運命の先…自由
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
宿命
前書き
メサイア攻防戦のあとザフトとオーブ国に世界は分けられた。
平和を得たかに見えた世界だったがその歯車は、少しずつ壊れていっていた。
「座標…問題なし。何時でも行けます大尉。」
ノイズのないクリアな無線が腰に掛けた無線機から聞こえたのを合図にロアル・レイは双眼鏡で再び偵察をする。
「こちらも大丈夫そうだな。よし、これより祖国の奪還を開始する。MSは奪って使うぞ。」
「了解。」
返事を聞いたロアルは部下に合図し、ライフル銃を構え高台の斜面を滑り降りる
彼の後を追い数人の兵士も滑り降りていく。11時ちょうど、オーブ国基地にて戦いの火蓋はきられようとしていた。
11時2分、オーブ基地に警報が鳴り響いた。
すぐさま軍のMSハンガーの扉が開く。あわてふためくオーブ軍人達を横目にロアルは地下格納庫にむかっていた。
「大尉。外の陽動隊の準備はできました。」
「よし。アル少尉に出撃を告げてくれ。」
「了解しました。」
無線が切れると、ロアルは走り始めた。立ち向かってくる敵兵をライフルで撃ち倒しながら、目標の座標へと向かう。
「大尉。私です。」
幼さの残る少女の声が無線機からノイズ混じりで聞こえた。
「アルか。外の陽動は?」
「うまくいってます。あとは大尉の帰りを待つだけです。」
「奥さんみたいなことを言うなよ。大丈夫だ、必ず帰る。」
「…待ってます。」
無線を切りやれやれと呆れたが、目の前にいつの間にか立ちはだかる目標の機体に絶句した。
「これが、ガンダム…」
ロアルは素早くハッチをハッキングし、機体のセーフティーを解きコックピットに乗り込む。
機体を起動すると機体名とともにOSが起動した。
「これが家の家系の宿命なんだな。」
ガンダムは静かに動き始めた。
「ガンダム零…機体名はそれか。武器は…ビームライフルにビームサーベルが二本。頭部イーゲルシュテルンに両手のビームシールド。動力は…Nジャマーキャンセラーによる核エンジンか。大した機体だ。」
ハッチが開きシークエンスを開始する。ロアルは零のスラスターを吹かしカウントダウンに備える。
グリーンシグナルが点灯した。
「返してもらうぞ。」
ハッチを勢いよく飛翔し警報で閉まった格納出口をビームライフルで破壊して外に飛び出した。
ページ上へ戻る