FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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フェイス・・・起動
前書き
眠いよぉ(-_\)
シリル「俺は現在進行形で寝てるよ」
羨ましい・・・俺も今すぐ眠りたいよぉ・・・
シリル「それは叶わぬ夢だね、頑張って」
うぉっ!!シリルに言われてテンション上がった!!
シリル「作者も俺のことなんだと思ってるの!?」
第三者side
「ゲヘ、ゲヘ、ゲヘヘヘ!!」
響き渡る不気味な笑い声。冥府の門ギルド内にある制御室では、一人の老人と悪魔が巨大な球体の前でフェイス計画のための作業を着々と進めていた。
「元議長様?ジェラールの行方はわかりそうですかな?」
「待て!!今は集中しとるんじゃ!!」
けしかけるフランマルスに怒鳴りながらモニターを叩くのは、シリル、エルザ、ミラが冥府の門に捕まる原因となったクロフォード。
「集中」
指をピコピコさせて意識を集中させるクロフォード。彼はそう言うと、再び作業へと戻っていく。
「ワシの超古文書をリアルタイムリンクさせ、大陸中の魔導士を検索しとる最中じゃ」
フェイスの鍵となっている三人の元評議院の一人、ジェラール・フェルナンデス。彼以外の二人の元評議院が殺されてしまった今、冥府の門は彼一人を見つけることに集中できる状態なのである。
「ジェラールさえ殺せばフェイスが起動できるのです!!その力はおいくらか!?おいくらか!?」
「必ず見つけ出してくれるわい」
躍起になってジェラールを探す二人。現在キョウカがエルザから彼の情報を聞き出そうとしているが、なかなか口を割らないため、元議長にすべてを託している格好なのである。しかし、エルザはジェラールの居場所を本当に知らないため、答えたくとも答えられないのが現実なのだが、キョウカはそれに気付かない。いや、気付いているが、彼女をいたぶるのが楽しくて、続けているだけなのかも知れないが。
「どうだ?そっちの成果は」
忙しなく手を動かしている元議長とそれを見ているフランマルス。彼らのいる部屋に、先程までラミーとシリルたちを観察していたノーランが入ってくる。
「これはこれはノーラン様。今元議長様がジェラールの居場所を探しているところですよ」
「キョウカがエルザで遊んでるからな。あんたしか頼れる奴はいないわけだ」
薄々キョウカが情報を引き出すよりも人間の女で遊びたいと思っていることを彼はわかっていた。なので、唯一の頼りである元議長の様子を見に来たのである。
「それはそうと、あなたもあの子供を使った実験は、うまくいってるのですかな?」
「さぁ・・・何とも言えないな」
ノーランはラミーに指示を出し、シリルにあることを行っている。しかし、それが成功するか否か、それは本人にすらわからない。
「ん!?」
二人が何気ないことを話していると、部屋に発信音のようなものが響き渡る。
「おお?元議長様?どうしたんです?」
「何か進展があったか?」
「黙れ!!黙れ黙れ!!」
すぐさま元議長の横に立ち並ぶフランマルスとノーラン。元議長クロフォードは、彼らのその声が気になっているらしく、静かにさせようとそう言う。
「来たのか?ついに」
「ジェラールが見付かったんですか!?」
「いいから黙っておれ!!」
画面に食い入るノーランと興奮しているフランマルス。そして、自身の超古文書によって映し出されている画面をじっと見つめているクロフォード。
「ジェラールが見つかったのですか!?」
「それ以上のことだ」
「それ以上・・・だと?」
フランマルスの問いに笑みを浮かべて答えるクロフォード。彼のいうことがわからず、ノーランは眉を潜める。
クロフォードは動かしていた手を止めると、席から立ち上がり階段を降りていく。二人の悪魔は、彼の後をついて先程のことについて問い質す。
「ねぇ元議長様。ジェラールが見つかったのですかな!?」
「それ以上のことって、どういうことだ?」
興味津々のフランマルスとノーラン。それに、クロフォードは得意気な表情で答える。
「言葉通りの意味じゃ。鍵の譲渡に成功したんじゃ!!我が超古文書によって!!」
「「・・・は?」」
意味がわからず微妙な表情のフランマルスとノーラン。しかし、彼らのその顔を見ても、クロフォードは得意気な表情を崩すことなくいる。
「つまりじゃな、ジェラールの持っている鍵が、ワシの権利になった!!」
「議長様に!?」
「そうじゃ。同じ原理を利用して、適当な奴に鍵を譲渡すれば、そいつを殺して封印が解ける!!」
自らの魔法、超古文書を用いて絵を見せながら二人に説明するクロフォード。しかし、この二人は半信半疑だった。
「適当な奴・・・ていうと?」
「そんなの誰でもいい!!捕まえた妖精の誰かでいい!!」
ノーランの問いに強い口調で答えるクロフォード。それを見たフランマルスが、口を開く。
「ちょちょちょちょ!!ちょっと待ってくださいよ?今最後の鍵が、議長様になってるということですかな?」
「だからそう言ってるだろ!!こんな方法があったとは・・・我ながら超古文書の力は凄まじい!!これでフェイスの封印が解けるぞぉ!!世界は我々のものだぁ!」
両手を広げて高らかにそう言う元議長を見ても、二人の疑問は解けない。その理由は、今までの鍵の情報についてのことがあったからだ。
「ええ?あれほど厳重に隠蔽されてた鍵が、こうもあっさり譲渡されるとは、信じ難いですな」
「それが元議長の力と権限じゃ」
「その話・・・本当か?」
「ホントも何も、それがワシのスーパ―――」
嘘なのではないかとカマをかける二人に胸を張って答える元議長。その老人の体から、血が吹き出す。
「ではこれで、封印が解けるというわけか」
「ば・・・はば・・・」
血が吹き出した理由は、キョウカが彼の体を貫いたためであった。心臓を一突きにされたクロフォードは、口からも血を吐き、床に崩れ落ちる。それと同時に、ギルドが大きく揺れた。
「あらららら?」
「すごい振動だ」
「冥界島も反応している。フェイスの封印が解かれた」
クロフォードの言葉は本当であった。確かにジェラールが持っていた鍵は彼の手に渡っていた。しかし、そのために彼は・・・仲間に裏切られ、切り捨てられたのであった。
「すごい反応だな」
「間違いありません!!フェイスの反応が解かれたのです!!」
凄まじい振動に立っていることもままならないキョウカと柱にしがみつき堪えているフランマルス。そんな中、ノーランはいち早く魔水晶ビジョンの前に行き、あることの確認を行っている。
「ノーラン、座標は?」
「出現予想地点からは程遠いな」
ノーランが確認していたこと。それは、フェイスが出現した地点を確認することだった。
「構わん。起動させろ」
「??なんだこりゃ」
キョウカの指示に従い、フェイスを起動させようとしたノーラン。しかし、彼は画面を操作しながら困惑の表情を浮かべる。
「どうしました?ノーラン様」
「これ、お前できる?」
「むむ?」
フランマルスとノーランが立ち位置を入れ換える。フランマルスが操作を開始した頃、冥界島の揺れが収まった。
「お!振動が収まりましたな」
「では今のうちに起動を」
落ち着きを取り戻した城内。その隙にフェイスを起動させようと試みるが、フランマルスは一つしかない目を細め、眉間にシワを寄せる。
「んん・・・ここからでは無理ですな」
「なんだと?」
「やっぱり・・・」
フランマルスの言葉がどういうことなのか、わからないキョウカはそちらに歩み寄る。その後ろにいるノーランは、自身が先程まで見ていた画面の文字を思い出し納得していた。
「いやいやいや、遠隔操作は不可能。フェイスは手動でしか起動できなくなっております。まぁ正確には、元議長様なら遠隔操作ができたのですがね。ゲヘヘヘヘヘ」
ここからフェイスを起動させる権限を持っているのは元議長のみ。しかし、その人物は封印を解くために殺してしまったため、冥府の門はそれを動かす権限を失ってしまったのである。
「此方としたことが・・・早まったか・・・仕方あるまい、誰かを向かわせるか」
「エゼル辺りに行かせるか?やらせろってうるさそうだしな」
「よし、ならばそう伝えてこい」
「オッケ」
駆け足でその場を去っていくノーラン。彼と入れ替わりで、制御室に一人の女性が入ってくる。
「また妖精の尻尾に邪魔されなければよいのですがね」
「その点はご安心を。まもなくですわ。妖精の物語が終わりを告げる時が来ます」
そう言ったのは、人間の女性のような風貌をし、頭から角が生えている悪魔、セイラだった。彼女は元評議院の自宅でエルフマンを操り、リサーナを人質として彼にある命令を出した。それがまもなく、実を結ぶこととなる時間なのであった。
「ファッファッファッファッファッファッファッ。
どうしましょ、今の振動で生まれちゃったらどうしましょ」
そう言ってたくさんのケースの間の通路で飛び回っているのは、ノーランと会話をしていたウサ耳をしたラミーだった。
「な~んて心配は・・・無用!!」
お花畑を駆け回る少女のような動きから突然目をカッと見開いた真面目な顔になったラミー。そのギャップに、後ろにいる者はついていけずにいた。
「だってもう再生してるじゃないのん。ファッファッファッファッファッ」
「お前、ホンマやかましいやっちゃなぁ」
ラミーのハイテンションにそう言ったのは、ナツとミケロ老師の自宅で戦闘を繰り広げた人物、ジャッカルだった。
「だってジャッカルが治ってくれて嬉しいんだもぉん」
「気色悪いわ近づくなや」
彼に寄り添い頬を擦り擦りさせるラミー。しかし、ジャッカルの頭の中はそれどころではなかった。
「あの火の玉と青猫だけは許さへんで・・・必ずぶち殺したる」
「怒った顔も素敵!!生まれそう!!」
「やかましいわ!!」
ガシャ
「「!!」」
ジャッカルとラミーが会話をしていると、別の方向から足音が聞こえてくる。二人がそちらを見ると、そこには一人の女性がこちらに歩いてきているのが見えた。
「ん?誰やお前」
「あ、忘れてた。テヘ♪」
舌を出してドジッ娘っぽくポーズを決めているラミー。二人の視線の先にいたのは、包帯を見に纏い、隻眼のように右目が黒くつぶれている、ミネルバだった。
「これが・・・魔・・・力がみなぎっておる」
「キョウカ姉さんが捕まえてきた、ミネルバとかいう元人間。てか私、女には本格的に興味ないんで」
ピンと立っていた耳が垂れ下がり、興味のなさを示しているラミー。しかし、ジャッカルは新たな仲間ということで、歓迎しているようであった。
「ファッファッファッ。さてさて、この子の方はどこまで行ってるかな?」
クルクル回りながらシリルが入れられているケースの前にやって来るラミー。そのシリルの体には、ある異変が起こり始めていた。
「お?模様が出てきた」
十字架にかけられたような姿勢になっているシリル。彼の右腕に、うっすらとではあるが、黒い紋章のようなものが浮かび上がってきていた。
「このペースなら、あと三時間くらいで終わるかなぁ?ファッファッファッファッ」
またクルクルと回りながら場所を移動するラミー。次に彼女が来たのは、シリルと共に捕らえられているミラの元だった。
「こっちもそろそろ改造しちゃおっかな♪ミラとか言ったけ?かわいい顔しやがって。あんたはこの世で一番醜い芋虫に改造してやるよ」
顔立ちが整っているミラを見て、睨むような顔でそう言うラミー。囚われたミラに、危険が迫っていた。
その頃、妖精の尻尾のギルド内では、ある進展が起きていた。
「敵の場所が特定できた!!見つけた!!」
「「「「「オオッ!!」」」」」
ハッピーの情報を元に冥府の門の本拠地の位置を計算していたレビィ。彼女はついに、その居場所を突き止めたのであった。
「さすがレビィちゃん!!」
「よくやった!!」
称賛の声をかけるルーシィとマカロフ。他のギルドのメンバーも同様に声をかけている。解読したレビィは眼鏡を外すと、天井を指さす。
「真上」
「え?」
「真上にいる」
「なんじゃと?」
レビィが計算して出てきた場所。それは、彼らが今いるその場所の真上だったのだ。
「この真上に奴等が?」
「間違いない。ハッピーが脱出した時は、ボスコ国境付近にいた。速度と方向から推測して、今はマグノリアの上空」
計算の説明を行うレビィ。それを聞いた妖精の尻尾のメンバーたちは、やる気に満ち溢れていた。
「向こうから来やがったか」
「ナツたちを助けにいこう!!」
「あい!!」
「シリルを助け出すのよ」
「わかってるよ~!!」
「私も!!頑張る!!」
仲間を捕らえられていることで、その仲間たちを助け出すために気合いを入れていく。
「いくぞぉ!!」
「「「「「オオッ!!」」」」」
マカロフの掛け声で外に向かう準備をする魔導士たち。しかし、その瞬間、エルフマンが休息のために向かった部屋の方向から、光がハッピーたちを照らし出す。
「あ・・・」
その光の方向を向いたハッピー。彼が振り向いたその直後、
妖精の尻尾は爆発した。
後書き
いかがだったでしょうか。
シリルがされている実験はおおよそ皆さんお分かりだと思います。
次からは冥府の門との抗争に入っていくと思います。
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