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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第98話

~フェミリンス神殿~



「カリアス皇子を守れ――――!」

「我等が王をその手にかけた魔物に正義の鉄槌を!」

戦闘が開始されるとカリアスが召喚した兵――――メンフィル王国兵達はリウイに向かって行ったが

「お父様の邪魔はさせません!ティルワンの闇界!!」

「過去の栄華に囚われし者達よ!せめてメンフィルの次代の皇帝たる余が直々に成仏させてやろう!贖罪の光霞!!」

「グアアアアッ!?」

プリネとリフィアが放った魔術をその身に受け、怯んだり倒れて消滅した。

「おのれ………魔物達は全て消えろ!」

倒れて消えて行く兵達を見て怒ったメンフィル兵達はリフィアとプリネに突撃したが

「優しいマスターを魔物扱いをするなんて許しません!神速!鳳凰剣舞!!十六夜………”斬”!!」

「貴様ら如きがカリンを侮辱する器か!恥を知れ!旋風斬!!クロス!ウェイブ!!」

「クスクス………レンの大好きな家族を魔物扱いするなんて………うふふ、どんな惨い殺し方をしてあげようかしら?断命の大鎌!!」

「ギャアアアアアア――――ッ!?」

ツーヤとレーヴェ、レンが2人の前に出てそれぞれ武器を振るってメンフィル兵達を斬り殺した。

「馬鹿な………何故、貴方がその魔物と共にいるのですか!?シルフィア様!」

一方シルフィアに気づいたメンフィル兵達は信じられない表情でシルフィアを見つめ

「………貴方達からしたら私は裏切り者でしょうね。ですが……それでも私はメンフィルを守護する者!メンフィルを守る為…………偉大なる我が主を守る為ならどんな罵りも甘んじて受けましょう!この世を彷徨う哀れなる者達よ……かかって来るがいい!」

見つめられたシルフィアは静かに答えた後、全身に闘気を纏って剣を兵達に向けて叫んだ!

「グッ………裏切り者が―――――――ッ!」

「売国奴を殺せ―――――ッ!」

そしてシルフィアの叫びに応えるかのようにメンフィル兵達は殺気を纏ってシルフィアに向かって突撃した!しかし!

「遅い!聖光円舞!!」

「メンフィルの為にその身を犠牲にしたシルフィア殿の想いを穢す事……絶対に許さん!玄武の鎌撃!!」

「グアアアアッ!?」

シルフィアとシルフィアの傍にいたティファ―ナが放った技によって絶命し、光と共に消滅した!

「……………」

一方ティナは次々と殺されていくメンフィル兵達の様子を辛そうな表情で見つめていた。

「……ティナ、辛いのなら下がっていいぞ。元々お前は傷ついた味方の兵達を癒す事が役割だ。………イーリュンの信徒であるお前にはこの戦いは辛すぎるだろう………」

その時、リンがティナの傍に近づき、視線をティナに向けて言ったが

「……お気遣いありがとうございます、リン様。ですが心配は無用です。戦場に出ると決めた時から人が争い、倒れて行く姿を見る事は覚悟しています。戦う事はできませんが、せめて少しでも早く戦いが終わる手伝いはさせて下さい。……アルテミスの祝福!!」

ティナは首を横に振り、決意の表情で答え、魔術で仲間達の能力を上昇させた。

「そうか………ならば私達も全力を持って少しでも早く戦いを終わらしてやる!………我が名はリン・ファラ・バルジアーナ!”闇王”を支える者の一人!陛下と私達の道を阻むのなら容赦はせん!我が聖炎剣にて浄化されるがいい!………剣に眠りし命の炎よ……我が前へ!!………参る!ウオォォォ――――ッ!!」

「アアアアアッ!?」

ティナの決意を聞いたリンは頷いた後高々と名乗り、武器に”聖炎”を宿らせ、次々とメンフィル兵達に”聖炎”を纏った斬撃を放って滅した!メンフィル兵達をリフィア達が相手している一方、エステル達は魔物達を相手にしていた。

「全く………本当に影の王も余計な事をしてくれたわね!あいつをまた復活させるなんて!ハァァァァァ………旋雷輪!!」

エステルは不機嫌そうな様子でカーリアンとファーミシルスが戦っているケルヴァンに視線を向けた後、襲い掛かった魔物達を攻撃すると共に吹っ飛ばし

「………せやな。本当にロクでもない奴やな、”影の王”は。ハァァァァァァ………滅!!」

エステルの言葉に暗い笑みを浮かべて頷いたケビンはクラフト―――――デスパニッシャーを放って、吹っ飛ばされて怯んだ魔物達を滅し

「みんなが一緒に生きて行く事を邪魔する事は絶対に許さない!電撃スマッシュ!!玄武の鋼撃!!」

「セティ達が笑顔で生きて行く為に………道を切り開きましょう、ウィル!メルカーナの制圧射撃!!氷垢螺の精密射撃!!」

「それでこそこの私が認め、愛する男!その決意、決して揺るがせるんじゃないわよ!光燐衝撃!!ラストディザスター!!」

ウィル、セラウィ、エリザスレインは協力して合成獣(キメラ)を次々と滅した!



「闇に呑まれるがいい!!」

カーリアンとファーミシルスと対峙したケルヴァンは魔術――――ティルワンの闇界を放ったが

「甘いわよ!」

カーリアンは武器を振るって衝撃波を発生させ、魔術を相殺し

「死になさい!!」

ファーミシルスはクラフト――――連接剣双伸張を放った!

「!!」

自分に襲い掛かって来る連接剣の刃を回避したケルヴァンだったが

「フッ、かかったわね。エアリアル!!」

「なっ!?おのれ………!」

ファーミシルスが続けて放ったアーツをその身に受けた!

「とっとと死になさい!ハァァァァァ……!」

そしてアーツによる竜巻が終わるとカーリアンが一瞬で近づいて激しい剣撃を放った!

「チィッ!!」

カーリアンの連撃に対し、ケルヴァンは双剣を振るって防いでいたがカーリアンの攻撃は激しく、防戦一方だった。

「隙だらけよ!」

「ガハッ!?」

そこにファーミシルスがクラフト――――連接剣伸張をケルヴァンの側面から放って、ケルヴァンの身体を貫き

「それぇっ!!」

「!?グアアアアアアー―――ッ!?」

怯んだ隙を逃さないカーリアンは武器を振るって、ケルヴァンの両腕を斬り落とした。

「我が連接剣を味わいながら消えるがいい!」

「グフッ!?お……の………れ………」

そしてファーミシルスが連接剣の刃を伸ばしてケルヴァンの心臓を破壊し

「止めよ!」

カーリアンは双剣を振るってケルヴァンの首を斬り落とし、絶命させ、さらに!

「まだよ!」

「もう2度と復活しないようにバラバラになりなさい!」

ファーミシルスと同時に武器を構え

「「白露の雷桜嵐(らいおうらん)!!」」

協力技(コンビクラフト)を放って、ケルヴァンの身体や首を塵も残さず吹き飛ばした!

「フン、あっけない!所詮はこんなものね。」

「フフ………今度は私自身の手でアイツを殺せてスッキリしたわ!」

そして技を放ち終えたファーミシルスは鼻を鳴らし、カーリアンは口元に笑みを浮かべてケルヴァンがいた場所に視線を向けた。その後まだ戦っている仲間達と共に戦い始めた。



「エクリア様!何故……何故祖国を裏切ったのですか!」

エクリアと対峙したアイゼンは信じられない表情で叫び

「………アイゼン。今の私はカルッシャ王女ではなくセリカ様の”使徒”エクリア・フェミリンス………この名を名乗る時よりカルッシャ王女エクリア・テシュオスは死にました。遠慮なくかかってきなさい。」

アイゼンの叫びに対しエクリアは静かに答えた後、連接剣をアイゼンに向けて言った。

「………………全軍、突撃!全ての元凶たる魔物リウイに与した売国奴を討ち取れ――――――ッ!」

そしてアイゼンは驚きの表情でエクリアを見つめた後、表情を怒りに変えて自分の周りにいるカルッシャ兵達に指示をし

「魔物に与した穢れた王女………覚悟―――――ッ!」

指示をされた兵達はエクリアに突撃した。しかし!

「魔力放出!イオ=ルーン!!」

「グアアアアッ!?」

エクリアは魔術を放って突撃して来る兵達を殺し

「矢だ!矢を放って、魔術の詠唱をさせるな!」

「撃て――――ッ!」

「判断が遅い!小隕石召喚!!」

「ギャアアアアーッ!?」

矢を放とうとした兵達より早く魔術の詠唱を終えて、弓兵達を一瞬で全滅させ

「姫将軍、覚悟――――ッ!」

「ふっ!ハァッ!甘い!」

「ガッ!?」

「グアッ!?」

果敢にも突撃して来た兵達を連接剣で次々と斬り捨てた!

「ば、馬鹿な………たった一人で………!こ、これが”姫将軍”………!」

次々と討ち取られて行く兵達の様子をアイゼンは恐怖の表情でエクリアを見つめたその時

「最高の位置!ルン=アウエラ!!」

エクリアが高純粋のエネルギーにより超越した爆発を起こす魔術を放ち、アイゼンは恐怖の表情のまま周囲の兵達と共に消滅した!

「お前達に私は殺せない………」

アイゼン達の消滅を確認したエクリアは静かに呟いた後、魔物や兵達の軍勢と戦っている仲間達の援護を始めた。



「チッ…………」

ラピス達と対峙したガーランドはラピス達がさらけ出す闘志に呑まれ、舌打ちをした後

「ハアッ!!」

魔術師であるペテレーネに襲い掛かった!しかし!

「させないわ!剛進突破槍!!」

ラピスが斧槍を突きの構えで強襲して来た!

「クソッ……!」

ラピスの攻撃に気づいたガーランドは表情を歪めてペテレーネに強襲する事を諦めて、攻撃を回避したが

「つぶす!精密射撃!!」

「!?グアアアアアア―――――ッ!?」

エヴリーヌが放った矢が武器を持つガーランドの腕を破壊し、腕を破壊されたガーランドは悲鳴を上げ

「まだです!酸衝撃!!」

「ガアアアアアア――――ッ!?」

さらにペテレーネは魔術をガーランドの残った腕だけに放ち、残った腕を酸によって溶かした!

「終わりにするわ………氷垢螺の吹雪!!」

そしてラピスは吹雪を発生させる魔術を放ってガーランドの足を凍結させて動けなくし

「楽には死なせないよ?くふっ♪死ね死ね死ね死ね死ねぇー!!」

「ガアアアアアアアアアア―――――ッ!?」

動けなくなったガーランドに凶悪な笑みを浮かべたエヴリーヌは次々と目にも止まらぬ速さで矢を放ってガーランドをいたぶるかのように身体の一部分を少しずつ破壊して苦しめ

「グラザ様とプリゾア様を殺めた罪………絶対に許しません!………行け!!」

怒りの表情のペテレーネは無数の暗黒の魔力弾を放ってエヴリーヌが放つ矢と共にガーランドの身体の一部を破壊し続けた!そして矢と魔力弾の嵐が収まると全身から血を流し、無残な姿となったガーランドがラピス達を睨み

「ゴフッ……ち……く………しょう………例え……俺を殺しても………第2、第3の俺が………あの魔神の息子を殺しに行く事を………覚え………!」

表情を歪めて呟こうとしたが

「ガーランド!」

「ガハッ!?」

ペテレーネが放った魔術―――死愛の魔槍によって喉元を貫かれ

「覚悟!」

ラピスが放ったクラフト―――剛進突破槍によって心臓を破壊され

「死ね――――――ッ!!」

エヴリーヌが放ったクラフト―――アン・セルヴォによって地面に大量の血をぶちまけると共に消滅した!

「フン!何人、何百人……何万人来ようとエヴリーヌが全部つぶす!」

「第2、第3の貴方がいるように………陛下達の理想と共に行く第2、第3の私達がいるわ!」

「リウイ様とイリーナ様の幸せは誰にも邪魔をさせません!」

ガーランドが消滅した後、エヴリーヌはガーランドがいた場所を睨んで鼻を鳴らして叫び、ラピスとペテレーネは決意の表情でガーランドがいた場所を睨んで叫んだ後、魔物や兵達の軍勢と戦っている仲間達の援護を始めた。



「死ねっ、魔物!!」

リウイに突撃したカリアスはリウイに剣を次々と振るったが

「フン、所詮はその程度か………」

リウイは余裕の笑みを浮かべてカリアスの攻撃を次々と捌き

「ハアッ!!」

「グアアアアッ!?」

攻撃の最中に出来た隙を逃さず、斬撃を放ってカリアスの胴を薙いだ!

「お……の……れ……!」

腹から大量の血を流し続けるカリアスは憎悪の目でリウイを睨んで剣を構えたが

「光よ……行け!!」

「グウッ………!?」

イリーナが放った無数の光の魔力弾をその身に受け、怯み

「受けるがいい……ハイドロカノン!!」

「受けなさい!ハイドロカノン!!」

「ガアッ!?」

リウイとイリーナが同時に放ったアーツによって吹っ飛ばされた!

「グッ………何故です、イリーナ姫!貴方の本当の夫は十一代目メンフィル国王たるこの私!何故、貴女を穢した魔物の傍にいるのですか!?」

吹っ飛ばされたカリアスは起き上がった後必死の表情でイリーナを見つめて叫んだが

「…………私が心からリウイを愛し、一生をリウイと共に歩む事を決めた…………それだけです。」

「なっ!?」

イリーナの答えを聞き絶句した。

「カリアスよ。二度目の冥府の土産に再び我が名を携えて行くがいい。我が名はリウイ・マーシルン。メンフィル帝国初代皇帝リウイ・マーシルンだ!!」

その隙を逃さないリウイはすざましい覇気を纏ってカリアスを睨んで言った後、Sクラフト―――魔血の目覚めを放ち

「なっ……貴様が我がメンフィルの国王だと!?おのれ……魔物風情が――――――――ッ!!…………」

そしてカリアスは憎悪が籠った目でリウイを睨んで叫びながら、魔血の目覚めによって発生した膨大な魔を帯びた衝撃波に呑みこまれて消滅した!

「フッ。イリーナの顔が見れた事が貴様にとってせめてもの救いだったな。」

「カリアス皇子。せめて貴方の新たなる生が幸あらん事を………」

カリアスが消滅した後、リウイは不敵な笑みを浮かべ、イリーナはその場で祈りながらカリアスが消滅した場所を見つめていた。その後リウイとイリーナは仲間達の援護に回り、敵達を全滅させた。



「………終わったか。」

「最後の”試練”の先鋒は誰が出てくるか期待していたけど………つまんない奴等ばかりだったわね~。先鋒がこれじゃあ、”守護者”以外期待できないじゃない。」

「そうね………フフ、早く”守護者”と戦いたいわ。」

戦闘が終了し武器を収めたリウイは静かに呟き、カーリアンは溜息を吐き、ファーミシルスは不敵な笑みを浮かべた。

「………ですが、試練を阻む者達はかつての敵達だけではないという話ですから、ひょっとしたら………」

「かつて私達と共に戦った人達――――リオーネ姫やセリエル姫達が立ちはだかるかもしれないわね。」

「………誰が出てきてもいいように、常に心の準備をしておきましょう。」

一方ペテレーネは不安げな表情で呟き、ペテレーネの意見に頷くようにラピスとイリーナが静かに答えた。その後探索を再開したリウイ達は先を進み続け、ある程度進むと騎士の鎧を全身に付け、仮面を被った女性達が待ち受けていた。



「――――来ましたか。」

仮面をつけ、顔を隠している女性達の中で唯一仮面をつけていない太陽のように輝く蜂蜜色の髪を腰までなびかせる女性が澄んだ声で呟き、リウイ達を見つめた。

「………?私は初対面だが……リン姫やファーミシルス大将軍達はあの者達を存じていますか?」

「いや。私達も初めてだ。」

「……私達も初対面よ。」

女性達に気づいたティファ―ナは首を傾げた後、リンやファーミシルスに視線を向け、視線を向けられた2人はそれぞれ眉を顰めて答え

「へ~………周りにいる仮面を付けた娘達も中々楽しめそうだけど………一番楽しめそうなのはあの仮面を付けていない女ね。下手をすれば”剣聖”をも超えている気配よ、あの女。」

「と、父さんを!?」

「………何者だ。」

一方カーリアンは自分達の前に立ちはだかる女性達を好戦的な笑みを浮かべて順番に視線を向けて呟き、カーリアンの言葉を聞いたエステルは驚き、リウイは静かな表情で女性達を睨んで尋ねたその時

「あの騎士装束……仮面………まさかお前達は!何で、お前達がこの”試練”にいんねん!?」

「馬鹿なっ!何故、貴女が!?」

ケビンは女性達を見回して信じられない表情をし、レーヴェは驚きの表情で仮面を付けていない女性を見つめた。

「へ?」

「レーヴェ、知っているの?」

ケビンとレーヴェの様子に気づいたエステルは首を傾げ、プリネが尋ねたその時

「フフ、久しいですわね、”剣帝”。まさか貴方が女になびいて”結社”を抜けるとは夢にも思いませんでしたわ。」

剣と盾を持つ仮面の女性は口元に笑みを浮かべてレーヴェに視線を向け

「え………」

「なっ!?ま、まさかあんた達………!」

女性の言葉を聞いたプリネとエステルが驚いて女性達を見たその時

「我が名はアリアンロード。”身喰らう(ウロボロス)”の第七柱にして、”鋼”の名を冠されています。どうかお見知りおきを。」

仮面を付けていない女性――――”鋼”のアリアンロードが前に出て名乗り

「アリアンロード様に仕える”鉄機隊”が隊士、”剛毅”のアイネスという。お見知りおき願おうか。」

「ふふっ。”鉄機隊”が隊士、”魔弓”のエンネアよ。」

「”鉄機隊”が隊士、”神速”のデュバリィです。不本意ですがこの先は私達が阻まさせて頂きますわ。」

アリアンロードの続くように斧槍をその手に持つ仮面の女性――――”剛毅”のアイネス、弓をその手に持つ仮面の女性―――”魔弓”のエンネア、そして剣と盾をその手に持つ仮面の女性―――”神速”のデュバリィがそれぞれ名乗り出た。

「なっ!”結社”の”第七柱”って事は………まさか”蛇の使徒”!?なんで”結社”の連中がリウイ達の”試練”に出てくるのよ!?」

アリアンロード達の名を聞いたエステルは驚きの表情でアリアンロード達を睨んで叫び

「………それはいずれわかる時が来るでしょう………最もこの私を超え、見事”試練”に打ち勝ち、元の世界に帰還できれば、ですが。」

エステルの叫びに対しアリアンロードはシルフィアに一瞬視線を向けた後詠唱をした。すると異空間から身の丈ほどのある突撃槍(ランス)を出して構え、アリアンロードに続くように”鉄機隊”の戦乙女達もそれぞれ武器を構えた!



「――――全員でかかって来るがいい。我等は今までの者達と違い、余計な者達は呼ばない。」

「フフ、”大陸最強”の英傑達に見せてさしあげますわ………アリアンロード様と我等”鉄機隊”の力を!」

「いざ、尋常に勝負ですわっ!」

「………フン、舐められたものだな。俺達全員を相手にたった4人で挑むとは………」

アイネス、エンネア、デュバリィの言葉を聞いたリウイは表情を不愉快そうに変え、すざましい怒気や覇気を纏ったその時

「………陛下。敵将は私にお任せを。………我が剣と忠誠………今こそお見せします!」

「勿論、私もシルフィア殿と共にお見せしましょう………我が忠誠を!」

「”結社”の者達が相手なら俺が出ないわけにはいかない。………”鋼の聖女”が率いる者達の相手の内の一人は俺にさせて頂きたい、陛下。」

「くふっ♪エヴリーヌを前に”魔弓”なんて名乗っているふざけた奴はエヴリーヌがつぶすよ、お兄ちゃん♪」

シルフィア、ティファ―ナ、レーヴェ、エヴリーヌが前に出てそれぞれ武器を構えてアリアンロード達を睨みながらリウイに言った。

「………いいだろう。奴等に見せつけてやれ。俺達メンフィルの力を!」

シルフィア達の言葉を聞いたリウイは静かに頷いた後、覇気を纏ってシルフィア達に号令をかけ

「「「はっ!」」」

「キャハッ♪」

リウイの号令にシルフィア達はそれぞれ頷き、シルフィアはアリアンロードと、ティファ―ナはアイネスと、レーヴェはデュバリィと、エヴリーヌはエンネアと対峙した。

「フフ………さすがは”剣皇”の騎士達。皆、よい騎士達ですね………”想念”で創られた”私”とはいえ………こんな形で貴女と剣を交える事ができるとは………今だけはこの”影の国”に感謝しましょう………」

自分達と対峙する者達を見回したアリアンロードは口元に笑みを浮かべた後、シルフィアを見つめ

「私も感謝しています………叶わないとはわかっていても貴女との手合わせを願っていたのですから………」

見つめられたシルフィアは静かな微笑みを浮かべて答えた。そしてアリアンロードとシルフィアは互いの武器を顔の正面に立てて騎士の礼をとり

「蛇の使徒が七柱、”鋼”のアリアンロード………”影の王”の望みに従い、ここに壁として立ち塞がらん。」

「メンフィル近衛騎士団長、”断罪”のシルフィア・ルーハンス………我が忠誠に従い、我が主の剣となり、主に仇名す者達を討つ。」

2人はそれぞれ膨大な闘気を解放しながら静かに呟き

「「いざ――――尋常に勝負!」」

同時にお互いが相手する者に向かって突撃し、他の者達も続くようにそれぞれの相手との戦闘を開始した!



今ここに!聖騎士達の誇り高き一騎打ちの戦いが始まった………!


 
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