ガラスの海で
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9部分:第九章
第九章
25.火と水と
炎が燃えて 辺りを焦がす
赤い炎が燃え盛り 俺の心も照らし出す
炎よ燃えろ 何処までも燃えろ
燃えて燃えてそのまま燃え盛り
全てを焼き尽くしてしまえ
その燃える心で俺は行く
熱い心を抱いて戦場へ ただ一人行く
俺一人だけの戦場 果てには何があるのか
それを見極めに行くのさ 炎と共に
水が流れ 辺りを鎮める
青い水が流れ落ち 私の気を鎮めてくれる
水よ流れろ 何時までも流れるの
流れ流れて全てを清めて
あらゆるものを清くして
その清らかな気を私は愛する
清らかな心を抱いて あの人を向かえる
私の心はあの人に 清らかなままでいて
そして一人待っている 水の中で
熱い心を抱いて戦場へ ただ一人行く
俺一人だけの戦場 果てには何があるのか
それを見極めに行くのさ 炎と共に
26.凍った花
凍った花が一輪 道に落ちていたよ
誰が落としたのかわからないけれど
そこに一輪 壊れた花が落ちていたよ
花びらも凍って 茎も何もかもが砕けていたよ
奇麗な花が砕けてそこに落ちていたよ
紅い花が一輪 夜の闇の中に落ちていたよ
凍った街 凍った道にただ落ちていたよ
誰かが落とした凍った花 そこに静かに落ちていたよ
誰も拾わない壊れたものさ そこに落ちているだけさ
凍った心が一つ そこにあったんだ
誰の心も凍ってしまってそこにあったんだ
そこに一つ それぞれの人の心を一つずつ
そこに置いていて そのまま静かに凍っていったんだ
奇麗な心も澄んだ心もここで凍っていって
そしてそのまま 冷たい世界に閉じ込められて
凍った心 そのまま隠されていくんだ
誰の心も閉ざされて 全てが冷たくなった世界で
凍らないものは何もない 誰の心も凍っていくよ
誰かが落とした凍った花 そこに静かに落ちていたよ
誰も拾わない壊れたものさ そこに落ちているだけさ
27.アラベスク
絡み合う心 複雑な幾何学模様
心なんていつもそう アラベスクになるもの
人の心は複雑で そしてどうなるかわからない
上手くいくことなんてない 誰もが悩んでそれで
答えのない迷路を進み アラベスクを作っていく
それが人の心なんだ 解けることはないもの
その絡み合うものを持ったまま生きていく
さらに複雑にさせながら そうして生きていくんだ
何処までも歩いて 何処までもアラベスクに
混じった心 多くのものが混じっている
心はそうなのさ 一つの心なんて有り得ない
だから人なんだ どうとでもなってしまうものなんだ
そんなものだから 時として間違えてしまう
後悔して反省して 人の心は出来上がっていく
それが人間なんだ 少しずつ出来上がっていく
嫌なこともそれこそ一杯あるけれどそれでも
出来上がっていく 心も人も出来ていく
それを抱いて 歩いていくものなのさ
さらに複雑にさせながら そうして生きていくんだ
何処までも歩いて 何処までもアラベスクに
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