新説狼と七匹の子山羊
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第一章
新説狼と七匹の子山羊
昔ある場所に夫婦の山羊が住んでいました。夫婦の間には七匹の子供がいて家族全員で仲良く暮らしていました。
ですが最近です、一家にとってよくない噂がありました。
「狼がなの」
「うん、出るらしいんだ」
お父さん山羊は困ったお顔でお母さん山羊にお話しました。
「僕が家にいる間はいいけれど」
「けれどあなたもお仕事があるから」
「お昼はお家にいないしね」
「私がいるけれど」
「子供達はまだ小さくて」
それでというのです。
「学校にも通っていなくてね」
「子供達はね」
「私がお買いものに行っている時ね」
「若し狼がお家に入って来たら」
まさにその時はというのです。
「大変なことになるよ」
「そうよね」
「だからね」
「ええ、子供達にはよく言っておくわ」
お母さん山羊はお父さん山羊に真剣な顔で言いました。
「お母さん達がいない間お外に出たらいけない」
「そう教えておくんだね」
「それにね」
お母さん山羊はさらに言います。
「お父さんやお母さん以外の誰が来ても家を開けたらいけないって」
「そうだね、それがいいね」
「あの子達に教えておくべきね」
「僕もそう思うよ、じゃあ」
「ええ、そうしましょう」
こうしてでした、お母さん山羊は子供達に狼のことを教えました、そして。
子供達にです、強く言うのでした。
「お父さんとお母さんがいない時は誰が来てもお家に入れたら駄目よ」
「狼が来ても」
「それでもだよね」
「そう、足と声を見るのよ」
お家の扉からというのです。
「私達は皆白い山羊でしょ」
「うん、確かに」
「皆白い毛だね」
「お父さんもお母さんも」
「そして僕達も」
「そして声もね」
その声のことも言うのでした。
「お父さんとお母さんの声はわかってるわね」
「うん、いい声だよね」
「お父さんもお母さんもね」
「山羊のいい声だよね」
「その声を覚えておいてね」
そしてというのです。
「他の声は誰も入れたら駄目よ」
「うん、わかったよ」
「僕達お父さんとお母さん以外の誰もお家に入れないよ」
「そしてお父さんとお母さんがいない時はお家にも出ないから」
「安心してね」
子供達も約束しました、こうしてです。
子供達も用心深く狼を警戒してお父さんとお母さんがいない時はお家の中から出ないで誰も入れませんでした。
ですが遂にです、その狼がお家に来ました。ですが。
「誰も入れないよ」
「その足黒いしね」
「しかも声も悪いよ」
「お母さんじゃないね」
「お父さんでもないよ」
子供達はすぐにわかりました。
「狼だ」
「狼は帰れ帰れ」
こう言って中に入れないのでした、ですが。
狼は街に行って小麦粉の粉とチョークを買ってでした。
小麦粉を足に付けてチョークを飲んで足を白くして声もよくしました、そのうえで再び山羊のお家に行ってです。
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