英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク
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第123話
~バルスタール水道・終点~
「ぬあぁぁぁぁぁぁ、てやぁ!!」
「壮麗たる天使の歌声 ヴァ レイ ズェ トゥエ ネゥ トゥエ リョ トゥエ クロア………」
戦闘開始早々ジンは気功で自身の身体能力を上昇させ、ティアは味方全体に様々な能力を上昇させる譜歌――ホーリーソングで自分や仲間達の様々な能力を上昇させた。
「「「……………」」」
一方アネラスを含めた他の敵達は一斉にケビン達に襲い掛かった!
「ハッ!!」
「たぁっ!!」
対するケビン達はヨシュアとジンが獣人の攻撃を受け止め
「……………」
「秋沙雨!!」
アネラスが放ったクラフト―――剣技・八葉滅殺に対してはガイが凄まじい速さによる連続突きを放つクラフトで相殺した。
「そらっ!!」
「フッ!!」
ヨシュアとジンが敵の攻撃を受け止めている間に敵の側面に回ったケビンとオリビエはそれぞれ矢や銃撃で敵にダメージを与え
「聖なる槍よ、敵を貫け―――ホーリーランス!!」
譜術の詠唱を終わらせたティアはアネラスに光の槍による集中攻撃でダメージを与えた。
「双連撃!!」
「月華掌!!」
「ただで済むかよぉ、烈震千衝破!!」
後方の味方からの遠距離攻撃による援護によって怯んだアネラス達にヨシュアとジン、ガイはそれぞれクラフトを放って追撃した。
「……………」
「あいたぁっ!?」
「っ!?」
「おあっ!?」
「うぉっ!?」
「ぐぁっ!?」
「きゃっ!?」
その時ダメージから立ち直ったアネラスが広範囲の敵を攻撃するクラフト―――疾風でケビン達全員にダメージを与え
「「………………」」
「うっ!?」
「ぐっ!?」
アネラスのクラフトによって怯んでいる隙に獣人達はヨシュアとジンに突進して追撃をした。
「……………」
「!ノクターナルライト!!」
アネラスは続けてティアに襲い掛かったがティアは後ろへと跳躍すると同時に短剣を投擲してアネラスにダメージを与え
「今助けたる―――そらっ!!」
「んっふふ~、愛と真心を君たちに!!」
ケビンとオリビエはそれぞれ広範囲の味方の傷を回復するクラフトで自分や仲間達の傷を回復した。
「紫電の光、獅吼爆雷陣!!」
そしてガイは広範囲に強烈な雷の衝撃を発生させ、それを受けたアネラス達はダメージと雷撃を受けた影響によって怯んだ。
「行くよっ!せぇいっ!!」
その隙を逃さないヨシュアはカシウス直伝のクラフト―――雷光撃で追撃し
「とりゃっ!雷神脚!!」
「もう、しまいにしよか……滅!!」
「そぉれっ!クイックドロウ!!」
ジンとケビン、オリビエも続くように広範囲を攻撃するクラフトでアネラス達にダメージを与えた。
「行くわよ!汚れなき風よ、我に仇なす者を包み込め――――イノセント・シャイン!!」
そこにティアがアネラス達の頭上から極太の聖なる光を落とすとティアのSクラフト――――イノセント・シャインを受けてダメージに耐えきれなかった獣人達は消滅し、アネラスは姿を変えて、変身する前の状態――”グリモア”になり
「炎よ集え、魔王炎撃破!!」
ガイが剣に炎を纏わせた一閃を放ってグリモアを真っ二つにしてグリモアを滅した!するとグリモアをが消えた場所に封印石が現れ、それを見たケビンは仲間達と共に武器を収めて封印石を回収した。
「ふう………これで一段落ですね。」
「ああ………誰が閉じ込められてるかは言うまでもなさそうや。いったん拠点に戻るとしようか。」
ヨシュアの言葉にケビンは頷いた後、封印石の中にいる人物を解放する為に仲間達と共に庭園に戻って封印石を解放した。
~隠者の庭園~
「こ、これは………」
「………眠っている?」
光から現れようとした人物の状態を見たケビンとヨシュアは驚いた。すると光が消え、そこから目をつむって横たわっているアネラスが現れた。
「うーん………むにゃむにゃ………可愛いことは正義………可愛いものには福がある………可愛さあまって好きさ千倍…………えへへ………昔の人はスゴイなぁ………」
アネラスの寝言を聞いた全員は脱力した。
「ど、どんな格言やねん………」
「というか昔の人って言っていますけど、誰がそんな格言を言ったのですか……」
「前々から疑問に思っていたけど、この娘の頭の中はどうなっているのかしら?」
「9割以上は”可愛い”で占められていると思うぜ。」
そしてケビンとロイドは呆れた表情で呟き、呆れた表情でアネラスを見つめるアーシアの疑問にフレンは口元に笑みを浮かべて答えた。
「話が合う人が現れてよかったね、ティア~。」
「フフ、貴女でしたら間違いなくすぐに彼女と仲良くなれますわ。」
「た、確かに可愛いものは好き……いえ、嫌いじゃないけど私はあそこまで重度じゃないわよ!?」
からかいの表情のアニスと微笑みを浮かべているナタリアに見つめられたティアは焦った様子で答え
「いや~、未だ必死に誤魔化そうとするとは、若いですねぇ。」
「ハハ、あんまりからかってやるなよ。」
からかいの表情でティアを見つめるジェイドにガイは苦笑しながら指摘した。
「し、幸せそーですね………」
「フフ、起こすのが申し訳なくなるくらい幸せそうに眠っているわよね。」
一方ティータとカリンは微笑ましそうに眠っているアネラスを見つめ
「はは、このまま起こすのは可哀想な気がしますけど………」
「フッ、ならば仕方ない。ここはボクが添い寝をすることでさらなる桃源郷に彼女を誘って――」
ヨシュアの言葉に続いたオリビエは酔いしれった表情でアネラスを起こす自分なりの方法を実行しようとしたが
「………そんなに寝たいなら当て身で気絶させてやろうか?」
「ごめんなさい口が滑りました。」
ミュラー少佐の言葉を聞いてすぐに中断して謝罪した。
「クスクス………」
「はは、相変わらずだな。」
二人の会話を聞いたクローゼは微笑み、ジンは豪快に笑っていた。
「………ん……………」
すると周りの声に気付いたのかアネラスは目を覚ました。
「………起きたようだな。」
「フッ、せいぜい気を付けておくがいい。」
「みゅ?どうして僕を見て言うんですの??」
その様子を見たユリア大尉は静かな表情で呟き、静かな笑みを浮かべたバダックに視線を向けられたミュウは不思議そうな表情で首を傾げた。
「………ふえ………………………」
「お久しぶりです、アネラスさん。」
「そ、その………おはよーございます。」
「はは………いい夢見てたみたいやね。」
寝ぼけた眼で自分達を見つめるアネラスにヨシュアとティータ、ケビンはそれぞれ声をかけた。
「………………………」
一方アネラスは呆けた表情で周囲を見回した後
「うーん………ティータちゃんとヨシュア君とお姫様やアーシア先輩は当然として………ユリアさんやそこの女の子達もいいかも……」
「へ………」
「アネラスさん………?」
アネラスが呟いた言葉を聞いたジョゼットは呆け、クローゼは戸惑いの表情でアネラスを見つめた。
「でもその中でも際立っていいのはそこの水色のちっちゃい子…………あ、でもジンさんやバダックさんもクマさんやライオンさんみたいで意外と………ケビンさんのツンツン頭もウニみたいで可愛いし………えへへ……新作ぬいぐるみ超大量ゲットぉぉ………」
そしてアネラスの言葉を聞いたケビン達は全員脱力した。
「等身大のぬいぐるみと勘違いしてるみたいですね…………」
「ど、どんな寝ぼけ方やねん……」
アネラスが未だ寝ぼけている事を悟ったヨシュアとケビンは呆れ
「”黒獅子”をぬいぐるみ扱いするとはある意味強者ですねぇ。」
「ハハ、少なくてもティアよりは確実に上だろうな。」
「わたしも気を付けないとね~。ティアの事を考えると間違いなくトクナガもあの人のターゲットになるだろうし。」
「だ、だから何でそこで私が出てくるのよ!?」
「フフ、前々から疑問に思っていましたけど、貴女も女性なのですからそんなに必死に隠す必要はないと思いますわよ?」
呆れ半分でアネラスに感心しているジェイドに続くようにガイは苦笑しながら答え、意味ありげな笑みを浮かべたアニスに見つめられて慌てた様子で答えるティアをナタリアは微笑ましく見つめながら指摘した。そしてケビン達はアネラスに状況を説明し、自己紹介をし合った。
「ふう、残念だなぁ……せっかく新しい子達が仲間になったと思ったのに…………」
「アネラスさん…………」
「一通り事情を説明して最初の一言がそれかいな…………」
事情を聞き終えた後のアネラスの最初の一言を聞いたヨシュアとケビンは呆れた様子でアネラスを見つめた。
「あはは、わかってますって。あんまり実感はないけど………みんなが真剣なのはわかりました。何よりもティータちゃんとミュウちゃんの可愛さが現実であることを証明してますから!」
「はわわっ……」
「僕は男の子ですから、”ちゃん”で呼ばないでくださいの!」
真剣な表情で語ったアネラスの言葉にティータは照れ、ミュウは真剣な表情でアネラスに指摘した。
「はあ~………可愛い~!!ミュウちゃ……じゃなくてミュウ君!元の世界に帰る時、お持ち帰りしてもいいかな!?」
「みゅっ!?」
「だ、駄目よ!ミュウが可愛いくて自分のものにしたい気持ちはわかるけど、ミュウは今までずっと苦楽を共にしてきた私達の大切な仲間なんだから、絶対に他人に渡せないわ!」
そして真剣な表情で自分を見つめて叫ぶアネラスにミュウは驚き、ティアは必死な表情で答えた。
「う~ん、残念………あれ?もしかしてティアさんも可愛いものが好きなんですか!?」
ティアの答えに残念そうな表情をしたアネラスだったがティアの必死な様子にティアが自分と同じ趣味である事を悟ると目を輝かせてティアを見つめた。
「えっ!?えっと……その……好き……じゃなくて嫌いではないけど………」
一方アネラスの問いかけに驚いたティアは恥ずかしそうな表情で顔を俯かせて小声で呟き
「フフ、別に恥ずかしがる必要はありませんよ。可愛いものが好きな事は女の子として当たり前の反応ですし、それに………可愛いことは正義ですから!!だからクールで美人なティアさんが可愛いものが好きなのも当然の理屈です!」
ティアの様子を微笑ましく見つめたアネラスは真剣な表情で叫び、それを聞いたその場にいる全員は再び脱力した。
「どんな正義ですか……」
「”幻惑の鈴”の幻術を見せられて眠った時レンの演技で一発で起きたアネラスが言うと真実味があるよな……」
「フフ、そうね。」
ロイドは疲れた表情で指摘し、フレンとアーシアはそれぞれ苦笑し
「えへへ……エステルちゃんはライバルとして、ティアさんは私と同じ可愛いものが好きな仲間―――いえ、同志ですね!可愛いものが好きな同志としてもこれからよろしくお願いします!」
「ええっ!?えっと……その……よろしく……」
そして嬉しそうな表情をしているアネラスに両手を握られたティアは戸惑っていたがすぐに恥ずかしそうな表情になって小声で答えた。
「フフ、話があう仲間ができてよかったですわね、ティア。」
「そしてこの二人のターゲットとなる方達はご愁傷様な事になりましたねぇ。」
その様子をナタリアは微笑ましく見守り、ジェイドはからかいの表情で呟いた。
「ま、理由がどうあれ納得してもらえて何よりや。それで、どうする?アネラスちゃんも協力してくれるか?」
「ええ、もちろんです!こんな異常事態、遊撃士として見過ごせませんよ!それに………聞けばル=ロックルの訓練場がおかしな事になっているとか。もしかしたら他の遊撃士の人も同じ目に遭ってるかもしれません。」
「なるほど…………あり得るな。」
「ほ、他の遊撃士の人達って…………」
「うん…………色々と考えられるだろうね。」
アネラスの推測を聞いたユリア大尉は納得した様子で頷き、ティータはアネラスと同じ遊撃士であるアガットやエステル、レンを思い浮かべて不安そうな表情をし、ヨシュアは心配そうな表情で頷いた。
「いずれにしてもまだ最初の『修練場』や。新しい場所に行けるようになったみたいやし準備をしたら行ってみるとしよう。」
「ええ、そうですね。」
「フッ…………面白くなって来たじゃないか。」
こうしてアネラスを仲間に加えたケビンはメンバーを再編成し、ケビン、ヨシュア、オリビエ、アネラス、クローゼ、ナタリアのメンバーで向かい、新たに行けるようになった『修練場』―――『サントクロワの森』に入った―――――
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