英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)
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外伝~アリサの告白~前篇
~ぺステ城・客室~
「それでアリサ、何の用――――って、ええっ!?」
客室に入ってきたアリサを見たリィンは大人の雰囲気をさらけ出す寝間着である漆黒のキャミソールドレスを身に纏っているアリサを見て驚き
(あら♪これはもしかして♪)
(ふふふ、ついに本格的に動き出しましたか。もしかすればメサイアと契約した事が原因で、今回の行動に踏み切ったのかもしれませんね。)
(ええっ!?わ、私ですか!?一体何故…………―――あ。も、もしかして…………ア、アハハ……)
ベルフェゴールとリザイラは興味ありげな表情をし、リザイラの推測を聞いたメサイアは驚いたがすぐに自分がリィンと”性魔術”をして契約した事やベルフェゴールとリザイラから教えられたリィンに恋している人物の中にアリサがいる事を思い出して苦笑した。
「…………………………」
顔を真っ赤にして俯いているアリサは扉を閉めた後扉の鍵をかけ
「な、なななななななっ!?ア、アアアアアアア、アリサ、その格好って寝間着じゃないのか!?な、何で寝間着で俺の部屋を訪ねたんだ!?」
リィンは顔を真っ赤にして混乱した様子でアリサを見つめて指摘した。
「…………女がこんな格好で男の部屋を訪ねる意味すらもわからないくらい鈍感なの、リィンは?」
リィンの指摘を聞いたアリサは真っ赤にした顔でリィンを見つめ
「へ………………―――!!!???」
アリサの言葉に呆けたリィンだったがすぐにアリサが自分に抱かれに来た事に察しがついて信じられない表情で顔を真っ赤にした。
「な、ななななななな、何でだ!?俺達は唯のクラスメイト同士だろう!?」
そしてすぐに我に返ったリィンは真っ赤にした顔で混乱しながらアリサから反射的に遠ざかるかのようにアリサを見つめながらベッドまで下がって尋ね
「ハア…………やっぱり勇気を出して正解だったわね……さすが超鈍感男を兄に持つエリゼとエリスね……ずっとリィンの傍にいただけあって、超鈍感なリィンの事をよくわかっているわね……この様子だと幾ら私の事をアピールしてもずっと気付かなかったでしょうね…………」
リィンの言葉を聞いたアリサは疲れた表情で答えた後小声でブツブツ呟いた。
「え、えっと……?」
アリサの様子を見たリィンが戸惑いの表情でアリサを見つめたその時
「――――今の私は貴方の事を”唯のクラスメイト”だなんて、思っていないわよ。」
アリサは決意の表情でリィンを見つめた。
「え。」
アリサの言葉を聞いたリィンが呆けたその時アリサがリィンに近づき
「―――好きよ、リィン。一人の女として私はリィン・シュバルツァーを愛しているわ。そ、その……リィンが初恋なんだから……私を射止めた責任を取って私も貴方のお嫁さんにして…………」
自分の仄かな想いをリィンに伝えた。
「………………………………」
アリサの告白にリィンは石化したかのように固まり
(うふふ、回りくどい言い方をせずにストレートに告白したわね♪)
(ふふふ、超鈍感なご主人様にはそのくらいしないと伝わらないでしょうね。)
(え、えっと……リィン様ってそんなに鈍感なのですか……?)
からかいの表情になったベルフェゴールと静かな笑みを浮かべているリザイラの言葉を聞いたメサイアは冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「ええええええええええええええええええええええっ!?」
一方我に返ったリィンは大声を上げて驚いた。
「な、なななななななな、何でだ!?今までそんな雰囲気になった事なんてないだろ!?」
(アハハハハハハハッ!”ノルド高原”の夜の事すらもカウントしていないなんて、さすがはご主人様だわ♪)
(ふふふ、まさに女の敵ですね。)
(一体何があったのでしょう……?ちょっと気になってきました……)
混乱した様子で言ったリィンの言葉を聞いたベルフェゴールは腹を抱えて笑い、リザイラは静かな笑みを浮かべ、メサイアは苦笑していた。
「超鈍感なリィンがそんな事を言えると思っているの?ずっと傍にいながらエリゼとエリスは貴方の事を”兄”として見ていなく、”男性”として見て来て幼い頃からずっと恋していた事にすら気付かなかったリィンが。」
「う”っ。…………というか何でアリサがエリゼ達の気持ちの事を……」
ジト目のアリサの指摘に唸ったリィンは戸惑いの表情でアリサを見つめ
「―――本人達から聞いたのよ。エリスを助けたあの日、二人とリィンが肉体関係の間柄になった事は勿論、ベルフェゴール達と”性魔術”で契約して時折ベルフェゴール達に”性魔術”をしてもらっている事も全部。」
「………………(二人とも何でそんなとんでもない事をアリサに言ったんだ!?)」
アリサの答えを聞いて大量の冷や汗をかきながら今はこの場にいない可憐な妹達に指摘した。
「え、えっと……アリサの気持ちは嬉しいけど……そ、その……そこまで知っているならエリゼ達から他にも聞いているだろ?」
そしてリィンはアリサを思い止まらせる為に必死に頭を働かせてアリサを見つめて尋ねた。
「ええ、二人の処女を奪ったリィンが責任を取って二人と将来夫婦になる話とかも全部ね。」
「だったら、俺みたいな将来重婚する事になっている女の敵みたいな男と付き合うより他にも魅力的な男が―――――んんっ!?」
アリサの答えを聞いたリィンは答えかけたがアリサの口付けによって続きを言うのを封じられた。
「な、なななななななっ!?」
アリサに唇を口付けされたリィンは顔を真っ赤にして混乱した様子でアリサを見つめ
「―――他に奥さんが何人いようと私は構わないわ。それに元々貴族は重婚とかしているし、今の時代は平民達も重婚ができる時代になっているし、エリゼ達となら元々仲が良いから別にいいわ。」
真っ赤になった顔のアリサは真剣な表情でリィンを見つめて言った。
「そ、そういう問題か……?というかそれ以前に俺の気持ちはどうな―――んんっ!?」
アリサの答えを聞いたリィンは表情を引き攣らせた後疲れた表情で尋ねかけたが再びアリサの口付けによって答えを言うのを防がれた。
「エリゼ達を抱いて、なし崩しに婚約者同士になったリィンに私の告白を断る権利なんて最初からないわよ。」
「い、いやあの場合俺からしたんじゃなく、エリゼ達からなんだが……しかも痺れ薬まで盛られて動けない状態にされて無理矢理され―――んんっ!?」
「そんな些細な事はどうでもいいわ。今から私の”処女”をリィンに奉げて私もリィンの婚約者になってあげるんだから、自分がどれだけ恵まれている男なのか私の身体で思い知らせてあげるわ…………」
「ちょっ、アリサ、早ま―――んんっ!?」
(フフ、頑張りなさい、アリサ♪)
(むにゃむにゃ……えへへ……そんなにたくさんあったら、食べきれないよ♪)
そして寝間着を脱いで漆黒のレースの下着姿になったアリサはリィンの諌める言葉を自分の口付けで防ぎながらリィンをベッドに押し倒してある行為を開始し、ベルフェゴールは邪魔者が入って来ないように結界を展開し、ミルモはアリサの身体の中で呑気に好物に囲まれる夢を見て眠っていた。
~同時刻~
「んふふふ~♪やっぱ皇族の客人用だけあって、つまみもそうだけど酒も滅茶苦茶美味いわね~♪おっと、明日もここに泊まるんだから明日の分も残しておかなくちゃ……って、そうよ。全部飲んでももしかしたらホテルみたいになくなっていた分を補充してくれるかもしれないわね♪明日ツーヤに尋ねてみましょ♪」
「サラさん、セレーネです。お休みの所を申し訳ないですが少しよろしいでしょうか?」
「んあ?セレーネ?ええ、いいわよ。」
「―――失礼します。」
一方その頃客室にある高級酒とつまみを堪能していたサラ教官はセレーネの来訪に首を傾げながら入室を許可した。
「それでどうしたのかしら?もしかしてこの皇族御用達の高級ワインが気になったのかしら?実習中とは言え今は夏休みだしちょっとだけなら飲ませてあげてもいいわよ♪」
「アハハ……お気持ちは嬉しいですが遠慮しておきます。えっと……その……アリサさんの事で相談しに来ました。」
「アリサの?なになに~?もしかして『新参者の癖に私の許可なく私のリィンに不用意に近づくなんて生意気よ!』とか、『前からリィンに目をつけていたのは私なのに抜け駆けしないで!』とでも言われて苛められたのかしら~?んく……んく……」
セレーネの用件を聞いて首を傾げたサラ教官だったがすぐに酒の肴の話になりそうな内容だと気付いて口元をニヤニヤさせながら尋ねた後再び高級ワインを飲んでいたが
「え、えっと……その……先程アリサさんが寝間着姿でリィンお兄様の部屋に入る所をたまたま見てしまったんです……」
「ブ―――――――――――――ッ!?」
「キャッ!?」
恥ずかしそうな表情で言ったセレーネの言葉を聞いた瞬間口から瓶を離して下を向いて床に向かって飲んでいたワインを噴き出した!
「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ!…………フウ。――――セレーネ、今の話ってマジ?」
飲んでいたワインを喉に詰まらせた影響で咳き込んでいたサラ教官は落ち着いた後、セレーネの口から出た驚愕の事実に完全に酔いが醒めて驚きの表情で尋ねた。
「は、はい……ツーヤお姉様の寝室から戻ってきた時にたまたま見てしまって……しかも部屋に入った時に鍵までかけたようなんです……」
「…………………………」
頬を赤らめて答えたセレーネの説明を聞いたサラ教官は石化したかのように固まり
「ハア…………やれやれ、まさかあの女の入れ知恵かしら?ラインフォルト家のメイドの癖に”ラインフォルトグループ”の令嬢に何て事を教えているのよ……万が一在学中にアリサが妊娠したら絶対あの女に管理責任とか全部押し付けてやるんだから…………ブツブツ…………」
やがて我に返ると呆れた表情で溜息を吐いた後小声でブツブツ呟き出した。
「あの女??」
「何でもないわ、こっちの話よ。そ・れ・よ・り♪今の話、もうちょっと詳しく聞かせてくれるかしら?アリサはどんな寝間着姿だったのかしら♪」
「え、えっと……?(わたくし、もしかして相談する相手を間違えたのでしょうか……?)」
そして口元をニヤニヤさせるサラ教官に続きを促されたセレーネは大量の冷や汗をかきはじめた。
~数時間後~
「ハア……ハア……一杯中に出してくれたわね……嬉しい……!リィン、大好き♪ん……」
数時間後行為を終えて生まれたままの姿になって息を整え終えたアリサは幸せそうな表情で疲労によって眠りに落ちたリィンの唇に口付けをした。
「フウ……このまま寝たいけど……さすがにこのまま朝まで過ごしてみんなに見つかったら滅茶苦茶不味いわね……」
そしてリィンから離れた後よろよろと起き上がったアリサは下着や寝間着を着た。
「―――覗き見は元から覚悟していたけどいい加減結界を解いてくれるかしら?―――ベルフェゴール。」
「うふふ、よく私が結界を展開した事がわかったわね?」
アリサが気絶しているリィンを見つめて問いかけるとベルフェゴールがアリサの目の前に現れた。
「――エリゼ達から全部聞いているわよ。声が漏れないようにする為や邪魔者が入らないようにする為にいつもリィンと身体を重ねる時はベルフェゴールが結界を展開しているって。」
「そう。―――はい、今解いてあげたわよ。」
「ありがと。………これで私もエリゼや貴女達と同じ土俵に上がったんだからこれ以上貴女達にリィンを独占させないわよ?」
アリサは不敵な笑みを浮かべてベルフェゴールを見つめたが
「うふふ、ご主人様に夜這いしたい時はいつでもしてもいいわよ。その時は私が結界を展開してあげるから♪ああそうそう、良い事を教えてあげるわ。」
「良い事?」
ベルフェゴールの言葉が気になり、不思議そうな表情で首を傾げた。
「ノルドの集落でご主人様が眠っている間にキスをしたようだけど……多分、あれがご主人様のファーストキスだと思うわよ?ご主人様にキスをしたエリゼ達の反応を見る限り、あの娘達もご主人様とキスはしていないようだし。」
「え……ど、どういう事!?私がリィンにキスをする前に貴女やリザイラがリィンと性魔術をしていたからキスなんてとっくにしていたんじゃ……」
「童貞とファーストキスは別物よ。私は恋する乙女の味方だから、ファーストキスくらいは残してあげたのよ♪ちなみにリザイラも契約の時にキスはしなかったわよ。ま、貴女がキスをしたのを見た後は性魔術の時にキスも一杯してあげたけどね♪」
「そ、そう……じゃあ私もリィンの”初めて”の相手になれたんだ……しかもキスの…………でも、どうしてそんな事を教えてくれたの?」
ベルフェゴールの説明を聞いて嬉し涙を一筋流して自分の唇をなぞったアリサは再び首を傾げて尋ね
「うふふ、言ったでしょ?私は純情可憐な恋する乙女の味方だって♪それじゃあ、お休み♪」
ベルフェゴールはアリサにウインクをした後リィンの身体に戻った。
「……まさかベルフェゴールに感謝する時が来るなんてね…………―――お休みなさい、リィン。ん……」
アリサは苦笑した後リィンの唇に軽い口付けをした後部屋を出た………………
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