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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

作者:sorano
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第50話

その後バリアハートに到着したリィンは同行メンバーにエマ、マキアス、フィー、ユーシス、エリス、サラ教官を選んだ後プリネ達が待つクロイツェン州統括領主の城館に向かい、門番の兵士達に用向きを告げるとプリネ達がいる執務室に案内された。



~バリアハート・クロイツェン州統括領主の城館・執務室~



「―――プリネ皇女殿下!”トールズ士官学院”の方々がお見えになっています!」

「入れてあげてください。」

「ハッ!」

リィン達が執務室に入るとプリネとツーヤにレーヴェ、そしてエリゼとレン、エヴリーヌがリィン達を迎えた。



「うふふ、久しぶりね、”Ⅶ組”のみんな♪」

「―――おひさしぶりです。兄様達が無事に”戦争回避条約”通り内戦を終結させて何よりです。」

「久しぶりだね、みんな。」

「え………」

「エリゼ!?どうしてここに……!?」

「それに”殲滅天使”まで……まさかとは思うけどわたし達が戦争を回避できたことに難癖をつけに来たの?」

「フィ、フィーちゃん。」

エリゼの姿を見たエリスは呆け、リィンは驚き、警戒の表情でレンを見つめるフィーの言葉を聞いたエマは冷や汗をかいた。



「や~ね♪ここはメンフィル領となったクロイツェン州の統括領主の館なんだから、臨時領主のレンがいて当然じゃない♪」

「た、確かにそうなのですが………」

「………………」

レンの答えを聞いたマキアスは複雑そうな表情で黙り込んでいるユーシスを気にしながらレンを見つめた。

「プリネ達と”殲滅天使”はこの場にいるのは当然として……何でエヴリーヌとエリゼがここにいるのかしら?もしかしてあたし達を出迎える為にわざわざエリゼとエヴリーヌをこの場に呼んだのかしら?」

「フフ、それもありますがあたし達もようやく皆さんに合流できるようになりましたから、エヴリーヌさんもこの場に呼んだのです。」

サラ教官の問いかけを聞いたツーヤは微笑みながら答えた。



「え……ほ、本当か、それは!?」

ツーヤの答えを聞いて仲間達と共に血相を変えたリィンは明るい表情でプリネ達に尋ねた。

「はい。”戦争回避条約”の猶予期間を皆さんが守った事でメンフィル・クロスベル連合もエレボニア侵攻を中止したので、お父様に皆さんの力になる事に許可を求めた際に許可を貰えましたので。」

「まあ、”鋼の聖女”どころか”鉄機隊”の協力も取り付けた今のお前達にとって俺達の力等微々たるものだと思うがな。」

「なにおかしなこと言ってんの?大した事ないのはお前だけだし。」

「エ、エヴリーヌさん。」

プリネの後に答えたレーヴェの話を聞いてレーヴェを睨んで指摘するエヴリーヌを見たツーヤは冷や汗をかいた。



「そうか……!」

「フフ、カレイジャスに待機しているメンバーもあんた達の加入を聞いたらみんな喜ぶでしょうね。」

「ようやくこれで先輩以外のⅦ組のメンバーが全員揃ったな…………!」

「やれやれ。期限を守れる目途もついていたんだから、それくらいの時期から力を貸してくれてもよかったんじゃないの?」

「セ、セリーヌ。」

「これでわたし達の勝率は更に上がったね。」

「フン、元々俺達が勝つのは当然だろうが。」

一方プリネ達の加入にリィンやサラ教官、マキアスは明るい表情をし、溜息を吐いたセリーヌの言葉を聞いたエマは冷や汗をかき、フィーの推測を聞いたユーシスは静かな笑みを浮かべて指摘した。



「えっと……姉様は何故この場にいるのでしょう?」

「メンフィル・クロスベル連合がエレボニア侵攻を中止した話を聞いてリフィアに兄様達の”協力者”になりたい事を頼んだら許可が貰えたから、急いでこっちに来たのよ。」

「ええっ!?じゃ、じゃあエリゼさんもパント卿達同様私達の”協力者”になってくれるのですか……!?」

エリスの質問に答えたエリゼの話に驚いたエマは信じられない表情でエリゼを見つめ

「はい。大変遅くなりましたが、今後は私も皆さんの御力になりたいと思っています。どうか私も皆さんの仲間に加えて頂けないでしょうか?」

エリゼはリィン達を見回して加入の許可を求めた。



「エリゼ……ハハ、そんな事わざわざ聞かなくてもいいだろう?」

「フフ、あのカシウスさんやアリオスさんと同じ”剣聖”の称号を持つ貴女の力も期待させてもらうわよ。」

「はい。微力ではありますが私も”協力者”として皆さんの力になりますのでよろしくお願いします。」

リィンとサラ教官の歓迎の言葉を聞いたエリゼは軽く会釈をした。

「うふふ、エリゼお姉さん。”ヴァイスリッター”の説明をリィンお兄さん達にしなくていいのかしら?」

「”ヴァイスリッター”……?一体何の事だ……?」

「”ヴァイスリッター”は”白騎士”を意味する言葉だが……」

レンの話が気になったマキアスとユーシスはそれぞれ考え込み始めた。



「要するにエリゼは”騎神”を手に入れたって事。」

「エヴリーヌお姉様……」

「過程も説明せずに、結果だけを説明しないで下さいよ……」

「それ以前にヴァイスリッターは正確に言えば”騎神”ではないぞ。」

エヴリーヌの答えを聞いたプリネとツーヤ、レーヴェは呆れた表情をし

「な―――――」

「ね、姉様が兄様と同じ”騎神”を……!?」

「ハアッ!?”ヴァイスリッター”なんて名前の”騎神”は存在しないわよ!?」

「そ、それ以前にエリゼさんは”起動者(ライザー)”ではありませんよ……!?」

仲間達と共に血相を変えたリィンは絶句し、エリスは信じられない表情をし、セリーヌとエマはそれぞれ驚きの表情で声を上げた。そしてプリネ達はエリゼが手に入れた”神機”―――ヴァイスリッターの説明をした。



「け、”結社”が開発した人形兵器の”起動者”になったって……!」

「何なのよ、その超展開は……」

「”起動者”になった時の状況が”騎神”の”起動者”と似ているのが気になるわよね……?」

「ええ……その”神機”とやらが”騎神”と何か関連性があるのかもしれないわね。」

事情を聞き終えたマキアスは信じられない表情をし、サラ教官は疲れた表情をし、セリーヌとエマはそれぞれ真剣な表情で考え込み

「フッ、油断をしていればその内剣の腕前どころか”起動者”としての腕前も追い抜かれるのではないか?」

「ん、確かにその可能性は高いかも。エリゼだし。」

「ハ、ハハ…………で、でもさすがに得物である”太刀”は持っていないだろう?」

からかいの表情をしているユーシスとフィーに見つめられたリィンは大量の冷や汗をかいて苦笑しながらエリゼを見つめて尋ねた。



「えっと、それなのですが……」

「うふふ、実は”ヴァイスリッター”の事を知ったお姉様が大変喜んでね。それで”起動者”であるエリゼお姉さんがリィンお兄さんみたいに存分に”ヴァイスリッター”の力を引き出す為にウィルお兄さんに頼んで”ゼムリアストーン製の太刀”を創ってもらったのよ♪」

そしてエリゼが答えを濁しているとレンが笑顔で驚愕の事実を答えた。

「……………………」

「ええっ!?ゼ、”ゼムリアストーン製の太刀”を!?」

「しかもそれを作ったのがあの”匠王”とはな……」

レンの話を聞いたリィンは石化したかのように固まり、エリスは驚き、ユーシスは真剣な表情で呟いた。

「というか大量のゼムリアストーンをどこで手に入れたのよ……幾らメンフィルと言えど、大量のゼムリアストーンをそんな短期間で集められないでしょうに。」

「うふふ、みんなみたいにわざわざゼムリアストーンの結晶を探さなくてもクロスベルには”ゼムリアストーン製のスクラップ”があるじゃない♪」

「ゼ、”ゼムリアストーン製のスクラップ”ですか……?」

「しかもクロスベルにそれがあるだと……?」

サラ教官の質問に答えたレンの話を聞いたエリスは戸惑い、ユーシスは真剣な表情で考え込んだ。



「!まさか……破壊したオルディーネの残骸やオルディーネの得物である双刃剣を使ったんですか!?」

「あ………」

「…………なるほどね。オルディーネの得物の双刃剣もそうだし、”騎神”は”ゼムリアストーン”でできているから代用できるわね。」

一方ある事を察したリィンの推測を聞いたエマは辛そうな表情をし、セリーヌは複雑そうな表情で呟いた。

「大正解♪どうせ破棄する物なのだから、レン達が”再利用(リサイクル)”してあげたのよ♪ゴミの収集で”廃品回収”ってあるでしょう?あれと同じようなものよ♪」

「―――悪趣味だね。クロウに対する嫌がらせとしてそんな事をしたとしか思えないね。」

「お、おい、フィー。」

レンの答えを聞いてジト目でレンを見つめるフィーの言葉を聞いたマキアスは冷や汗をかいた。



「……ッ……!クロウはその事を知っているんですか……?」

「兄様…………」

「………………」

唇を噛みしめて辛そうな表情でレンに問いかけるリィンをエリスは心配そうな表情で見つめ、エリゼは目を伏せて黙り込んでいた。

「うふふ、逆に聞くけど行方不明になった相手に知らせる事ができる訳ないでしょう?」

そしてレンはリィン達にとって驚愕の事実を伝えた。


「……ぇ…………」

「ゆ、”行方不明”になったって……!」

「クロスベル解放の際にクロウさんはクロスベルを解放する勢力に捕えられたと聞いていますが……」

「まさか……拘置所にいるクロウを秘密裏に殺したの!?」

クロウが行方不明という驚愕の事実にリィンは呆け、マキアスは信じられない表情をし、エマは戸惑いの表情をし、ある事を察したサラ教官は怒りの表情で尋ねた。



「―――勘違いするな。奴は今も生きている。」

「レンさん、お願いですから紛らわしい言い方はやめてくださいよ……」

レーヴェは静かな表情で答え、ツーヤは疲れた表情でレンに指摘し

「まあ、行方不明なのはあっているけどね。そうでしょう、プリネ?」

「それは………………」

エヴリーヌに問いかけられたプリネは複雑そうな表情で黙り込んでいた。



「一体どういう事だ?奴はクロスベル解放の際に囚われの身となり、クロスベルの拘置所に放り込まれたのではないのか?」

「もしかして脱獄したの?」

「……ええ。実はクロチルダさんの投降もその件が関係しているのです。」

ユーシスの質問に続くように質問したフィーの言葉に頷いたプリネは説明を続けた。

「え……ね、姉さんがですか!?」

「あのバンダナ男が脱獄したからって、何でヴィータがメンフィル軍に”投降”するのよ……訳がわからなくなってきたわ。」

「しかもクロウが脱獄したって……!それは本当なのか!?」

プリネの話を聞いたエマは信じられない表情をし、セリーヌは疲れた表情で溜息を吐き、リィンは血相を変えて尋ねた。



「はい。実は昨日の皆さんによるトリスタ奪還作戦が行われていた頃にクロスベル郊外にある拘置所―――”ノックス拘置所”が襲撃を受けまして。その襲撃の最中にクロウ・アームブラストは脱獄したとの事です。」

「何ですって!?今の状況で一体どこの勢力がノックス拘置所を襲撃したのよ!?」

「それにどうしてわざわざ拘置所を襲撃したのでしょう……?」

エリゼの話を聞いたサラ教官は血相を変え、エリスは不安そうな表情で尋ねた。

「うふふ、みんなが探している人物の仕業と言った方がいいかもしれないわね♪」

「ぼ、僕達が探している人物の仕業……?」

「まさかとは思うがカイエン公――――姿を消した残りの貴族連合の仕業なのか?」

意味ありげな笑みを浮かべたレンの話を聞いたマキアスは戸惑い、ユーシスは真剣な表情でプリネを見つめて尋ねた。

「……その件についてはクロウさんが脱獄する所を実際に見たクロチルダさんが説明した方が早いと思いますので、今から呼びます。」

そしてプリネの手配によって、クロチルダが兵士達に連れて来られた。



「フフ、久しぶりね……」

「姉さん……!よかった、無事で……!」

「……………前に会った時とは比べものにならないくらい意気消沈しているわね……”鋼の聖女”の推測通り、”結社”が崩壊したからかしら?」

「恐らくそれも要因の一つだろうな。」

兵士達に連れて来られたクロチルダが寂しげな笑みを浮かべてリィン達を見つめ、クロチルダの無事な様子を見たエマは安堵の表情をし、セリーヌは複雑そうな表情でクロチルダを見つめ、セリーヌの言葉にレーヴェは静かな表情で頷いた。

「ご苦労様です。貴方達は持ち場に戻って下さい。」

「ハッ!」

ツーヤの指示によって兵士達が退出するとクロチルダはリィン達に近づいた後エリスを見つめ、そして何と頭を深く下げた。



「え…………」

「ね、姉さん!?突然何を……!?」

「………………」

クロチルダの突然の行動にエリスは呆け、エマは驚き、セリーヌは信じられない表情でクロチルダを見つめていた。

「エリス……今更かもしれないけど、貴女を誘拐してリィン君や家族と離れ離れにさせてしまった上カレル離宮に幽閉してしまった事……本当にごめんなさい……クロスベルに落ち延びて今までの事を思い返せば、”一般人”の貴女に手を出すなんて、自分が余りにも愚かな事をしてしまったという事に痛感したわ……」

「クロチルダさん……」

「フン、メンフィルの”報復”を受けなければそんな事も思わなかったでしょうに。」

「セ、セリーヌ。反省している姉さんに追い打ちするのは幾ら何でもどうかと思うわよ?」

「ま、その猫の言う通りエヴリーヌ達―――メンフィルに目を付けられたのが運の付きだね。」

「エヴリーヌさんもこれ以上追い打ちするような事を言わないでくださいよ……」

クロチルダに謝罪されたエリスが驚いている中、鼻を鳴らして目を細めるセリーヌとセリーヌの意見に同意するエヴリーヌにエマとツーヤはそれぞれ疲れた表情で指摘した。



「リィン君も本当にごめんなさい……可能であれば”嵐の剣神”との約束とか関係なく、今後私は生涯”シュバルツァー家”に対して自分の罪を償うつもりよ……」

「え……何故そこでセリカ殿の話が出て来るのですか?」

クロチルダの口から出た意外な人物を知ったリィンは目を丸くして尋ねた。そしてクロチルダは”月の僧院”での出来事を説明した。

「オルディーネが”嵐の剣神”に四肢のほとんどを破壊された上、クロウの片腕を斬られたですって!?」

「生身であのオルディーネを圧倒するとはな……―――”神殺し”の異名は伊達ではないという事か。」

(……セリカ…………)

事情を聞き終えたサラ教官は血相を変え、ユーシスは重々しい様子を纏って呟き、アイドスは複雑そうな表情をし

「あれ?でもクロスベル解放の際にオルディーネが阻んだ話を聞いた事もあるけどおかしくない?確か”結界”を解除した翌日にクロスベル解放作戦が行われたんでしょ?なのに何でそんなに早くオルディーネが直っているの?」

疑問を持っていたフィーは不思議そうな表情で尋ねた。そしてプリネ達とクロチルダはキーアの正体も含めて事情を説明した。



「………………」

「い、”因果”を操作する”至宝”って……!何だその非常識過ぎる話は!?」

「しかも”IBC”のクロイス家が関わっていただと!?」

「しょ、正直夢物語としか思えないくらい信じられない話です……」

「……なるほどね。”嵐の剣神”達やメンフィルが”クロイス家”を警戒していた理由がようやくわかったわ。」

「それに”空の女神”達すらも力を貸す程の戦力過剰すぎるメンバーが集まって、あの”碧の大樹”をどうにかしようとした理由もこれでわかったね。」

「ええ。さすがに”歴史”をも変えかねない所業は見逃せなかったのでしょうね。」

「下手をすれば自分達の存在すらも消されるかもしれないものね……」

説明を聞き終えたリィンは口をパクパクし、マキアスとユーシス、エリスは信じられない表情で声をあげ、サラ教官やフィーの言葉にセリーヌとエマは重々しい様子を纏って頷き

(……なるほどね。その”因果”の操作によって私はこの時代に蘇る事ができたのね……)

(もしかして私が並行世界の未来に飛ばされたのも……)

(恐らくは因果の操作によるものでしょうね。)

(貴女は複雑かしら?因果の操作がなかったら恐らくゼムリア大陸はディル=リフィーナと繋がっていないでしょうから、当然メンフィルは本来なら存在していないから多分貴女も生きていたと思うし。)

(……正直わかりません。ですが今こうしてマスターの傍にいれる事は以前の私の生活と比べれば”幸福”に満ちている事は確かです。)

アイドスは納得した様子で呟き、メサイアの推測にリザイラが頷いている中、ベルフェゴールに尋ねられたアルティナは静かな表情で答えた。



「それでクロチルダさん、セリカ殿に斬られたクロウの片腕はそのキーアという人に……?」

「ええ、その時にオルディーネと一緒に治してもらったから元通りになっているわ。」

「失った腕をも元通りにするなんて、まさに”奇蹟”の所業ですね……」

リィンの質問に答えたクロチルダの話を聞いたエリスは驚きの表情で呟いた。

「しかし未だに理解できんのが”神殺し”がアームブラストを見逃す際に提示した”条件”だな。」

「そうね……エリゼさんは何か聞いていますか?」

レーヴェの話に頷いたプリネはエリゼに視線を向けた。



「エクリア様によると、私はセリカ様にとって”第一使徒”にあたるエクリア様の”弟子”同然の立場である為セリカ様はエクリア様の”主の義理”として果たしたとの事です。それと後はアイドス様に苦言を言われない為とも申していたとの事です。」

「前者はわかるけど、後者は意味不明だろう…………」

「もしかして”嵐の剣神”ってリィンと同じ超シスコンなのかな?」

「何でそこで俺が出て来るんだよ……」

エリゼの話を聞いてリィン達と共に冷や汗をかいたマキアスは疲れた表情をし、フィーが呟いた言葉を聞いたリィンは呆れた表情で指摘した。



「違うと思うよ。セリカの場合、サティア――――アストライアが深く関係する人物達に対して甘いだけだし。」

「まあ間違ってはいないですけどね………」

「うふふ、実際エステルに対しては滅茶苦茶甘いものね♪」

エヴリーヌの指摘を聞いたツーヤは苦笑し、レンはからかいの表情で呟いた。

「……それで?その娘達の話だとあのバンダナ男がクロスベルの拘置所から脱獄したらしいけど、あのバンダナ男の脱獄とアンタの投降がどう関係あるのかしら?」

「あ…………」

セリーヌの質問を聞いたエマは辛そうな表情でクロチルダを見つめ

「……彼らはクロウの脱獄について、どのくらいの事を知っているのかしら?」

少しの間黙り込んでいたクロチルダはプリネ達に尋ねた。

「―――昨日ノックス拘置所が襲撃され、アームブラストがその混乱に乗じて脱獄した事だけだ。」

「どこの勢力が襲撃した事等は実際にそれを見たクロチルダさんが説明した方が早いと思い、この場に来てもらったのです。」

「そう………………実は――――」

レーヴェとプリネの話を聞いたクロチルダは考え込んだ後リィン達に昨日起きたノックス拘置所の襲撃の犯人がヨアヒムの仕業である事や更にクロウがヨアヒムと手を組んだ事を説明した。 
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