世界をめぐる、銀白の翼
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
バカとテストと召喚獣 ~答えと不信と戦争開始?~
次の日
蒔風が登校してちゃぶ台に着くと、そこに雄二がやってきた。
「よ」
「おう、オハヨー雄二!」
短く声をかける雄二と、元気にあいさつを返す蒔風。
なにやら質問があるようだ。
「なぁ、いくつか聞いていいか?」
「なんだよい?」
「お前、前の学校ってどこだ?」
なんとまあ、バッサリと本題に入るものである。
その質問にはさすがの蒔風もおどけてしまった。
「おぉっとォ、キツイの聞いてくんね」
「どこなんだ?」
「答える前に、聞かせてくれ。なぜそんな質問を?」
「お前が答えてくれると言うなら言おう」
「別に構わにゃいよ。そこまでして隠すことじゃにーからにぇー」
「なら言おう。学園長が転校書類でお前を怪しんでいてな。聞いて来るように頼まれた」
「なるほどのぅ。わかりまし、た。じゃ、学園長室に行こうか。そっちの方が早い」
「今からか?」
「学園長の用事だろ?大丈夫でしょ」
話すなら、知りたがってる本人に。
踏まえて、それに関係知る人たちにも。
そんなこんなで、蒔風たちは学園長室に向かった。
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「で、素直に話すってのかい?」
「そそ。で、誰彼構わずに話して良いようなもんでもないから、この部屋にしました」
「で、なんで僕が呼ばれたの?」
この部屋には藤堂カヲル、蒔風、雄二の他に、明久、美波、瑞希、秀吉、ムッツリーニの五人までいる。
いつものメンバーである。
「蒔風が連れて来てくれって言ったんだ。他の奴は別について来てもいいと言ったら来たんだろ?」
「さて、役者は揃いましたな。ではお聞かせしましょう。蒔風舜の頑張り物語~」
そうして蒔風が説明を始めた。
もう話し慣れたものだ。
それも順調に終わると、雄二が口を開く。
「病院いけ」
「そうなるよねぇ」
「流石に信じられるわけなかろう」
「・・・・明久が実は頭いいとか言った方がまだ信じられる」
「信じられないか・・・・・」
「そうだよ!僕みたいななんでもない普通「より遥か下」の人間がって雄二!いらないこと言うなよ!」
「たしかに吉井は普通・・・・な人間だ」
「その空白を埋めて!何も言われないのも響く!」
「だけど最主要人物の条件にはそんなもの関係ない」
「他の世界だとかそんなもの信じられるわけなんざないさね。あんた書類の偽装うんぬんで、下手すりゃ国家権力のお世話になってもらうよ?」
「そりゃあ・・・・お?」
「なんだい」
「災い転じて福と成すってか?」
「なにがだい」
「ああうん。その問題の敵がね?来たわけでして」
ブァァァァァァァァァァ!
部屋の雰囲気が一瞬で変わる。
彼等を除くすべてが、一斉に色落ちしたようになったのだ。
「なんだこれ!?」
「「奴」が来たんだよ。んじゃこれから証明しようか!」
蒔風の言葉。
直後、学園長室の壁を破壊し、巨大な三頭犬が現れた。
「な!?」
「キャァァァァァァァァァァァァァ!!」
「何じゃあれは!!」
「蒔風!?」
「「奴」の使役する召喚獣、ケルベロスだよ」
「召喚獣!?あれが!?」
「この世界のモノとは違うんだよ。なにかってーと・・・ゲームに出てくる召喚獣をイメージしてくれればいいから、うん!!・・・・皆伏せろ!!」
ケルベロスが大木ほどもある腕を真横に振るう。
蒔風は皆を伏せさせ、ケルベロスに飛び掛かっていった。
「せぇりゃあ!!脚砲!!」
ズッドンッ!!
蒔風の強烈な後ろ蹴りが胸元に命中し、校庭に落ちるケルベロス。
どうやら結界の範囲は学校をすっぽりと包んでいるようだ。
「そこで見てな、オレっちの活躍!!」
蒔風が校庭に飛び降りる。
他の全員が崩れた壁から校庭の様子を伺う。
「さて、召喚獣ってなら、こいつだ!」
パァ!
手の平にカードデッキが現れる。
蒔風は後ろの窓ガラスに振り向かないで腕だけを出し、デッキを向ける。
蒔風の腰にベルトが現れ、装着された。
そしてここぞとばかりに右手を左上に突き出し、叫ぶ。
「変身!」
カシュッ!キュィィィィン、パァァン!
「あ、あれは」
「仮面ライダー!?」
蒔風が龍騎に変身すると、明久たちが驚く。
「この世界でなんかの作品になってんのか・・・・ま、やるっか!」
ガルァァァァァァァァァァ!!
《Advent》
「頼んまっせ」
ギャァァアァァァアアアン!!!!
蒔風がドラグレッダーを呼び寄せる。
ケルベロスにドラグレッダーが絡みつきその動きを封じにかかった。
「さ、ら、に、だ《Strike Vent》こいつは熱いぜ?おりゃぁ!!!」
ドラグレッダーが離れた瞬間にケルベロスを炎が襲い、爆発が起きた。
だか一瞬ひるんだものの、地獄の番犬たるケルベロスに思ったほどのダメージはない。
しかしその一瞬で、蒔風の準備は整っていた。
「これで最後ですのことよ!!!」
《Final Vent》
「とう!!!」
蒔風がドラゴンライダーキックを発動させる。
しかし、残っていた爆煙の中からケルベロスが飛び出してきて、ドラグレッダーと蒔風を弾き飛ばした。
ドドォ!!という轟音と共に蒔風とドラグレッダーが地面に叩きつけられ、ドラグレッダーは光の粒子となって消えてしまった。
「ぐっぉ・・・あぁ!!!消えたぁ!?そう簡単にゃあいかんか・・・なあおい!お前の主人はどこにいんだ!!」
叫ぶ蒔風。
ケルベロスに本来、そんなコミュニケーション力はない。
しかし、当の本人はそんなことは知らんとばかりに蒔風を睨み続けている。
「はん・・・・だったらこいつさね!!」
変身を解き、装甲が光と消える。
そして今度は、巨大な槌を取り出した。
「ましろ曰く、四本の足で駆けるものにはこいつがいいんだったっけ?」
ガルルルルルルルァアアアアアアアアアアア!!!
その発言の終わりを合図に、ケルベロスが猛然と突進してきた。
それをジャンプしてかわす蒔風。そして槌を叩きつける。
バガンッッ!!!
ゴフッ!?ガララルルル・・・・・・・
それはケルベロスの真ん中の頭部を正確に打ち付けていた。
左右の首は健在ながらも、ケルベロスがふらついてくじけた。
それを見て、蒔風が槌を消してケルベロスの方に指を組み、向ける。
そしてその手を離していくと、バチバチと雷旺が溜まっていった。
「雷――――旺ッ砲!!!!」
放たれる雷旺砲。
雷旺の力は、この砲撃の状態にして放つと最も威力を発揮する。
そうでなくとも、雷旺たるこの力は多様性に富むためにどの系統で放っても効果は高いのだが。
して、その雷旺砲だが
ます、大地を幅二十メートルは削ぎ落とた。校庭の上に転がっていた砂は消し飛び、赤茶けた土が見える。
さらには、蒔風の正面から百五十メートル先までの地面がきれいに抉れている。
その砲撃は、ケルベロスを文字通り粉砕し、跡形もなく吹き飛ばしたのだ。
「はぁぁ。こーなるから最高能力での締めはなかなかめんどくさいんだよなー・・・・っと」
蒔風が明久たちのところに戻る。
「大丈夫かい?」
「あ、ああ・・・・」
「信じてくれたかい?」
「お、おう・・・・」
「そりゃあよかった」
「それよりこの損害どうすんだ?」
「大丈夫だと思うよ?ケルベロス倒したし、結界が解ければ・・・・」
蒔風が話していると、空間に色が戻ってきた。
抉れた大地も、壊れた壁も、すべて何事もなかったかのように元に戻る。
「ほらね?」
「は、はは・・・・」
「ま、待ってよ!!じゃあ僕が狙われるのは本当なの!?」
「あ・・・」
「そうですっ!このままでは明久君が危ないです!!」
「吉井なら大丈夫だ」
「そ、そうか!蒔風が守ってくれるもんね!」
「いつも狙われてるようなもんだろ?」
「失礼な!僕はそんなに・・・・・・」
「アキ?なんでウチの方を見るのかな?」
「なんでもないよ」
「ま、吉井はオレが守るから大丈夫だよ~」
一同の会話を眺めながら、手をヒラヒラと振りながら蒔風が呑気に言う。
一瞬前まで、あんな戦いをしていたとは思えない程の呑気さだ。
「それにしてもそんなことが本当にあるとは・・・・」
「本来ならあり得ない。オレはこの世界に存在しえないものなんだ。だからなるべく早めに片をつけたいなとか思っているのでござる」
「そうか・・・・」
ガラガラガラ!!!
「たっ、大変だ坂本!!!」
ひと段落ついた。
そう一同が胸をなでおろしているとそこに、学園長室の扉を開け、Fクラスの須川という男子生徒が飛び込んできた。
「どうした須川。何かというとこっちの方が大変だったんだが」
「なにを言ってるんだ?それより聞いてくれよ!!」
「まあ落ちつけ。話はそれからだ」
慌てる須川をなだめ、改めて聞き直す。
「それで?なにがあった?」
「ああ、取り乱してすまない。実は・・・」
「Bクラスが試召戦争を仕掛けてきやがった!!!!」
to be continued
後書き
アリス
「次回、始まった試召戦争。その裏に暗躍するのはやはり・・・・」
では、また次回
【歴史】
( )の中に入る言葉を答えなさい
1588年に豊臣秀吉がたした法令は( )狩りである
姫路瑞樹の答え
刀狩り
教師のコメント
正解です。有名すぎて姫路さんには簡単だっだでしょうか
土屋康太の答え
秀吉狩り
教師のコメント
クラスメイトのことを考えて心は痛まないのですか?
吉井明久の答え
オヤジ狩り
教師のコメント
秀吉もオヤジだったはずですが?
↑
秀吉は男じゃない!!『Fクラス一同』
↑
ちがうそうじゃない
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