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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第6話(1章終了)

~翡翠回廊~



「突撃開始!!」

戦闘開始早々ユリアはクラフト――号令をかけて、味方全員の闘志を高め

「狙い目はっけーん!!」

マリーニャは状況に応じる盗賊の戦法――白露の錬撃術を使って、自分自身の能力を上げた!

「そらっ!!」

「せいっ!!」

「えい!フレイムカノン!!」

さらにケビン、リース、ティータはそれぞれベヌウを攻撃した!

「………………」

攻撃を受けたベヌウは怯まず、ティータに長い舌を伸ばして攻撃した!

「きゃっ!?」

攻撃を受けたティータは悲鳴を上げ、そして攻撃をしたベヌウ自身はなんと負っていた傷が回復した!

「オーブメント駆動。ティア!!」

そして攻撃を受けたティータにリタがアーツを放ってティータの傷を回復した!

「あ、ありがとう、リタちゃん。」

「フフ、気にしないで。それより少し厄介な相手だね。………」

ティータにお礼を言われたリタは微笑んだ後魔術の詠唱を開始しようとしたが

「2人とも、攻撃が来る!回避しろ!」

ベヌウの取り巻きの敵達の行動を見たユリアがティータとリタに警告した。ユリアの警告を聞いたリタは魔術の詠唱を中断した。

「ふ、ふえええ~っ!?ど、どうしよう!?囲まれているよ!」

ユリアの警告に従って回避行動に移ろうとしたティータだったが、離れた場所で囲まれている事に気付き慌てた。



「やっ!」

その様子を見たマリーニャは目にも止まらぬ速さで一体の敵に近づいて、敵の急所を一瞬で見極めて攻撃した!マリーニャの攻撃によって一体の敵に皹が入り

「北斗斬り!!」

さらにマリーニャは続けてクラフトを放って止めを刺した!

「そこやっ!!」

「はっ!!」

「やぁっ!!」

マリーニャのようにケビン、リース、ユリアもそれぞれ残りの取り巻きの敵達を攻撃したが敵は石像の為、大幅に身体能力が上がり、さらに敵の急所を見極めたマリーニャと違って、ケビン達の攻撃では倒しきれず、敵達はティータ達に向かって炎を吐いた!しかし!

「やあっ!!」

リタがクラフト――薙ぎ払いを放って、敵達の炎をかき消した!

「えい!ホーリーバスター!!」

そしてティータはクラフトを放って、一体の取り巻きの敵を倒し

「アセンション!!」

クラフトを放ち終わったリタはアーツを放って、さらに一体の敵を倒し

「はいっと!」

残り一体の敵はマリーニャが神速で駆け抜けて倒した!

「………………」

一方残されたベヌウはティータを攻撃したように、長い舌をユリアに伸ばしたが

「!さぁ、来るがいい!」

敵の行動に気付いたユリアはクラフト――ミラージュベルクを使って、敵の攻撃を無効化し

「チェストォォォ!!」

すざましい突きを放って、敵の長い舌を斬った!ユリアの攻撃によって、敵は悲鳴を上げたかのようにのけ反った!

「「ダークマター!!」」

その隙を狙って、ケビンとリースはアーツを放った!すると敵の周りを覆っていた膜が消え、敵はアーツの駆動を始めた!



「させないっての!!」

しかしそこにマリーニャがクラフト――双葉崩しを放って、敵のアーツの駆動を中断さっせ

「凍って下さい!アイスカノン!!」

ティータはクラフトを放って、敵の身体のいくつかの場所を凍らせ

「飛んで!死角の投槍!!」

リタはクラフトを放って、すざましい一撃を敵に放った!すると敵の姿が若干変化した!

「……………」

変化した敵は何かを溜める動作をした後、妖しげな色をした衝撃波を戦場全体に放つ技――冥界波をケビン達に放った!

「なぁっ!」

「うっ!」

「くっ!」

「きゃっ!」

「いやー!」

敵の攻撃によってケビン達はダメージを受けて悲鳴を上げた!

「くっ……」

「ふ、ふええ~?ね、眠くなって……」

さらにユリアとティータは突如眠気が襲って来て、その場で膝をついて眠ってしまった!

「………どうやら先ほどの攻撃はただの攻撃ではなく、”眠り”状態にする効果も持っていたようですね。」

「あいたた………そのようやな………って、なんでリタちゃんは平気なんや?」

リタの言葉に痛みに顔を顰めながら頷いたケビンは攻撃を受けたにも関わらず平気でいるリタを不思議そうな表情で見た。

「私は”霊体”ですから。先ほどの攻撃は冥界の力を利用した攻撃………本来は冥界の住人の”死者”である私にとっては傷を負うどころか逆に回復する攻撃でしたよ。」

「ハハ………つくづく反則やな、リタちゃんは。」

「ケビン、感心していないで2人を起こさないと。」

リタの説明を聞いて苦笑しているケビンにリースは忠告した。

「わかっとる。………今助けたるっ!そらっ!」

リースの忠告に頷いたケビンはクラフト――セイクリッドブレスを放って、自分達の傷を回復すると同時にティータとユリアの状態異常を回復した!



「くっ………すまない。」

「はう~、ありがとうございます。」

眠りから覚めた2人は起き上がってケビンにお礼を言った。一方ベヌウはまた”冥界波”を放つ為に溜める動作を始めた!

「させん!はっ!やっ!せいっ!たぁ!!」

「させません!!」

「させないっての!!」

敵の行動に気付いたユリアとリース、マリーニャはそれぞれ行動を妨害するクラフトを放って攻撃したが、それでも怯まず敵は先ほどと同じ攻撃――冥界波を放った!

「あいたぁっ!」

「うっ!」

「くっ!」

「きゃっ!」

「いやー!」

敵の攻撃をケビン達は回避できず、リタ以外はまた傷を負い、さらにユリアとリースが眠ってしまった!

「が、頑張って!!」

しかしティータがクラフト――バイタルカノンを放って自分を含めた味方全員の傷と状態異常を回復し

「魂をも凍らせてあげる………!氷垢螺の絶対凍結 !!」

リタは魔術を放って、敵の身体を完全に凍らせた!

「もう、しまいにしよか…………滅!!」

敵が動けなくなったのを見たケビンはクラフト――デスパニッシャーを放って、敵の身体をズタズタに斬り裂いた!

「究極奥義!マジだよこれ!!」

止めにマリーニャが敵の急所を見極め、一撃で瞬殺するクラフト――瞬殺の極みを放って止めを刺した!止めを刺された敵は叫び声を上げながら消滅した!

「よっしゃー、わたしやるーぅ♪」

敵の消滅を確認したマリーニャは短剣を収めて、口元に笑みを浮かべた。一方敵の消滅を確認したケビン達はリタを除いて、疲労が溜まっていたのかその場で蹲った。



「くっ……はあはあ………」

「あれが………本物の悪魔………」

「こ、怖かった…………」

「あんな魔物は異世界だけだと思ったが、私達の世界にも存在したのか…………一体………どういう場所だというんだ。」

戦闘が終了し、ケビンは息を切らせ、リースは暗い表情で呟き、ティータは安堵の溜息を吐き、ユリアは自分達がいる場所がどういう場所であるかを戸惑った。

「フウ……結構手強かったわね………」

「そうだね。もしかしたら上級魔族だったかもしれないね、今の魔物。」

一方ケビン達と違い、平気の様子のマリーニャは溜息を吐き、リタはマリーニャの言葉に頷いた。

「フフ………先が思いやられるな。」

その時ケビン達以外の声が聞こえてきた!声に驚いたケビン達が顔を上げると、そこには謎の異空間に巻き込まれる前に出会った謎の人物――仮面をつけた異形の男がいた!

「!!」

「あの時の………!?」

男に気付いたケビンとリースは真剣な表情をし、そしてケビン達は立ち上ってゆっくりと自分達に近づいて来る男に武器を構えて警戒した。

「君達が光に包まれた時に現れたという異形の男か………何者だ、名乗るがいい!」

リースの言葉を聞いたユリアは察した後、男を睨んで叫んだ。

「フッ…………名乗れと言うならまずは自分から名乗るのが礼儀というものではないか?王室親衛隊、大隊長……ユリア・シュバルツ大尉。」

一方ユリアに睨まれた謎の男は不敵な笑みを浮かべて答えた。



「…………………」

自分の事を知っている謎の男をユリアは驚いた後、黙って睨んだ。

「どうやらオレたちのことをコソコソ調べとるみたいやな………目的はなんや?今の悪魔はあんたの仕業か?この事態を招いたんはオマエの仕業っちゅうんか!?」

「ククク………吠えるな、ケビン・グラハム。お前達の苦難はまさに始まったばかり………今、あえて絶望に囚われる必要がどこにある?」

「なに………!?」

「…………っ……………」

男の言葉を聞いたケビンは驚き、リースは男を睨んだ後、男を強襲した!しかし男が振るった剣に弾き飛ばされ、受け身を取った。

「………くっ…………」

「リース………無茶すんな!」

「フフ、七耀教会の法剣か。なかなかの鋭さだが………姉に較べるとまだまだ未熟よ。」

「な………!?」

「………どうして…………」

男が口に出したある言葉を聞いたケビンとリースは信じられない表情をした。

「やあっ!!」

「はっ!!」

そこにマリーニャが神速で男の正面から、自分の姿を消して男の背後に周ったリタが男を強襲したが

「ムン!!」

男はその場で剣にすざましい闘気を込めて、回転するように剣を振るった!

「きゃっ!?」

「チッ!」

男の振るった剣に弾き飛ばされた2人は吹っ飛ばされて受け身を取った。

「フフ、さすが”神殺し”に仕えし者達………見た目に反して、中々の腕を持つ。」

「!!主や私達の事まで………!」

「あたしからも聞きたい事があるわ。ご主人様やレシェンテ達も巻き込んだの!?」

男の言葉を聞いたリタは驚き、マリーニャは油断なく武器を構え男を睨んで尋ねた。

「フフ、それはいずれわかる。ただ一つだけ言っておこう。………”神殺し”は自分が心から愛する者を再び自らの手にかけ、悲劇を繰り返す事になるだろう。」

「なっ………ご主人様が!?どういう事よ、それは!!」

(………主が愛した方はルナ=クリアさんともう一人いたはずだけど………………駄目………記憶に靄がかかって思い出せない………遥か昔主がまだ”人間”だった時、魔槍に囚われた私を助けてくれた時に確かいたはずなのに……)

男の言葉を聞いたマリーニャは驚いた後男を睨み、リタはある人物の事を必死に思い出そうとしたが思い出せず、唇を噛んだ。



「ハハハ、そう急くな。この”影の(ファンタズマ)における絶望の宴は始まったばかり………足掻いて、もがいて、のた打ち回ってもらわなければ我が”王”も喜ばれるまい。」

異形の男は不敵な笑みを浮かべた後、自分の周囲に妖しげな光陣を発生させた!

「ま、待て………!」

「逃げる気か!?」

その様子を見たケビンとユリアは男を睨んだ。

「………挨拶代わりに一つだけ教えておこう。我が名は”黒騎士”。偉大なる”王”に仕える”影の(ファンタズマ)”の守護者なり。それとこれは我が背後を取った娘………お前への健闘賞だ。受け取るがいい。それでは、さらばだ―――」

そして男――黒騎士は消えようとした。黒騎士が消える寸前にケビン達は慌てて駆け寄ったが、一足遅く黒騎士は消えた。しかしその代りに黒騎士が消えた後、なんと封印石が現れた!

「くっ……」

「き、消えちゃった………………」

「………………………」

黒騎士が逃げられた事にケビンは唇を噛み、ティータは信じられない表情をし、リースは不安げな表情で黙っていた。

「何者かはわからないが…………一つはっきりした事がある。………どうやら我々には明白な『敵』がいるという事だ。」

「………ええ、そうですな。それもどうやら………とびっきり厄介な敵みたいや。」

そして真剣な表情のユリアの言葉にケビンは重々しく頷いた。

「そういえばさっきの黒騎士?だっけ。そいつが消えた後、リタの為になんか訳のわかんない石を残したみたいだけど………」

「……それが”封印石”だよ、マリーニャちゃん。」

「これが!?こんなのにあたしが入ってたの………!?」

リタの説明を聞いたマリーニャは驚いて封印石を見つめた。

「ね、ねえリタちゃん。さっきの黒いお兄さん、リタちゃんへの”健闘賞”って言ってたけど………」

「…………多分、私が関係している人が封印されていると思うわ。(まさか…………!)」

(リタへの”健闘賞”って事は”あの子”しか思い浮かばないんだけどね………ま、何はともあれ心強い仲間がまた増えるわね。)

ティータに尋ねられたリタは頷いた後、”封印石”の中にいる人物に察しがついて、信じられない表情をして封印石を見つめた。また、同じように察しがついたマリーニャは口元に笑みを浮かべて封印石を見つめた。



そしてケビン達は一端情報を纏める為、そして新たな封印石を解放する為に庭園に戻った…………




 
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