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英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

作者:sorano
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第107話

光の法陣に飛び込んだ4人ンはまた異なった異空間に出て、探索を開始し、途中に現れるケビン達の世界には存在しない”魔物”を倒しながら先へと進んで行くと、途中でケビンが持つ”方石”とはまた別の金色の”方石”を見つけ、また聞こえてきた謎の声に従い、ケビンが持つ方石をかざして、転移をして一端”隠者の庭園”の石碑の前に戻った。



~隠者の庭園~



「あ………」

「よし、上手くいったな。これで危なくなったらいつでもここに戻って来られるわけや。」

「緊急退避手段として絶対役立つだろうな。俺達にもそれがあったら、結構活用できるんじゃねぇのか?」

「それ以前にそんな物、どう考えても古代遺物(アーティファクト)に値するから私達は使ったらいけないわよ……」

転移したリースは呆け、緊急避難手段を確保した事にケビンは明るい表情で呟き、フレンの推測を聞いたアーシアは呆れた表情で指摘した。

「うん………なかなか便利かも。正直、その”方石”はあんまり信用できないけど。」

「ま、これまでと同じく取扱いには注意しとくわ。さてと………お次はコイツか。」

リースの忠告にケビンは頷いた後、金色の”方石”を取り出した。



「”封印石”………あの石碑にかざすと解放されるみたいなことをあの声が言っていたけど………一体、何が解放されるの?」

「そればっかりは試してみないとわからへんな。オレがかざしてみるから念の為リース達は警戒しといてくれ。」

リースに尋ねられたケビンは真剣な表情で3人を見て言った。

「………わかった。」

「ええ。」

「ああ。」

そしてリース達が警戒しているとケビンが金色の”方石”―――”封印石”を石碑の前にかざすと、”封印石”は反応した後、宙に浮いて光の球になった!そして光の球はゆっくりと降りてきて、そこからある人物が現れようとした!



「なっ…………!」

「えっ…………!」

「おいおい……どうなってるんだ?」

「………女の子………?」

現れようとした見覚えのある人物にケビン達が驚いている中、リースは戸惑いの表情で呟いた。すると光はなくなり、そこにはなんとティータが座り込んでいた!



「ふ、ふえ~っ………い、今の光って………」

「…………………」

「この子、写真の………」

「フフ………これはさすがに予想できなかったわね。」

驚いて呟いているティータを見たケビンは驚きのあまり口をパクパクさせ、武器を収めたリースはティータの顔を見てエリカが見せた写真の人物である事を思い出し、アーシアは微笑んだ。

「ふえっ……?ケ、ケビンさん?それにフレンさんにアーシアさんも?あれあれ?3人がどうしてここに………」

「あ~………はは、久しぶりやね。ティータちゃん。半年ぶりくらいか?少し背ぇ伸びたみたいやん。」

状況を理解していなく、不思議そうな表情で自分を見つめるティータにケビンは溜息を吐いた後、苦笑しながらティータを見つめて声をかけた。



「あ………えへへ、ありがとーございます。あのあの、お久しぶりです。またリベールに遊びに来てくれたんですか?あれ、そちらのおねーさんは………」

ケビンの言葉を聞いたティータは嬉しそうな様子で答えた後、リースに気付いた。

「あれ………?確かわたし、お父さんと一緒にお家でお留守番をしてて………アガットさんが来るから晩ゴハンの支度をしてたらあたりが真っ白になって………それで…………!はわわわっ!?こ、ここっていったい!?ゆ、夢!?これって夢なんですか!?そ、そうだっ!ホッペつねらなきゃっ!」

しかし周りの様子がおかしい事に気づくと慌て始め

「はは………こりゃ間違いなく本物やな。」

「ああ、そうだな。」

「フフ、ティータちゃんのああいう所を見るのも久しぶりね。」

(…………可愛い…………)

慌てているティータの様子をケビン達は微笑ましそうに見つめた。そしてケビン達はティータに現在の状況を説明した。



「そ、そうですか………お母さん達が引き上げたアーティファクトが原因で………」

「いや……正直、これが原因かどうかすらわからへんってのが現状や。それに、これが原因だとするとツァイスにいたティータちゃんが巻き込まれた理由がわからへん。」

「た、確かに………ツァイスとグランセルでは距離もかなり離れてますし………」

ケビンの説明を聞いたティータは頷いた。

「ただ、白い光に包まれた時刻はほぼ同じのようですね。何らかの関連性があるのは間違いではないかと。」

「は、はい。わたしもそう思います。あっ………ご、ごめんなさい!わたし挨拶もしないで………」

リースの意見に頷いたティータは自己紹介をしていない事に気付き、姿勢を正して自己紹介をした。



「あのあの、わたし、ツァイス中央工房見習いのティータ・ラッセルって言います!」

「七耀教会のシスター、リース・アルジェントです。あなたのことは、お母様やケビンから色々と伺っています。」

「あ、リースさんもお母さんに会ったんですか?」

リースがエリカと面識がある事を知ったティータは目を丸くしたが

「ええ………写真を見せて頂きました。こうしてお会いしてみるとお母様が自慢するのも納得です。」

「は、はう………お母さんったら………」

「フフ、恥ずかしがることはないわ。ティータちゃんのお母さんがティータちゃんの事を他の人達に自慢したがるのも無理はないわ。」

リースの話を聞くと恥ずかしそうな表情で溜息を吐き、アーシアは微笑みながらティータに恥ずかしがる必要はない事を伝えた。



「あのあの、お母さん、何かリースさんに失礼なことをしませんでした?リースさんみたいな可愛い人、お母さん大好きだと思うし………」

「え……………」

ティータに訊ねられたリースは呆けた声を出した。

「す、すみませんっ!お姉さんなのに可愛いなんて!でもでも、なんていうか物静かでキレイなんだけど独特な雰囲気っていうか………」

「…………独特…………」

「へえ……中々鋭いわね、ティータちゃんのお母さんは。」

「というか何気にティータ自身も鋭いよな?」

ティータが呆けているリースに謝罪している中エリカの鋭さにアーシアは感心し、エリカ同様すぐにリースの雰囲気に気づいたティータの鋭さにフレンは苦笑していた。

「はは、親子そろって鋭いやん。確かに独特っていったらリース以上はそうおらんやろ。」

「む………」

そして笑いながら自分を見つめてきたケビンの言葉を聞いたリースは顔を顰めた。



「えとえと、その………それでケビンさん達はこれからどーするんですか?やっぱりこのまま脱出方法を探すんですよね?」

「ああ、そのつもりや。といっても探索を始めたばかりやからぜんぜん進展してへんのやけど。」

「そうですか…………あのあの!だったらわたしにもお手伝いさせてください!足手まといにならないよう頑張りますから!」

「え。」

「まあ、今のティータちゃんなら足手まといにはならないけど……」

「……難しい所だな。ティータは俺達と違って、純粋な民間人だしな。」

「うーん、そやなぁ。正直、ティータちゃんにはここで待ってて欲しいんやけど。さっきも言ったようにどうもオレらの常識ってモンが通用しない場所みたいでな。」

ティータの申し出にリースが呆けている中アーシアとフレンは考え込み、ケビンは苦笑しながらティータに忠告した。



「でもでも、それを言うならここで待ってても同じですし………わたしに出来ることがあるならお手伝いさせて欲しいんです!」

「そっか。………はは、さすがはエステルちゃんの妹分や。」

「えへへ。」

「ケビン………本気?」

ティータを探索に加えようとしたケビンの様子に驚いたリースは真剣な表情で尋ねた。

「この子に関してはそんなに心配せんでもいい。こう見えても、例の事件では最後まで修羅場に付き合ったんや。見た目より遥かにしっかりしとる。」

「そうね。”執行者”達との戦いも足手まといにならず、しっかりサポートしてくれていたから、彼女は心強い存在よ。」

「そうは言っても………」

ケビンとアーシアの説明を聞いたリースだったが、幼いティータを危険な場所に連れて行くことに抵抗を感じていた。



「あのあの………どうかお願いします!みなさんに心配かけないよう安全には気を付けますから!」

「……………………わかりました。こちらこそよろしくお願いします。」

「ほ、ホントーですか!?」

自分が探索に加わる事に反対の様子であったにも関わらず、あっさり認めたリースにティータは驚いた。

「どうやらあなたは他人に心配をかけるというのがどういう事なのかご存知の様子。ならばこれ以上、私が口出すまでもありません。………ただしどうか、くれぐれも気を付けてください。」

「は、はいっ!」

「それに関してはオレからもよろしく頼むわ。ティータちゃんに何かあったらオレ、間違いなくエリカ博士に絞め殺されてしまうからな。」

「は、はい!キモに銘じますっ!」

その後ティータの装備を整え、ティータを仲間に加えたケビン達は先を進んだ。すると何かの扉があり、扉から謎の声が聞こえ、声に従ってティータが入り、そして戻って来たティータは過去の出来事を扉が見せてくれた事を説明し、さらにミラをいつの間にか手に入れた事を説明した。そしてケビン達はさらに進むと新たな”封印石”を見つけ、中にいる人物を解放する為に庭園に戻り、そして”封印石”を解放した。



「あら……?確かあの子は貴方の…………」

「……………」

封印石が解放され、光の中から出て来ようとした見覚えのある人物に目を丸くした後小さな声で呟いたアーシアは呆けた表情で光の中にいる人物を見つめているフレンに視線を向け

「一体誰や……?ティータちゃんの知り合いか?」

「い、いえ……わたしもそうですし、エステルおねえちゃん達も会った事はないと思います。」

ケビンに訊ねられたティータは不思議そうな表情で答えた。すると光は消え、背中に”C.P.D”の文字と何かの紋章が刻み込まれてあるジャケットを身に纏った茶髪の青年が現れた!



「くっ………何だったんだ、今の光は……へ………」

目を開けた青年は立ち上がって、目の前にいるケビン達に気づくと呆けた表情をした。

「七耀教会の神父にシスター……?貴方達は一体……?」

「あ~と……事情を説明する前に君の事を知りたいんやけど……まず、君の自己紹介をしてくれへんか?」

不思議そうな表情で自分達を見つめる青年にケビンは苦笑しながら自己紹介を促した。

「は、はい。――――俺の名前はロイド・バニングス。”クロスベル警察”の刑事に就職する為に、現在警察学校のカリキュラムを受けているクロスベル警察の見習いです。」

青年―――ロイドはケビン達を見回して自己紹介をした。

「へ……ク、クロスベル……?」

「い、一体どうなっているんでしょう……?リベールとクロスベルはかなり離れていますし………」

(まさか同じ日に二人揃って家族に再会する事になるとか、これも女神(エイドス)の導きってやつか?)

(今の状況を考えると冗談になっていないわよ……)

ロイドがリベールの国外にいる人物である事を知ったケビンやティータは戸惑い、フレンの小声の疑問にアーシアは疲れた表情で答えた。その後ケビン達は自己紹介をし、現在の状況を説明した。



「ま、まさかリベールの”導力停止現象”にそんな真実が隠されていたなんて……しかも七耀教会にそんな存在があるなんて……驚く事があり過ぎて、頭がパンクしそうだ……」

事情を聞き終えたロイドは信じられない表情で呟いた後疲れた表情で溜息を吐いた。

「え~と……大丈夫か?」

「はい。それで皆さんの話によりますと、元の世界に戻る為に探索しているとの事ですが……もし、よければ俺も探索に加わらせてもらっても構いませんか?もしかしたら警察学校で学んだ事が役に立つかもしれませんし。」

「へっ!?」

「ロイド……と言ったわね。”庭園”を出ればゼムリア大陸では存在していない得体のしれない魔獣―――いえ、”魔物”と戦う事になるけど、大丈夫なのかしら?」

ロイドの申し出を聞いたケビンが驚いている中、アーシアは一瞬フレンに視線を向けた後ロイドに訊ねた。



「……自分の身を守る手段はありますのでご心配には及びません。」

アーシアの疑問を聞いたロイドはトンファーを構えた。

「ふえ?その武器って確か……」

「”トンファー”……」

「東方で使われている武具やな。殺傷力より防御と制圧力に優れている話やけど……確かフレンさんの得物もトンファーでしたな?」

見覚えのある武器を見たティータは目を丸くし、リースと共にトンファーを見つめていたケビンはフレンに視線を向けた。

「ああ。犯人を捕える時とか剣や銃みたいな殺傷力がある武器より、こっちの方が重宝するんだぜ?」

「……?フレンさん、もしかして警察組織のような所に所属していた事があるんですか?」

フレンの話を聞いてある事が気になったロイドは不思議そうな表情で訊ねた。

「あ、ああ。事情があって辞めちまったが、遊撃士のサポートに転職する前はクロスベル警察の刑事として所属していたんだぜ?」

「ええっ!?そ、そうだったんですか……それじゃあ、フレンさんは俺にとって先輩にあたりますね。」

(後でボロが出てきても知らないわよ……)

そしてフレンの答えを聞いたロイドは驚いた後興味ありげな表情でフレンを見つめ、アーシアは呆れた表情でフレンを見つめていた。



「ハハ、”先輩”って言われるようなガラじゃないけどな。―――それよりもケビン神父、ロイドも探索に加えてもいいんじゃねぇか?今は何が起こってもおかしくない状況の上、最低限の身の守りもできるみたいだし、ロイドも加えてもいいと思うぜ。」

「う~ん……そうですな……―――わかった、ロイド君って言ったっけ?無理はしない程度でええから、力を貸してもらってもええか?」

「はい、宜しくお願いします……!」

フレンの意見に賛成したケビンに見つめられたロイドは力強く頷き

「…………ロイド。もしお前がよければかつてのクロスベル警察の刑事として、俺でよければ警察関連の事について教えてもいいが、どうだ?」

「本当ですか!?是非、お願いします……!」

「ハア………(色々な意味で本当に大丈夫かしら……?)」

そしてフレンの提案を聞いて刑事として先輩のフレンに色々と学ぶことを決めて、フレンに頭を下げているロイドの様子を見たアーシアは疲れた表情で溜息を吐いた。



その後ロイドを加えたケビン達は探索を再開した。 
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