転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1319話
朝食が終わり、取りあえずハルカとエリナのホワイトスター滞在経験も終わりの日を迎えた。……いや、違うか。
言い分は違っていても、実際には同じような事なので特に気にせずに俺はレモン達と別れてエアカーで交流区画へと向かっていた。
「ふむ、木星蜥蜴か。やはり実際に一度戦ってみなければどのような強さを持つのかは分からぬな」
「コーネリア、一応お前は実働班の隊長なのだから、ここは私に任せて欲しいのだが」
そんな声が背後と横から聞こえてくる。
そう、このエアカーには俺とハルカ、エリナ以外にも2人の存在があった。
1人は俺の横の助手席に座っているコーネリアで、もう1人は後部座席に座っているスレイ。
ホワイトスターに来た時は3人だったのだが、戻る今は5人になっている。
その理由としては、実際にナデシコ世界の火星を見てみる必要があるというものだった。
……決して木星蜥蜴の無人機と一度戦ってみる必要があるからという訳ではない。
コーネリアが言っているのも分かるんだけどな。
俺達シャドウミラー以外の無人機となれば、マクロス世界のゴーストくらいしかない。
だが、そのゴーストも賢さや性能という意味ではメギロートより落ちる程度の能力であり、それでいながらコスト的にはゴーストの方が圧倒的に上だ。
いやまぁ、これはゴーストのコストが高いんじゃなくて、純粋にメギロートやイルメヤのコストが安過ぎると言うべきだろうが。
そもそも機体を作る資源に関しても、キブツを使える時点でシャドウミラーは有利過ぎる。
そういう意味ではメギロートとは明らかに違う用途を目指している、小型機のバッタやジョロ、大型艦やカトンボといった機体や艦はシャドウミラーとしても生産プラントが欲しいところだ。
「うーん、出来ればもう少し交流区画で買い物とかしてみたかったんだけど……ルリルリのお土産とか」
後部座席から聞こえてくる残念そうな声は、ハルカの声。
昨日は結構交流区画を見て回ったけど、それだけだと物足りなかったんだろう。
他にもホワイトスターで使える金とかも持ってなかっただろうし。
「ハルカの場合はナデシコの件がどうにかなればこちらに来るのだろう? なら、そこまでお土産について心配する必要はないのではないか?」
助手席のコーネリアの言葉に、ハルカは首を横に振る。
「そうしたいのは山々だけど、ルリルリを放ってはおけないのよ。……ねぇ、エリナ。ルリルリってナデシコを降りられると思う?」
「無理ね」
即座に断言する。
それは、考える余地もないと言ってるも同然だった。
だが、それは予想の範囲内だったのだろう。ハルカは特に怒る様子も見せない。
実際にナデシコに乗っていた俺も、その意見には同意せざるを得ない。
ナデシコが現在あれだけの性能を発揮出来ているのは、オモイカネというAIが存在してるからこそであり、そのオモイカネを上手く操作……違うな、ルリの言葉から考えると、コミュニケーションを取れると表現すべきか? ともあれ、オモイカネと上手い具合にやっていけるのはルリを置いて他にいないのだから。
「……ルリルリの代わりを探すのは?」
「可能か不可能かで言えば可能でしょうけど、問題は見つかるかどうかよ。あの子程の能力を持つオペレーターがいるかどうかも分からないし、何よりオモイカネとの相性を考えるとそう簡単にはいかないでしょうね」
「そうなると、やっぱりルリルリを放って私だけナデシコを降りるって訳にも……ねぇ?」
「そのルリルリという人物が有能なら、シャドウミラーとしても欲しいところだけどな」
「ぷっ」
コーネリアの口から出て来たルリルリという言葉に、思わず噴き出す。
それが面白くなかったのか、コーネリアの視線がキツくなる。
「何かおかしな事でもあったか?」
「そうでもない。ただ、ルリルリってのはハルカが付けたあだ名で、正確にはルリ。ホシノ・ルリだ」
「……なるほど。まぁ、その辺はともかくとして、だ。すぐにシャドウミラーに来られないというのは残念だな。私としてはまた賑やかになるものだとばかり思っていたのだが」
元々ハルカが周囲に溶け込むのが上手かったのか、それとも夜の行為の為か、はたまた今朝一緒に風呂に入って裸の付き合いをしたからか……ともあれ、ハルカとコーネリアを含めた面子との相性は決して悪くはない。……どころか、かなり仲がいい。
「ふふっ、私も早くそうなるように願ってるわ。ただ、私達の世界の方で一段落する必要があるでしょうけど。最低でも木星蜥蜴の件は何とかしないと、私も安心してこっちに来る事は出来ないわ」
そんな風に話しながらもエアカーは進み、やがて転移区画へと到着する。
既に昼に近いという事もあって、結構な人数が転移してきている様子が窺えた。
交流区画の方でも今頃は多くの店が開いてるんだろう。
あ、でも超包子とかってどうなってるんだろうな? 看板娘の神楽坂をこっちで使ってしまったけど。
いや、元々色んな部署を回らせてるって話だったし、恐らく大丈夫だろう。
超包子の方は……今度一度顔を出してみるか。
もしかしたら新しいバイトを雇っている可能性もあるし。
「アクセル様、どうぞ」
量産型Wに車を預け、俺達はナデシコ世界へと転移するのだった。
「どうやら特に問題はなかったようだな」
ナデシコ世界に設置されたゲートへと転移を完了すると、周囲には特に争われた跡はない。
もっとも、メギロートや量産型Wでしっかりと警護をしている以上、ナデシコ側で何をするにしても難しいだろうが。
そもそも、プロスペクターが現状で俺達と敵対するなんて選択肢を選ぶ筈もない。
……避難民の中でも強硬派が妙な行動を取るという可能性はあるかもしれないが。
「当然でしょ。ただでさえ火星は木星蜥蜴に占領されてて周囲は敵だらけなのに、この状況でシャドウミラーとも敵対したりしたら、私達はこのまま火星で全滅決定じゃない」
エリナの方も俺と同じ意見なのか、あっさりとそう言ってくる。
ま、ナデシコ側としては馬鹿な真似をする筈もないと思いたいけど……火星に到着する直前に暴動を起こすウリバタケみたいなのもいるしな。
能力は一流だが人格に問題ありな人材を揃えたってのは伊達じゃない。
「エザリアは?」
「2時間程前に来て、ナデシコの方へと向かいました」
「そうか、じゃあ俺達もまずはそっちに行くか」
そう告げ、影のゲートを作ろうとするが……それにコーネリアが待ったを掛ける。
「アクセル、出来ればこのナデシコ世界の火星の様子をしっかりと見ておきたい」
「私もコーネリアの意見に賛成だ。それに、現状でナデシコはネルガルの者達の拠点のようなものだろう? そこにいきなり影のゲートで転移するような真似は止めた方がいいと思うが」
その言葉にエリナとハルカの方へ視線を向けると、エリナは頷き、ハルカは取りあえず同意といった風に笑みを浮かべる。
どうやらコーネリアやスレイの言葉に賛成らしい。
まぁ、別にこの研究所内の敷地内を歩くのは構わないけど、ナデシコに向かうまで結構歩く必要があったりするんだけどな。
コーネリアやスレイがそれを望むならそれもいいかと判断し、そのまま歩みを進めていく。
元々ゲート付近に近づかないようにと言われている為か、周囲に人の姿はない。
いや、そもそも量産型Wはまだしも、このナデシコ世界の人間にとっては虫型の無人機というのはどうしても木星蜥蜴を思わせる。
そうである以上、自分から進んでこのゲートに近づくような者はそうそういる筈もないか。
「こうして見ると、ホワイトスターが賑やかだっただけに寂しさが強い気がするわね」
エリナの言葉通り、木星蜥蜴によって占拠されている火星というのはボロいというか、荒涼としているというか……まぁ、この研究所に避難民が住むって事は、ここから発展していくって事になるんだろうけど。
「あ、おはようございます」
ふと声が聞こえてきた方へと視線を向けると、そこには10代始めくらいの子供の姿があった。幼女? いや、この場合は少女か。
このくらいの年代の子供も無事に生き残ってたんだな。
「おはよう。昨日はどうだった? 良く眠れた?」
ルリに構っているように、子供好きなだけあって今挨拶してきた子供も放っては置けなかったのか、ハルカが笑みを浮かべて尋ねる。
「はい。美味しい食事もナデシコから配られて、とっても美味しくて、凄かったです!」
言葉使いが多少変だったが、それだけ食事が美味かったって事だろう。
ナデシコから配られたって事は、ホウメイやテンカワが作ったナデシコ食堂の料理だろうから、基本的に外れはない。
いや、ホウメイと比べるとテンカワの料理は外れになるのか?
それでも、別にテンカワの料理は食べられないって訳じゃないしな。
そう考えると外れとも言いがたい。
「そう、じゃあ今日はこれから頑張ってお掃除しないとね」
「うん! あたしのお部屋を作るの! ……あ、お母さん!」
ハルカと話していた子供は、遠くに母親の姿を見つけたのか走って去って行く。
その母親も、俺達の……いや、俺の姿を見つけたのか、頭を下げてから子供を連れて研究所の中へと向かって行った。
親子揃って足取りが軽いのは、やっぱりシャドウミラーの存在もあってこれからの生活に希望を持てるからだろう。
事実、俺は木星蜥蜴の集団をニーズヘッグ1機で蹂躙した訳だし。
「この世界の人々も逞しく生き残っているようだな。素晴らしい」
コーネリアに言葉が周囲に響き、俺達はそれに頷く。
あれだけの人数がこうして生き残っていたのは、確かに逞しいと言ってもいい。
それに俺達が合流したのはあくまでもユートピアコロニーの地下に潜んでいた生き残りだけであって、それ以外の場所にも生き残りがいる可能性は十分にある。
その辺も後で探してみる必要があるだろうな。
他の生き残りがいたとして、そいつらがどういう選択をするのか……シャドウミラーの庇護下を望んだイネス達と同様か、それとも地球に戻りたいと願うか。
「さ、行きましょうか。ナデシコの方でもきっと色々相談したい事があるでしょうし」
ハルカの言葉に、俺達は再びナデシコへと向かって歩みを開始する。
そして進み続け、やがてナデシコが見えてくる。
いや、見えるって意味だとゲートから出た時から見えてたんだけどな。
「何だか、こうして見るとほっとするわね」
「そうか? ……まぁ、俺の場合はナデシコよりもホワイトスターの方がそんな風に感じるけどな」
エリナにとっては、ホワイトスターよりもナデシコの方が帰るべき場所だという認識なのだろう。
いや、ずっとこっちの世界で暮らしてきたんだから、ホワイトスターを自分の帰るべき場所だと認識しろって方が無理なのはおかしな話じゃないだろうけど。
「さて、エザリアが先に来てるって話だったけど……どうなってると思う?」
「向こうの交渉担当の人が苦労しているのは確かだろうな」
コーネリアの言葉に、スレイが頷く。
だが、そんなコーネリアやスレイに対し、エリナは首を横に振る。
「確かに昨日見た感じだとエザリアという人はかなりやり手に見えたけど、プロスペクターも十分にやり手だと思うわ」
「へぇ。随分と自信があるのだな。そんなにそのプロスペクターという人物は優秀なのか?」
俺の方へと視線を向けて尋ねてくるコーネリアと、こちらもまたエザリアの優秀さをよく知っているスレイ。
そんな2人へと向け、俺は頷きを返す。
「そうだな。実際問題かなり度胸があるのは間違いない」
俺の脳裏を過ぎったのは、ゴートを制圧した時のやり取り。
普通交渉相手が自分の護衛を苦もなく一蹴したりすれば、多少なりとも驚き、恐怖を覚える筈だ。
だが、プロスペクターの目に怯えの表情は一切なかった。
それどころか、笑みすら浮かべて食堂に誘うような真似すらしたのだ。
勿論心の中では怯えや畏怖、恐怖といったものを感じていた可能性は否定出来ないが、それでも表に出さないだけで十分凄いと思う。
「あのエザリアと互角にやり合える人がそうそういるとは思えないがな。ま、実際に行ってみれば分かる」
そんなコーネリアの言葉に、プロスペクターとエザリアの戦いが脳裏を過ぎる。
もっとも、戦いとは言っても物理的な意味での戦いではなく言葉を用いた戦いだろうが。
いや、エザリアも何だかんだでかなり鍛えてはいる。
何しろ、シャドウミラーの政治班を率いる身だ。いつ危険が襲ってくるか分からない以上、身体を鍛えて置くに越した事はない。
魔法球を使ってるから、時間にはかなりの余裕があるし。
それこそ、この世界の人類を相手にする程度なら普通に最強なんじゃないだろうか。
基本的にこの世界の軍人は生身での戦闘をそこまで重視しているようには見えないし。
勿論一般人に比べれば十分に強いのだろうが……
そんな風に考えながら、俺達はナデシコの中へと入るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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