英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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外伝~ZEROの軌跡~
~バリハルト神殿・マクル・終点~
「狙い目はっけーん!!」
(光よ!我等を守りたまえ!防護の光陣!!)
オレノに仲間達と共に向かったマリーニャとパズモはそれぞれクラフトや魔術で自分や味方の能力を上げ
「まさに必殺!玄武の地走り!!」
「クー!!」
リタとクーはオレノにクラフトやブレスを放った!
「バリハルトよ!我に加護を!!」
しかしオレノは自分に結界を貼って防御し
「邪教徒達に裁きを!!」
魔術―――贖罪の光霞をすぐに放った!
(クッ!?………)
「効きます………ね………」
「クー!?」
「詠唱なしで魔術を放つなんて………腐っても大司祭ね。」
敵の魔術を受けたパズモは顔を歪めた後オーブメントを駆動させ始め、マリーニャは敵を睨んでいた。
(ラ・ティアラル!!)
そしてパズモはアーツで味方全員の傷を回復し
「このアーツは魔術に対しても効果があるか………試しましょう。」
リタはオーブメントを駆動させ始め
「行くわよっ!」
「クー!」
マリーニャとクーは敵に突進した!
「バリハルトよ!邪教徒と魔物に裁きを!!」
それを見た敵は魔術―――贖罪の雷を放った!
(”嵐”を司る守護霊を舐めないでよねっ!黒ゼレフの電撃!!)
しかしパズモが敵が放った魔術より上位の魔術を放った!パズモが放った雷によって敵が放った雷は呑み込まれ、敵を襲った!
「クッ………!?」
それを見た敵は顔を歪めて回避したが
「はっ!やっ!!」
「グッ!?」
マリーニャが敵を短剣で斬りつけ、敵は呻き
「クー!!」
「グアアアアアッ!?」
クーがクラフト―――極突刺の氷牙で敵の片手を喰いちぎり、片手を喰いちぎられた敵は悲鳴を上げ
「ハァァァァ!乱れ突き!!」
「決める!白露の鎌撃!!」
(降り注げ、炎の槍!スパイラルフレア!!)
「ガアアアアア――――ッ!?」
マリーニャ、リタ、パズモがそれぞれ追撃し
「クー!!」
「ゴフッ!?」
クーが尻尾を振るって、吹っ飛ばした!
「グッ…………!バリハルトよ!邪教徒共に裁きを!審判の轟雷!!」
吹っ飛ばされた敵はパズモ達を睨んだ後、魔術を放った!
「今こそ具現せよ!空の守護!A-リフレックス!!」
その時リタは駆動が終わったオーブメントでアーツを放った!リタのアーツによってパズモ達に透明な結界が貼られ、敵が放った雷をなんと反射した!
「なっ!?グアアアアアアアアアア――――ッ!?」
自分が放った魔術が跳ね返された事に敵は驚き、自分が放った魔術を受け悲鳴を上げた!
「フフ、効果はありましたね。」
(………まさか魔術も跳ね返すなんて………)
その様子を見たリタは微笑み、パズモは驚いた様子でオーブメントを見つめた。
「クー………………!」
一方クーは全身に魔力を纏い、口にすざましい吹雪のエネルギーを溜め始め
「クー――――――――ッ!!」
溜めたエネルギーを解き放った!
「ギャアアアア――――――ッ!?」
クーが放った最上位冷却魔術―――ユン=ステリナルをブレスとして放つSクラフト―――ユン=ステリナルブレスを受けた敵は悲鳴を上げ、ボロボロの状態になった!
「バリハルトよ!忌まわしき邪神達を滅する為にどうか私に力を………!」
ボロボロになった敵はその場で強く祈った!
「………いい加減、聞き飽きました。主の敵は私の敵。………魂ごと消えてもらいます。」
その言葉を聞いたリタは顔を顰めて呟いた後、敵を睨んでSクラフトの構えをしたが
「悪いけど………止めはあたしにさせてくれないかしら。」
「マリーニャちゃん?どうしたの?」
「………何故かあたし自身、目の前の神官をあたし自身の手で決着をするべきだって強く思っているのよ。………何でかはわかんないんだけど。」
「………うん、わかった。止めはマリーニャちゃんに譲ってあげる。」
真剣な表情で語るマリーニャを見たリタは考え込んだ後、可愛らしい微笑みを見せて言った。そしてマリーニャは短剣を構え、全身にすざましい闘気を纏った!
「抑えきれない激情が私を包む!!」
マリーニャが全身に闘気を込め
「それっ!!」
マリーニャは懐から短剣を数本出し、投擲した!
「ガアアアアアッ!?」
すると敵に刺さった短剣に雷が落ち
「奥義!」
その隙を逃さず、マリーニャは強襲してなんと敵を何度も蹴り上げ、宙に浮かせ、浮かせた後敵を杖を構えるかのような構えで短剣を構えた!マリーニャが短剣を杖を構えるかのような構えをした時、マリーニャの背後に先ほど戦ったバリハルト神官―――カヤが杖を構えていた!すると闘気による竜巻が発生し、敵は吹き上げられた!
「なっ!?」
(カ、カヤ!?)
それを見たリタとパズモは驚いた。すると闘気による竜巻が発生し、敵は吹き上げられた!さらにマリーニャが短剣を構え直すと、今度は商人のような恰好をした少女がマリーニャの背後でマリーニャと同じ構えで短剣を構えていた!
「今度はシャマーラ………!”クルップ”を聞いた時、もしかしてとは思ったけど………マリーニャちゃん。貴女はまさか………!」
(シャマーラが……カヤが生まれ変わった人物………なの!?)
その様子を見ていたリタとパズモは信じられない表情でマリーニャを見つめた。そしてマリーニャは落下して来た敵を2刀流にしてあった短剣で十字に斬った!
「サプライズホーン!!」
「ガッ!?我が神よ………………」
マリーニャが放った魂に秘めたる激情を解放する輪廻奥義―――サプライズホーンが命中した敵は祈りながら消滅した!
「まっ、こんなもんね!…………ん?どうしたの、リタ。」
敵の消滅を確認したマリーニャは信じられない表情で自分を見つめているリタに気付いて尋ねた。
「………ううん。私の気のせいだから気にしないで。」
(…………………シャマーラはかつて願っていたセリカと共に生きるという願いを生まれ変わってまで叶えたのね……………そしてカヤは再びセリカを見守る為に……………)
尋ねられたリタは考え込んだ後、いつもの可愛いらしい微笑みを見せ、パズモは静かな表情でマリーニャを見つめていた。
「?変な娘ね。それよりサティア様達の方は大丈夫かしら?」
リタの言葉を聞いたマリーニャは首を傾げた後、エステル達の方を見た。
「みんな、行くわよ!!」
「貴方達に祝福を!覚醒領域の付術!!」
セリカ達と共に雨露の器に向かったエステル、サティアはクラフトや魔術で味方全体の能力を上げ
「オォォォォォ………ハアッ!!」
ハイシェラは自らに秘めた真なる力を凝縮し、闘気として纏う事によって大幅な身体能力、魔力の増加、闘気を集めるクラフト―――ラクスハイシェラを使ってすざましい闘気を纏った!
「アストライアァァァァッ!!」
その時敵は憎悪を持った視線でサティアを睨みながら剣技―――沙綾円舞剣を放った!
「させるかあっ!!」
しかしセリカが同じ剣技を放ち相殺し
「ハァァァァァッ!!」
敵に襲い掛かった!
「オォォォォッ!!」
対する敵もセリカと激しい攻防を続けた!セリカと敵の剣と剣同士の攻防は先程の戦いと同じ一進一退の攻防だった!しかしその時!
「お前だけ楽しむでないぞ、セリカ!ハアッ!烈風脚!!」
「ガッ!?ゴフッ!?」
ハイシェラが乱入し、両足を順番に連続で蹴り上げるクラフト―――烈風脚を敵に放って、敵を斬り上げ
「まだだの!フン!」
さらに敵を抱えて上空へ跳躍し
「ハアッ!!」
「ガッ!?」
上空から叩き落とした!敵を抱え上げ上空から叩き落とすクラフト―――抱え落としを受けた敵は呻き
「さあ、行くわよ!まだまだまだまだまだまだぁっ!」
その隙を狙ったエステルがオーブメントを駆動させた後、剣技―――八葉滅殺を放ち始めた!
「グアアアアアアアアッ!?」
エステルが放つ剣技を受け続けた敵は悲鳴を上げ
「とどめっ!!」
「ヤアッ!神極!星光剣!!」
「断ち切る!紅燐舞華斬!!」
「よいぞ!沙綾身妖舞!!」
エステルが最後の一撃を放つと同時に、サティア、セリカ、ハイシェラはそれぞれすざましい威力を込めた剣技を放った!
「ガアッ!?鬱陶シイ―――ッ!!」
エステル達の攻撃を受けた敵は呻いた後、一端下がって魔術―――黒ゼレフの電撃を放った!
「出でよ!贖罪の雷!!」
「えいっ!ラグナブラスト!!」
しかしセリカとオーブメントの駆動を終えたエステルがアーツを放って相殺し
「消し飛べぇっ!」
「星芒よ、煌めけ………!」
ハイシェラは両手に魔力を込め、サティアは剣を構えて詠唱し
「ルン=アウエラ!!」
「トゥインクル=スター!!」
2人は同時にすざましい威力が籠った魔術を放った!
「ガアアアアアアアアアア―――――――――ッ!?オノレ―――――――――ッ!!」
2人の魔術を受けた敵はすざましい憎悪をエステル達に向け、剣技―――沙綾紅燐剣を放った!
「ハアッ!沙綾!紅燐剣!!」
しかしまたしてもセリカが同じ剣技を放って相殺し
「剣技―――疾風!!」
エステルがすざましいスピードで強襲した!
「ナメルナァッ!!」
しかし敵はエステルの攻撃を受け止めた!
「続けて行くわよ!弧武身妖舞!!フェヒテンイング!!」
攻撃を受け止められたエステルは一端下がった後再び剣技を連続で放った!
「ドケェッ!!」
「キャアッ!?」
しかし敵はエステルの剣技を捌いた後、渾身の一撃を放ち、咄嗟に剣で防御したエステルは吹っ飛ばされ
「落チヨッ!!」
「キャアアアアアアッ!?」
魔術―――審判の轟雷を放ち、それを受けたエステルは悲鳴を上げた!
「もう、大丈夫………癒しの息吹!!」
それを見たサティアは治癒魔術をすぐにエステルに放った!
「クク……異世界の剣技………よい物を見せてもらっただの。どれ………我も試してみるか。―――フン!!」
一方ハイシェラは不敵に笑った後何とエステルと同じ剣技―――疾風を敵に放った!
「ガアッ!?」
敵はハイシェラの剣技は見切れず受けてしまい
「さあ、覚悟はできただの!?オォォォォォォッ!!」
さらにエステルが先程放った剣技―――八葉滅殺を放ち始め
「止めだの!!」
「ガアッ!?」
最後の一撃には剣で斬り付けず、片手にすざましい魔力と闘気を込めて敵を吹っ飛ばした!
「殲鋼!双肢乱!!」
「ハアッ!突星剣!!」
さらにセリカとサティアがそれぞれ剣技を放って追撃した!
「う”~………苦労して覚えた技をあたしが放ったら防がれたのに、一度見ただけで覚えて防がれないし、剣術、体術、魔術のどれもが凄すぎるし………どれだけ反則な存在よ、ハイシェラって。」
ハイシェラが自分と同じ剣技を放ったのを見たエステルは唸った後、ジト目でハイシェラを見つめた。
「ハハ………それがハイシェラだからね。」
エステルの言葉を聞いたセリカは苦笑し
「ククク………人間の娘よ、”この程度”で驚くなだの。我はまだ”少し”しか本気を出しておらんだの。」
ハイシェラは不敵な笑みを浮かべた。
「オォォォォッ!ナゼ!ナゼ裏切リ者の貴様に”私”にはデキナカッタ”絆”ガ――――――!!」
一方敵はすざましい憎悪をサティアに向けた後全体高速剣最大奥義にしてSクラフト―――枢孔紅燐剣を放った!
「沙綾!紅燐剣!!」
「耐えきれるか!?沙綾!紅燐剣!!」
「とりゃあぁぁっ!弧武!紅燐剣!!」
しかしセリカ、ハイシェラ、エステルの3人が同時に放った高速剣が敵の放った高速剣を相殺し
「いいえ!私一人ではこれほどの”絆”はできなかった!この”絆”は全てエステルが結んだ”絆”!メル=ステリナル!!」
そしてサティアが最高位魔術を放った!
「オォォォォ―――――――ッ!!」
自分に襲い掛かる最高位魔術に対し敵も風属性の最高位魔術―――リーフ=ファセトを放って相殺し
「ならば、アストライアの前ニ貴様を消ス!人間――――――――――――――ッ!!」
そしてエステルに剣技――枢孔身妖舞で襲い掛かった!
「そんな事はさせない!」
しかしセリカが前に出て同じ剣技を放って相殺し
「さあ、行くわよ!」
「クク、我も続くだの!」
エステルとハイシェラは同じ構えをし
「まだまだまだまだまだまだぁっ!」
「オォォォォォォッ!!」
なんと同時に同じ剣技―――八葉滅殺を放った!
「ガアアアアアッ!?」
2人のすざましい剣撃を受けた敵は悲鳴を上げ
「止めっ!!」
「ハアッ!!」
「ガアッ!?」
2人の最後の一撃を受けて、吹っ飛ばされた!
「ククク………さあ………”地の魔神”の奥義を受ける事………光栄に思うがいいだの!ハアッ!」
そしてハイシェラは全身にすざましい闘気を纏って不敵に笑った後、吹っ飛ばされた敵に神速で近づき
「オォォォォォォォ―――――――――ッ!!」
「ギャアアアアア――――――ッ!?」
なんと両足を高速で連続で敵を蹴り上げた!高速の蹴り上げはやがて竜の姿を形どり
「究極奥義!地竜猛襲脚!!」
竜の姿を形どった闘気をハイシェラは最後の一撃代わりに蹴り上げと共に放った!
「ガアッ!!」
両足を高速で繰り出す事により竜の闘気を作り、それを解放するハイシェラの究極奥義にしてSクラフト―――地竜猛襲脚を受けた敵はボロボロの状態で落下し、呻いた!
「真なる焔よ、燃え上がれっ!!」
その時エステルは”絆の神剣”にすざましい炎を纏わせ
「ハァァァァァァ―――――――ッ!真なる焔の剣 !!」
敵に突進し、袈裟斬りに斬った!エステルの攻撃に気付いた敵は剣で防御したが
「バ、バカナッ!?」
なんと受け止めた神剣―――スティルヴァーレに皹が入り始め、それに気付いた敵は狼狽えた!
「2人の仲を引き裂く剣なんか、壊れなさい―――――――ッ!!」
金髪と紫紺の瞳のエステルが叫ぶとなんと”絆の神剣”がエステルの叫びに呼応するかのようにすざましい神気をさらけ出し、エステルの髪と瞳がサティアと同じ夕焼け色の髪と青色の瞳になった!
「どりゃあぁぁぁぁぁっ!!」
「ソ、ソンナ馬鹿な………ス、スティルヴァーレガ………!ギャアアアアアアアアッ!?」
そしてなんと敵が持つ神剣―――スティルヴァーレを真っ二つに破壊して、敵に大ダメージを与えた!そしてエステルは一端下がってサティアと並び、その一方セリカはハイシェラと並んだ!
「ハイシェラ!行くぞっ!」
「クク………我に遅れるでないぞ、セリカ!」
セリカの呼びかけにハイシェラは不敵な笑みを浮かべて頷いた後なんと同時に究極剣技―――枢孔飛燕剣を放った!
「ハアァァァァァッ!!」
「オォォォォォォッ!!」
そして2人は叫びながら敵に突進して剣技―――枢孔身妖舞を放った!その剣技は究極の飛燕剣が合わさった事によってできる最強の協力剣技!その剣技とは………!
「「比翼!飛燕剣!!」」
セリカとハイシェラが放った協力剣技―――比翼飛燕剣が終わるとエステルとサティアは背中合わせになり
「エステル!今こそ貴女の”絆”の力を貸して!」
「うん!」
サティアの呼びかけにエステルは頷いた後、サティアと共に神剣を天へと掲げた!
「「再誕を誘う究極の雷!!」」
すると”絆の神剣”と”天秤の十字架”は呼応するかのようにすざましい神気や光をさらけ出し、2人の上空にはなんと雨雲が発生し、そして雨雲からすざましい雷が2人に落ち、2人を中心とした戦場に雷の衝撃波が襲い、他にもすざましい雷が落ちた!
「「果たされた誓い(リバースクルセイダー)――――――――ッ!!」」
「アアアアアアアアアアア――――――――――ッ!?」
エステルとサティアが放った”正義の大女神”アストライアの神力と”絆の神剣”の神力を呼応させ、解放する協力神魔術―――果たされた誓い(リバースクルセイダー)を受けた敵は満身創痍の状態で蹲っていたが
「オォォォ――――!コノ程度で”私”は倒レナイ!アストライアァァァァァッ!!」
憎悪を込めた視線でサティアを睨んで立ち上がった!
「サティアさん、セリカ!」
「止めはお前達に譲ってやるだの。」
それを見たエステルとハイシェラはセリカとサティアを見つめ
「サティア。一緒にあの時の決着を!」
「うん………!」
見つめられた2人はお互いを見つめた後セリカは”約束の神剣”をサティアは”天秤の十字架”を構え
「俺達は!必ず果たす!」
「”約束”を!」
セリカの神剣にはすざましい神気が、サティアの神剣には神々しい炎が宿った!
「オノレ―――!マタシテモその炎ヲ………”聖なる裁きの炎”を私ニ向ケルノカ!アストライアァァァッ!!」
サティアの神剣に宿った”正義の大女神”アストライアだけが放つ事ができる炎―――”聖なる裁きの炎”を見た敵はSクラフト―――魔閃翼を放った!敵がSクラフトを放つと同時にセリカはすざましい光を、サティアは”聖なる裁きの炎”を同時に放ち、2人の光と炎は混じり合い、全てを照らし、焼き尽くす光と炎の道になって、敵のSクラフトを呑み込んだ!
「「永遠なる約束――――――――――――!!」」
「ナゼ………ナゼ!”私”ニハデキナカッタノ!?”絆”ガアアアアアア―――――――――――ッ!!??………………」
セリカとサティアが放った”聖なる裁きの炎”と共に強き”約束”の”願い”を放つ協力神奥義―――永遠なる約束に呑み込まれた敵は叫びながら消滅した!
「ごめんね………あんな姿になってまで人を救おうとしたのに私はそれに気づかなくて………」
敵が消滅した後、サティアは悲しそうな表情で呟いた後気を取り直し、セリカに振り向いた。
「セリカ………!」
「サティア………!」
2人はお互いを見つめ合い、やがて強く抱き締め、そして深い口付をした。
「わわっ………!」
「フッ………」
それを見たエステルは慌てて2人に背中を向け、ハイシェラは口元に笑みを浮かべた後エステルのように2人に背中を向けた。
「ようやく………会えたね………」
「ああ………これも全てエステルのお蔭だな………」
サティアに微笑まれたセリカは同じように微笑んだ後、エステルを見つめた。
「クク………ほれ、2人が呼んでいるだの。」
「わ、わかっているわよ!えっと…………あたしがしたのはただ強く誓っていただけだから、そんな大した事はしていないわよ?」
ハイシェラに促されたエステルは戸惑いながら頷いた後、振り向いてセリカとサティアを見つめた。
「君のその”誓い”が………この”影の国”という特殊な空間で俺達が再び再会できるんだ。本当にありがとう………君を信じてよかった………」
「貴女の”運命”………いえ、貴女という”存在”に心から感謝するわ、エステル…………」
「あ、あはは………あたしもこんなにも早く叶うとは思わなかったんだけどね………それより2人で話さなくていいの?一杯話したい事があるんでしょ?」
セリカとサティアに微笑まれたエステルは苦笑した後尋ねた。
「いや………それは”今”の”俺”とサティアがすべき事。俺は君の剣を通して見守っているよ………」
エステルの言葉にセリカは首を横に振った。するとセリカの身体は段々と透明になっていった!
「クク………どうやら我も一端去らなばければならないようだの………」
一方ハイシェラの身体も段々と透明になっていった!
「ちょ、ちょっと!?」
その様子を見たエステルは慌てた。
「心配する必要はないよ。君の剣に戻るだけだ。………この”影の国”という場所で傍にサティアがいるのなら俺もこうして現れる事ができる。いつでも呼んでくれ………君への恩返しに存分に力を奮おう………」
「クク………その際はセリカの永遠の盟友たる我も力を貸してやろうぞ。また共に戦う時を楽しみにしているだの。」
一方セリカとハイシェラはそれぞれ優しい微笑みや不敵な笑みを浮かべ、ハイシェラが先に消え
「サティア………いつか必ず果たそう………!俺達の”約束”を………!」
「うん……!」
セリカは微笑みながらサティアを見つめ、サティアは涙を流しながら微笑んだ。そしてセリカもハイシェラのように消え、さらに光の球となってエステルの神剣に宿った!そして同時にマリーニャ達も戦闘を終え、サティアの目の前には封印石が、さらに一番奥に転位陣が現れた!
「やっと会えるわね………セリカ…………!」
サティアは封印石を両手で手に入れ、優しげな微笑みで封印石を包み込んだ。
「フフ………ようやく会えますね、主。」
「フ~………ここに来るまで本当に苦労したわ………」
(セリカ…………)
「クー♪」
その様子を見たリタ達が近づき、サティアが持つ封印石を見つめた。
「さ~てと!転位陣も現れた事だし、先に進みましょう!リースさん達も待っているかもしれないし。」
「ええ。行きましょう………!」
そしてエステルの提案にサティアは頷き、仲間達と共に転位陣に乗ってどこかに転移した。
~第七星層・中間地点~
「あ………!」
エステル達が転位して来るとそこは入口のような空間で一番奥には左右に分かれた転位陣があり、そして真ん中には”方石”によって力を取り戻した石碑があり、その周囲にはリース達がいた。
「エステル!」
「無事で何よりです。」
エステル達に気付いたアドルとリースは微笑んだ。そしてエステル達はリース達に駆け寄った。
「そっちも無事で何よりね………って、カーリアンに大将軍さん!?」
「は~い♪久しぶりね♪リウイより先に私達が解放されたのよ♪」
「フフ………久しいわね。」
リース達に駆け寄ったエステルはカーリアンとファーミシルスに気づいて驚き、2人はそれぞれ口元に笑みを浮かべて声をかけた。
「2人はナユタさん達のように封印石が現れたと同時に解放されたんです。」
「そうなんだ………そういえばそっちはリウイの封印石を手に入れたの?」
リースの説明を聞いて頷いたエステルはイリーナを見て尋ねた。
「ええ。」
「その様子ですとセリカ様の封印石も無事手に入れたようですね。」
尋ねられたイリーナは頷き、エクリアはサティアを見つめた。
「あら?何で貴女…………セリカとそっくりなのかしら?もしかして双子とか??」
「フン、”神殺し”に親類がいるなんて聞いた事がないわ。大方”神殺し”の肉体の”本来”の持ち主じゃないかしら?」
そしてカーリアンはサティアに気づいて首を傾げ、ファーミシルスは探るような視線でサティアを見つめた。
「………………」
見つめられたサティアは何も語らず、静かに2人を見つめていた。その時、聞き覚えのある音が聞こえてきた!
「この音は………!」
音に気付いたリースは方石を取り出した。すると方石は光を放ち、リース達の目の前に何度も現れた女性の亡霊が現れた!
「異邦者よ………”星杯”に連なる者よ………聞こえますか…………?」
「………はい。聞こえます。」
女性の言葉にリースは頷いた。
「無事に………3つの回廊を潜り抜けてよかった………これより先は………かつて”英雄”が集結した”邂逅の宮殿”………同時に進まなければ………さらなる深淵へと辿り着かないでしょう………」
女性が呟くと近くにあった石碑がさらに光を放った!
「転位陣の制御を………石碑に託しました………左の転位陣には………”神殺し”と共に………右の転位陣には………”闇王”と共に…………それぞれの道を進んで下さい………ですが………どうか気を付けて………さらなる深淵へと続く門を………守る者は………」
そして女性は最後まで言えずに消えてしまった。
「……どうやら次もさっきのようにメンバーを分ける必要があるみたいだね。」
「ええ。………一端戻って手に入れた封印石を解放しましょう。”神殺し”と”闇王”………どちらも味方になれば心強い方達ですね。」
女性が消えた後アドルは静かに呟き、リースは頷いた後提案し、サティアとイリーナが持っている封印石を見つめた。
「セリカ………」
「あなた………」
サティアとイリーナはそれぞれ手に入れた封印石を嬉しそうな表情で見つめていた。
その後リース達は封印石を解放する為に一端庭園に戻った……………
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