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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第235話

~真・煌魔城~



「え…………」

「貴方達は……!」

突然の援軍の登場にゲルドは呆け、ラウラは目を見開き

「フフ、”エレボニア存亡会議”以来ですね。」

「えええええええええええええ~~~~っ!?あ、貴女は……!」

「ク、ク、クローディア姫!?」

「し、しかもユリア准佐やリシャール所長まで……」

リシャール達と共に現れたクローディア姫に微笑まれたエリオットとマキアスは信じられない表情で声をあげ、トワは驚きの表情でユリア准佐やリシャールを見つめた。



「フフ、セントアークで別れて以来ね、エステル、ヨシュア、ミント。特にエステルとミントはちょっと見ないうちにとんでもない事になったわね。」

「へっ、まさかこんなにも早くお前達がオッサンと同じ”S級”に昇格するとは思わなかったぜ。」

「えへへ……エステルお姉ちゃん、ヨシュアお兄ちゃん、それにミントちゃんも久しぶり!」

「シェラ姉、アガット!」

「それにティータちゃんやジーク君も……!」

「ピューイ♪」

「ヨシュア、久しぶり!」

「よっ、お前達の活躍は俺達の耳にも届いているぜ。」

「どうやらちょうどいいタイミングで遭遇できたみたいだな。」

「ジョゼット………!それにキールさんとドルンさんも……!」

懐かしき仲間達との再会にエステルとミント、ヨシュアは明るい表情をし、ミントの言葉に答えるかのように近くの柱に止まっている白隼―――ジークは嬉しそうに鳴き声を上げた。

「フフ、あたし達の事は覚えているかい?」

「アハハ、ちゃんと覚えているって。―――久しぶり、カルナさん!」

「クルツさんやグラッツさん、それにアネラスさんもお久しぶりです。」

ガンナーの女性に話しかけられたエステルは苦笑しながら答え、ヨシュアは僧兵の姿をした青年達――――リベールに所属する先輩正遊撃士達に懐かしそうな表情で話しかけた。



「へへっ、お前達の武勇伝はリベールまで聞こえていたぜ?」

「アハハ……エステルちゃんだけでなく、ミントちゃんまで”S級”に昇格する事が内定した話を聞いた時は私達も驚いたよ?」

「フフ、だが”リベールの異変”だけでなくクロスベルで起こった”D∴G教団事件”に加えてクロスベル解放、”碧の大樹”の解決、そして今回の事件の解決に貢献した君達ならば”S級”に相応しいと思っているがね。」

「アハハ、褒めすぎだって。どれも成行きで関わって、みんなの力を借りて解決したからあたし達だけで解決した訳じゃないのよ?」

「そうだよね~。ミント達はクルツさん達と違って、まだまだ経験が足りないし。」

先輩遊撃士達の話を聞いたエステルとミントはそれぞれ苦笑し

「またまた~、謙遜しちゃって……ハッ!?ノイちゃんじゃない!こんなにも早くまた会えるなんて、これも女神(エイドス)のお導きだね♪」

謙遜している様子の二人の言葉を聞いた刀を武装している遊撃士――――アネラス・エルフィードは苦笑したがエステル達と一緒にいるノイに気づくと目を輝かせた。

「ヒッ!?ガタガタブルブル……!エイドスのせいで、一番会いたくない人に会ったじゃないの~!」

「フフ、この場合私達の導きという事にもなるのかしら?私達はエイドスの先祖だし。」

「ど、どうだろうね……?」

アネラスに視線を向けられた瞬間ナユタの背中に隠れて体を震わせながらエイドスを睨むノイの様子を見たクレハとナユタはそれぞれ苦笑していた。



「フフ……サラ君とトヴァル君も久しぶりだね。」

「ハハ、そっちもな。」

「もしかしてクルツ達が遊撃士協会が派遣した屋上を目指す精鋭部隊なのかしら?その割にはジンさんやヴェンツェルとか、他のA級正遊撃士達の姿が見えないけど。」

僧兵の姿をした遊撃士―――クルツ・ナルダンに話しかけられたサラ教官はトヴァルと共に懐かしそうな表情をしながら問いかけた。

「そっちの方は別ルートだよ。」

「俺達は精鋭部隊に組み込まれる前にリベール王国から”依頼”されたから、クローディア姫達――――リベールの精鋭部隊に組み込まれていたのさ。まあ、まさかこんなにも早く”本隊”と遭遇するなんて、これも女神(エイドス)のお導きってやつかもしれねぇな。」

「フッ、アネラス君やグラッツ君の言う通り、この再会もまた間違いなく空の女神(エイドス)のお導きだろうね♪そして僕と君の再会もそうだろうね、シェラ君♪」

「あー、はいはい。こんな状況でも、そんな戯言を言う暇があるあんたの度胸にはある意味感心するわ。……というか実際あんた達がそこのハチャメチャ女神一家と一緒のチームだから、洒落になっていないわよ……」

サラ教官の疑問に答えた遊撃士達の後にオリヴァルト皇子に話しかけられた銀髪の女性――――シェラザード・ハーヴェイは疲れた表情で答え

「え、えっと、シェラザードさん……?」

「もしかしてその”ハチャメチャ女神一家”の中には私達の事も入っているのですか?」

シェラザードの答えを聞いたアドルとエレナはそれぞれ表情を引きつらせて訊ねた。

「間違いなく入っていますよ……」

「フフ、その中にはエイドスの子孫である私も入っているのでしょうね。」

二人の問いかけにフィーナは疲れた表情で肯定し、サティアは苦笑しながら呟いた。



「というか何でジョゼット達がリベールの精鋭部隊にいるのよ?あんた達って確か”元”とはいえ、エレボニアの貴族でしょう?」

「フフン、ボク達の家が取り潰しになった時何もしてくれなかったエレボニアに力を貸す事とボク達がまっとうな生活ができるように色々と力を貸してくれたアリシア女王――――リベールに恩を返す事を比べたら、どっちに力を貸すかは明白だろう?」

エステルの疑問にバイザーを頭につけている娘――――ジョゼット・カプアは得意げな様子で答え

「あのー、ジョゼット君?そういう事はせめて私達のいない所で言ってもらえるとありがたいんだけどな~。」

「フッ、口が減らない所も相変わらずだな。」

ジョゼットの答えを聞いたオリヴァルト皇子は苦笑し、ミュラー少佐は口元に笑みを浮かべて呟いた。

「しっかし、話に聞いていたとはいえ、まさか本物の”空の女神”と会える日が来るとはな……」

「ガッハッハッハッ!これが女神のお導きとやらだろうな!」

ジョゼットの2番目の兄―――キール・カプアはエイドスを見つめて苦笑し、ジョゼットの1番目の兄―――ドルン・カプアは豪快に笑った。



「さっきから皆さん、私の導きがどうのこうのと言っていますけど、何度も言ってるように私は自分の時代では女神業は引退して”ただの新妻”になりましたから、何でもかんでも私のせいにしないでください!」

するとその時顔に無数の青筋を立てていたエイドスが声をあげてその場にいる全員を脱力させ

「お願いしますから、少しは状況を考えて発言してください……」

「それといい加減貴女は人々にとっての”神”とはどういう存在であるかを自覚しなさい!」

ルフィナは疲れた表情で指摘し、フェミリンスは顔に青筋を立ててエイドスを睨み

「ったく、”あんなの”が”空の女神”だなんて冗談みたいな話だぜ。」

「それには同感。”あんなの”にいつも祈っていたかと思うと、自分が情けなくなってくるよ……」

「でも、”空の女神”の子孫を考えればある意味納得だよねぇ?」

「ハア……両親や先祖はまともな性格なのに、何であんな突然変異としか思えないハチャメチャ女神になったのかしら……」

「アハハ……というか何気にフェミリンスさんの性格が以前と比べると随分変わっていますよね。」

「え、ええ。”影の国”の時と比べるとその……随分と親しみのある方になられていますね。」

「フフ、恐らくフェミリンス殿の性格を変えたのは間違いなくエステル君だろうな。」

「え、えっと……わたしは今の性格の方がいいと思います!」

アガットとジョゼットは疲れた表情で呟き、アネラスの言葉に続くように呟いたシェラザードは溜息を吐き、クローディア姫、ユリア准佐とリシャールがそれぞれ苦笑いをしている中、ティータはフォローの言葉を口にした。



「ええい、いい加減にしろ!私達を目の前に何を悠長に再会を喜んでいる!?」

「フハハハハハッ!まさかクローディア姫殿下もこの場に姿を現すとは!それに”福音計画”の際に我らに立ち向かった勇敢なるリベールの戦士達も共に姿を現すとは、最高の舞台ではないか!ならばこちらも相応の歓迎をしなければならないね。」

ワイスマンが怒鳴っている中、酔いしれた様子で高々と笑っていたブルブランが口元に笑みを浮かべて指を鳴らすと猟兵の姿をした亡霊達が現れた!

「りょ、猟兵の亡霊……?」

「む、奴等は確か”リベールの異変”の時に剣を交えた猟兵共……!」

「―――”福音計画”に投入された”結社”の強化プログラムを受けた猟兵達か。」

「”福音計画”という事は2年前の”リベールの異変”で死んだ人達ですよね?その人達が”冥き途”に来ずにこんなにもこの世に残っていたなんて……!」

「みんな……まとめて……冥き途に……招待……しないと……」

「いや、今はそんなことをしている暇はないでしょ……」

猟兵の亡霊たちの登場にセレーネが不安そうな表情をしている中、猟兵達の正体に気づいたリフィアとレーヴェはそれぞれ厳しい表情をし、リタは驚き、静かな表情で呟いたナベリウスの言葉を聞いたマリーニャは疲れた表情で指摘した。

「確か”福音計画”に投入された強化プログラムを受けた結社の猟兵達は1名を除いて全員メンフィルによって殺害されたとの事ですが……」

「彼らも”教授”同様この世に未練を残して、今までこの世を彷徨っていた所を”鉄血宰相”に”この世界の真実”を打ち明けられて”鉄血宰相”の企みに加担することにしたのでしょうね。」

「チッ、目的の為に手段を選ばないのは相変わらずだな。」

(宰相閣下……)

シャロンとクロチルダの会話を聞いていたクロウは舌打ちをして厳しい表情をし、クレア大尉は複雑そうな表情をしていた。



「クク、それでは始めようではないか、双界をかけた戦いの序章を!」

そしてブルブランが高々と叫んだが

「フッ……どうやら勘違いをしているようだね。リベールの精鋭部隊は”これだけではない”。」

「何……?」

口元に笑みを浮かべて呟いたリシャールの言葉を聞くと眉を顰めた。するとその時リシャール達の背後からいくつかの小型の手榴弾が現れて猟兵達の足元に転がった。



「へ――――」

「え――――」

突然の出来事に猟兵達が呆けたその時手榴弾は爆発して猟兵達を怯ませた。

「今よ!猟兵達を攪乱しなさい!」

「イエス・マム!!」

するとその瞬間リシャール達の背後から現れた黒い軍服を身に纏った女性が黒装束の兵士達に指示をし、兵士達はそれぞれ怯んでいる亡霊達を攻撃して攪乱した!



「黒い装束の兵士達……?」

「あの兵士達は確か情報部の……!」

「と、特務兵!?しかもカノーネ大尉まで……!」

黒装束の兵士達の登場にゲルドは不思議そうな表情をし、ミュラー少佐は目を見開き、エステルは信じられない表情で声を上げた。そして黒装束の兵士達に続くようにリベール王室親衛隊もリシャール達の背後から姿を現した後黒装束の兵士達と共に猟兵達との戦闘を開始した!

「あの人達ってもしかして……!」

「フフ、間違いなくリベール王室親衛隊だよ……!」

「い、一体何がどうなっているの~!?」

「よくわからないが……オレ達にとっては心強い援軍である事には間違いないな。」

親衛隊の登場にアリサは目を見開き、アンゼリカは口元に笑みを浮かべ、ミリアムは混乱し、ガイウスは静かな笑みを浮かべた。



「馬鹿な……何故通常の武器の攻撃が効いている!?亡霊には通常の武器は効かないのだぞ!?」

一方ワイスマンは猟兵達が圧されている様子を見て狼狽えた。

「ふふっ、エレボニア存亡会議で現れた領邦軍の亡霊の件を考えれば”真・煌魔城”にも亡霊達が待ち構えている事は明白。―――ならばその対策として亡霊に効く武器を用意すればいいだけの事だ。」

「ええっ!?い、一体どうやって亡霊に効果的な武器を用意したのですか?」

「まさか……―――アンタ達メンフィルによる提供かしら?」

リシャールの説明を聞いたエマは驚き、あることを察したセリーヌはプリネ達に訊ねた。

「フフ、正確に言えば私達は彼らの得物に聖なる力を付与する事ができる技術を持つ職人である”工匠”達との繋ぎ役を務めただけですよ。」

「こ、”工匠”って事は……!」

「ディオン卿達か……!」

プリネの答えを聞いたマキアスは目を見開き、ラウラは声をあげた。



「―――その通りだよ。」

するとその時ウィルがセラウィや多くの仲間達と共にリシャール達とは別の方向から姿を現した!

「おおっ!まさかこのタイミングでお主達も現れるとはな……!」

「もしかして出るタイミングを狙っていたの?」

ウィルたちの登場にリフィアは嬉しそうな表情をし、エヴリーヌは首を傾げて訊ねた。

「アハハ……偶然だよ。」

「フフ、それにウィルはそんな事が出来るほど器用ではありませんよ。」

「そうそう!第一ウィルがそんなことをしたら別人じゃないかって疑うよ!」

「同感だ。―――それよりも偶然とはいえ、ちょうどいいタイミングで”本隊”と遭遇できたようだな。―――ウィル。」

ウィルが苦笑している中、微笑みながら呟いたセラウィの言葉に桃色の髪の魔術師の女性は頷き、魔術師の女性と共に同意した黒髪の女性剣士は状況を見て呟いた後ウィルに視線を向けた。



「ああ。――――エステル、ここは俺達が受け持つ!」

「皆さんは一刻も早く屋上を目指し、”元凶”を討ち、この戦いに終止符を打ってください!」

そしてウィルとクローディア姫はリィン達に指示をし

「!了解しました……!」

「んじゃ、よろしく。」

「どうか、皆様もご無事で……!」

「風と女神の加護を……!」

二人の言葉にリィンは頷き、フィーとアルフィン、ガイウスはそれぞれウィルたちに声をかけ

「リベールを愛する勇士達よ!愛する故郷を守る為に、今こそ共に力を合わせる時だ!我らの未来を阻む敵に見せてやろう――――我らリベール王国の”誇り”を!」

「リベール王室親衛隊、突撃開始!まずは猟兵達を一掃せよ!」

「オオオオォォォォォォォ――――――ッ!!」

リシャールとユリア准佐はそれぞれ号令をかけて兵達の士気を高めた。



「MODE:完全殲滅(ジェノサイド)………トロイメライⅢ………”ダークネス”………これより殲滅行動を開始する………」

一方クルツ達と対峙しているトロイメライは機体を震わせ

「さ~てと。なかなか骨が折れそうだな。」

「だが……やるしかなさそうだね。」

「大丈夫、何とかなりますよ!準遊撃士だった頃のエステルちゃん達が倒せたのですから、勝ち目は必ずあります!」

「ふふ、そうだな。彼女達の先輩として、この程度の障害は乗り越えないとな。方術―――貫けぬこと鋼の如し。いくぞ、みんな!」

同僚達の言葉に頷いたクルツは味方全員にクラフトを放って、自分を含めた味方全員の防御力を上げた後、号令をかけた。

「おおっ!」

「ああっ!」

「了解っ!」

クルツの号令に頷いた遊撃士達は戦闘を開始した!



「ハハハハハッ!それでは我らはもう一つの決戦を始めようではないか、我が麗しの姫君よ!」

「ユミルにてプリネさん達は貴方を討ち取る事で貴方との因縁を断ち切ったと聞きました。―――――次は私の番です!この戦いにて貴方との因縁に終止符を打たせて頂きます……!ジーク、ユリアさん!お願いします!」

「承知!」

「ピュイ!」

ブルブランと対峙しているクローディア姫は決意の表情でユリア准佐とジークに号令をかけた後ブルブランとの戦闘を開始し

「さてと……俺達も始めるぜ!」

「はい……!」

「ええ……!」

「クーデターと”リベールの異変”で受けた貴様からの”借り”……今ここで全て返させてもらうぞ!!」

「調子に乗るな、愚か者共が……!”リベールの異変”で受けた屈辱は貴様らの”死”という形で返させてもらうぞ……!」

「キール、ジョゼット!俺達”カプア一家”を陥れた野郎に落とし前をつけてやるぞ!」

「おおっ!!」

「うん!!」

ワイスマンと対峙しているアガットの号令にティータとシェラザードは頷き、リシャールはワイスマンを睨み、ドルンの号令にキールとジョゼットはそれぞれ頷き

「俺達は手分けして彼らの助力をするぞ!」

「おおっ!!」

ウィルはセラウィを含めたユイドラから連れてきた多くの仲間達と共にそれぞれとの決戦を開始したクローディア姫達に加勢して戦闘を開始した!



そしてリィン達はウィルたちがワイスマン達と戦闘をしている間に駆け抜けて昇降機に乗って上へと上がり始めた。 
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