英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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第47話
アドル達は途中襲い掛かる魔族や闇夜の眷属に化けたグリモア達を倒しながら進み、ついに終点に到着した。
~第七星層・モルテニア城・玉座の間~
「どうやらここが終点のようだけど………」
「転位陣もありませんね………?」
終点に到着したアドルは周りを見回して首を傾げ、フィーナはアドルの言葉に頷いた。しかしその時、妖しげな光陣が玉座の前に現れた!
「あ………!」
「来たか………!」
それを見たティナは驚き、ティファーナは警戒した。そして妖しげな光陣からはなんと虚ろな目をしたカーリアンが現れた!
「…………………」
「カーリアン様っ!」
「下がって、イリーナ!恐らくあれも”グリモア”よ!」
虚ろな目で武器を構えて自分達を見つめているカーリアンにイリーナは叫び、エクリアはイリーナを制した。
「来るぞっ!」
アドルは敵の行動を見て警告をした。そしてアドル達は戦闘を開始した!
「突撃っ!!」
「守りの加護を!プロテクション!!」
「戦意よ!我等に真の祝福を!アルテミスの祝福!!」
戦闘が開始されるとティファーナ、フィーナ、ティナはクラフトや魔術を使って味方全体のさまざまな能力を上昇させた!
「……………」
一方敵はクラフト―――冥府斬りで襲い掛かった!
「パワー…………スマッシュッ!!」
敵が放った技に対してアドルがクラフトを放って敵の攻撃を受け止め、鍔迫り合いの状態になった!
「クッ…………!」
しかしアドルが押し負け始め、アドルは顔を歪めていた。
「アドルさん!」
それを見たフィーナは不安そうな表情で叫び
「援護します!!」
エクリアが連接剣を振るって攻撃した!エクリアの攻撃に気付いた敵はアドルから離れて回避した!
「行きますっ!イオ=ルーン!!」
そこにイリーナが放った魔術が命中した!イリーナは魔術を放った後オーブメントを駆動させ始め、詠唱を再び始めた!
「ソニックウェイヴ!!」
「せいっ!玄武の地走り!!」
さらにアドルとティファーナは遠距離から攻撃するクラフトを放って追撃した!
「………………」
しかし敵は2人の攻撃を回避した後、ティファーナに双剣で襲い掛かった!
「双連撃!!」
対してティファーナは双鎌を振るい、相殺し
「それっ!そこだっ!!」
ティファーナが敵の攻撃を受け止めている間にアドルがクラフト―――ダブルライジングを放って敵を打ち上げると共に追撃し
「「レイ=ルーン!!」」
イリーナとエクリアが同時に同じ魔術を放って攻撃し
「大地の力よ、お願い!ランドアクス!!」
「えい!エアリアル!!」
フィーナは敵の上空から岩石を降らせる魔術―――ランドアクスを放って攻撃し、イリーナは魔術を放った後駆動を終えたオーブメントでアーツを放った!さまざまな魔術やアーツが一斉に敵に襲い掛かり、大ダメージを受けた!しかし!
「………………」
「キャアッ!?す、すみません………もう、これ以上は…………」
「ティナ!?」
さまざまな魔術やアーツの攻撃が終わった後、突如強襲をかけたカーリアンの攻撃に敵の体力を大幅に吸い取る魔術効果を付与したクラフト―――性愛の露淫術を受けたティナは戦闘不能になり、それを見たティファーナは叫んだ!
「………………」
続けて敵はクラフト―――乱舞をアドル達に放った!
「グッ!?」
「あうっ!?」
「うぁっ!?」
「ぐうぅっ!?」
「うっ!?」
敵の攻撃にアドル達はそれぞれダメージを受け、呻いた!敵は追撃するかのように双剣を構えて、アドル達に襲い掛かった!
「舐めるなっ!!」
しかしティファーナが双鎌を振るって再び受け止め
「オォォォォォッ!!そこだっ!!」
アドルがクラフト―――ブレードラッシュを放って敵にダメージを与えると共に、最後に放った竜巻により敵を吹っ飛ばした!
「…………」
敵は再びアドル達に襲い掛かろうとしたが
「させないっ!!」
エクリアがクラフト―――連接剣伸長を放って牽制した!
「今、治療します!癒しの風!!」
その間にイリーナが魔術を放って全員の傷を回復し
「あなたにイースの加護を………!」
「ありがとうございます………!」
フィーナがクラフト―――ヴィーナスブレスをティナに放ってティナを復活させた!
「…………」
一方敵は全身にすざましい闘気を溜め始めた!
「カーリアン殿の奥義、”桜花乱舞”か………!」
敵の次の行動がわかったティファーナは警戒した表情で呟き
「でしたら私がみなさんを絶対に守ってみせます!イーリュンよ!私達に真なる守りの加護を!……防護の神域!!」
それを聞いたティナはSクラフト―――防護の神域を放って、自分を含めた味方全員に絶対防壁を貼った!
「よし!来いっ………!」
「………………」
そしてアドルは剣を構え、ティファーナは双鎌にすざましい闘気を溜め始め
「…………………」
フィーナは翼を広げ、全身に神気と魔力を纏って詠唱を始め
「エクリア姉様。一緒に練習したあの魔術を使いましょう。」
「ええ。…………」
イリーナはエクリアに提案し、イリーナの提案にエクリアは頷いた後イリーナと共に詠唱を始めた!
「…………………」
そして敵はSクラフト―――奥義・桜花乱舞をアドル達に放った!しかしティナが放った絶対防壁により攻撃は無効化された!
「ハアッ!」
大技を放った後にできた隙を狙ったアドルが突きを放って攻撃した後
「オーラフェンサー!!」
さらに剣に闘気を込めた後薙ぎ払って吹っ飛ばした!アドルのクラフト―――オーラフェンサーを受けた敵は傷を回復する為にクラフト―――性愛の露淫術をアドルに放とうとしたが
「覚悟はできたか!?ルクセンベールに伝わりし奥義………久方ぶりに見せてやろう!ルクセンベール流奥義!双竜烈破!!」」
ティファーナが放ったSクラフトを受け、大ダメージを受けると共に怯んだ!そしてフィーナが詠唱を終え、Sクラフトを放った!
「その御名の許………この汚れた魂に裁きの光を降らせ給え………!ディバイン・ジャッジメント!!」
フィーナが放った裁きの聖光を雨のように降らせるSクラフト―――ディバイン・ジャッジメントを受けた敵は大ダメージを受け、なんと”グリモア”に変身した!そしてその時、フィーナの後に詠唱を終えたイリーナとエクリアが協力魔術を放った!
「「姫神の血をひきし我等が呼びかけに応え、仇名す者達に裁きを!フェミリンスの裁き!!」」
イリーナとエクリアが放った協力魔術―――フェミリンスの裁きはすざましい光の爆発を起こしながらグリモアを襲い、それを受けたグリモアは消滅した!そしてグリモアが消滅した場所には封印石が現れ、さらにその先に転位陣が現れた!
「ふう………終わったか。」
「ええ………それにしてもここでも封印石を手に入れましたね………」
戦闘が終了し、アドルは武器を収めて安堵の溜息を吐き、フィーナは宙に浮いている封印石を見つめた。
「フフ………まずはカーリアン様ですね。」
「ああ。我々を見てきっと驚くだろうな。」
「フフ………あら?封印石が………!」
「どうやら解放されるようね………」
ティナとティファーナの会話を微笑んで聞いていたイリーナは微笑んだ後封印石が光を放った事に気付き、エクリアは呟いた。そして封印石は解放され、光の中からカーリアンが現れた!
「眩し~………閃光弾かしら?………………この私に喧嘩を売るなんて、どこのどいつよ!?………って、あら??なんで、イリーナ様が…………」
光から現れ跪いていたカーリアンは溜息を吐いた後、バックステップをして双剣を構えて叫んだがイリーナに気付き首を傾げた。
「フフ、お元気そうで何よりです、カーリアン様。」
「え、ええ。それより何でイリーナ様が………って、はあっ!?なんでティナとティファーナがいるのよっ!?」
イリーナに微笑まれたカーリアンは戸惑っていたがティナとティファーナに気づいて目を見開いて驚いた。
「フフ。またこうしてお会いできるとは思いもしませんでした。」
「貴女は相変わらずだな、カーリアン殿。」
「まあ、私はそう簡単には変わらないわよ………って!何で生を全うしたはずのあんた達が生きているのよ!?しかも若い姿で………!」
ティナとティファーナに微笑まれたカーリアンは答えた後、再び疑問に思っている事を思い出して叫んだ。
「それに関しては差支えなければ私が説明させて頂きます。」
「へ?ああ、誰だか知らないけどお願いするわね………って、ちょっ!?”姫将軍”っ!!しかもその恰好………!チッ!イリーナ様、下がって!!」
そしてエクリアの言葉を聞いて頷いたカーリアンはエクリアに気づいて驚いた後、舌打ちをして双剣を構えてイリーナを庇った。
「えっと………」
「ラピスさんやティファーナさん達と同じ反応だね………」
「………貴方達にはわからないだろうが、当時の”姫将軍”を知る私達としてはこれが普通の反応だ。」
その様子を見たフィーナは遠慮気味にティファーナとティナを見つめ、アドルは呟き、ティファーナは静かに答えた。そしてアドル達はカーリアンに状況を説明した。
「…………正直信じられないけど、ティナ達がこうして目の前にいる上、世界を移動してもいないのにこんな懐かしい所にいるんだから信じるしかないわね………」
事情を聞き終えたカーリアンは周りを見回して苦笑しながら答えた。
「しっかし、あんた達がいる事も驚いたけど、話に聞いた所、今探索を同時進行している別働隊にラピスとリンどころかシルフィアもいるんでしょ?既に転生し、同化したエステルも解放されているっていうのにどうなっているのよ………まあ、最も驚く事はシルフィアが転生した事だけど。」
「そうですね………あの方の最後を考えると2度と転生する事はありえませんでしたからね………」
「ああ………私も最初は本当に驚いた。」
カーリアンの話を聞いたティナは寂しそうな表情で答え、ティファーナは静かに頷いた。
「シルフィアで思い出したけど………リフィア、どんな反応だったかしら?あの娘にとってはもう一人の祖母だけど。」
「それはもう、尊敬している態度で接していますよ。シルフィア様もリフィアの事を可愛がっていて、見ているこちらとしても微笑ましいですよ?」
「あの娘が~!?ったく、それならこの私にも同じ態度で接しなさいよね………そしたら”ちょっと”は可愛がる事を考えてあげてもよかったのに。」
イリーナの話を聞いたカーリアンは信じられない表情で叫んだ後、溜息を吐いた。
「フフ………それでカーリアン様。共に来てくれますか?」
「そんなの当然でしょ?元の場所に戻る為もあるし、今まで倒したはずの奴等が蘇っているっていう話じゃない。ちょっとは楽しめそうだから喜んで協力させてもらうわ♪」
「やはり、どれだけの時が経とうともカーリアン殿は変わらないな……………」
「え、ええ…………」
そしてイリーナの頼みに頷き、不敵な笑みを浮かべたカーリアンを見たティファーナとティナは苦笑していた。その後アドル達は現れた転位陣に乗って転位した。
~第七星層・グレゴールの宮殿・玉座の間~
リース達は探索の途中で襲い掛かって来た敵達を倒しながらついに終点に到着した。
「………着きました。ここが終点です。」
終点に到着したペテレーネは静かに言った。
「それにしても変わった場所だよね………」
「壁や床が真っ赤で目がおかしくなりそうなの……」
ナユタが呟いた言葉にノイは頷いた後溜息を吐いたその時、妖しげな光陣がリース達の目の前に現れた!
「やはり来ましたか………!」
「話にあった”魔神”グレゴールとやらが出て来るのか?」
それを見たリースとリンは仲間達と共に武器を構えて警戒した。そして妖しげな光陣からはなんと虚ろな目をしたファーミシルスが現れた!
「ファーミシルス大将軍…………!」
「ファーミシルス………”空の覇者”ですか。厄介な相手ですね…………」
相手を見たラピスは驚きの声を上げ、それを聞いたリースは真剣な表情で呟いた。そしてファーミシルスはその場で詠唱をした後、なんと2人の悪魔らしき敵達を召喚した!
「なっ………!”魔神”グレゴールにラダム様…………!」
「やはり話にあった魔神が出てきましたか………しかし、それにしてももう一人の相手は一体………ペテレーネさんは知っていらっしゃるようですけど何者なんですか?」
驚きの声を上げたペテレーネにリースは尋ねた。
「………カーリアン様のお父上です。あの方はファーミシルス様と違い、グレゴールに忠誠を誓っていましたのでこの宮殿で討たれたんです。…………気を付けて下さい、ラダム様は生前は武勇でかなり知られていました!」
「………なるほど。”戦妃”の親なだけはありますね………3手に分かれて確固撃破が一番いいんですが………シルフィアさん、”空の覇者”は貴女に任せてもよろしいでしょうか?この中で彼女と一人で対等に渡り合えるのは貴女ぐらいしかいませんし………」
ペテレーネの説明を聞いたリースは納得した表情で呟いた後、シルフィアを見て尋ねた。
「元よりそのつもりです。………ペテレーネ、援護を頼めるかしら?」
「お任せ下さい、シルフィア様!」
「リン、私達はあの”魔神”を討ち取るわよ。」
「はい、ラピスお姉様!」
「じゃあ、残りの相手は僕達だね。ノイ、リースさん、行こう!」
「わかったなの!」
「了解しました……!」
そしてシルフィアとペテレーネはファーミシルスに、ラピスとリンは魔神グレゴールに、ナユタとノイ、リースは悪魔ラダムに向かい、それぞれの戦闘を開始した………!
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