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英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)

作者:sorano
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第123話

~アクシスピラー第五層・外~



「みんな、行くわよ!」

戦闘開始早々、エステルは掛け声をかけて全員の闘志を高めた!

「……………」

一方敵は巨大な手でエステル達を攻撃した!

「グオッ!!」

しかしカファルーがクラフト――爆炎スマッシュを放って、相殺した!

「風よ!我等に加護を!……加速・広範囲!!」

「オーブメント駆動。援護アーツ、ゾディアック発動。」

「えい!A-クレスト!!」

レンは魔術で、シェラとティータはアーツを放って全員の身体能力を上げ

「クロックアップ改!!」

ヨシュアはカファルーにアーツを放って、カファルーの身体能力をさらに上げた!

「グオッ!!」

そしてカファルーは敵に攻撃を仕掛けた!

「…………」

カファルーの攻撃を受けても敵は少し後ずさっただけで、あまり効いている様子はなかった。

「グオオオッ!!」

続けてカファルーはクラフト――紅蓮の翼を放った!

「……………」

しかし敵はクラフト――バスターキャノンを放って相殺した。



「はぁぁぁぁぁぁ!」

そしてエステルは敵の足と足の間に来てクラフト――真・旋雷輪を放ち

「そこだっ!!」

「えいっ!!」

ヨシュアはクラフト――真・絶影で、ティータは魔導砲で片足ずつ攻撃し

「エステル!離れてなさい!」

「!!」

レンはエステルに警告をして、敵から離れさせ

「出でよ!凝縮岩槍!!」

普通の岩の槍より何倍も大きい岩の槍を発生させる岩槍の強化魔術――凝縮岩槍を放ってダメージを与え

「制圧砲撃、開始。」

シェラは魔導鎧についている魔導砲で敵の全身を攻撃した!

一方敵はエステル達を踏みつぶすかのように突進して来た!

「っと!」

「フッ!」

「はわわっ!」

「うふふ!」

「…………」

しかしエステル達はそれぞれ回避した!



「……………」

そしてシェラは魔導砲から何かの装置を敵の頭に放った!

「解析開始。」

シェラが言うと、何かの装置は敵の頭にくっつき、起動し始めた。

(?一体何をするつもりなんだ………?)

その様子を見ていたノバルティスは眉を顰めていた。

「グオオオオオッ!!」

一方カファルーはクラフト――獄熱ブレスを放って命中させたが、敵は平気の様子でカファルーにクラフト――バスターキャノンを放った!

「!」

敵の攻撃に気付いたカファルーは回避行動に移った!

「もう、僕は逃げない…………はぁぁぁぁ!せやっ!秘技・幻影奇襲(ファントムレイド)!!」

そしてヨシュアはSクラフトを放って、敵の全身を攻撃し

「とっておきを見せてあげるっ!はっ!とりゃあぁぁぁぁ!せいっ!まだまだぁっ!はぁぁぁぁ!奥義、太・極・輪!!」

エステルもSクラフトを放って、敵にダメージを与えた!

「グオオオオオーッ!!」

そこにカファルーがSクラフト――獄蓮の翼を放って敵に命中させた!3人の強力な攻撃によって、敵の片足に異常が起き、敵は地面に膝をついた!

「解析終了。そちらにデータを廻します。」

「は、はい!」

シェラの言葉に頷いたティータは何かの装置を出して、シェラから手渡されたディスクらしき物を装置に入れて、高速の指捌きで次々とボタンを打った!

「ティ、ティータ……?」

「一体何を………?」

その様子に気付いたエステルとヨシュアは戸惑った表情でティータを見ていた。

「レンちゃん、そろそろ用意をして!」

「うふふ、わかったわ!」

ティータの言葉に頷いたレンは素早い動きで敵の身体を利用して、次々と跳躍して、敵の頭の部分の近くに乗った後、ティータが持っている装置と同じような装置を出して、高速の指捌きでボタンを打ち始めた!



「………終わり!レンちゃん、そっちに送信するね!」

高速の指捌きをやめたティータは顔を上げてレンを見て言った。

「…………来たわ!うふふ、2人ともありがとう!」

同じように高速の指捌きをしていたレンは懐からチューブらしき物を出して、片方は自分の額に、もう片方は敵の額に付け、さらに装置にもチューブらしき物をつけて、自分と敵を繋げているチューブに連接した!

「!?ま、まさか………!」

それを見て、何かに気付いたノバルティスは信じられない表情をした。

「制御部分にアクセス…………制御開始………!」

「………こちらも制御部分を制圧する援護をします、レン様。」

「私も出来る限りの事はするよ!」

「なっ…………!?」

そしてレンは何かの装置のボタンを押して、目を閉じて集中した。さらにシェラは異空間よりティータやレンが持っているような装置を出し、ティータと共に操作をし始めた。また、レンが呟いた言葉を聞いたヨシュアは驚いた。

「キャアアアアアアッ!?」

その時、レンは突如悲鳴を上げた!

「レ、レンちゃん!?」

「大丈夫よ。ちょっとミスしただけよ。今までこの子が思い通りに動かなかったから、ちょっと怒っているだけよ。」

心配の表情で見上げているティータを安心させるようにレンは痛みを我慢するかのような笑みを浮かべて答えた後、また集中した。

「いいから、言う事を聞きなさい………レンは貴方の味方なんだから…………」

レンは目を閉じたまま、必死の表情で呟いた。

「…………興味深いけど、さすがにそれは見逃せないね。パテル=マテルは最高傑作なのだから。」

しかしノバルティスが何かの装置を出して、操作をし始めた!しかし!

「砲撃開始。」

「グアッ!?」

装置を操作しながら放ったシェラの魔導鎧の攻撃によって、ノバルティスの持っている装置は破壊され、さらに爆発に巻き込まれたノバルティスは呻いた。

「妨害完了。それ以上の動きをするのなら、次は貴方自身を破壊します。」

「クッ…………」

シェラの言葉を聞いたノバルティスは何もできず、悔しそうな表情をした。

「――制御完了。うふふ、いい子ね。」

そしてレンはチューブらしき物をとって、何かの装置らしき物を仕舞って口元に笑みを浮かべた。



「まさかパテル=マテルを制御できる人物が現れるとは………!フフフ!非常に興味深い!レンといったね?早速パテル=マテルを動かしてくれないかい!?」

それを見たノバルティスは驚いた後、口元に笑みを浮かべて言った。

「うふふ、いいわよ。……パテル=マテル。敵対象、F・ノバルティスに変更。リミッター解除。」

「……………!」

ノバルティスの言葉に凶悪な笑みを浮かべて頷いたレンはパテル=マテルに指示をし、指示されたパテル=マテルは目を光らせた後、何とか立ち上がってノバルティスの方に向いた。

「え………」

レンの言葉や自分に向いたパテル=マテルを見たノバルティスは呆けた声を出した。

「さあ、なぎ払いなさい!ダブルバスターキャノン!!」

「……………!!」

そしてレンの指示によってパテル=マテルは両肩に付いている砲口にエネルギーを溜めた後、ノバルティスに放った!

「!!障壁展開!」

それを見たノバルティスは今まで持っていた何かの装置を捨てて、懐からまた何かの装置を出して操作した。するとノバルティスを包むようにドーム型の透明な壁が発生したが。

「!バ、バカな………障壁が………!」

パテル=マテルが放ったすざましいエネルギーを受け続けている透明な壁にヒビが入り始めたのを見たノバルティスは信じられない表情をした後、何かの装置を使って攻撃範囲外から転移しが

「うふふ♪パテル=マテル!敵対象を攻撃!」

「…………!」

レンの指示によってパテル=マテルは巨大な手でノバルティスを攻撃した!」

「なっ……グワアッ!?………ガハッ!?……………」

それに驚き、回避もできなかったノバルティスは殴られて、柱まで吹っ飛んで、柱にぶつかって地面に落ちた後気絶した!

「うふふ、いい子ね………」

そしてレンはパテル=マテルの頭を撫でた。



「え、えっと………レン?」

「うふふ、何を呆けているの?エステル。敵は無力化したわよ。端末を操作するチャンスじゃない♪」

その様子を呆けた状態で見ていたエステルは戸惑いながら尋ね、レンは上品に笑って答えた。

「い、いや、あたしが聞きたいのはそんな事じゃなくて……」

「まさか本当に君がパテル=マテルを制御したのかい………?」

レンの言葉を聞いたエステルは表情をひきつらせて答え、ヨシュアが続きを言った。

「うふふ、そうよ♪今日からこの子はレンが操る人形兵器よ♪」

「あ、あんですって~!?」

レンの言葉を聞いたエステルは驚いて叫んだ。

「相談された時は本当に大丈夫かなと思ったけど、本当に成功させるなんて……ね、ねえ、レンちゃん。後でスペックとか調べさせてもらってもいいかな?」

一方ティータは苦笑して言った後、期待するような表情でレンを見上げた。

「うふふ、これからメンフィルの兵器になるこの子のデータは他国の人に教えるつもりはないけど……ティータには手伝ってもらった恩もあるし、それにレンの親友だから特別に調べさせてあげるわ♪」

「わあ………!ありがとう、レンちゃん!ドキドキ……ワクワク……!」

「あ、あはは………それにしても、”結社”に大分被害を与えたんじゃない?”グロリアス”や”パテル=マテル”がメンフィルに奪われたんだから。」

「そうだね。特に”グロリアス”を奪われた事は”結社”にとってかなりの痛手となるだろうね。」

レンとティータの会話を聞いていたエステルは苦笑した後、呟き、ヨシュアは静かに頷いて答えた。



その後パテル=マテルはレンを乗せてモルテニアに向かい、エステル達は端末を操作した後、一端アルセイユに戻って休憩をした後、メンバー編成をしなおし、エステル、ヨシュア、クローゼ、オリビエ、アガットのメンバーで先を進み、ついに屋上に到達した。



~アクシスピラー・屋上~



「……来たか。」

エステル達が屋上に到達するとそこには執行者――”剣帝”レーヴェが待ち構えていた。

「レーヴェ……」

「……意外と早かったな。もう少しばかり待たされるかと思っていたぞ。」

「ま、あたしたちも少しは成長してるってことよ。さすがに、あなたのお仲間にはかなり手こずらせてもらったけど。」

感心しているレーヴェにエステルは口元に笑みを浮かべて答えた。

「(いない………か………)フフ……言うじゃないか。だが、この”剣帝”を彼らと同じには考えないことだ。正面からの対決において俺を凌駕する者はそうはいない。たとえS級遊撃士や”蛇の使徒”といえどな。」

エステル達のメンバーを見て心の中で落胆したレーヴェだったが顔には出さず、静かに答えた。

「ケッ……吹いてくれるじゃねえか。」

「やれやれ………天晴れなまでの自信だねぇ………」

レーヴェの言葉を聞いたアガットはレーヴェを睨み、オリビエは溜息を吐いた。

「……あなたの強さはイヤと言うほど分かっているわ。でも、あたしたちも理由があってこんな所までやってきた。”輝く環”による異変を止めて混乱と戦火を防ぐために……。沢山の人たちに助けられてあたしたちは今、ここにいる。だから……退くつもりはないわ。」

「フ……理由としては悪くない。だが、ヨシュア。お前の理由は違うようだな?」

「え……」

レーヴェの言葉を聞いて驚いたエステルはヨシュアを見た。

「お見通し……みたいだね。僕は……自分の弱さと向き合うためにここまで来た。あの時、姉さんの死から逃げるために自分を壊したのも……教授の言いなりになり続けたのも……全部……僕自身の弱さによるものだった。それを気付かせてくれた人に報いるためにも……大切な人を守るためにも……。僕は……正面からレーヴェや教授に向き合わなくちゃいけないんだ。」

「ヨシュア……」

「………………………………。……巣立ちの時か。もうカリンの代わりに心配する必要もなさそうだ。」

ヨシュアの答えを聞いたエステルは笑顔になり、レーヴェは考え込んだ後、剣を構えた!



「……これでようやく手加減する必要はなくなった。本気で行かせてもらうぞ。」

「ちょ、ちょっと!どうしてそうなるのよ!?ヨシュアのことを心配しておいてどうして―――」

「いいんだ、エステル。覚悟を決めただけではレーヴェは納得してくれない。その覚悟を貫き通せるだけの力が伴っていないと駄目なんだ。」

レーヴェの言葉を聞いて反論しようとしたエステルをヨシュアは制した。

「フフ、そういうことだ。」

ヨシュアの言葉に不敵な笑みを浮かべたレーヴェは獅子のような姿をした人形兵器――ライアットセイバーを呼び寄せた。

「―――俺にも俺の覚悟がある。もし、お前たちの覚悟が俺の修羅を上回っているのなら……力をもって証明してみるがいい!」

「うん……!」

「……望むところよ!」

「フッ、君に恨みはないがこれも愛しきヨシュア君のため………」

「ヘッ、今までの借り利子付けて返してやるぜ……」

「全身全霊を込めて挑ませていただきます!」



そしてエステル達はレーヴェ達との戦闘を開始した…………!


 
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