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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第103話

~黒竜関~



「一の型―――閃光斬!!」

戦闘を開始したヴァリマールは先制攻撃をゴライアスのボディに叩きつけたが

「オラッ!!」

「グッ!?」

ゴライアスはまるでダメージを気にしないかのように腕を振るってヴァリマールにダメージを与えた。

「そこだっ!!」

ヴァリマールにダメージを与えたゴライアスは続けてもう片方の腕を振るったが

「甘い!セイッ!!」

「チッ!?」

ヴァリマールは側面へと機体を動かして攻撃を回避して逆の腕に攻撃して敵を怯ませ

「隙は見逃さない!ハッ!!」

続けて剣を叩きつけて追撃した。



「オォォォ……!」

一方ゴライアスは何かの構えで溜め動作をし

「燃え盛れ……龍炎撃!!」

「ガッ!?」

ヴァリマールは炎を纏いし強烈な一撃を叩きつけてゴライアスを怯ませ

「そこだっ!セイッ!!」

更に追撃をした。



「クク、ひねり潰してやる!」

「しまった!?グッ!?」

その時溜めの動作をしていたゴライアスがヴァリマールを両腕で捕えて締め付けて地面へと落とし

「オォォォ……!」

肩に搭載してあるガトリングガンの銃口をヴァリマールに向けて溜めの動作をした。



「リィン、これで護って!」

「ミリアム!―――助かる!!」

「オラアアアアアアッ!!」

溜めの動作を終えたゴライアスは無数の銃撃をヴァリマールに放ったが、ヴァリマールはミリアムと戦術リンクを結んでいる事によって放てるEXアーツ―――アルティウムバリアによる絶対防壁で守られていた為、ヴァリマールはダメージを受けなかった。



「三の型―――天衝斬!!」

「グッ!?」

絶対防壁にその身を守られているヴァリマールは絶対防壁が消える前にゴライアスに詰め寄って剣技を叩きつけてゴライアスを怯ませ

「そこだっ!ハッ!!」

続けて追撃を叩きつけた。

「舐めんじゃね――――ッ!!」

「グッ!?」

しかしその時ゴライアスは腕を振るってヴァリマールを吹っ飛ばし

「蜂の巣にしてやるよ……!」

再びガトリングの銃口をヴァリマールへと向けて溜めの動作をした。



「させないわよっ!――――鳴神!!」

「チッ!?」

その時サラ教官との戦術リンクを結んだヴァリマールによるEXアーツ――――鳴神によって発生した雷撃がゴライアスに命中し、ヴァリマールはゴライアスに向かって突撃した。

「喰らえ――――ッ!!」

それを見たゴライアスは怒涛の銃撃を放ったが、雷撃を受けた影響により一時的に威力が低くなっていた為、銃撃を受けてもヴァリマールは怯まずゴライアスに詰め寄って攻撃した。

「秘技――――百烈桜華斬!!」

「グッ!?」

強烈な薙ぎ払い攻撃を受けたゴライアスは怯み

「隙は見逃さない!」

「ガッ!?」

ヴァリマールはその隙を逃さず右腕に攻撃を叩きこんで追撃した。



「オラッ!!」

「グアッ!?」

しかしヴァリマールは再びゴライアスに両腕で捕えられて締め付け攻撃を受けてダメージを受け

「吹っ飛べ!!」

「グッ!?」

地面に落とされたヴァリマールはゴライアスの剛腕を喰らってゴライアスとの距離を取らされた。



「ちょっと不味いわね……今の内に回復しておきなさい!」

「ああ!―――頼む、エリス!」

「はい、兄様!――――女神よ……どうかご加護を……!!」

セリーヌの助言を受けたリィンはエリスとの戦術リンクをヴァリマールで結んでEXアーツ―――ホーリースコールを発動して受けたダメージを完全回復させた。



「チッ、回復もできるのかよ……!なら回復も追いつけない程の一撃を喰らわさせてやるよ!オォォォォォ……!」

ダメージを回復したヴァリマールを見たゴライアスはもう片方の腕に搭載している砲口に凄まじいエネルギーを溜め込み始めた。

「強烈な攻撃が来るわよ!何とか止めるか、躱すかどちらかにしなさい!」

「ああ!―――セレーネ!力を貸してくれ!」

「はい、お兄様!――――サンダーストライク!!」

セリーヌの助言を聞いたリィンはセレーネとの戦術リンクをヴァリマールで結んでEXアーツ―――サンダーストライクを発動し、凄まじい霊力が込められた雷を纏った剣をゴライアスに叩きつけた!



「グアッ!?なっ!?操縦ができないだと………!?」

強烈な雷撃を受けた事により一時的に機能がショートしたゴライアスは溜め攻撃を解除されると共に麻痺状態に陥り

「一気に決めるぞ、リィン!」

「ああ!ハァァァァァ……!!」

その間にヴァリマールはガイウスと戦術リンクを結んでEXアーツ―――ワイルドレイジを発動して闘気を溜め込み

「防御を崩して一気に決めるがいい!」

「わかった!セイッ!!」

「グッ!?」

続けてユーシスと戦術リンクを結んでEXアーツ―――シバリールーンを放ってゴライアスにダメージを与えると共にゴライアスの防御能力を一時的に下げた。



「このっ!!」

その時ゴライアスは両腕でヴァリマールを捕まえようとしたが

「甘い!」

ヴァリマールは一端後退してゴライアスの攻撃を回避して反撃した。

「三の型――――天衝斬!!」

「グアッ!?」

そしてヴァリマールの剣技を受けたゴライアスが怯んだその時!

「行くぞ、リィン!」

「わかった!」

「「神技――――聖王剣―――――ッ!!」」

「ぐはあああっ……!!」

聖なる光を剣に纏わせたヴァリマールが強烈な一撃をゴライアスに叩きつけ、それを受けたゴライアスは戦闘不能になった!



「よし―――!」

「やった……リィンの勝ちだわ!」

「ここまでの戦力差を覆すとは……!!」

「あはは、さっすがリィン!」

「兄様……!」

「………………」

「ゲルドさん?どうしてそんな悲しそうな表情をしているのですか?」

ヴァリマールの勝利に仲間達が喜んでいる中、悲しそうな表情でゴライアスを見つめるゲルドに気付いたセレーネは不思議そうな表情をして尋ねた。

「……あの機甲兵の中に入っている人がヴァリマールとの戦いの後に爆発に巻き込まれて死ぬ光景がさっき”見えた”の…………」

「え――――」

「何ですって!?」

辛そうな表情をしたゲルドの言葉を聞いたエリスは呆け、サラ教官は血相を変えた。

「……クク、さすがは”C”と同じクラスにいただけはあるな。最後の最後に負けちまったが……燃え尽きる寸前の最後の”焔”としちゃ上出来だぜ。」

するとその時ゴライアスからヴァルカンの満足そうな様子の声が聞こえた後ゴライアスの機体に大爆発が起こってゴライアスはのけ反った!



「!?どうしたんだ!?」

「やっぱりか―――まずいぞ、リィン君!あの巨体を支える為に、導力機関に相当な負荷がかかっていたんだ!!このままじゃ、機体ごと爆発してしまう!!」

「なっ……!?V―――ヴァルカン!早く脱出するんだ!このままじゃ……!」

ジョルジュの警告を聞いて驚いたリィンは血相を変えてゴライアスの中にいるヴァルカンに警告した。



「いいんだよ、それで……俺は最大の目的を果たした……ちっとばかり空しいが、……満足はしているからな。」

しかしヴァルカンは満足げな笑みを浮かべてリィンの警告を拒否した。

「ば、馬鹿な事を言うなっ!死んでしまったら元も子もないだろう!?」

「ハハッ……俺ぁとっくの昔に死んでたのよ。鉄血の野郎に仲間を皆殺しにされたあの日にな………ようやくこれでアイツらや、”G”の旦那に会えるってもんだ。」

「あ…………」

「……ま、できればメンフィルの横槍が入る前に”S(スカーレット)”と”C(クロウ)”にはいい落とし所を見つけてやってくれや。じゃあな―――楽しかったぜ。」

自分の”死”を受け入れたヴァルカンは静かな笑みを浮かべて爆発を起こし続けるゴライアスの操縦席に座り続けていた。



「まずい――――離れなさい、リィン!!」

「機体の爆発に巻き込まれれば貴方も無事にはすみませんよ!!」

「早くそこから逃げてください、兄様ッ!!」

「くっ――――!」

サラ教官とシグルーンの警告、エリスの悲鳴を聞いたリィンは急いで後ろへと後退し、その瞬間ゴライアスは大爆発を起こした!爆発が消えるとそこには木端微塵になったゴライアスの残骸だけが残っており、爆発に巻き込まれた影響なのかヴァルカンの死体は塵すらもなかった。



「……ッ……!くそおおおおおおっ!!」

ヴァルカンを助けられなかった事に悔しさを感じたリィンは思わず空を見上げて咆哮を上げた!



「リィンさん……」

「お兄様……」

「兄様……」

エマとセレーネ、エリスは辛そうな表情でヴァリマールを見つめ

「帝国解放戦線、”V"……これが彼の望んだ最期だっていうのか……?」

「こんなのって……」

「………………」

マキアスとアリサはゴライアスの残骸を見つめて肩を落とし、フィーは複雑そうな表情で黙り込んだ。



その後、アンゼリカとログナー侯爵によって戦闘の後処理が行われ……黒竜関は一触即発の状況からようやく脱したのだった。ログナー侯爵は改めて今回の一騎打ちの敗北を認め……アルフィン皇女に誓う形で、『貴族連合からの離脱』及び『内戦への不干渉』を宣言した。しかしアルフィン皇女から戦争回避条約の件等を聞かされると反論して来た。 
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