英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク
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第112話
~グランアリーナ~
「………アリーナに出たか。はは、こういう時のお約束やと対戦相手がババーンと出て来て………」
アリーナに出て、仲間達と共に周囲を見回していたケビンが呟くと、なんとケビン達の目の前から今まで戦ってきた魔物達が現れた!
「んなっ!?」
「……………ケビン?」
「何、余計な事言ってんだよ~!!」
「いけませんねぇ……この責任、どう取るおつもりですか?」
魔物達が現れた原因がケビンの言葉だと推測したリースはジョゼットと共に責めるような視線でケビンを見つめ、ジェイドはからかい半分の様子なのか口元に笑みを浮かべてケビンに問いかけた。
「偶然!偶然!オレのせいやないってば!ったく、誰の仕業か知らんけどあまりにお約束すぎやろ!?」
「………話は後だ!」
「来るぞ………!」
その後ケビン達は戦闘の末、敵達を倒したがすぐに新手が現れ、新手と戦って倒した所で警戒していたその時、一際大きい魔物が現れようとした!
「チッ………しつこいわ!」
「しかも………かなりの大物みたい。」
ケビンとリースが新手を警戒していると、妖しげな光陣からかつてエステル達が旧校舎の地下で戦った敵―――ストームブリンガーに非常に似た大型の敵が現れた!
「こ、これは………」
「な、なにコイツ!?」
「甲冑の人馬兵………!?」
「エステルちゃんたちが学園の地下で倒したとかいうカラクリの同類みたいやな………まあいい、どうやらこいつでラストみたいや!ぶちのめして優勝したるわ!」
そしてケビン達は戦闘を開始した!
「……………」
戦闘開始早々敵は巨大な身体を跳躍させて、ケビン達に襲い掛かった!
「おわっ!?」
「!!」
「はっ!」
「わっ!?」
「っ!!」
敵の行動を見たケビン達は急いで回避し
「さあ、来るがいい!!」
ユリア大尉はクラフト――ミラージュベルクを使用し、攻撃を無効化させた!
「行くぞ!はっ!やっ!せいっ!たぁ!!」
「行くぞっ!はぁぁぁぁぁ!せりゃぁ!!」
敵の攻撃を無効化したユリア大尉は続けてクラフト――ランツェンレイターを敵の足の一本に放って攻撃し、ユリア大尉に続くようにミュラー少佐が華麗な剣舞―――ブレードダンサーでユリア大尉が攻撃した足とは逆の場所の足を攻撃した。
「そらっ!!」
「えいっ!アセンション!!」
「どうだぁっ!!」
さらにケビン、リース、ジョゼットは遠距離攻撃やアーツを敵の頭の部分に放ち
「雷雲よ、我が刃となり敵を貫け―――サンダーブレード!!」
「………!?」
譜術の詠唱を終わらせたジェイドは敵の45度上から雷撃の剣を発生させて、そのまま敵に襲い掛からせて敵を貫いて雷撃を発生させて敵の全身にダメージを与え、全身から感じる電撃によって敵は怯んだ。
「はあっ、せぇい!!」
「やぁっ!!」
「やっ!!」
怯んだ敵の隙を見逃さないかのようにミュラー少佐とユリア大尉、リースは一斉に敵に突撃して追撃し
「ほれっ!シャドウスピア!!」
「やぁぁっ!アースランス!!」
ケビンとジョゼットはアーツで敵の頭上と足元、上下の逃げ場のない攻撃で追撃した。
「――――――」
ダメージを受けた敵は一番近くにいるユリア大尉達目がけて巨大な剣を振り下ろした。
「終わりの安らぎを与えよ―――フレイムバースト!!」
「!?」
するとその時次の譜術の詠唱を終わらせたジェイドの譜術によってユリア大尉達目がけて振り下ろした剣を持つ腕の関節部分が炎の爆発を起こしてユリア大尉達への攻撃を妨害した。
「行くぞ!はっ!やっ!せいっ!たぁ!!」
「行くぞっ!はぁぁぁぁぁ!せりゃぁ!!」
「もう、しまいにしよか―――滅!!」
「そこっ!いくよっ!どうだぁ!!」
「えいっ!エアリアル!!」
ジェイドの譜術によって再び怯んだ敵の様子を逃さないユリア大尉達はそれぞれ総攻撃をしかけたが、それでも敵は倒れず敵は両腕を天へと掲げて凄まじいエネルギー球体を発生させた後戦場にいる自分の敵―――ケビン達に球体から凄まじいエネルギーを放って攻撃してケビン達にダメージを与えた。
「くっ………今助けたる!そらっ!!」
「アーツ発動―――ラ・ティア!!」
敵が放ったクラフト―――エナジーブラストのダメージに表情を歪めながらもケビンとリースはそれぞれ治癒系のクラフトやアーツで自分や仲間達の傷を回復した。
「………………」
一方敵は先ほどと同じクラフト――エナジーブラストを放つ準備を始めていた!
「させるか!我が主と義のために…………覚悟!たあっ!チェストォォォ!!」
しかしそこにユリア大尉がSクラフト――トリニティクライスを放って敵を怯ませて、敵の行動を中断させ
「我が全霊を以て無双の一撃を成す!うぉぉぉぉぉぉ!」
さらにミュラーは武器を天高くへと上げて、凄まじい闘気を武器に込めて、敵に突撃して敵の横を駆け抜けた!
「奥義!破邪顕正!!」
するとミュラー少佐の闘気によって凄まじい闘気の塊が敵の中心部分で敵を吸い込んだ後、大爆発を起こした!
「……………!?」
戦渦の邪悪を断ち晴空をもたらすと言われるヴァンダール家に伝わる奥義――破邪顕正を受けた敵は大ダメージを受け、さらに怯み
「さっきはよくもやってくれたな~!これはさっきのお返しだ!行くよ……!とっとと倒れちゃえ!やあっ!一撃必殺!スフィアデサイド!!」
その隙を逃さないジョゼットはSクラフトを放って更なる大ダメージを敵に与えた。
「……………」
3人のSクラフトを受けてもなお健在の敵が反撃をする為に両腕の剣を振り上げてケビン達に突進しようとしたその時!
「―――消えなさい!旋律の戒めよ!死霊使い(ネクロマンサー)の名の下に具現せよ!」
ジェイドの譜術によって敵は巨大な譜力の檻に閉じ込められ
「ミスティック・ケージ!!」
「――――――!!??」
そして巨大な譜力の檻は超越した大爆発を起こし、ジェイドが放った戦場全体を巨大な譜力の檻で閉じ込めて大爆発を起こして殲滅するSクラフト―――ミスティック・ケージによるダメージに耐えられなかった敵は悲鳴を上げながら消滅した!すると敵が消滅すると同時に敵が消えた場所に封印石が現れた。
「おお………!」
「あれは……」
封印石に気付いたケビン達は封印石に近寄り、ケビンが封印石を手に取った。
「………ひょっとしてそれが優勝商品とか?」
「はは、そうみたいやな。律儀っちゅうか様式美に拘るっちゅうか。」
「フン………誰の仕業かは知らんがご苦労なことだ。」
「ええ。…………さてと。中にいる人を解放する為に一端庭園に戻りましょうか。」
そしてケビン達は中にいる人物を解放する為に一旦庭園に戻り、封印石を解放した。
~隠者の庭園~
「あ………!」
「も、もしかして………」
「ふむ………彼まで取り込まれていたとは。」
「真打ち登場………といったところだな。」
「あいつが取り込まれているとなると、”相方”の方も間違いなく取り込まれているだろうな。」
「フフ、そうね。あの二人が揃っていない方がおかしいものね。」
(……一体誰なんだろう……?)
光の中から現れようとした人物を見たジョゼットとティータは明るい表情をし、ミュラー少佐とユリア大尉は静かな笑みを浮かべ、フレンとアーシアの会話が気になったロイドは首を傾げ
「………やっぱり知り合い?」
「はは、その通りや。一言で言うと………黒髪の王子様ってとこかな。」
「???」
自分の疑問に対してケビンが呟いた答えにリースが首を傾げたその時、光の中から以前と違い白いジャケットを着たヨシュアが現れた!
「くっ………エステル!いったん床に伏せて――――な……!?」
地面に膝をついていたヨシュアはすぐに立ち上がって双剣を構えて一端後退して警告したが、目の前にいる人物達を見て驚いた。
「ヨ、ヨシュア………!」
「ヨシュアお兄ちゃん!」
驚いているヨシュアにジョゼットとティータが真っ先に嬉しそうに声をかけ
「ジョゼット、ティータ……………夢………いや、攻性幻術の一種か………?」
「はは、その可能性に思い至るんはさすがやね。残念やけど………これは夢でも幻でもないで。」
自分が陥った状況に考え込んでいるヨシュアにケビンは感心した後、苦笑しながら答えた。
「ケビンさん………フレンさんにアーシアさん……ユリアさんにミュラー少佐も………一体これは………どういう状況なんですか?」
その後ケビン達はヨシュアに状況を説明した。
「………………………」
「えっと………さすがに今の説明だけでは納得できへんかな?」
自分達の話を聞いて考え込んでいるヨシュアにケビンは尋ねた。
「………いえ、その逆です。幻術の可能性も考えましたがそれだと、そちらの方々の存在が説明できなくなりますから。」
「フム、私やアニスの事ですね。」
「……となると俺もその中に入るのか。」
「はい。後そちらのシスターの方も含みます。」
ジェイドとロイドの意見に頷いたヨシュアはリースに視線を向けた。
「はい。失礼ですが”騎士団”の方とお見受けしますが………?」
「!………わかりますか。」
「ええ、ケビンさんの連れで”法剣”を下げているとなれば。―――僕の名はヨシュア。ヨシュア・ブライトといいます。」
「……星杯の従騎士、リース・アルジェントです。どうやら我々の世界に馴染みのある方のようですね。」
「ちょ、ちょっとヨシュア!どうしてその女達がいるのが幻じゃないって証明になるのさ?このボクを差し置いて!」
和やかに自己紹介をしているヨシュアとリースの様子を見たジョゼットはヨシュアのある言葉が気になり、ヨシュアを睨んで尋ねたが
「そういえば………そのバイザーは初めて見るかな。よく似合っているけど……前に言っていた運送業の?」
ヨシュアはジョゼットが求める答えとは見当違いの答えを優しい微笑みを浮かべて答えた。
「あ、うん。おかげさまで結構繁盛させてもらってるよ。………じゃなくて!ボクが本物なんて見ればすぐにわかるだろ!?」
「幻術の場合、登場するのは知り合いであることが多いんだ。対象者が持つ知識やイメージを誘導し、操作する技術だからね。その点、そちらのリースさん達は僕にとって完全に初対面………それでいて、十分すぎるほど複雑性のある背景を持っている。そういう人がいる時点で幻術にかかっている可能性は低いと判断できるんだ。」
「わ、わかったような、わからないような…………要するにそれってボクのことは良く知ってるから逆に証明にはならないってこと?」
「うん………まあ、そういう風に言えるかな。」
「へへ………ならばよし!」
(うわ~……あのヨシュアって奴、ガイと同じタイプの男じゃないですか?)
(というか今までのやり取りを見る限り確実にガイより賢いですから、男性としての魅力は彼の方が上かと思いますよ。)
(い、一体何の話をしているんだ……?)
ヨシュアとジョゼットの様子を見てある人物と比べているアニスとジェイドの小声の会話が聞こえていたロイドは冷や汗をかいていた。
「クスクス………あの、ヨシュアお兄ちゃん、ほんとーにお久しぶりです!」
「うん、ティータこそ元気そうでなによりだよ。2か月ぶりかな………少し背も伸びたみたいだね?」
「えへへ………」
「でも、まさか君まで巻き込まれているなんて………さすがにビックリしただろ?」
「あ、うん………まだちょっと夢を見ているような気分かも。あ、そうだ、ヨシュアお兄ちゃん。えっと、その………エステルお姉ちゃんは………?」
「………わからない。でも、僕と一緒に白い光に巻き込まれたのは確かだと思う。この”影の国”という場所に取り込まれた可能性は高そうだ。」
ティータにエステルの事を訊ねられたヨシュアは真剣な表情で答えた。
「そ、そっか………そういえばお兄ちゃんたち今はどこを旅していたの?最近までエレボニアにいたのは手紙で教えてもらったけど………」
「うん、今はちょっとクロスベルっていう場所にね。帝国と共和国の中間にある小さな自治州なんだけど………」
「それ、ホント!?ボクたちの山猫号もちょうどそのあたりの上空を飛んでいたんだけど……」
「本当かい?うーん、何か関係があるのかな?」
「ふむ、強いて言うならリベールからの距離だろう。自分達も国境に一番近いパルム市に滞在していたからな。」
ジョゼットの話を聞いて考え込んでいるヨシュアにミュラー少佐は役立つ情報を教えた。
「そうだったんですか………」
「………ケビン神父。仮にこの事態が何か強大な古代遺物によって引き起こされたと仮定して……これほど広範囲にまで影響を及ぼすことがあるものだろうか?」
「いや………さすがに無理やと思います。強いて言うなら”輝く環”の導力停止現象くらいですか。アレは帝国南部まで影響を及ぼしたそうですし。」
ユリア大尉の質問にケビンは首を横に振って答えた。
「なるほどな………そうすると”七至宝”に匹敵する力が必要になるというわけか。考えてみれば”輝く環”はどこかに消えてしまったはず……」
「ひょ、ひょっとして……!?」
「どこかに消えちまった”輝く環”の力によるものかもしれねぇな。」
ユリア大尉の話を聞いてある事に気づいたティータは血相を変え、フレンは考え込んだ。
「……確かにその可能性もあるでしょう。ですが、それだけでは説明できへんことがあまりにも多すぎるのが確かです。」
「”敵”………そして異界化した王都か。」
「………加えて悪魔の実体化や属性の影響の変化などもあります。そのあたりが説明できるまで結論は急がない方がいいかと………」
「ふむ………確かに。」
ミュラー少佐とリースの説明を聞いたユリア大尉は静かに頷いた。
「しかし、そうなると………まずは異界化した王都の謎を解明するのが先決のようですね。」
「ああ、その通りや。エステルちゃんのことが心配やとは思うけど…………君も協力してもらえるかな?」
「………元より、そのつもりです。みんなが巻き込まれている以上、他人事ではいられませんし………何よりエステルや、もしかしたら僕達同様今回の出来事に巻き込まれている姉さんとレーヴェを探すにはケビンさん達に協力するのが一番の近道のようですから。」
「ヨシュアお兄ちゃん………」
「ふう………ま、仕方ないか。」
「よっしゃ!あらためてよろしく頼むで。」
その後ヨシュアを仲間に加えたケビン達はメンバーを再編成し、ケビン、リース、ヨシュア、ロイド、アニス、ジェイドのメンバーで探索を再開し、特に新しく行けるようになった所はなく、そこでヨシュアが自分の封印石があった場所に一度行ってみたいと言ったので、再びアリーナに向かった。
~グランアリーナ~
「ここに僕の封印石があったのですか………」
「ああ。あの時は大変やってんで。まるでお約束のごとく敵がババーンと登場してな……」
ヨシュアの言葉にケビンは苦笑しながら答えたその時、ケビン達の目の前に妖しげな光陣が現れた!
「んなっ!?」
「……………ケビン?また?」
「さっきも言ったけど偶然!偶然やから!オレのせいやないって!」
ジト目のリースに睨まれたケビンが必死に弁解していると、大型の人形兵器らしき全身が機械でできている敵が現れた!
「な、なんだこいつは……!?機械仕掛けの……人形……?」
「まさか……結社が開発した新たな人形兵器か……!?」
見た事もない敵の登場にロイドは驚き、機械仕掛けである事から結社の人形兵器と推測したヨシュアは厳しい表情で敵を睨んだ。
「!?ちゅ、中将~!あれって確かディストの……!」
「やれやれ……先程現れた大型の敵を考えれば”こういう事態”になる事も予測していましたが……まさかよりにもよって鼻垂れディストのポンコツが現れるとは。元の世界に帰還した後アレを創った本人に折檻しなければなりませんね。」
一方見覚えのある敵の登場にアニスは驚き、ジェイドは溜息を吐いた後真剣な表情で敵を睨んだ。
「もしかして、二人が知っている敵なんですか?」
「ええ。”カイザーディスト”とか言うポンコツですが、それなりに面倒な相手ですので油断しないでください。」
ケビンに尋ねられたジェイドはケビン達に忠告し
「来るぞ……!」
ロイドの言葉を合図にケビン達は敵――――ダークカイザーディストとの戦闘を開始した!
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