小さかったあの娘
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6部分:第六章
第六章
16.反抗
嫌なものは嫌だって
はっきり言わないとわかりはしない
だから言うんだ それは受けられないって
どんな奴だって自分の心には嘘はつけない
自分に嘘はつけないのだから
言うんだ 嫌なんだって
それがはじまりで 自分で立つことになるから
嫌なものは何処までも嫌で
受けられないことはあるから
その心に嘘はつかずに生きていくのなら
反抗だって必要なんだ それを忘れないで生きたい
駄目なものは駄目だって
それを言えるのもまた勇気なんだ
だから言うよ今 それは間違っているって
どんなことだっていいことと悪いことがある
それが正しいと思うなら
言うんだ 駄目なんだって
それが心を 綺麗にして立たせていくから
駄目なものは絶対に駄目で
それを許してはいけないから
その正しいことを思う気持ちを忘れないで
言うことだって必要なんて それを見据えて歩いていきたい
嫌なものは何処までも嫌で
受けられないことはあるから
その心に嘘はつかずに生きていくのなら
反抗だって必要なんだ それを忘れないで生きたい
17.少しずつ
一歩一歩歩いていけばいい
走らなくていいから歩いていけばいい
少しずつ歩いていくことが大事だから
まだ果ての見えない道だけれど
何時かは終わりがあるから 終わりがないのはないから
だから歩いていくんだ 少しずつでも
先を進んでいけばいいんだ
そして最後に辿り着いて今までのことを
長かった道のことを思い出そう
それまでの苦労と一緒に
明るい笑顔で思い出して
一歩一歩踏み出していって
そうして先に進んでいけばいいんだ
どんな長い道もそうして歩いて
最後の果てまで歩いていこう
どんなものだって終わりがある だから歩いていくんだ
真っ暗闇の道だって 何時かは光が
見えてくるからそれを信じて
最後まで歩いていけばいいだけなんだ
今は苦しくても最後には
いい思い出になるから
最後まで歩いていこう
そして最後に辿り着いて今までのことを
長かった道のことを思い出そう
それまでの苦労と一緒に
明るい笑顔で思い出して
18.雨の夕暮れ
雨が降って湿った夕暮れ
喫茶店の窓に映るのは女の子一人
傘をさして道に立っている
雨の中で何気なくいつもと変わらず
その中に立っているだけだけれど
その姿がやけに心に残る
赤い傘と青い制服
その二つが目に映っているせいかな
道を行く女の子が顔を急に明るくさせると
やって来たのは一人の男の子
彼を傘に入れて二人になると
女の子はにこやかに笑って窓の世界から姿を消した
銀色の雨が降る夕刻
喫茶店の窓の中の女の子を見る
彼女は誰かを待っている
ぼんやりと佇んでいるだけだったのに
ふと顔を右に向けて明るく
白い靴下と黒い靴
その二つを動かして歩くと
その先には男の子が一人いて
傘を持たない彼を中に入れた
彼とにこやかに話し合いながら
二人きりになって世界を創って
女の子はそのまま窓の世界から消えていってしまった
道を行く女の子が顔を急に明るくさせると
やって来たのは一人の男の子
彼を傘に入れて二人になると
女の子はにこやかに笑って窓の世界から姿を消した
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