転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1342話
騒ぎが起きたパーティが終わり、今日は連合軍が用意したホテルに泊まる事になっていた。
スイートルームを与えられたが、それでもベッドの広さはホワイトスターにある家のものとは大きく違う。
まぁ、それがなくても連合軍が用意したホテルだ。こっちの弱点になるような事をするつもりはない。
1日や2日夜に1人で寝るくらいはどうという事はない。……多分。
シャドウミラーと敵対したいとは思わない連合軍である以上、妙な真似をしてくるとは思わない。
それでも、パーティで騒ぎを起こした男のように、必ずしも連合軍が一致団結してシャドウミラーと友好に接しようとしている者だけとは限らないんだよな。
「ま、これはこれで悪くはないけど」
スイートルームだけあって、そこにあるベッドはかなり上質な代物だ。
ホワイトスターにある俺の家のベッドと比べると若干劣るが、それは俺の家のベッドが色々な意味で最高級な代物だからだろう。
技術班とかも手を出してるって話だし。
ベッドに寝転がりながら、TVへと視線を向ける。
そこで放映されているのは、当然のように連合軍が木星蜥蜴に大々的に勝利したというニュースだ。
その割りに映像はかなり弄られ、連合軍が戦力の中心といった扱いになっている。
一応シャドウミラーの存在は既にナデシコ世界には広められている。
いやまぁ、ニヴルヘイムがサツキミドリ2号の側にいるんだから、どうしたって情報を封鎖するってのは無理だろうが。
寧ろこの状況で情報封鎖をしようものなら、連合軍や連合政府に対する市民の心証は非常に悪くなる。
そんな訳で、サツキミドリ2号を中心にして地球にシャドウミラーの事は知れ渡っていったのだが……この世界の人の反応は、好意的3割、中立4割、嫌悪3割と、見事な程綺麗に分かれていた。
いや、寧ろ好意的なのが3割もいるのが出来過ぎなのか?
火星でプロスペクターが言っていたように、そして祝勝パーティであやかに絡んでいた男が言っていたように、シャドウミラーというのはその成り立ち上木星蜥蜴の正体だと言われてもおかしくはない。
メギロートやイルメヤといった虫型の無人機を使用し、転移技術を持っている。
そこだけを見れば木星蜥蜴と殆ど同じなのだから。
ただ、見る者が見れば同じ無人機ではあっても技術系等が大きく違うというのは分かるだろう。
大きさも、バッタとメギロート、カトンボとメギロートではかなり違う。
転移技術に関しても、木星蜥蜴の転移技術はチューリップを使って空間を繋げるトンネルのようなものを作り出すのに比べて、シャドウミラーのは光の繭のような転移フィールドで機体を包み、転移するという方法だ。
大きく見れば似ているように見えるかもしれないが、細かく見れば色々と違う。
ただ、問題はそこまで詳しく見る奴がそう多くないって事なんだよな。
良くも悪くも一般人というのは感情に突き動かされる。
それ故に、一度木星蜥蜴=シャドウミラーと認識してしまえば、そう簡単には意見を翻さない。
好意的というのは、その辺の事をきちんと理解している人が多い……といいなぁ、と思っている。
実際にはネルガルの関係者とか、そういう層な可能性が高いが。
で、中立というのはまだよく分からないからもう暫くは様子見をしてみようという層。
「ま、時間が立てば中立の層の大部分が好意的な層に流れるだろうけど」
「うん? どうかしたのか?」
俺の呟きに、部屋の中で何かの雑誌を読んでいたスレイが尋ねてくる。
それに何でもないと首を横に振ると、また雑誌へと戻っていく。
「そんなに面白い雑誌なのか?」
「面白いというか、興味深いという方が正しいな。ナデシコ世界の歴史についてだ」
「……また、随分と堅そうな雑誌を」
てっきりファッション雑誌とかを読んでいるのかと思ってたんだが。
俺が言うのも何だけど、元々スレイは自分が着る服とかにはそれ程凝っていたりはしなかった。
それが俺と暮らすようになり、マリューとかシェリルとか美砂といった面々に付き合わされてホワイトスターや色々な世界で服を買うようになったりもして、お洒落に目覚めたんだよな。
なので、てっきりファッション雑誌でも見ているのかと思ったんだが。
「堅いと言う程に堅い訳ではないさ」
「……例えばどんな風にだ?」
堅くない歴史雑誌という事で少し興味を覚え、スレイへと尋ねる。
「そうだな、100年前に月で行われた独立運動について書かれているな」
「月の独立運動か。それは俺も前に図書館で見た覚えがあるな」
「この記事によると、月の独立運動には何者かが裏で操っていたというのがある」
「それはまぁ、そんなに大きな騒ぎになったんだったら、誰かが独立派を率いていたりしたんじゃないか?」
「そうではなくて、地球にいる一部の人間が月をこれまで以上の支配下に置きたくて行った……という事らしい」
「陰謀論か」
「それに近いものがある。ただ、ここからが面白い。その月を完全に支配下に置きたかったという理由が、月の地下に埋まっている古代文明の遺跡を欲したからという事だ。……どうだ、少し気にならないか?」
「古代文明、か」
古代火星文明の存在を知った今では、それを完全に否定する事は出来ない。
もしかしてネルガルがその月の独立運動に関わってたりしないだろうな?
現在ネルガルの会長であるアカツキはともかくとして、その父親はかなり評判が悪かったという話だ。
100年前となると、アカツキの父親が関わっている可能性は恐らくないだろうが、アカツキの祖父、曾祖父といった面子が関わっている可能性は十分にある。
いや、でもネルガルが火星にある遺跡を見つけたのはごく最近……と言ってもいいのかどうかは分からないが、ここ十数年での事だ。
だとすれば、月に古代火星文明の遺跡があるなんて話を信じるか?
「ま、普通に考えればオカルト雑誌に近い扱いなんじゃないか?」
それこそネッシー発見とか、宇宙人は既に地球に住んでいるとか、雪男を見た! とか、そんな感じで色々と掲載している雑誌というのは少なからずある。
販売部数とかは少ないんだが、それを買っているのが熱狂的な奴だから潰れたりはしないんだよな。
細く長く生き残るというか。
「そうだな、それは否定しない。それでも色々とこの世界の歴史の裏に迫るといった感じで少し面白いぞ。中には某国のお偉いさんの娘が黒魔術の生贄として牛を殺すのを習慣化していたとか。……もしかして、この世界にも魔法は生き残っているのかもしれないな」
「牛かよ。こういう時は普通鶏じゃないのか? にしても、魔法……魔法か。少し興味深いな。てっきりこの世界は科学だけで魔法の類はないと思っていたんだが」
俺に原作知識があればその辺は分かったかもしれないが……残念だ。
もしこの世界にも魔法があるのなら、出来ればその魔法技術も入手したいんだけどな。
そんな風に考えていると、部屋のチャイムが鳴る。
誰が尋ねてきたのか疑問に思ったのだが、ドアを開けてみると、そこにいたのはあやか、千鶴、エザリアの3人。
政治班が揃ってお出ましらしい。
「どうしたんだ?」
「……ちょっと連合政府のお偉いさんと話をしてみたんだけど、少し気になる事があったのよ。それを聞いて欲しくて」
「ここでいいのか?」
暗に、ここが盗聴されている可能性を指摘するが、エザリアは特に困った様子も見せずに頷く。
いや、それどころか盗聴されているのを望むところだとばかりに笑みすら浮かべていた。
これは……多分、盗聴している奴がいるとすれば、そいつへ意図的に話を聞かせたいんだろう。
そうして中に入ってきた3人に、冷蔵庫からお茶を出す。
本来ならこの辺も警戒して俺の空間倉庫から出した方がいいんだろうけど、ここで盗聴とかならともかく、毒殺を考えてくる奴がいるとは思えないし、多分大丈夫だろう。
そもそもシャドウミラーのメンバーは身体能力的な意味でも普通の人間を遙かに超えるだけのものを持っている以上、もし毒があってもそう簡単には死なないし。
缶の紅茶がスィートルームにあるというのも色々と驚きだが、飲んでみてはっきりと分かる。
その辺に売ってる缶の紅茶ではない、と。
普通缶の紅茶というのは、どちらかと言えば紅茶風飲料とでも呼ぶべきものだ。
けど、この缶の紅茶は明らかにそのレベルを超えている。
それもかなりのレベルで、だ。
多分……いや、間違いなくスイートルームとかの場所に常備する為だけに開発された代物だと思われる。
普通の缶紅茶とかは200円しない程度だが、恐らく……本当に恐らくだが、この缶紅茶を市販するとすれば1缶1000円は楽に超えるだろう。
……まぁ、それでも結局は缶紅茶というだけあって、本物のプロの紅茶に比べれば大分落ちるのは事実なんだが。
エザリア達もこの缶紅茶の味には驚いたのか、何度も自分が握っている缶を見つめている。
この様子を見る限りだと、やっぱりこの缶紅茶は俺の部屋にしか用意されていなかったんだろう。
そんなエザリア達の様子を見ながら。本題に入るべく口を開く。
「それで、何の用だ? 何か気になる事があるって話だったけど」
「え? あ、ええ。……実は、木星蜥蜴の本拠地があるだろう木星に対してシャドウミラーから偵察隊を送りたいという話をしたんだけど、反応が芳しくないのよ」
「それは単純に、木星蜥蜴の技術を俺達に独占されたくないってだけじゃないのか? 正確には木星蜥蜴というか、火星古代文明だろうが」
木星蜥蜴が火星古代文明と関係がある以上、今までそれを独占していたネルガルとしてはシャドウミラーだけに木星にあるだろう各種生産プラントを奪われたくないだろうし、連合軍にしても同様だろう。
特に相転移エンジンは、シャドウミラーのブラックホールエンジンに比べると色々と欠点が多い代物だが、それでもこのナデシコ世界ではグラビティブラストやディストーションフィールドを使う為の大出力エネルギーを得る為には必須の代物なのだから。
そう告げると、エザリアは首を横に振る。
「私もその辺は考えたわ。けど、偵察に連合軍から何人か派遣してもいいと言っても、それでも拒否するのよ。それも、上層部の軍人に限って」
「つまり、地位があまり高くない軍人は偵察に賛成しているのか?」
「ええ」
あっさりと頷くその様子を考えると、1つの結論が見えてくる。
つまり……
「連合軍の上層部は、俺達に木星へと行って欲しくはない訳だ」
「でしょうね。そうなると、何を隠しているのか気になるわね」
エザリアも同様の答えに辿り着いていたのか、頷いてくる。
いや、エザリアだけではない。あやかや千鶴の2人も同様だ。
政治班である以上、その程度は最初から予想してやって来たってところか。
「で、何を隠していると思う?」
「さぁ? そこまでは。ただ、当然私達に知られたくない事が何かあるんでしょうね。本当にそれを知るつもりがあったら、木星に行ってみるのが一番だと思うけど?」
「やっぱりそれがベストか。向こうは行って欲しくないんだろうが、それを俺がわざわざ守らなくてもいいだろうし」
シャドウミラーが連合軍や連合政府の下部組織だったら、その意思を重視する必要があるだろう。
だが、俺達はシャドウミラーという1つの国であり、この世界のどこかの組織の下部組織という訳でもない。
だとすれば、当然独自行動を取る事も可能な訳だ。
「動くのは早い方がいいか? それとも、一旦連合軍や連合政府を油断させる為にもう少し時間を取った方がいいか?」
「……どちらかと言えば、少しでも早い方がいいでしょうね。ここで無駄に時間を掛けると、連合軍が何かを仕掛けてくる可能性があるわ」
エザリアの言葉に、他の皆も頷く。
だとすれば、なるべく早い内に木星の偵察に行った方がいいだろう。
連合軍やネルガルでは、木星に偵察に行くにしても普通に宇宙を移動する必要がある。
しかもこの世界ではステルスの類が殆ど発達していないらしく、木星蜥蜴から姿を隠しながら移動するというのも難しい。
それに比べるとシャドウミラーの場合、システムXNがあるので火星から数秒で木星に到着する。
そしてステルスというのはシャドウミラーが得意としている分野だ。
ASRSにミラージュコロイドを使えば、木星蜥蜴に見つかる事はまずない。……と、思う。多分。
「そうだな、なら今回の地球の件が終わったら早速木星に偵察に行くようにするか」
「ネルガルはどうするの?」
「……前もって話すと止められる可能性があるから、出発直前に話を通した方がいいだろうな。連合軍も同じく」
「ミナトはどうするのだ?」
スレイの言葉に、悩む。
実際問題、ミナトはまだナデシコから降りるつもりはないだろう。
ナデシコそのものに居心地の良さを感じているというのもそうだろうが、何よりルリの問題がある。
妹のように思っているルリを放って、ミナト1人でナデシコを降りるような事はないだろう。
……その辺、少し難しいところだ。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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