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アンジュリーゼ物語

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第1話 堕天使と2匹の飼い猫

 
前書き
マナの光、それは世界中のほとんどの人間に与えられたエネルギー。
そのエネルギーによって、魔法のような物理現象(手を触れずに物を動かす等)を起こすことが出来、世界は物の豊かさに溢れ、戦争や飢餓などの問題が解消され、夢にまでみた理想郷が築きあがった。
その一方で、マナの光を受け付けない人間はノーマと呼ばれ、差別され迫害され、隔離されていった。

ミスルギ皇国の第一皇女であるアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギもノーマの1人だった。
ノーマ認定を受けた彼女は、絶海の孤島にある軍事施設・アルゼナルに送られる。
皇女として長らく優雅な生活を送って来た彼女は、アルゼナルでの環境になじめなかった。
粗末な服装・粗末な食事…。
そしてアンジュと呼ばれるまでになった。
だが、彼女の軍事能力は平均値を上回っていることが判明。
自分と同じ第一中隊に所属する新兵2人、ココとミランダと仲良しになった。 

 
アンジュリーゼは、ココとミランダと共にアルゼナル内にある商業施設にやって来た。
アンジュリーゼ「どんな所ですか?此処は。」
ミランダ「ここはジャスミンモールだよ。」

ジャスミンモールには、様々なものが並んでいた。
だが、同じ物がいくつも並べられているところもあった。
なぜ同じ物が?
マナが使えないため、物の数には限りがあるからである。
そのため同じ物の数で、その物があと何個手に入るかを表している。

アンジュリーゼは、札束を手に取って、ココにこう問う。
アンジュリーゼ「ここでこの束を使うのですか?」
ココ「はい!」
ミランダ「アンジュ、買い物したことないの?」
アンジュリーゼ「私の住む世界は、望めば何だって手に入ります。望んだものが手に入り、望んだ自分になれる。差別も格差もない物豊かな世界。それが私の故郷であるマナの世界。」
ココはそんな回答に驚いた。
ココ「本当にあったんだ、魔法の国が。」
アンジュリーゼ「魔法の国…、気に入っていただけたのですか?私の故郷が。」
ココ「はい!」
そしてアンジュリーゼは、ペンとレターセットを購入する。

ココ「私、魔法の国に行きたい!で、そうするにはどうすればいいのですか、アンジュ様。」
アンジュリーゼ「私の名前はアンジュリーゼです。私も自分の故郷に戻ることを考えています。」
ココ「はい、アンジュリーゼ様」

そうして、アンジュリーゼとココの、アルゼナル脱走計画が始まった。

アンジュリーゼはココの部屋に行き、「魔法の国のおとぎ話の本」を読む。
アンジュリーゼ「古臭い魔法の国が描かれてますね。」
ココ「古臭い?アンジュリーゼ様の魔法の国って、どんな国なんですか?」
アンジュリーゼ「かなり現代的で、警察も存在するし、コンピュータ・グラフィックスも芸術として扱われます。」
ココ「魔法と科学が融合した世界みたいですね。」
アンジュリーゼ「行ってからのお楽しみです。」
ココ「はい。で、どうやって脱走すればいいのですか?」
アンジュリーゼ「私だけがこの施設から出る場合、さっき購入したペンとレターセットで嘆願書を書き、それを指令室に届け各国の元首に送ってもらいます。しかしあなたもここから出たいとおっしゃるのであれば…。」
ココ「ドラゴンが出現したら、パラメイルに乗ることが出来ます。そのパラメイルで脱走するのはどうですか?」
アンジュリーゼ「中々いい案ですね。」
ココ「私、パラメイルに乗ってアンジュリーゼ様についていきます!」
アンジュリーゼ「私の操縦テク、見せてあげましょう。」
ココ「はい!」

そして2人は、ジャスミンモールのゲームコーナーに行き、ファンタジーモノのアーケードゲームをプレイした。
ココは低スコアでゲームオーバーになったが、アンジュリーゼは高スコアでゲームオーバーになった。
ココ「アンジュリーゼ様って、ゲームも得意なんですか?」
アンジュリーゼ「私は皇女。ゲームだってプレイしてきました。」

翌日、2人は食堂に行き、仲良く食事をした。
ココ「ここの食事には慣れましたか?」
アンジュリーゼ「早くこんな食生活から抜け出したいものです。」
ココ「魔法の国ではどんなものが食べられるのですか?」
アンジュリーゼ「それは行ってからのお楽しみです。」
ココ「楽しみですね。」

そしてジャスミンモールに行き、パラメイルのカスタマイズグッズの見物をした。
ココ「私、このマークをパラメイルに付けたいです。」
ココが指差したのは、魔法の国をイメージさせるマーク。
アンジュリーゼ「そうですか…。」

アルゼナルの中で、楽しい思い出を作っていくアンジュリーゼとココ。
しかしアンジュリーゼはその間、密かに嘆願書を書いていた。
ノーマであるココの命などどうだっていい…。そう思っていたからだ。
そしてドラゴンと戦う日になった。

アンジュリーゼは嘆願書を指令室のジルに渡した後、パラメイルに乗ってアルゼナルから飛び立った。
パラメイルの群れとドラゴンの群れが接近し合っていく。

だがアンジュリーゼとココは、他の第一中隊メンバーがドラゴンと戦っている間、隙を見てミスルギ皇国に向かって飛び立っていく。
アンジュリーゼは図書室で地図も見ていたのだ。
なのでミスルギ皇国へはどの方向に向かって飛んでいけばいいのかがわかる。
ココ「これで行けますね!魔法の国に。」
アンジュリーゼ「はい!」

果たして2人は、無事にミスルギ皇国にたどり着けるのか。 
 

 
後書き
次回予告

アンジュリーゼは、3人の墓を建てる。
そして、死ぬためにボロボロの兵器に乗って飛び立っていく。 
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