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第二幕その十一
「誰だってそうなるわよ」
「だからじゃ」
「あたしにくれるの」
「好きなだけ食べてじゃ」
その大好きな干した鳥肉をというのです。
「笑顔になるのじゃ」
「それじゃあね」
「これもですよね」
「遊びじゃ」
王様は王子にも応えました。
「こうして人の笑顔を見ることもじゃ」
「遊びですね」
「遊んでいて気付いた」
「人の笑顔を見ることも」
「遊びでじゃ」
そしてというのです。
「その中でも最高のものじゃ」
「そういうことですね」
「では楽しもう」
「はい、今から」
「エリカにも美味しいものを食べてもらってな」
「じゃああたしはね」
何も食べる必要のないガラスの猫はといいますと。
「どうなるのかしら」
「御前さんにはこれじゃ」
王様はガラスの猫には丸いボールを出しました。
「これで遊ぶといい」
「あら、これはいいプレゼントね」
「そうじゃな」
「これが一番いいわ」
ガラスの猫の一番好きなおもちゃです。
「転がして遊べるから」
「ではじゃな」
「ええ、有り難う」
こう笑顔で応えたガラスの猫でした。
「心遣い感謝するわ」
「ほっほっほ、では遊ぶのじゃ」
「是非ね」
「遠慮は無用じゃ」
「そうさせてもらうわね」
「うむ、遊ぶことはな」
何と言ってもと言う王様でした。
「人生最大の勉強じゃ」
「遊びは勉強なの」
「何かと楽しめてわかるからのう」
「だから勉強だっていうのね」
「そうじゃ、皆で楽しんでな」
そしてというのです。
「勉強するのじゃ」
「そういえばこの王様は」
ガラスの猫は王様の言葉を聞いてです、王様をあらためて見つつ言いました。
「意外と以上に賢者よね」
「意外とか」
「そう、ぱっと見では只の遊び人だけれど」
「それがか」
「そう、色々とわかっているね」
まさにというのです。
「賢者よ」
「わしのことがわかったか」
「そこでそう言うのがね」
どうにもと言ったガラスの猫でした。
「幾分マイナスだけれどね」
「しかしじゃな」
「王様は確かに賢者よ」
「それは間違いないのじゃな」
「ええ、そのことは確かよ」
「遊び好きの賢者」
王子も王様を見つつ言います。
「それもいいかも知れないね」
「そうね、じゃあここで遊びながら」
ジュリアはその王子に応えます。
「カルロス達を待つのね」
「あの子達の状況はいつも見ているから」
オズマは手鏡を出してそれでカルロス達の状況を見守っています、王宮にあるあの鏡の小さなものみたいです。
「安心してね」
「何かあれば」
「すぐに私が行くから」
そうしてカルロス達を助けるというのです。
「大丈夫よ」
「まずは自分達で、ですね」
「ここに来てもらいたいから」
「すぐに来られますしね」
カルロス達が今いる場所からこの宮殿まで、です。
「ここは、ですね」
「あの子達を待つわ」
「わかりました、それじゃあ」
「あの子達が来るまでね」
「待つんですね」
「そうしましょう」
こう言ってです、オズマ達はカルロス達を待つことにしました。宮殿の中でリンキティンク王達と一緒に遊びながら。
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