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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第77話


~バレスタイン城・時計塔・最上階広間~



「そこだあっ!!」

戦闘が開始されるとチェスターが先制攻撃代わりにクラフト――オーラストライクでアドルに襲いかかった!

「!!」

攻撃に気づいたアドルは回避し

「せいっ!!」

チェスターの側面からクラフト――ソニックウェイヴを放った!

「甘い!!」

しかし攻撃に気づいたチェスターはクラフト――ファントムダッシュで回避し

「フッ!!」

さらにアドルに突進しながらクラフト――ダガースロウを放った!

「ハッ!!」

自分に襲いかかるダガーをアドルは剣を振るって払い落としたが

「ハアッ!!」

「グッ!?」

チェスターが放ったクラフト――デモンスラストは回避できず、ダメージを受けた!

「ハッ、セイッ、ハアッ!!」

そしてアドルが怯んでいる隙にチェスターは両手の武器で次々と攻撃を仕掛けた!

「…………!!」

攻撃を仕掛けられたアドルは剣や盾で攻撃を受け流し、反撃の隙を伺い

「そこだっ!!」

「!!」

チェスターがクラフト――クロスブレイドで攻撃を仕掛けた際、チェスターの側面に回って回避をし

「セイッ、セイッ、ハアッ!!」

クラフト――回転乱舞で反撃をした!



「チッ………!」

攻撃に気づいたチェスターは舌打ちをして自分の武器で防御し

「ビートダウン!!」

「ハァァァァァァッ!!」

アドルの連続攻撃に対し、チェスターは2つの剣で次々と捌いた!

「ハッ!まだだっ!!」

「ガッ!?」

しかし続けて放ったアドルのクラフト――ダブルライジングを受けてしまい、打ち上げられた!

「……………」

チェスターが打ち上げられた際、アドルは落下してくるチェスターの周囲の地面に剣で五芒星を描き

「星方陣!!」

「グッ!?」

チェスターが落下してきた際、描いた五芒星から衝撃波を放ってダメージを与え、チェスターを怯ませた!

「ソニックスライド!!」

自分の攻撃に怯んだチェスターを見たアドルは再び斬りかかった!

「調子に乗るなぁっ!!」

「うわっ!?」

しかしその時、チェスターはクラフト――オーラバーストを放ってアドルにダメージを与えると共に怯ませ

「邪魔だっ!!」

「ぐっ!?」

続けてクラフト――アヴェンジャーを放ってアドルにダメージを与えると共に吹っ飛ばした!



「ハアッ!!」

そしてチェスターは再びクラフト――オーラストライクで突進し

「!!」

自分に襲いかかる攻撃に気づいたアドルは咄嗟に剣で防御しチェスターと鍔迫り合いの状態になった!

「さすがだね、チェスター………!フェルガナを離れて数年。あれからそれなりの修羅場はくぐって来たけど、君は僕が今まで戦った剣士の中では手強いね……!」

「フッ、まあな。………それにエレナの兄として、あいつを貰うお前にそう簡単に負けてやる訳にはいかないしな………!」

アドルの言葉に対し、チェスターは口元に笑みを浮かべて答え

「………チェスター………その事で一つ聞きたい事があるんだけど………」

チェスターの言葉を聞いたアドルは表情をひきつらせ、冷や汗をかいて尋ねた。

「なんだ?」

「ジェノス島で君と別れた際に言った君の言葉――『エレナを頼む』………あれにはどういう意味が込められていたんだい?」

「言葉通りの意味だ。俺がいなくなった後のあいつを支えてほしいという意味の……な。あいつをお前の伴侶にする気だったのなら、その意味も込めていた………どうやらエレナはお前のお陰で今でも強く生きているようだな………感謝する。」

アドルの疑問の言葉にチェスターは真剣な表情で答え、一瞬だけ強く祈り続けているエレナに視線を向けた後、口元に笑みを浮かべてアドルに視線を向けた。

「僕はそんな大した事はしていないんだけどね…………というかエレナ、故郷(フェルガナ)を出て本気で僕と一緒に旅をしようとしている事には何も思わないのかい?」

「あいつ自ら望んでそうするのなら、それでいい…………それともお前は故郷を捨ててまでお前に付いて行こうとするエレナの思いを無下にする気か?」

アドルの疑問にチェスターは静かに答えた後、わずかに怒気を纏ってアドルを睨んだ。

「……最初は反対だったよ。僕の旅は終わりが見えない果てしなく、危険が多い旅になるしね。………けどエレナの決意は変わらないってわかってしまったからね………そしてエレナに……………愛する女性(フィーナ)を幸せにできなかった僕を『例え私の事を愛していなくても、、愛し続けます。』と言われてしまったからね………そこまでしてくれるエレナの思いを無下にできないさ…………彼女と共に歩む覚悟はとっくにできているさ。」

「………そうか。」

しかし静かに答えた後、わずかに微笑みを見せながら言ったアドルの答えを聞いたチェスターは静かな笑みを浮かべた。

「……なら、エレナを一生守れる強さを俺に見せてみろ、アドル!」

「ああ!」

そして2人はそれぞれ鍔迫り合いをやめて、一旦距離を取り

「行くぞっ!!」

「一気に決める!!」

同時にクラフト――ダブルブーストを使って、それぞれの能力を大幅に上げ、そして!

「これで……終わりだあっ!消し飛べ――ッ!!」

チェスターはSクラフト――アークレイズを放ち

「ソルストライク――――ッ!!」

アドルはアークストライクの強化Sクラフト――――ソルストライクを放った!2人の奥義が同時にぶつかりあった際、すざましい大爆発が連鎖して起こった!そして煙が晴れるとそこには………!



「フッ…………」

戦闘不能になっていながらも満足げな笑みを浮かべたチェスターが地面に膝をついており

「ハア……ハア………グッ!?………」

時折痛む身体を耐えながらもアドルは地面を立っていた!そして透明な障壁は消滅した。

「兄さん、アドルさん………!」

それを見たエレナは2人に駆け寄り

「お疲れ様です、アドルさん。今、回復しますね。」

「ありがとう、フィーナ。」

フィーナはアドルに近づいて治癒魔術をかけ始めた。そして身体全体が光り始めたチェスターはエレナの肩を借りて立ち上がった。

「………さすがだな、アドル………」

「君もね、チェスター。正直、かなり危なかったよ………」

チェスターの称賛の言葉を聞いたアドルは苦笑しながらチェスターを見つめた。そしてチェスターは自分に肩を貸しているエレナに視線を向けた。

「…………すまなかったな、エレナ………お前を独りにして……………」

「……………ううん、いいの………今でもちょっぴり恨んでいるけど………同時にやっぱり私にとって大切な家族だと思ったわ………私に未来への道を教えてくれたんだから…………」

「………………そうか………」

エレナの言葉を聞いたチェスターは静かな笑みを浮かべた後エレナをアドルに押し付けるようにエレナを押した。

「っと。」

エレナを押し付けられアドルはエレナを抱き留め

「に、兄さん?」

抱き留められたエレナは戸惑った表情でチェスターを見つめた。

「エレナ………もうお前には俺は必要ない……今、お前に…………お前の幸せに必要なのはお前が選んだ(アドル)だ。………これからはアドルと共に幸せに生きろ………」

「………兄さん………」

「それと………大人になって、綺麗になったな………兄として誇らしいぞ………こんな形とはいえ……成長したお前に会えてよかった………」

「私も……!」

チェスターに微笑まれたエレナは一筋の涙を流して、チェスターに微笑んだ。そしてチェスターの身体は強く光り出した。

「あ………」

「…………”役目”を終えたドギ達のように君も消えるのか………」

その様子に気づいたエレナは声を上げ、アドルは辛そうな表情でチェスターを見つめた。

「ああ。これでようやく安らかに眠れる……………それに最後にエレナとも会えた………もう、俺に悔いはない………エレナの事を頼む、アドル。………エレナ、幸せにな……………」

「………わかった。」

「……さよなら、兄さん…………」

そしてチェスターは満足気な笑みを浮かべて光と共に消滅した。

「…………………」

チェスターが消滅した場所をエレナはその場で見つめ続け

「エレナさん………」

「エレナ…………」

エレナの様子をフィーナとアドルは心配そうな表情で見守っていた。

「………心配してくれてありがとうございます。私は独りじゃないんですから。」

するとエレナはアドル達に振り返って明るい笑顔を見せた。

「……ああ。………行こうか。あの階段を登れば屋上だ。きっとそこに”守護者”がいるだろう。」

「ええ………行きましょう!」

自分の言葉を聞いて頷いたアドルの提案にエレナは力強く頷いた。その後ケビン達は階段を登った。すると階段を登った先は予想外の風景だった。



~???~



「えっ!?」

「なっ………!」

階段を登り、周囲の景色を見たエレナとアドルは驚き

「………こ、ここは………!」

フィーナは信じられない表情をした。

「?3人共、どないしたん?」

3人の様子を見たケビンは不思議そうな表情で尋ねた。

「それが……ここは私達が知っているバレスタイン城の場所じゃないんです。」

「ああ。本当なら屋上になっているんだけど………」

「!!虚の王都にあった”封印区画”のように空間が歪んでいるっちゅうわけやな……!」

「………それはちと厄介だな………ここに来るまでの仕掛けは内容を知っていた2人がいたから助かったが、ここからはそれが通じないという事か………」

エレナとアドルの答えを聞いたケビンは驚いた後真剣な表情になり、ジンは考え込んだ。

「うふふ、そうかしら?」

「え……」

「どういう事だい?」

しかしその時不意に笑い始めたレンの言葉を聞いたエレナは驚き、アドルはレンに視線を向けて尋ねた。

「……冒険家のお兄さんの恋人はここを知っている様子よ?」

そして尋ねられたレンはフィーナに意味ありげな表情で視線を向けた。

「………それは本当かい、フィーナ?」

レンに続くようにフィーナに視線を向けたアドルは尋ねた。

「………はい。遥か昔、まだ”ダームの塔”と命名されていなかった頃の”塔”の最上階層――”魔核の領域”です。」

「なっ!?……………なるほど………ここからが本当の意味での僕と君の”試練”という訳か………」

そしてフィーナの答えを聞いたアドルは驚いた後、静かに呟いて納得した後、ケビン達に提案した。

「一旦拠点に戻ってメンバーの編成をし直そう。ここからは僕も知らない未知の領域だ。フィーナが知っているとはいえ、フィーナに先行させるのは危険だ。」

「せやな。ここに来るまで疲れたし、休んだほうがええやろ。」

その後ケビン達は拠点に戻ってメンバーを編成しなおし、ケビン、リース、アドル、フィーナ、ヨシュア、レーヴェのメンバーで探索を再開しようとした。

「それじゃあ、フィーナ。道案内を頼むね。君を先行させるのは危険だけど、その代わり僕が君の傍で君を守るよ。」

「はい。お願いします、アドルさん。」

アドルの言葉にフィーナは頷いた後、上を見上げ

(………やっぱり”守護者”は貴女だったのね、ユニカ…………待ってて。もうすぐ、会えるから………!)

辛そうな表情である人物の事を思い出した後、決意の表情になった。



そしてケビン達はアドルとフィーナを先頭に”イース”の”ORIGIN(始まり)”となった塔の探索を開始した……………!







 
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