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アンジュリーゼ物語

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第9話 アウラの為に

 
前書き
ヴィルキスを覚醒させ、皇国に戻って来たアンジュリーゼ。
そして仲間と共に、ドラゴン達の住むもう一つの地球に行った。 

 
アンジュリーゼ、サリア、エルシャ、クリス、ヴィヴィアンは、サラマンディーネ達についていき空を飛んでいる。
アンジュリーゼ、サリア、エルシャ、クリスはラグナメイルに乗っていて、ヴィヴィアンはドラゴンに変身した状態でいる。

アンジュリーゼ、サリア、エルシャ、クリスは、サラマンディーネ達についていっている途中、ヘルメットを被った。
髪の露出が少なくなった彼女達を見たヴィヴィアン。
ヴィヴィアン「(アンジュ、サリア、エルシャ、クリス、ヒーローって感じになってるね。)」

アンジュリーゼがサリアの前に行こうとしたとき、
サリア「隊長は私なんだから、私の後ろにいなさい。」
アンジュリーゼ「わかりました。」
エルシャ「騎士団長の言うことはちゃんと聞いてあげないと。」
クリス「アンジュ、調子に乗りすぎ。」

そして5人は、サラマンディーネ達と共に、和風の宮の前にたどり着いた。
アンジュリーゼ、サリア、エルシャ、クリスはラグナメイルから降り、ヴィヴィアンは着地して人間の姿になった。
サラマンディーネ「私のそばにいる2人を紹介します。こちらがカナメです。」
カナメ「よろしくお願いします。」
サラマンディーネ「こちらがナーガです。」
ナーガ「よろしく。」
アンジュリーゼ「私たちをここに連れて来させて、どうしようというのですか?」
サラマンディーネ「それよりも、ドラゴンを連れてきているようですね。」
アンジュリーゼ「ドラゴンって、このヴィヴィアンのことですか?」
サラマンディーネ「どこから連れてきたのですか?」
アンジュリーゼ「彼女は私たちが住む世界から来ました。」
ヴィヴィアン「あたし、昔のことはぜーんぜん覚えてないんだ。」
サラマンディーネ「ヴィヴィアンさんは記憶喪失なのですね。わかりました、その者は私たちが保護します。他の者は私についてきなさい。」

アンジュリーゼ、サリア、エルシャ、クリスは、サラマンディーネ達について行き宮の中に入った。
サラマンディーネ「大巫女様、偽りの世界から来た4人をこの宮に入れました。」
大巫女は、アンジュリーゼ達の前に現れた。
大巫女「お主ら、偽りの世界で我々の仲間と戦ってきた者達じゃな。で、何の御用じゃ。」
アンジュリーゼ「サラマンディーネ、カナメ、ナーガと共に、他のドラゴン達が偽りの世界に侵攻したのはご存知ですよね。そこでわかったのです、ドラゴンの正体が人間であったことが。偽りの世界の人間たちは、相手が人間であると知らずドラゴンを殺し続けていたということが。しかし私はドラゴンを1匹も殺していません。」
大巫女「おお、アンジュリーゼ。お主があちらの世界でヴィルキスを覚醒させたことは知っておる。サラマンディーネから聞いた話によると、お主は殺生を好まぬ性格の様じゃな。なので我が仲間を1匹も殺さなかったということは信じておる。」
サリア「私とその仲間たちは、相手が人間であると知らずドラゴンを殺し続けてきました。マナの使えない私たちが、マナの使える者達の命令によって知らず知らずの間に人殺しを行い続けて来たことには非常に憤慨しています。」
大巫女「マナとは、あちらの世界で見られる魔法のような力のことじゃ。しかしお主らがマナが使えないということは、きっと何かわけがあるということじゃな。マナの使える人間にこき使われ、人殺しをさせられるとは、何てひどいことじゃ。」

その後、アンジュリーゼ達は和室に行き、抹茶を飲んだ。
アンジュリーゼ「私の国の文化とは違いますね。」
カナメ「私達の地の文化に馴染んでほしいものですね。」
サリア「何、このお茶。」
エルシャ「面白いお茶ね。」
クリス「苦い…。」

そしてアンジュリーゼは、サラマンディーネにこう言う。
アンジュリーゼ「聞きたいことを言います。」
サラマンディーネ「何が聞きたいのですか?」
アンジュリーゼ「私たちの住む世界にて、マナの光の源がどうしてあんな巨大なドラゴンなのですか?そして、マナの使えない突然変異であるノーマはどこから生まれてくるのですか?」
サラマンディーネ「後者の質問には答えかねますが、前者の質問には答えられます。ではこちらへ。」

アンジュリーゼは、ラグナメイルに乗り、サラマンディーネが乗っている機体についていく。
そして、暁ノ御柱らしき建物の前で着地する。
アンジュリーゼ「その建物、私の故郷にある暁ノ御柱にそっくりです。」
サラマンディーネ「その塔はアウラの塔と言います。まあ、塔に入ってごらんなさい。」
2人は、アウラの塔のエレベーターで地下深くに向かう。
サラマンディーネ「
この塔はかつてはドラグニウムの制御施設でした。
ドラグニウムとは、21世紀末に発見された強大なエネルギーを持つ超対称性粒子の1つです。
世界を照らすはずだったそのエネルギーは、すぐに戦争に投入されました。
そして民族対立、格差、貧困、何一つ解決することなく世界は滅んだのです。
残された人類は、新たな地を求め新天地へ飛び立ったり、汚染された地上で生活できるようにすべく遺伝子操作によって自らの肉体を改造したりしました。
私たちは、遺伝子操作によって肉体を改造した人類の一種です。

そして地下深くにたどり着いた後、2人は大きな穴の前に立つ。
サラマンディーネ「
そこにかつて、アウラがいました。
アウラとは、汚染された地上で生活できるようにすべく遺伝子操作によって自らの肉体を改造した偉大なる始祖。
あなた達の世界の言葉で言うなら、最初のドラゴンです。
ですがそのアウラはこの世界にはいません。
連れて行かれたのです。
ドラグニウムを発見し、世界を破壊したあの男によって。
あなた達の世界の文明が、あの巨大なドラゴンであることは事実ですが、そのドラゴンの名前を知ってますか?」
アンジュリーゼ「まさかそのドラゴン、アウラと言うのですか!?」
サラマンディーネ「その通りです。」
アンジュリーゼ「マナの光は無限に生み出されると聞きましたが。」
サラマンディーネ「エネルギーは、放出し続けていればいずれ尽きるもの。なのでマナの光を維持するには、アウラにドラグニウムを定期的に摂取させる必要があるのです。そのドラグニウムは何処で得られるか知ってますか?」
アンジュリーゼ「ドラグニウム…、名前の響きからするに、まさか私の仲間が殺してきたあのドラゴン達からですか!?」
サラマンディーネ「
その通りです。
私の仲間は、マナの世界の生贄にされてきた存在なのです。
しかしドラゴン達が向こうの世界に侵攻したのはそのためではありません。
アウラを取り戻すためです。
しかしそれにことごとく失敗し、マナの世界の生贄になるばかりでした。
私たちは絶望していました。
アウラを取り戻すことは出来ず、このままアウラ無しでこの世界で生きていくのかと。
そんな中、「向こうの世界にて皇家の血を引き伝説の機体・ヴィルキスを覚醒させようとする者がいる、しかもその者は殺生を好まない性格だ」との情報が入りました。
そして、私たちは向こうの世界に侵攻しました。

アンジュリーゼ「アウラがいなければ、マナの世界は間違いなく終わりますね…。で、どうすれば。」 
 

 
後書き
・次回予告
実の母に会うヴィヴィアン。
そのヴィヴィアンの過去が語られる。 
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