英雄伝説~菫の軌跡~(零篇)
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第20話
~港湾区~
「おら、青坊主!気合い入れてかかってこいや!」
「言うまでもないさっ、行くぞ!」
ロイド達が港湾区に駆けつける少し前、サーベルバイパーの青年とテスタメンツの青年がワジやヴァルド、仲間達に見守られながら1対1で戦っていた。
「あれは………何をしているのかしら?」
「それほど険悪な雰囲気では無さそうですけど………」
「ただのタイマンってわけじゃなさそうだが………」
青年達が戦っていると、ロイドと共にエリィ達がいつの間にか駆けつけ、状況を見て戸惑っていた。
「とにかく事情を聞こう。幸い、ワジもヴァルドも来ているみたいだし―――」
そしてロイドが提案しかけたその時
「ちょっとちょっと!あなたたち、何してるのよ!?」
エステルとヨシュアがワジ達の背後に現れた。
「あら。」
「あん………?」
「………へえ………」
エステルとヨシュアの登場にレンは目を丸くし、ヴァルドは眉を顰め、ワジは興味深そうな様子で2人を見つめた。
「まったく、連絡を受けて見に来てみればゾロゾロと………あなたたち、旧市街のテスタメンツとサーベルバイパーね?喧嘩は終わり!とっとと解散しなさいよね!」
「あんだ、てめぇらは………」
エステルの指示を聞き、戦っていた青年達は戦いの手を止めて、ヴァルド達と共に睨んだ。
「遊撃士協会に所属する者です。あなた達が喧嘩をしていると連絡を受けて、仲裁に来ました。」
「遊撃士だとぉ………!?」
「エステル・ブライトにヨシュア・ブライト………フフ、雑誌で何度か見かけた事があるね。」
二人が遊撃士である事にヴァルドが驚いている中ワジは静かな笑みを浮かべて二人を見つめていた。
「そりゃどうも。えっと、あなた達が両チームのリーダーってところ?」
「一応ね。僕はテスタメンツのワジ。こっちはバイパーのヴァルドさ。」
「情報通りだね。見た所、喧嘩をしている訳じゃなさそうだけど………?」
ワジの話を聞いたヨシュアは頷いた後、ワジに事情を尋ねた。
「フフ、単なるお遊びさ。せっかくの記念祭だからね。どうせだったら普段と違うことをしようと思ってさ。それで勝ち抜きタイマンバトルをしようって事になったわけさ。」
「か、勝ち抜きタイマンバトル~?」
「………両チームから5人ずつ出して1対1の勝負で勝ち抜き戦をさせる。大将はワジと、そちらのヴァルド。最終的に負けた側が、勝った側の記念祭での飲食費を払う取り決めだ。」
「なるほど、試合みたいなものね。それなら別に構わないか―――って、違う違う!試合をするのはともかく、こんな所でしちゃダメでしょ!?ここは人通りも多いんだし、別の場所でやればいいじゃない!」
スキンヘッドの大男――――テスタメンツのサブリーダーであるアッバスの説明を聞いて一瞬納得しかけたエステルだったが状況をすぐに思い出して、ヴァルド達を睨んで指摘した。
「ハッ、そんなのは俺らの勝手だ。しかしてめえ………遊撃士だか何だか知らねぇが随分と偉そうなクチを叩きやがるな。調子に乗ってんじゃねえのか、アア?」
「あのね………調子に乗ってるのはあなた達でしょ。あたしは常識的なことを言ってるだけじゃない。」
「このアマ………どうやら少しばかり痛い目に遭いたいらしいな?そこの黒髪の野郎と一緒に可愛がってやってもいいんだぜ……?」
エステルの指摘が頭に来たヴァルドはエステルの正面に来て、エステルを睨んだ。
「う、うーん………ヨシュア、どうしよう?」
「まあ、周りの目もあるし。あまり大人気ない事はしない方がいいと思うけどね。」
「やっぱり?」
「てめえら………何ブツクサ言ってやがる!この”鬼砕き”のヴァルド・ヴァレス様が恐くねえのか!?」
エステルとヨシュアの会話を聞いていたヴァルドは2人を睨んで怒鳴ったその時
「―――やめときなよ、ヴァルド。そのお姉さん、武術込みだったらたぶん君より強いよ?」
ワジが3人に近づいてヴァルドに忠告した。
「なにぃ………!?」
「へえ、わかるんだ?」
忠告を聞いたヴァルドが驚いている中、自分の強さを悟ったワジをエステルは不敵な笑みを浮かべて見つめた。
「何となく、だけどね。そちらのお兄さんは実力的には更に上なのかな?」
「はは………まだまだ修行中の身だけどね。」
「むー……ヨシュアの方が上っていうのは確かにそうなんだけど……決めつけられると、それはそれでちょっと納得行かないわねぇ。」
「まあまあ、遊撃士の仕事は何も戦闘だけじゃないんだし。」
「ククク………こんな小娘が俺より上だと?ハッ………だったら証明してみせろや!」
ワジの推測を聞いて不満そうにしているエステルをヨシュアが苦笑しながら宥めていると、自分の事を置いて呑気に会話している二人の様子が気に障ったのかヴァルドは怒りの表情でエステルの肩を掴んだ。
「エステル………」
「大丈夫、任せて………せーの!」
そしてヨシュアの言葉にエステルは頷いた後、掴まれたヴァルドの腕を逆に掴んで地面に叩きつけた!
「あ”………?」
地面に叩きつけられたヴァルドは呆けた様子で起き上がり
「ほら、言わんこっちゃない。」
ワジは呆れた表情で溜息を吐いた。
「ヴァ、ヴァルドさんが!?」
「な、なんだあの娘………!?」
「すごい………!」
「あれが遊撃士………!」
「…………」
「えっと、大丈夫?」
サーベルバイパーやテスタメンツの青年達が驚いている中黙り込んでいるヴァルドにエステルは心配そうな表情で声をかけた。
「ククク………ハハハハハハハッ!」
するとその時ヴァルドは凶悪な笑みを浮かべて大声で笑った後立ち上がって得物である鎖つきの木刀を肩に乗せ
「―――悪かった。侮ってたみてえだったな。だがよ………さすがにナメすぎじゃねえか?」
「………!」
「オラァッ!!」
エステルに強烈な一撃を放った!
「あ、危な……!」
「エステル………!」
ヴァルドの攻撃をエステルは回避し、ヨシュアはエステルを庇うかのような位置に移動して双剣を構えた。
「やれやれ………―――君達もちょっと調子に乗り過ぎじゃない?」
その様子を見ていたワジは呆れた後、静かな笑みを浮かべてエステル達を見つめ
「ああ、そうみたいだね。だからと言って謝るのもスジが違うとは思うけど………」
見つめられたヨシュアは答えた後、真剣な表情になった。
「クク………目の色が変わりやがったな。わかるぜ―――てめぇは相当強い。そういったヤツを叩きのめすのが俺は何よりも楽しみでなぁ!とっとと抜けや、アア!」
「………………………」
そしてヴァルドに怒鳴られたヨシュアは厳しい表情でヴァルドを睨み
「ちょ、ちょっとヨシュア!あたしは大丈夫だからあんまり本気にならないでよ!?」
本気になり始めたヨシュアの様子に気付いたエステルは慌てて制止しようとした。
「―――待った!」
するとその時、ロイド達がかけつけた。
「あれ………」
「ロイド君達………?」
かけつけたロイド達に気付いたワジとエステルは驚いた。
「話は聞かせてもらったよ。双方とも………まずは落ち着いてくれ。」
「ハッ!落ち着いていられるかよ!遊撃士!いいじゃねえか!噂には聞いてたが、まさかここまでゾクゾクさせてくれるとはなぁッ!!」
「だから落ち着いてくれって言ってるだろう………そもそも、ここは公共の場所だ。タイマン勝負にしてもスジを通すにしても他の場所でやってくれ。」
ヴァルドの言葉を聞いたロイドは溜息を吐いた後、注意したが
「んー、そうは言ってもねぇ。ここまで盛り上がった以上、ハイ解散ってのもアレじゃない?」
「ワジ………!?」
「ヴァルドは頭に血が上ってるしお姉さん達もお仕事で来ている。お互い勝負するくらいしかスジは通せないんじゃないかな?」
「クク、その通りだぜ………!」
「………あたしも何だかちょっと腹が立って来たわね。そっちがその気なら決着を付けてもいいんですけど?」
「上等だ………!」
「ああもう………!ヨシュア!君も何とか言ってくれよ!」
「……ごめん。僕もちょっと退けないかな。」
「うっ………」
喧嘩する気満々であるヴァルド達やエステル達を見て表情を引き攣らせた。
「フフ、それじゃあ僕はヴァルドに加勢しようかな。さすがの君も、その2人を相手にするのは難しいだろうし。」
「ケッ……勝手にしろや。」
「だあああ~っ!だから何でそうなるんだって!」
(こ、困ったわね………)
(このままだと凄い乱闘騒ぎになってしまいそうですね………)
(相変わらずエステルの事になると途端に冷静さを失うのは変わっていないわねぇ。)
ワジとヴァルドの会話を聞いたロイドは大声を出して2人を睨み、エリィは疲れた表情で溜息を吐き、ティオはジト目でエステル達を見つめ、レンは呆れた表情で溜息を吐いた。
「―――あのよぉ。そんなにやり合いたいんなら別の方法でやればいいんじゃね?」
するとその時、ランディが意外な提案をした。
「え………」
「ふぅん……?」
「せっかくの祭りだ………遺恨を残してもつまらねぇだろ。だったらスカッとする方法で決着を付けるっつーのはどうだよ?」
「スカッとする方法だぁ………?」
「えっと………ランディさん、どういうこと?」
ランディの話を興味を持ったその場にいる全員はそれぞれランディを見つめた。
「ああ、そいつはな――――」
ロイド達に見つめられたランディは口元に笑みを浮かべて説明し、その後ロイド達はランディの提案を実行する為に旧市街に移動した
~旧市街~
「フフ………なるほどね。旧市街の地形を利用した追いかけっこ(チェイスバトル)か………なかなか楽しめそうじゃない?」
「ハッ、いいじゃねえか!妨害アリ、何でもアリのケンカレースってわけだな!?」
「スピード、パワー、テクニック、それに駆け引き………一通りが必要になるわけですね。」
「へえ~、面白そうかも!」
「ハハ、だろ?」
自分の提案を聞いて賛成の様子のワジ達を見たランディは笑いながら4人を見回し
「だろって………ランディ、あのなぁ。」
「喧嘩にならないのはいいけど………結局、周りの人達に迷惑をかけるんじゃないかしら?」
エリィはロイドと共に呆れた後、周囲に集まっている人だかりを見回し
「まあ、その割には皆さん見物に集まってますけど。」
「うふふ、見物料として一人100ミラをとったら結構な金額になるのじゃないかしら?」
ティオは周囲の人物達の興味ありげな様子を見つめて呟き、レンは小悪魔な笑みを浮かべて呟いた。
「ま、いいんじゃない?なんかお祭りっぽくてさ。それで………本当に君達も参加するワケ?」
「………仕方ないだろ。ここまで関わっておいて知らん顔はどうかと思うし………」
そしてワジに尋ねられたロイドは溜息を吐いて答え
「やれやれ、真面目だねぇ。」
「ランディの提案だろ!?その代わり、完全に試合形式にしてルールから外れた事はしない事!決着が付いたら遺恨は残さず、それ以上は争わない事!」
溜息を吐いたランディにロイドは突っ込んだ後、ワジ達を見回して指示をした。
「うーん、あたしたちはもちろん異存はないけど………」
「ハ、俺もそれでいいぜ。こうなったら遊撃士も警察もまとめて相手をしてやるよ………誰が一番か証明するためになぁ!」
「あはは、それじゃあ正々堂々戦いましょう。それと、さっきはあたしの態度も悪かったかも。その、ゴメンなさい。」
「は………?」
ロイドの指示に頷いたエステルと共に頷いたヴァルドだったがエステルに謝罪されると呆け
(ま、また………)
(すげぇな、相変わらず………)
(クスクス、エステルのああいう所は絶対誰にも真似できないでしょうね♪)
エステルの行動を見たロイドは苦笑し、ランディは感心し、レンはからかいの表情で見守っていた。
「あはは!すごいねお姉さん!このタイミングで謝ったらレースの意味がないじゃん!?」
一方ワジは声をあげて笑った後、エステルに視線を向けた。
「でも、試合形式にするって時点で何かどうでもいいって言うか………お互い全力を尽くして楽しめればいいんじゃないの?」
「はあ、君って子は………」
「……ケッ、変な女だぜ。まあいい。赤毛、ルールを説明しろや。」
エステルの話を聞いたヨシュアは呆れ、ヴァルドは鼻を鳴らした後、ランディに説明を促した。
「誰が赤毛だ、誰が。―――さっきも言ったようにレースの基本は『追いかけっこ』だ。ワジ&ヴァルドの旧市街チーム。エステル&ヨシュアの遊撃士チーム。そしてロイド&俺の支援課チーム。この3チームで、旧市街を3周して一番早くゴールしたチームが勝者となる。―――ただし、各チームには毎週、3箇所のチェックポイントを押さえてもらう。チェックポイントは通りの奥にある路地。衝撃を与えると点灯する装置が置かれている。こいつを3箇所ぶっ叩かないと1週したとはみなされないわけだ。この地形を利用することで一方的に逃げる事は不可能になる。レース中は相手の妨害も可………つまり、よほど先行していない限り、相手から妨害を受ける事になるわけだ。それを迎撃するも、何とかかわすもチームごとの戦術的判断になるな。」
「ふーん……よく出来たルールじゃない。ちなみにトラップとかはアリなの?」
「アリ、としておこう。直接やり合うだけじゃなくて地形を活かした妨害なんかも可能になるってわけだな。」
「なるほど………」
「……………………」
ランディの説明を聞いたロイドは納得した様子で頷き、ヨシュアは驚きの表情でランディを見つめた。
「ヨシュア、どうしたの?」
「いや………大体ルールはわかりました。スタート順はどうするんですか?」
「コイントスでいいだろ。ロイド、ヴァルド、エステルちゃん。それぞれ1ミラ硬貨を出しな。」
「ああ………」
「ハッ………」
「ん、わかったわ。」
「それぞれ弾いて手の甲に。表か裏、揃わなかった方が1番手のスタートとしよう。」
「なるほど。」
「それじゃ、ほいっと。」
ランディに言われたロイドとエステル、ヴァルドはそれぞれコイントスをした。
「表。」
「表よ。」
「裏―――ハッ、俺達が一番手か。」
「むっ………」
「ぬぬっ………」
「よし、そんじゃあワジにコイントスをしてもらおうか。」
「了解。」
ランディに促されたワジはコイントスをした。
「ロイド、エステルちゃん。表か裏かを選んでくれ。」
「えっと………」
ランディの話を聞いたエステルはロイドに視線を向け
「いいよ、先に選んで。」
「あはは………それじゃあ、表で。」
ロイドの答えを聞き、答えた。
「俺は裏だ。」
そして2人の答えを聞いたワジは掌を開いた。
「裏―――二番手はロイド達だね。」
「うう……ゴメン、ヨシュア。」
「はは、いいよ。今回のルールだったら最初の順番は重要じゃない。」
スタートが最後になってしまった事にエステルにヨシュアは苦笑しながら言った。
「―――えっと、それじゃあこれで一通り決まったのかしら?」
「ああ、そうだな。それじゃあレース前に各チーム作戦会議と行こう。一度レースが始まったらタイムとかは無しだからな。」
「あはは、そうね。」
「フフ、それじゃあヴァルド。仲良く打ち合わせしようか?」
「ハッ……気色悪ぃんだよ。」
そして3組のチームそれぞれ離れて作戦会議を始めた。
「さて………ロイド。気づいてるかもしれんがこのレース、俺達が一番不利だ。」
「まあね……ワジとヴァルドのチームは旧市街を知り尽くしている。一方エステルとヨシュアのチームはポテンシャルが半端なさそうだ。」
「そういうこった。俺達が勝つ可能性があるとすれば運と役割分担と的確な状況判断……俺は後衛に回るからお前は前衛に徹してくれ。」
「いいけど……足はランディの方が速いだろ?」
ランディの作戦を聞いたロイドは意外そうな表情で尋ねた。
「コンビの場合、速い方がフォローに回った方が連携が取りやすい。それに、防御に関していえばお前のトンファーは相当なもんだ。迎撃するにしても、かわすにしても的確な判断ができるだろう。」
「うーん、わかった。やってみるよ。どっちも手強そうだけど………参加するんなら勝ちに行こう!」
「ハハ、その意気だぜ。………そうだな。せっかくだからコンビネーションを使った戦技もこのあたりで試しておくか?」
「ええっ………いきなり大丈夫か?」
「なに、お互いのクセもだいたいわかってるだろうしな。ぶっつけ本番にはなるが―――」
こうしてチェイスバトルが始まり、3組のチームはそれぞれの位置についた。
「―――それじゃあ、号令は私が務めさせてもらうわね。最初の空砲で第一チームがスタート。5秒後の空砲で第二チームがスタート。更に5秒後、最後の空砲で第三チームがスタート。」
「………タイムのカウントはわたしが担当します。」
「では、我々は見物人が巻き込まれないよう配慮しよう。」
「それじゃあレンもそっちを手伝うわ。」
3組のチームがそれぞれの位置につくとエリィとティオ、アッバスとレンがそれぞれ申し出た。
「フフ、舞台は整ったみたいだね。」
そしてワジが静かな笑みを浮かべて呟いたその時
「いいえ、真打ちがまだよ!」
グレイスがカメラマンを連れてロイド達に近づいてきた。
「グ、グレイスさん!?」
「確かクロスベルタイムズの………」
「やっほー、ボーイズ&ガールズ。何だか面白そうなことをやろうとしてるみたいじゃない?お姉さんも一枚かませなさいよね!」
「か、かませなさいって………」
「ハッ、何をしやがるつもりだ?」
「答えは―――これよ!」
ロイドとヴァルドに尋ねられたグレイスはマイクを取り出し、カメラマンはカメラを構えた!
「レースといえばやはり実況!カメラマンも連れて来たから思いっきり盛り上げてあげるわ!」
ロイド達に答えたグレイスはカメラマンと共に旧市街を見渡せる高い場所へと移動して、ロイド達を見下ろした。
「なんだか本当にお祭り騒ぎになった気が………」
「あはは、いいじゃない。喧嘩より何倍も楽しいわよ♪」
「やれやれ………せいぜい期待しときますか。そんじゃあ、そろそろ始めよう。」
「フフ、そうだね。ヴァルド、用意はいいかい?」
「ハッ、いつでもいいぜ。」
レースを開始する為にワジとヴァルドはスタートラインに移動し、それを見たエリィは導力銃を空に向け
「………それではカウントを始めます。”3(トライ)”………”2(ツヴァイ)”………”1(アイン)”………”0(ヌル)”!」
ティオのカウントが終わると同時に空砲を撃った!エリィが空砲を撃った瞬間、ワジとヴァルドは走り出した!
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