英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク
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第119話(3章終了)
~銀の道~
「……………」
戦闘開始早々ケビンは自分を含め、砲台達にSクラフト――グラールスフィアを放った!そして砲台達は次々と砲弾をリース達に放った。
「堅固たる守り手の調べ――――クロア リュォ ズェ トゥエ リュォ レィ ネゥ リュォ ズェ……」
するとその時ティアがドーム型の絶対防壁の結界を展開する譜歌――――フォースフィールドを発動して結界を展開し、砲台達が次々と放った砲弾を防いだ。
「か、覚悟してください!えいっ!!」
敵の視界を奪う為にティータは煙幕の砲弾―――スモークカノンをケビン達に放ったがケビン達はそれぞれケビンが放ったSクラフトの絶対障壁により、防がれた。
「みんな、行くぞ!!」
「突撃開始!!」
「アーツ駆動―――ラ・クレスト!!」
「再生の力よ、宿れ―――ヒーリングフォース!!」
ロイドとユリア大尉は号令をかけて仲間達の闘志を高め、クローゼはアーツで仲間達の防御力を高め、ナタリアは自分を含めた仲間達に自己再生能力を付与し
「オォォォォォォ…………だぁぁぁぁぁっ!!」
「オォォォォォ―――――――――――――ッ!!」
フレンとバダックはそれぞれ自分を強化するクラフトで自分自身の身体能力を大幅に上昇させた。
「行けっ!退がりなさい!!」
そしてリースはケビン達に法剣の刃を分裂させて飛び回らせて攻撃するクラフト―――サウザンドスパローで攻撃し、飛び回る刃をその身に受けたケビンや砲台達は刃に気を取られて攻撃を中断した。
「輝ける蒼よ、エンブレスブルー!!」
リースに続くようにナタリアが凍結効果を秘めた蒼き矢を上空に放ってケビン達へと降り注がせ、上空から降り注ぐ矢を受けない為にケビン達は攻撃方向を上空に向けて攻撃を放った。
「えいっ!やあっ!!」
「せいっ!はあっ!!」
「ハッ!!」
「フンッ!!」
それを見て好機と判断したロイドとフレン、ユリア大尉とバダックはそれぞれ砲台達に近づいて攻撃し
「やあっ!ダークマター!!」
「えいっ!ヘルゲート!!」
「やぁ~っ!エアリアル!!」
「仇なす者に、聖なる刻印を刻め――エクレールラルム!!」
前衛達の攻撃の間にオーブメントの駆動を終わらせたティータが発動したアーツによってケビン達が一か所に固められた事を合図にリースとクローゼ、ティアはそれぞれ範囲攻撃のアーツや譜術を放ってケビン達に纏めてダメージを与えた。
「……………」
しかしその時ケビンがクラフト――セイクリッドブレスを放って敵達を回復し
「「「「「………………」」」」」
「うあっ!?」
「ぐっ!?」
「クッ!?」
「ぬっ!?」
砲台達は自分達を攻撃したロイド達に目標をかえて突撃したり砲弾を放ったりしてダメージを与えた。砲台達の攻撃によってダメージを受けたロイド達だったがナタリアが発動した受けた傷を自己再生する効果を秘めた譜術が付与された影響で傷は徐々に治り始め
「が、頑張って!!」
ティータが放った回復砲弾によって受けた傷は完全に回復した。
「行けっ!退がりなさい!!」
「やぁ~っ!エアリアル!!」
「砕けましてよ、ストローククエイカー!!」
「焼き尽くせ、シアリングソロゥ!!」
その時後方からリースが再び法剣の刃を分裂させて飛び回らせて敵達に攻撃し、クローゼは広範囲を攻撃するアーツを発動し、ナタリアはジャンプした後地面に当たった瞬間衝撃波を発生させる矢を放って攻撃し、ティアは杖を掲げて上空に作り出した火球を解き放って攻撃してケビン達にダメージを与え
「うぉぉぉぉぉ……!ブレイブスマッシュ!!」
「行くぜ……!ブレイブスマッシュ!!」
「行くぞ!はっ!やっ!せいっ!たぁ!!」
「獅吼!爆砕陣!!」
続くようにロイドとフレン、ユリア大尉とバダックもそれぞれクラフトを放って反撃を叩き込んだ。すると4人の中で圧倒的に攻撃力が高く、更に威力も高いクラフトを放ったバダックが攻撃した砲台は消滅した。
「……………」
するとその時ケビンが自分達の傷をクラフト―――セイクリッドブレスを放って回復しようとしたが
「無駄です!」
リースが放った妨害攻撃―――アークフェンサーによってクラフトの発動は妨害された。
「覇道……滅封!!」
そこにバダックが闘気を凝縮した極太のエネルギーを解き放って一体の砲台を破壊し
「えいっ!!」
「やぁ~っ!ブルーインパクト!!」
ティータの砲撃とクローゼのアーツによって更に一体の砲台が破壊された!
「後2体か……―――ロイド、”庭園”で練習した”アレ”をやるぞ!」
「はい!」
するとその時フレンの号令に頷いたロイドはフレンと共にケビンと残りの砲台を左右から挟み撃ちをしてそれぞれトンファーによる猛攻撃を叩き込み始めた!
「「オォォォォォォ………!!」」
左右から襲い掛かる息もつかせないトンファーの猛連撃によって衝撃波も発生してケビンと砲台を怯ませ、猛攻撃を終えた二人はそれぞれクラフト―――ブレイブスマッシュで攻撃して互いの位置を交替した後止めに同時に突撃して斜め十字にトンファーを叩き込んだ!
「「ブレイブクロス!!」」
ロイドとフレンが放った息もつかせない猛連撃を放った後勇気の決意を込めた一撃を交差させるコンビクラフト―――ブレイブクロスによる最後の一撃が決まると大地を揺るがす程の大爆発が起こり、爆発による煙が消えると残りの砲台は消滅しており、更にケビンの姿が突如変貌し、宙に浮く何かの物体になった!
「ノクターナルライト!!」
「ピアシスライン!!」
そこにティアが投擲した短剣とナタリアが放った矢が物体を貫いて止めを刺し、物体が消滅するとケビンの姿を模倣していた物体が消えた場所に封印石が現れた!
「あ………」
リースが封印石を手に入れると同時に閉まっていた大きな扉が開いた。
「どうやらこれで………試練は終わりみたいですね。でもまさかケビンさんそっくりに化けていた魔物だったなんて。」
「彼の忠告がなかったら、我々は翻弄されていたかもしれないな……」
「お手柄ですわ、ミュウ。」
「フッ、その小さき身体でヴァンとの決戦も生き抜いただけはあるな。」
「みゅう~……皆さんのお役に立てて嬉しいですの♪」
「フフ、よかったわね、ミュウ……」
クローゼは信じられない表情で呟き、ユリア大尉は自分達にケビンが偽物である事を伝えたミュウに視線を向け、ナタリアとバダックに感心されて恥ずかしがっているミュウを抱き上げたティアは微笑みながらミュウの頭を撫でた。
「………ええ、ミュウさんの忠告には本当に助かりました………あ。」
するとその時リースは崩れ落ちるかのように地面に膝をついた!
「リ、リースさん!?だ、だだだ、大丈夫ですか!?」
リースの様子を見たティータは慌てた様子でリースを心配し
「い、いえ、その………ミュウさんの助言があったとはいえ、偽物だとはっきりわかったら………安心して気が抜けてしまって………と、とにかく………あの不気味な砲台といい、敵の罠だった可能性は高そうです。もう一組の様子も気になりますし早く門から出てしまいましょう。」
心配されたリースは自分の情けない姿をティータ達に見られた事に苦笑しながら答えた後、すぐに立ち直って頬をわずかに赤らめたがすぐに真剣な表情に直して先を促した。
「そうだな。」
「これでようやく一区切りですね。」
リースの言葉にフレンとロイドはそれぞれ頷いた。その後リース達は門をくぐり、先に進むと偶然にもケビン達も同時に門から出て、終点で合流した。
~第三星層・終点~
「ふう………どうやら本物みたいやな。ったく……あんまり心配させんなや。」
「………それはこちらの台詞。私達はミュウさんがいたお蔭ですぐに偽物だとわかったし。」
苦笑しながら自分を見つめるケビンの話を聞いたリースは安堵の笑みを浮かべて答えた。
「そういえば、そっち”も”探索中に仲間が増えたみたいやな。そっちのちっこい生物もそうなんか?」
「うん、あの女性の言う通りナタリア陛下達の世界の仲間の人達。」
ケビンとリースはそれぞれ途中の道のりで仲間になったガイ達に視線を向け
「お、ティアにミュウじゃないか。久しぶりだな。」
「ええ、久しぶりね。」
「お久しぶりですの!」
「で……話には聞いていたがまさか本当にラルゴが生きているとはな……正直、この目で見ても信じられない思いだぜ。」
「フフ、それは私を含めたオールドラントの者達は皆そうですわ。」
ティアとミュウに挨拶をした後バダックに視線を向けたガイの言葉にナタリアは苦笑しながら答えた。
「………死んだはずのラルゴが生き返っているんだから、もしかしたら”あいつ”も生き返っているかもしれないね。それで”あいつ”も今回の事態に巻き込まれていたら、全員揃うね。」
「それは……………」
「………………」
「みゅう~………本当にそうなっていて欲しいです………」
「ガイ………ティア…………ミュウ………」
「………………」
(やれやれ……あの様子だと”ネクロマンサー”は勘づいているかもしれんな。かの”異変”の際あの浮遊都市に乗り込んだメンバーが次々と現れる所を見ると恐らく奴も巻き込まれていると思うのだが……)
アニスがふと呟いた言葉を聞いてある人物を思い出したガイとティアは辛そうな表情をし、ミュウは悲しそうな表情で呟き、ガイ達の様子をナタリアは心配そうな表情で見つめ、真剣な表情で自分を見つめるジェイドの視線に気づいたバダックは心の中で溜息を吐いた後考え込んだ。
「話を戻すけど………やっぱりあれは”グリモア”だったみたい。」
「ああ………そうみたいやな。」
「グリモア…………」
「さっき変身していた魔物の事か?」
リースとケビンの会話を聞いたミュラー少佐は敵の名前を繰り返して呟き、フレンは二人に確認した。
「ええ、やはり聖典に記されている魔物です。魔物というよりも………”煉獄”に落とされた魂の成れの果てと言うべきか。」
「魂の成れの果てって………」
「………不吉な響きですね。」
ケビンの説明を聞いたジョゼットは不安そうな表情をし、ヨシュアは真剣な表情で考え込んだ。
「………七耀教会の教養によれば罪深き魂は”煉獄”に落とされるとされているわ。そして絶え間なき業火に苛まれ、しだいに自我を失っていき………最後には混沌たる魂魄の魂………”グリモア”となるとされているわ。」
「は、はわわっ。」
「何と言うか……改めてここが俺達のいた世界とはかけ離れた世界であると思い知らされるな……」
アーシアの説明を聞いたティータは慌て、ロイドは疲れた表情で溜息を吐いた。
「それでは………あの擬態していた魔物がその”グリモア”だったと?」
「ええ……共に現れた鏡や砲台も”煉獄”に由来する呪具ばかり。どうやら敵は………いかなり禁忌を用いてか知りませんが地獄の蓋を開けてしまったようです。」
そしてクローゼの疑問にリースが答えたその時!
「………フフ、言いえて妙だな。」
周りに聞き覚えのある声が聞こえてきた!
「………っ!」
「………この声は!」
声を聞いたリースとケビンは驚いた後、仲間達と共に振り向くと、妖しげな光陣が現れ、そこから黒騎士が現れた!
「…………っ!?」
「え…………」
「来たか………!」
黒騎士を見て何かに気づいたヨシュアは驚き、カリンは呆け、ユリア大尉は警戒した表情で声をあげた。
「のこのこ現れよったか………”影の王”とやらの命令でオレらの様子を見に来たんか?」
「フフ………確かにそれも役目の一つではある。”隠者”の導きもあるのだろうがなかなか順調な道程で何よりだ。」
「”隠者”………」
「もしかして………あの女性の霊のことですか?私達に何かと助力してくださっている……」
黒騎士が呟いたある言葉から今までの道のりで何度も自分達に助力してきた女性である事に気づいたケビンは真剣な表情をし、クローゼは黒騎士に尋ねた。
「そう、虚ろなる庭園の主にして”影の国”に取り残された亡霊だ。クク、もっとも我が王によってその力の大半を失っているがな……」
「フン、ようわからへんが………アンタらの敵ってことは結局オレらの味方ってことやな?」
「さて、あれが果たして本当にお前達の味方になるのやら………それはさておき―――”影の王”からの伝言を伝えよう。『―――次なるは獣の道。新たなる供物を喰らい、汝が印を発言させるがいい。さすれば煉獄の炎はされに猛り、我が王国は真の完成に近づく―――』」
「えっ…………!?」
「…………………」
「………どういう意味だ………?」
黒騎士の影の王からの伝言を聞いて何かに気づいたリースは驚き、ケビンは呆けた表情をし、意味がわからないユリア大尉は黒騎士に問いかけた。
「フフ………どう受け取るからはお前達の自由だとの仰せだ。それでは確かに伝えたぞ。」
その様子を見た黒騎士は妖しげな笑みを浮かべたが
「………くっ………はは………はははははははッ!!!」
突如ケビンが大声で笑い始めた!
「ケ、ケビン………?」
「………………………」
ケビンの様子にリースは戸惑い、アーシアは真剣な表情でケビンを見つめた。
「クク………いや、悪い悪い。あんまり思わせぶりなこと言うからついツボに入ってしもたわ。大方、オレらを煙に巻くための戯言やとは思うけど………それにしたって、いくらなんでも芝居がかかりすぎとちゃうか?」
一方ケビンはリース達の様子に気付かず答えた後、目を細めて、声をわずかに低くして訊ねた。
「……………………」
しかし尋ねられた黒騎士は何も語らず、ケビンを見つめた。一方ケビンはボウガンを構えて、冷徹な視線で黒騎士を睨んで口を開いた。
「………話がそれだけならとっとと消えたらどうや。下らん戯れ言に付き合うほどオレらはヒマやないで。」
「フフ………どうやら我が王からの下賜、気に入ってもらえたようだな。さぞや懐かしかろう?」
「なっ………!」
しかし口元に笑みを浮かべて答えた黒騎士の言葉にケビンは驚いた。
「ケビン………?」
ケビンの様子に気付いたリースが不安そうな表情で見つめたその時黒騎士は妖しげな光陣を自分の足元に発生させた。
「あ………!」
「に、逃げる気!?」
「はは、いずれ改めて相見えることになるだろう。我が名は”黒騎士”。”影の国””表”の随一の守護者なれば。フフ………それではさらばだ。」
そして黒騎士は妖しげな光陣から消えて、転移した。
「………あれが”黒騎士”………」
「………どうして………」
「カリンさん……?」
黒騎士が消えた後ヨシュアは黒騎士が消えた場所から目を逸らして呟き、信じられない表情で呟いたカリンの様子が気になったクローゼは不思議そうな表情でカリンを見つめた。
「フン、捨て台詞が好きなところは飼い主そっくりやな。ハッタリで適当なことをほざいてるんが見え見えやで。」
「………………………」
ケビンは鼻を鳴らした後苦笑し、リースは何も語らず黙っていた。
「『―――次なるは獣の道。新たなる供物を喰らい、汝が印を発言させるがいい。さすれば煉獄の炎はされに猛り、我が王国は真の完成に近づく―――』」
「………確かに、どのようにでも解釈できる言葉ではあるな。下手に真に受けると足を取られる恐れもある、か。」
「ええ、そういう事です。………さてと。あっちにあるのを合わせて封印石が二つも入ったし、いったん”拠点”に戻ろうか。そこの石碑を解放しておけばすぐにでも探索を再開できるし。」
「そ、それもそーですね。」
「………今度はどなたが封じられているんでしょうか?」
その後ケビン達は二つの封印石を解放する為に庭園に一端戻った―――――
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