな。」
一方ランディの過去を知ったロイドは驚き、ティオは信じられない表情で呟き、エリィは溜息を吐き、ゼノは不敵な笑みを浮かべ、レオニダスは静かな表情でランディを見つめて呟いた。
「―――ハハ。バレちまったら仕方ねぇか。ま、そのオッサンの話はだいたい間違っちゃいねぇぜ。”闘神の息子”って呼び名はヘドが出るほど気に喰わねぇがな。」
「クク、どうやら訳アリでクロスベルに流れてきたらしいな。俺の古巣”西風の旅団”と”赤い星座”は昔からの宿敵………丁度いい、ここらで因縁の対決と行ってみようじゃねえか………今度はタイマン勝負でなァ!」
「………ぬかせ………」
ガルシアの叫びを聞いたランディは静かに呟いた後、ガルシアの正面に来て、対峙した!
「なっ、ランディ………!」
「………ここは任せろ。このオッサンを始末したら突破口が開ける。俺のことはいい………とにかくこの場を切り抜けろ!罠使い(トラップマスター)、破壊獣。ロイド達の事を頼むぜ。」
「そんな………!」
「だ、駄目よ………!」
「ら、らしくないです………!」
「ま、俺達の目的は嬢ちゃん達を逃がすことやから頼まれんでもするけど……」
「……どうする?奴を見捨てるのか?」
「………すぐに答えを出すからちょっと待ってて。」
ランディの自己犠牲の提案にロイド達が制止しようとしている中ゼノは静かな表情で呟き、レオニダスに判断を促されたレンは真剣な表情で考え込んでいた。
「うおおおおおおお………ハアアアアアアアァァァッ!!」
するとその時ランディは溜める動作をした後、大声で叫んで膨大な殺気や闘気を纏った!
「”戦場の叫び(ウォークライ)”………爆発的な闘気を引き出す猟兵ならではの戦闘技術………クク、そう来なくっちゃなァ!うおおおおおおおおおおおおっ!!」
ランディの行動を見たガルシアは凶悪な笑みを浮かべた後、ランディのように膨大な殺気や闘気を纏った!
「ひっ………」
「さ、さがれ………!」
2人がさらけ出す殺気や闘気を感じたマフィア達は悲鳴を上げた後、ガルシアの背後に下がった。
「くっ………凄いね………」
「びりびりする~………」
一方ワジは表情を歪め、キーアは真剣な表情で呟き
「くっ、このままじゃ―――」
ロイドは表情を歪めた。するとその時!
ウオ―――――ン!!
どこからともなく狼の遠吠えが聞こえ、遠吠えを聞いた2人は驚いて溜めていた闘気や殺気を解放した後、遠吠えが聞こえた方向を見つめた。
「な………」
「この遠吠えは………!」
「フッ、このタイミングで現れるとは”神狼”の名は伊達ではないようだな。」
聞き覚えのある遠吠えを聞いたロイドは驚き、ティオは明るい表情をし、銀は静かな笑みを浮かべた。するとその時なんとツァイトがガルシア達の背後に現れ
「ガルルル……ウオ―――――ン!!
再び遠吠えをして、軍用犬達を怯ませた!
「なっ………」
「こ、こら………!怯えてんじゃねえ……!」
「ガルルルルゥッ………!!」
「ぎゃっ!?」
「うわっ!?」
軍用犬達の行動に戸惑っているマフィア達に電光石火で攻撃し、湖面に落としたり、地面に叩き付けた!
「チッ、犬コロが………!」
それを見たガルシアが舌打ちをしたその時一隻のボートが波止場に近づき、ロイド達の傍に停泊した!
「……グズグズすんな。とっとと乗りやがれ。」
ボートの運転手―――セルゲイは運転席からロイド達を見上げて指示をし
「課長………!」
「わぁ、ぼーとだぁ!」
「ナイスタイミングです………!」
セルゲイの登場にロイド達は明るい表情をし
「行かせるかああああああっ!!」
その事に気付いたガルシアはロイド達に攻撃しようとしたが
「させん――――雷電!!」
「グアッ!?銀………貴様―――――――――――ッ!!」
銀が放った2本の雷がこもったクナイがガルシアの両足に命中し、雷撃によってガルシアは転倒させられたガルシアは足に伝わるダメージや雷を受けた事による痺れ、そして今までの戦闘によって負った傷によって立ち上がる事はできず、怒りの表情で叫んだ!
「フフ……今宵はこれまでだ。―――さらばだ。」
そして銀は口元に笑みを浮かべて呟いた後空間の中へと消えて行き
「もう俺達の手助けは必要なさそうやし、俺達もこれでサヨナラさせてもらうわ。」
「俺達の依頼人の別命が来るまではまた共闘する機会もあるだろう。その時までには僅かでも現役の頃の強さを取り戻す事だな、”闘神の息子”。」
銀に続くように二人はそれぞれロイド達に別れの言葉を告げた後素早い動きで地面に倒れているガルシア達を飛び越えて去って行った。
「悪いな、オッサン………今回は付き合えなさそうだ。それより………アンタら知ってたのか………?”人間の子供”を競売会に出品しようとしてたのを……」
銀達が撤退した後、ランディは地面に倒れているガルシアを見下ろして尋ね
「なにィ………!?」
尋ねられたガルシアは目を見開いた。
「………この子は、出品物の部屋にあった革張りのトランクに閉じ込められていた。それが何を意味するのかあんたにはわかっているのか………?」
「ふえ~?」
「な、なにをフカシこいてやがる!あのトランクにはローゼンベルクの人形が………!」
ロイドの問いかけの意味がわからないキーアが首を傾げている中、ガルシア困惑の表情で叫んだ。
「まあ、でも事実だからねぇ。事と次第によってはタダじゃ済まないんじゃない?」
ガルシアの言葉を聞いたワジは静かな笑みを浮かべて指摘し
「やれやれ………妙な事になってるみたいだな。―――ルバーチェの。改めて話は付けさせてもらう。そっちはそっちで状況を整理しておくんだな。」
「グッ………」
溜息を吐いた後、目を細めたセルゲイの話を聞いたガルシアは悔しそうな表情をした。
「特務支援課、撤収!とっとと全員乗りやがれ!」
「はいっ!」
セルゲイの指示に頷いたロイドはキーアを抱き上げて仲間達と共にボートに飛び乗り、最後にツァイトが素早い動きで乗り込み、ロイド達を乗せたボートは発進して去って行った!
「ああっ………!」
「くっ………他にボートはないのか!?」
「ぐうううううう~ッ………うおおおおおおおおおおおっ!!」
マフィア達が慌てている中、ガルシアは仰向けに倒れた状態で夜空を睨んで悔しそうな表情で大声で叫んだ!
~ハルトマン議長邸~
一方その頃、オークション会場は一向にオークションが始まらず、更に自分達を会場から出さないようにしている事に招待客達が壇上にいるマルコーニ会長とハルトマン議長に文句を叫んでいた。
「み、皆さん、ご静粛に!少々ハプニングはありましたが予定通りオークションを開催して――――」
対するマルコーニ会長は慌てながら招待客達を宥めようとしたが
「それより、先程の銃声や爆発音はいったい何だったのかね!?」
「わ、我々を誰だと思っている!」
「こ、事と次第によっては自治州政府に抗議しますわよ!」
招待客達は怒りの表情でマルコーニ会長達に文句をぶつけていた。
「どうか、どうか落ち着いて……!」
「フン、使えん連中だ………よりにもよって私の顔に泥を塗るとは………」
マルコーニ会長が慌てている中、ハルトマン議長は不愉快そうな表情をした後、去って行き
「ハ、ハルトマン議長!?一体どちらへ………ど、どうか待って下され!」
ハルトマン議長の行動にマルコーニ会長は表情を青褪めさせ、さらにハルトマン議長の退出に続くように招待客達は次々とオークション会場を出て行った。
「フフ……競売会もお流れですわね。少々アテが外れてしまったけど………面白いものが見られたから良しとしましょうか。」
その様子を見守っていたマリアベルは口元に笑みを浮かべて見つめていた。
~ミシェラム・街区~
一方その頃、レクターは湖を見つめていた。
「……行っちまったなァ。んー、できればもうちょい本格的に遊びたかったが………ま、あの辺りで我慢しておくか。」
去っていくボートを見つめたレクターが独り言を呟いたその時
「………我慢も何も、好き放題にやっていたのではなくて?」
なんとキリカがレクターに近づいてきた。
「鉄血宰相とハルトマン議長の間に作られたパイプ………その繋ぎ役としてはいささか不適切な言動が多かったように見受けられるけど。」
「ん~、何のことかな?別にオレは、誰かさんみたいに直接助けたワケじゃないからなァ。いいのか、アレ?完璧に内政干渉だろう。」
キリカの言葉を聞いたレクターはとぼけ、口元に笑みを浮かべて尋ねたが
「ああ、あの偃月輪はなかなか見事だったわね。”銀”とかいう噂の凶手がやったみたいね?実際に現れて彼らと共に戦ったみたいだし。」
キリカは意外そうな表情で答えた。
「………そう来たか。ま、今回のオレの主要任務はアンタに会うことだったしな。”ロックスミス機関”………キリカ・ロウエン室長どの。」
「フフ、さすがに耳が早いわね。帝国政府付き、二等書記官………いえ、帝国軍情報局所属、レクター・アランドール大尉と呼んだ方がいいかしら?」
「ま、お互いカードはある程度見えてるってことか。―――そんじゃ、ホテルのラウンジあたりで話すとするか。クロスベルでの諜報戦に関する今後の取り決め………不戦条約と導力ネットを視野に入れた新時代のルール作りってやつをな。」
「ええ、始めましょう。―――破壊工作とテロリズムで状況を動かす時代は終わったわ。かつてのような”不幸な事故”をクロスベルで起こさない為にも………私達は仮初とはいえ、新たな秩序を構築する必要がある。」
その後それぞれがミシェラムに来た”真の理由”を果たす為にレクターとキリカはホテルに向かった。
~エルム湖~
「………なるほどな。ま、俺の忠告を完璧に無視しやがったことはいったん置いておくとして………」
ロイド達から事情を聞いたセルゲイは目を細めて呟いた。
「す、すみません………」
「問題はその子だな。事と次第によってはとんでもない事になるかもしれん。」
「だな………オークションで人形の代わりに出品される所だった子供………」
「ま、よくない想像ばかり働いてしまいそうだね。」
「…………………………」
セルゲイの言葉に頷いたランディはワジと共にキーアを見つめ、ティオは考え込み
「………まさかマフィアもそこまで愚かなことをしないとは思うけど………」
「ま、そうよね。もし判明したら例えどんな後ろ盾を持っていたとしても、確実に自分達は破滅するんだもの。」
溜息を吐いたエリィの意見にレンは静かな表情で頷いてキーアを見つめた。
「ん~?キーア、とんでもないことになっちゃうのー?」
一方ロイド達の視線に気づいたキーアは振り向いて無邪気な様子で尋ねた。
「大丈夫………そんな事にはさせないから。それより、キーア。名前以外について何か思い出せた事はあるかい?」
「ん~………えへへ。ぜんぜん思い出せないや。」
「そっか………」
「困ったわね………」
キーアの答えを聞いたロイドとエリィは溜息を吐いた。するとその時通信の音が聞こえてきた。
「あら?こんな時に通信……?」
「一体誰に来ているのでしょうか……?」
通信の音を聞いたエリィとティオは不思議そうな表情で首を傾げたその時レンが通信を取り出して通信を始めた。
「――――Lよ。ええ……ええ………そう、”西風”の二人も含めて全員追手もなく、居場所も突き止められていないのね?完璧よ。以後は二人と協力して別の指示があるまで拠点の防衛に専念して。それと念の為に全員拠点から出ず、必要な物は全て宅配で済ませて。期間はそうね……とりあえず1週間大人しくして動きがなかったら、また連絡して。その時に指示を出すわ。――――今日はお疲れさま。みんな、ゆっくり休んでね。」
「……もしかしてさっき私達を助けてくれた執事の人達?」
レンが通信を終えるとエリィがレンに訊ねた。
「ええ。”西風”の二人も含めて全員無事に拠点であるレンの別荘に帰還したそうよ。」
「………やっぱり俺達の助太刀をしてくれた”西風の旅団”の猟兵達も君が雇っていたのか。」
レンの説明を聞いたロイドは疲れた表情で溜息を吐いた。
「うふふ、”こういう場面があると想定して”あの二人を雇っておいてよかったわ♪」
「わたし達としたら、さっきみたいな場面はもう2度とあって欲しくないのですが………」
「へえ?メイド達に敬われている事に加えてミシェラムに別荘があり、大陸最強の猟兵達を雇えて、更に”L”か…………まさかとは思うけど”Ms.L”の正体って君だったワケ?」
笑顔を浮かべるレンの言葉を聞いたティオは疲れた表情で呟き、ある事を察したワジは静かな笑みを浮かべてレンに問いかけた。
「うふふ、今のレン達の会話だけでそこまで推測できるなんて、お兄さん、捜査官の素質があるんじゃないかしら?いっそ不良集団のリーダーなんて辞めて警察に就職したらどうかしら♪」
「フフッ、ロイド達の所なら考えなくもないよ?」
「あのな、ワジ………」
「ワジさんも加わったら突っ込み役が大変になるじゃないですか……というかレンさん、ワジさんに”Ms.L”である事が疑われているのですけど何も言い返さなくていいのですか?」
小悪魔な笑みを浮かべるレンの指摘に口元に笑みを浮かべて答えたワジにロイドは疲れた表情で見つめ、ティオはジト目で呟いた後レンに視線を向けた。
「ふふっ、ワジお兄さんなら知られても別に支障がないから問題ないわよ。今回の件が起こらなくても、ワジお兄さんには遅かれ早かれレンの正体がバレていたでしょうし。」
「へ……それってどういう意味なんだ?」
レンの説明の意味がわかなかったロイドは不思議そうな表情でレンに訊ねたが
「クスクス、それはワジお兄さんが”一番良くわかっている”のじゃないかしら♪」
「…………フフッ、一体何の事を言っているのか意味がわからないけど、ロイド達に免じて黙っておいてあげるから別に口止め料とか支払わなくてもいいよ。」
意味ありげな笑みを浮かべるレンに見つめられたワジは一瞬呆けていたがすぐにいつものように静かな笑みを浮かべてレンを見つめた。
「ありがと♪セルゲイおじさんもレンの事は誰にも―――特に警察の上層部の人達には教えないでね?絶対面倒な事になるし。」
「頼まれなくても俺にまで飛び火してくることは目に見えているんだから誰にもお前の事は教えねぇよ………だが、まさかあの”Ms.L”がお前だったとはな。しかも”西風の旅団”なんて大物の猟兵を雇ってクロスベル入りさせていやがったなんて………その件について後で詳しく聞かせてもらうぞ。」
ワジの言葉に笑顔で答えたレンに視線を向けられたセルゲイは疲れた表情で溜息を吐いた後真剣な表情になった。
「……………………………」
一方ランディはロイド達の会話に入らず、黙り込んでいた。
「そういえば、ランディ………」
ランディの様子に気付いたロイドはランディに話しかけ
「―――ま、俺の話はおいおいさせてもらうさ。………まだ俺が支援課に居てもいいってんならな。」
話しかけられたランディは寂しげな笑みを浮かべて答えた。
「……怒るぞ、ランディ。」
「ランディさん、たまに空気読めなさすぎです。」
「ええ、あんまり馬鹿な事を言わないでちょうだい。」
「そうね。正直さっきの自己犠牲についてもレンは怒っているのよ?」
「………悪い。」
そして自分が支援課から去る事を決して望んでいないロイド達の答えを聞いたランディは苦笑し
「ん~………?ねえ、ワンちゃん。ロイドたちどうしたの?」
「グルルル………」
ロイド達の様子に首を傾げたキーアはツァイトに話しかけていた。
「フフ、これも一種の青春ってやつじゃない?」
「せいしゅん~?」
静かな笑みを浮かべたワジの指摘にキーアは首を傾げた。
「ハハ………緊張感の欠片もねぇな。」
「そういや俺達、さっきまでマフィアに追われてピンチだったんだよな……」
「なんだか実感がないわね………」
「……残念ながら夢ではなさそうですけど。」
「うふふ、今夜は支援課にとって一生忘れられない夜になるでしょうね♪」
「クク………ま、とにかく全ては支援課に戻ってからだ。明日からしばらくの間………厳戒態勢になると思っておけ。」
呑気に笑い合っているロイド達の様子にセルゲイは口元に笑みを浮かべた後、忠告し
「………はい………!」
「はーい!」
セルゲイの忠告にロイドは頷き、ロイドに続くようにキーアも元気よく頷いた。
こうして波乱に満ちたクロスベル創立記念祭は終わった―――――
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