英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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第52話
~鳳翼館・露天風呂~
「その……すみません。情けない所を見せてしまって。」
泣き止んだクレア大尉は頬を赤らめて答え
「いえ、そんな。いつもクレア大尉には俺達の情けない所を見られているんですから、お互い様です。それにクレア大尉みたいな美人で優しい女性の力になれた事は一人の男としても誇らしいですし。」
リィンは謙遜した様子で答えた。
「リ、リィンさん…………」
自分の事を褒め称えているリィンの言葉を聞いたクレア大尉は顔を真っ赤にしてリィンを見つめ
(アハハハハハハハッ!さすがご主人様!相変わらず私達の期待を裏切らないわね♪)
(慰めた際に出来た隙を逃さず、追撃して止めを刺す………ふふふ、まさに”天性”の女性殺しですね。)
(エリゼさん達がこの事を知ったら、また怒るでしょうね…………)
その様子を見ていたベルフェゴールは腹を抱えて大声で笑い、リザイラは静かな笑みを浮かべ、メサイアは冷や汗をかいて表情を引き攣らせていた。
「……――――ハッ!?そ、その!今の言葉の綾というか!?い、いえ、決してクレア大尉が優しくないとか美人じゃないとか言っている訳じゃなくて……!」
その時自分が不味すぎる発言をした事に気付いたリィンは慌て出し
「クスクス………フフ、まさか私までも殿下やアリサさん達と”同じ気持ち”になるとは思いませんでした。」
リィンの様子を可笑しそうに見つめていたクレア大尉は頬を赤らめて静かな笑みを浮かべてリィンを見つめた。
「へ…………」
そしてクレア大尉の言葉にリィンが呆けたその時
「ん………………」
「!!!!!!!??????」
なんとクレア大尉はリィンを抱きしめると共に自ら自分の唇をリィンの唇に押し付けた。可憐な容姿を持つ湯着姿のクレア大尉に口付をされている事に顔を真っ赤にして混乱したリィンだったが同時に目の前の女性を”自分の物にしたい”という男の本能により凄まじい興奮を感じた。
「あ…………リィンさん、もしかして…………そ、その…………私に欲情しているのですか?」
リィンと抱きしめ合っている状態だった為リィンの身体の変化を感じてリィンが自分に欲情している事に気付いたクレア大尉は顔を真っ赤にしてリィンを見つめて尋ね
「そ、そそそそそ、それは……!?す、すすすす、すみません!今すぐ出ますっ!」
尋ねられたリィンは顔を真っ赤にして慌てた様子で答えた後クレア大尉から離れようとしたがクレア大尉は強くリィンを抱きしめて離さなかった。
「ク、クレア大尉!?い、一体何を……」
クレア大尉の行動にリィンが驚いたその時
「………リィンさんがしたいのでしたら、構いませんよ。その…………私もリィンさんが相手でしたら、構わな―――いえ、私のもう一人の恩人であり、初恋の相手でもあるリィンさんに私の”全て”を捧げたい…………そんな気持ちで今一杯なのです。」
「!!!?????!!!!??そ、その…………本当にいいんですか…………?」
顔を真っ赤に染めたクレア大尉はリィンの耳に囁き、クレア大尉の誘惑に負けたリィンは恐る恐る尋ね
「…………はい。そ、その、さすがにここでしてはようやく入れるようになった露天風呂が汚れてしまいますから、一端上がって向こうでしましょう?」
顔を真っ赤にしたクレア大尉は頷いた後リィンを誘った。その後リィンはクレア大尉と愛し合った。
「…………フフ、まさかルナリア自然公園の時に初めて出会った私が卒業した学院の後輩が私の”純潔”どころか”全て”を捧げる相手になるとはあの時の私は考えた事も無かったでしょうね。」
「え、えっと……その…………本当に大丈夫だったんですか?何度も中に出してしまって……」
”行為”を終えて露天風呂に浸かり直したクレア大尉に微笑まれたリィンは冷や汗をかいて尋ねた。
「はい。それに例え身ごもってもリィンさんに迷惑はかけるつもりはありませんから安心してください。」
「なっ!?もし、そんな事になったら絶対に責任を取ります!快楽に負けた俺が悪いんですから!」
クレア大尉の答えを聞いたリィンは驚いた後真剣な表情でクレア大尉を見つめ
「フフ、私を気遣う必要はありませんよ。先に中に出して欲しいと言ったのは私なのですし、何度も中に出された事についても私は後悔していませんし、もし身ごもってもその子はちゃんと産んで、私一人で育てるつもりです。それにリィンさんはアリサさんとお付き合いをして、性交渉もしていると言う事は結婚も考えているのでしょう?」
クレア大尉は苦笑しながらリィンを見つめた。
「そ、その。実はその事なんですが―――――」
そしてリィンはアリサどころか、セレーネ達とも肉体関係がある上婚約している事を説明し、更にアルフィン皇女やベルフェゴール達とも肉体関係があり、そうなってしまった経緯を全て説明した。
「…………………………ハア………セレーネさん達どころかまさかアルフィン皇女殿下とまでそんな関係に発展した事には驚きましたが………――――リィンさん。リィンさんは”好色家”で有名な”六銃士”の一人――――”黄金の戦王”のように将来ハーレムを築くおつもりなのですか?というか現時点でも圧倒的に彼より上だと思いますよ?確か”黄金の戦王”と肉体関係があって、彼とお付き合いをしている女性は現時点で4人のはずですし。」
説明を聞き終え、石化したかのように固まっていたクレア大尉は我に返ると呆れた表情で溜息を吐いた後ジト目でリィンを見つめて尋ねた。
「ち、違いますって!?その、先程にも説明したようにこれには色々と深い訳が……!」
(むしろ、お父様を越える勢いで次々と多くの女性を落として肉体関係の間柄になっているような気がするのですが……)
リィンが必死に否定している中、メサイアは疲れた表情で呟いた。
「ハア…………どうやら私の将来の”夫”には、今の内に色々と”教育”をする必要があるようですね。――――主に女性関連の。」
クレア大尉は疲れた表情で溜息を吐いた後真剣な表情でリィンを見つめ
(アハハハハハハッ!ご主人様に抱かれた時点でどうせ”そうなる”と思っていたわよ♪)
(ふふふ、後はアリサ達にいつ知られるのかが興味深いですね。)
(な、何となくですけど今までの事を考えたらすぐに判明するような気がします……)
クレア大尉までもがリィンの将来の妻になる事にベルフェゴールは腹を抱えて笑い、リザイラは静かな笑みを浮かべ、メサイアは冷や汗をかいて苦笑していた。
「ええっ!?ク、クレア大尉、しょ、将来の”夫”って、まさか……!?」
一方クレア大尉の発言に驚いたリィンがクレア大尉を見つめたその時
「―――リィンさん、そこに正座してください。士官学院の先輩として…………エレボニア帝国人として…………そして何よりリィンさんの将来の”妻”の一人として、”お話”があります。」
クレア大尉は誰もが見惚れるような微笑みを浮かべながらも背後には雪山で吹き荒れる吹雪の幻が見えるかのような雰囲気を纏い、リィンを見つめた。
「え、えっと……?」
クレア大尉が纏う雰囲気に何か嫌な予感を感じ取ったリィンは冷や汗をかき
「―――聞こえませんでしたか?今すぐ正座しなさいっ!!」
「イ、イエス、マムッ!!」
そしてクレア大尉に怒鳴られると反射的に正座をし、クレア大尉に説教をされ始めた。
~10分後~
「確かに………平民でも……重婚が可能…………」
「?声?私達よりも先に誰か入っているのかしら?」
「この声は確か……」
10分後露天風呂にやってきたアリサとセレーネは声を聞いて不思議そうな表情をしていたが露天風呂にいる人物達を見て驚いた。
「ええっ!?」
「ク、クレア大尉にお兄様!?あ、あの……これは一体どういう状況なのでしょうか………?」
「ア、アリサ!?それにセレーネまで……!?」
予想外の人物達の登場にリィンは驚くと共に表情を青褪めさせ
(アハハハハハハッ!ここでこの二人が登場するとはね♪)
(ふふふ、そしてこの後の展開もわかりきったものですね。)
(ア、アハハ……今までの中で判明するのが一番速かったですね……)
ベルフェゴールは腹を抱えて大声で笑い、リザイラは静かな笑みを浮かべ、メサイアは冷や汗をかいて苦笑していた。
「アリサさんとセレーネさんですか。ちょうどいい所に来られましたね。私と”同じ”であるお二方もリィンさんに将来の”妻”として私と共に説教をしませんか?」
「……………え”。ク、クレア大尉……い、今何と仰られましたか……?」
クレア大尉の言葉の意味が一瞬理解できなかったセレーネは石化したかのように固まった後我に返ると大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせ
「ま、まさか……!」
クレア大尉までも”自分達と同じ状況になった事”をすぐに察したアリサは厳しい表情で身体を震わせてリィンを見つめた。
「………………………」
アリサとセレーネに見つめられたリィンは表情を青褪めさせて身体を震わせ
「―――はい。先程私”も”リィンさんに抱かれて”私の身体全て”を捧げました。」
「ク、”クレア大尉の身体全て”って…………お、お兄様……言って下されば、わたくしはいつでも捧げましたのに、どうして言って下さらなかったのですか……?何度もお兄様に抱かれているわたくしですらまだ捧げていないのに…………」
クレア大尉の言葉を聞いてある事を察したセレーネは悲しそうな表情でリィンを見つめ
「フ、フフッ、フフフフフフ……ッ!リ・ィ・ン~~~~~~??私からも言いたい事がいっぱいあるから覚悟しなさいっ!」
「は、はいっ!!」
膨大な威圧を纏って微笑み続けた後怒りの表情で自分を睨みつけるアリサの怒鳴り声にリィンは姿勢を正した。
その後アリサもクレア大尉と共にリィンへの説教を始めて、その様子をセレーネは苦笑しながら見守り、リィンの身体の中にいるベルフェゴールは腹を抱えて大声で笑い続け、リザイラは静かな笑みを浮かべ続け、メサイアは冷や汗をかいて苦笑しながら見守っていた。
また湯につかった状況で説教されたリィンだったが、熱さを感じるどころかむしろ猛吹雪の極寒の冬山の中にいるような寒さを感じていた為、クレア大尉達の説教が終わるまで湯あたりする事はなかったという。
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