オズのボタン=ブライト
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第四幕その五
「皆で探そう」
「あの子携帯持ってるかな」
ここでこう言ったのは神宝でした。
「あればね」
「あの子に電話をかければね」
ジョージはカルロスのその言葉に頷きます。
「すぐに出るからね」
「何処にいるか確認出来るよ」
「本人にね」
「あっ、残念だけれど」
ここで言って来たのは木挽の馬でした。
「あの子は携帯持っていないよ」
「あっ、そうなんだ」
「携帯持っていないんだ」
「そうなんだ」
こう二人に言うのでした。
「他の皆は持っているけれどね」
「あの子は持っていないんだね」
「携帯電話を」
「スマートフォンも持ってないよ」
そちらもというのです。
「だから皆いつも彼が何処にいるかわからないし」
「何時会えるのかもだね」
「わからないんだね」
「そうなんだ」
「神出鬼没なのには理由があるんだね」
カルロスは馬のお話を聞いてこのことを納得しました。
「連絡が取れないから」
「そうだよ」
「その辺りの事情もわかったよ」
「だから探そうと思ったら」
「その足でだね」
「探すしかないんだ」
「この宮殿の何処かにいればいいけれど」
また言って来たガラスの猫でした。
「あの子はわからないからね」
「いなくなったらね」
「オズの国の何処かかオズの国の外の世界でも」
「扉のすぐそこにいるね」
「あの子はオズの国の子よ」
このことは絶対だというのです。
「だからね」
「オズの国にはいる」
「外に出ても」
オズの国のです。
「絶対に扉の傍で無意識のうちにね」
「その扉に入ってだね」
「今回あんた達がオズの国に来たみたいになるわ」
「だからだね」
「あの子はオズの国にいるわ」
今現在もというのです。
「間違いなくね」
「そうなんだね」
「けれどね」
それでもとも言うのでした。
「オズの国の何処かは」
「それはわからないね」
「全くのランダムよ」
ボタン=ブライトが何処にいるかはです。
「あの子は偶然と幸運に愛されている子でしょ」
「だからだね」
「そこはわからないわよ」
「ううん、じゃあ見付けることも」
「そう、偶然と運よ」
「その二つ次第なんだね」
「宮殿にいたらね」
幸運にもそうであったらとです、つぎはぎ娘は言いました。
「運がいいってことよ」
「そうなるんだね」
「じゃあ偶然の神様にも幸運の神様にもお祈りして」
馬が言ってきました。
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