英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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外伝~エリス・シュバルツァー救出作戦~
~カレル離宮~
「二の型・改―――雷鳴剣!!」
「ガッ!?」
「グアッ!?」
エリゼは電光石火の速さで兵士達に詰め寄って雷撃を纏った太刀による斬撃を叩きつけ、斬撃を叩きつけられた兵士達は大量の血を噴出させ
「滅せよ!―――タキオンの爆発!!」
「ギャアアアアアアアッ!?」
そこにリフィアが発動した魔術によって兵士達は体内に起こった爆発によって全身から大量の血を噴出させながら絶命した!
「グルルルルッ!!」
その時魔獣がリフィアに襲い掛かったが
「殿下には指一本触れさせん!――――壊山槍!!」
「ギャンッ!?」
ルベールが闘気を纏った槍で魔獣の頭を貫いて闘気の爆発を起こして魔獣を絶命させた!
「二の型―――洸破斬!!」
「え――――」
「あ―――――」
エリゼは神速の抜刀にる衝撃波の刃を解き放って兵士達の首を刈り取って絶命させ
「漆黒の霧よ、暗黒の呪いを我が仇名す者達に与えよ!破滅のヴィクティム!!アークス、駆動!――――覇王竜よ、余の怒りの炎で焼き尽くせ!ロードインフェルノ!!」
「ギャアアアアアアッ!?」
「ガアアアアアアア――――ッ!?」
リフィアは高火力の魔術やアーツを次々と放って多くの兵士達や魔獣を絶命させ
「我らも殿下達に続け――――ッ!!」
「オォォォォォォォオ――――――ッ!!」
ルベールはメンフィル兵達に号令をかけ、リフィアを護りながら次々と近衛兵達を殺し続けた!
「ハハハハハッ!脆い!脆すぎるぞっ!!」
「グアアアアアアアッ!?」
「ギャアアアアアアッ!?」
ディアーネは凶悪な笑みを浮かべて笑いながら魔槍で闘気を込めた薙ぎ払いを放って近衛兵達の身体を上下にわかれさせて絶命させ
「フン!!」
「うっ!?か、身体が……!?」
目に魔力を込めて兵士を睨んだ。すると兵士は石になったかのように身体が固まり
「クク、死ねぇっ!!」
「ガハッ!?」
その隙を狙ったディアーネは魔槍で近衛兵の喉元を貫いて絶命させた!
「グルルルルッ!!」
その時魔獣がディアーネに襲い掛かったが
「雑魚が!宵闇の一撃!!」
「ギャンッ!?」
魔力を込めた魔槍で魔獣の頭を破壊して絶命させ
「クク、塵となるがいい!キル・ディアーネ!!」
「ウアアアアアアアアッ!?」
「ギャアアアアアアッ!?」
魔力によって発生した無数の魔槍を解き放ち、多くの兵士達や魔獣達を絶命させた!
「雷電!!」
「グッ!?」
「うあっ!?」
リーシャが投擲した暗器が近衛兵達に命中すると雷撃が近衛兵達を怯ませ
「砕け散れっ!!」
「グギャアアアアアア―――――ッ!?」
武器を投擲して兵達の身体を上下にわかれさせて絶命させた。そして投擲された斬魔刀はブーメランのようにリーシャの手元に戻るとリーシャは側面に跳躍した。するとリーシャが跳躍すると同時に銃撃がリーシャがいた場所に放たれていた。
「クソッ!外したか!」
「撃て―――ッ!!」
近衛兵達は銃口をリーシャに向けたが
「爆雷符!!」
「ガハッ!?」
「ゴフッ!?」
リーシャが投擲した暗器が胸に命中すると同時に爆発して心臓を破壊し、それを受けた兵達は口から大量の血を吐いて絶命した!
「グルッ!!」
「!!」
その時魔獣がリーシャに襲い掛かったがリーシャは軽やかに後ろに跳躍して回避し
「死方陣!!」
「ガッ!?」
一瞬で分け身を作って魔獣を包囲して分け身達と共に同時攻撃をして魔獣を滅した!
「なっ!?あの女……まさか”アルカンシェル”のリーシャ・マオか!?」
「い、言われてみれば……!」
「な、何でアルカンシェルのアーティストがこんな所に……いや、何故ここを襲っているんだ……!?」
一方見覚えのあるリーシャの顔を見た近衛兵達は混乱した。
「我が舞は夢幻…………去り逝く者への手向け………眠れ……銀の光に抱かれ!縛!!」
「え――――」
「な――――」
近衛兵達が混乱している隙を逃さなかったリーシャは鉤爪を無数に解き放って近衛兵達を拘束し
「滅!!」
一気に詰め寄り、斬魔刀で薙ぎ払いを放つと共に駆け抜けて近衛兵達の身体を真っ二つにして近衛兵達を絶命させた!
「フン、もう終わりか?」
自分達以外全員絶命して血溜まりに倒れている近衛兵や魔獣達を見回したディアーネは鼻を鳴らして不満げな表情をした。
「3階の式典の間にエリスさんが幽閉されています。―――私が先導します。行きましょう。」
「うむ!」
「お願いします!」
リーシャの言葉にリフィアとエリゼは頷いた後メンフィル兵達と共にリーシャの後をついて行った。
リフィア達は時折現れて襲い掛かってくる近衛兵達や魔獣、そして人形兵器を次々と滅しながら進み、鍵がかけられた扉にはリフィアやディアーネが魔術で破壊するかエリゼが斬撃で扉を真っ二つに斬る等強引な方法で破竹の勢いで進み続け、リフィア達が通った後には血溜まりに倒れて絶命している近衛兵達や魔獣、そして人形兵器の残骸だけが残っていた!
「来たぞ……!」
「クッ、絶対にここは通さん!」
リフィア達が目的地である”式典の間”の扉の前に到着するとそこには近衛兵達や魔獣、人形兵器が待ち構えていた。
「――――そこをどきなさい、愚か者!ハァァァァァ……!」
「え――――」
「あ――――」
「な――――」
するとその時エリゼは近衛兵達に一瞬で詰め寄って神速の抜刀で無数の斬撃を叩き込んだ後跳躍した!
「奥義――――風神烈波!!」
「ギャアアアアアアッ!?」
エリゼが膨大な闘気による風を纏わせた太刀を叩きつけると、その際に発生した鎌鼬が近衛兵達や魔獣の全身を切り裂き、絶命した兵達や魔獣達は血溜まりに沈み、人形兵器はバラバラになり、残骸となった!
「よくやった、エリゼ!さあ、ようやくお前の家族を取り戻す時だ!行くぞっ!」
「ええ……!」
そしてリフィア達は扉を開け、”式典の間”に入った!
「え…………」
「貴女達は……!」
リフィア達が式典の間に入るとエリスは呆けた表情で、レーグニッツ知事は驚きの表情でリフィア達を見つめていた。
「あ……」
「うむ、無事で何よりじゃ!」
エリスの姿を見たエリゼは呆け、リフィアは口元に笑みを浮かべて頷いた。
「ね、姉様…………本当に姉様なのですか……?」
「ええ……!良かった、無事で……!」
信じられない表情で自分を見つめるエリスにエリゼは微笑みながら近づき、エリスを抱きしめた。
「リ、リフィア皇女殿下!?それにメンフィル兵達まで……!」
「ま、まさかこの騒ぎはリフィア殿下達が……?」
「どうしてメンフィルの方々がこちらに……?」
「……………………もしやエリス嬢の救出に参ったのか?」
エリゼと共に近づいてきたリフィアの姿を見たレーグニッツ知事は驚き、セドリック皇子は信じられない表情をし、プリシラ皇妃は戸惑い、エレボニア皇帝―――ユーゲント三世は真剣な表情でリフィア達を見つめて尋ねた。
「え………………」
ユーゲント三世の言葉を聞いたエリスは呆け
「―――その通りだ。エリスは余が信頼する家臣エリゼ・シュバルツァーの妹にしてメンフィルの民。エリスは返してもらうぞ、ユーゲント三世!」
リフィアは怒りの表情でユーゲント三世を睨みつけた。
「リ、リフィア殿下?何故、そんなに怒っているんですか……?」
「殿下!無理を承知でお願いします!せめて陛下達だけでもメンフィルで保護してください!」
リフィアの様子にセドリック皇子は戸惑い、レーグニッツ知事は真剣な表情で声を上げてリフィアを見つめ
「構わん、レーグニッツ。……リフィア皇女。今まで貴国の民であり、貴女が懇意にしている家臣の家族であるエリス嬢に不自由をかけてしまい、申し訳なかった。今この場でエリス嬢を貴国にお返しする。―――エリス嬢、私達の不徳で他国の民であるお主やテオ達に迷惑をかけた上、テオ達の娘であるお主にまで不自由をかけてしまって申し訳なかった。私達の事は気にせず、お主はテオ達―――家族の許に戻り、内戦が終結するまではユミルにて平穏な生活を送るといい。」
「へ、陛下……?陛下達は私と共に脱出しないのですか……?」
レーグニッツ知事を制したユーゲント三世に謝罪されたエリスは戸惑いの表情で尋ねたが
「―――それは無理よ、エリス。メンフィル帝国は”自国と敵対する国の皇族や民を助ける義理はない”もの。」
「え…………」
エリゼの答えを聞いて呆けた。
「メ、メンフィル帝国と敵対する国の皇族って…………」
「なっ!?ま、まさか……!」
「もしや貴族連合がメンフィル帝国に対して何らかの敵対行動を取ってしまった為、メンフィル帝国とエレボニア帝国は戦争状態にまで陥ってしまったのですか……?」
「…………………」
一方セドリック皇子は信じられない表情をし、レーグニッツ知事は血相を変え、プリシラ皇妃は表情を青褪めさせ、ユーゲント三世は重々しい様子を纏って黙り込んでいた。
「…………――――エリゼ。お主は”帰還の耳飾り”で先にエリスと共に艦内に戻れ。余はユーゲント三世に伝えるべき事がある。リーシャもご苦労だったな。お主も作戦前に渡しておいた”帰還の耳飾り”で艦内に戻ってベルガード門に送るまで身体を休めてくれ。」
リフィアは厳しい表情でユーゲント三世達を見回した後エリゼとリーシャに指示をし
「わかったわ。」
「―――わかりました。お言葉に甘えて、お先に失礼します。」
「ね、姉様!一体どういう事なのか説明―――」
リフィアに指示されたエリゼは”帰還の耳飾り”を使ってエリスと共に離宮の郊外に停泊している戦艦へと転移し、リーシャも続くように”帰還の耳飾り”を使って転移してその場から消えた。
~同時刻・バルフレイム宮~
「クッ…………この私がここまで追い詰められるなんて……!」
一方その頃プリネ達との戦闘によってクロチルダは満身創痍の状態で地面に膝をつき、巨大な魔獣へと変化していたグリアノスは力を使い果たしたのか、元の小鳥に戻って疲弊した様子でクロチルダの肩に止まり、またクロチルダの周囲にはメンフィル兵達によって討ち取られた近衛兵達の死体が倒れていた!
「ば、馬鹿な……精強なラマール領邦軍の中でも選りすぐりの精鋭達が…………メンフィル兵の一人も討ち取れずに敗れた…………だと…………!?」
カイエン公爵は全滅した近衛兵達に対し、一人たりとも討ち取られていないメンフィル兵達を見回して信じられない表情をし
「我ら親衛隊を舐めるな!我らは精強なメンフィル軍の中でも皇族の守護という誇りある大任を任された者!そのような雑魚共と我らを一緒にするな!」
「グググググ……ッ!」
メンフィル兵の一人が言った言葉を聞き、悔しそうな表情で唇を噛みしめた。するとその時通信の音が鳴り、音に気付いたツーヤはクロチルダを警戒しながら古代遺物を許に創られた通信機で通信を開始した。
「?……はい、こちらルクセンベール。エリゼさんですか。…………そうですか……!――――マスター、エリスさんの救出は完了したとの事です。」
「何だとっ!?」
「っ!!」
通信を終えた後プリネに言ったツーヤの言葉を聞いたカイエン公爵は信じられない表情で声を上げ、クロチルダは唇を噛みしめた。
「わかったわ。なら、もうここに用はないわね。――――総員、撤収!作戦は成功です!」
「御意!」
プリネの指示によってメンフィル兵達は次々と飛行艇の中に戻り
「―――”聖魔皇女”達の動きの速さに感謝しておくのだな、”蒼の深淵”。」
「命拾いしたね、キャハッ♪」
「―――もし次に戦う時があれば、”本気”でお相手しましょう。」
レーヴェは静かな表情でクロチルダを見つめ、エヴリーヌは口元に笑みを浮かべ、ペテレーネは真剣な表情でクロチルダを見つめた後転移魔法を発動し、プリネ達は転移魔法によってその場から消えようとした。
「待て!ルーファス君はどうした!?彼に手を出していないだろうな!?」
プリネ達が消えようとしたその時カイエン公爵はプリネ達を睨んで怒鳴った。
「…………帝都ミルスにて公開処刑された後保存されてある彼の遺体はエレボニア帝国とメンフィル帝国との外交問題や内戦が終結した後、ユーシスさんに渡す手筈になっています。―――それが答えです。」
「何だとっ!?」
「今回の件でメンフィルの怒りもしばらくは収まるだろう。これに懲りたらこれ以上メンフィルの逆鱗に触れるような事は止めておくのだな、”蒼の深淵”。」
「レオン……」
プリネとレーヴェがカイエン公爵やクロチルダに対して静かな表情で答えるとプリネ達は転移魔法の光に包まれてその場から消えた!
「―――総員、撤収!ここでの役割は果たした!各自”帰還の耳飾り”による撤退を開始しろ!!」
「ハッ!」
一方その頃バルヘイム宮のホールで戦闘を繰り広げていたルース率いるメンフィル兵達も”帰還の耳飾り”でその場から転移して次々と撤退し、バルヘイム宮から去って行った。
「な、何だ……?」
「撤退だと……?」
その様子を生き残った近衛兵達は呆然とした様子で見つめていた。
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