英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク
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第88話
ヨシュアの先導によってエステル達はドルン達が囚われている監禁室に到着した。
~グロリアス・監禁室~
「みんな!」
監禁用の牢屋に到着し、エネルギー障壁の先にいるドルン達を見つけ、ドルン達の無事な様子にジョゼットは明るい表情で声をあげてドルン達の目の前まで駆け寄った。
「なっ……!?」
「ジョゼット……それに小僧じゃねえか!」
「お、お嬢!?」
「ど、どうしてここに!?」
ジョゼットやエステル達の登場にキールやドルンを始めとした空賊達は信じられない表情をしていた。
「よ、良かった……みんな無事だったんだね……。今、助けてあげるから待っててよ!」
「た、助けてあげるって……。……おい、ヨシュア!いったいどうなってるんだよ!と言うか、どうしてお前らまでこの浮遊都市に来てやがるんだ!?」
「うん、実は……」
訳がわからない様子のキールにヨシュアは今までの経緯を説明した。
「なるほど……そんな事があったのかよ。」
「あのなぁ、ジョゼット……。俺たちはお前を逃がすために身体を張って捕まったんだぞ?それなのにお前ときたら……」
話を聞いたドルンが納得している中、自分達が身体を張ってまで捕まった事を無駄にしたジョゼットに呆れたキールは溜息を吐いた後真剣な表情でジョゼットに説教をしようとしていた。
「か、勝手なこと言わないでよ!独りぼっちになってまでボクは助かりたくなんかない!兄貴たちと一緒に捕まった方がまだマシだったよ!」
「馬鹿、お前は女だろうが!少しは自分の身の安全を心配しろっての!」
「そ、そんな言い方はズルイよ!だいたいキール兄はいつも都合のいい時だけボクのことを女扱いしてさっ!」
(な、なんか……すっごく仲がいいわねぇ。)
(ふふ……ちょっと羨ましいですね。)
(うふふ、レン達ブライト家程ではないけどね。)
(そこで余計な一言を言うのはやめとけって……)
キールとジョゼットの兄妹喧嘩をエステルとクローゼは微笑ましく見守り、レンの小声を聞いたルークは呆れた表情で指摘した。
「おいおい、こんな所で兄妹ゲンカを始めるんじゃねえよ。ったく2人とも……いつまで経ってもガキのままだな。」
「ドルン兄……」
「で、でもよ……」
「来ちまったものは仕方ねぇ。一緒に脱出するしかねえだろう。それで小僧……どうやって俺たちをここから出す?」
「……そうだね。どうやら、このエネルギー障壁は完全にロックされているみたいだ。プロテクトを外すのは正直、難しいかもしれない。」
「……なるほどな。」
「そ、そんな……」
ドルンの疑問に答えたヨシュアの説明を聞いたキールは真剣な表情をし、目の前にいるドルン達をすぐに助けられない事にジョゼットは悲痛そうな表情をした。
「うーん、力づくでこじ開けられない?爆弾か何かを使っちゃうとか。」
「いや、このエネルギー障壁は普通の爆弾じゃ傷一つつかない。ここは、最新のセキュリティカードをどこかから調達するしかなさそうだ。」
「セキュリティカード?」
「そ、それを使えばこの障壁を消せるの!?」
ヨシュアの説明にエステルが首を傾げている中、ジョゼットは血相を変えて訊ねた。
「たしか、あの端末にカードを通せば障壁が解除されるはずだ。僕が潜入時に入手したものはもう使えなくなっているはずだから、最新のカードが必要だけどね。」
「な、なるほど……」
「それで、最新のカードってどこに置いてあるものなの?」
「前方区画の第二層―――前に君が監禁されていた部屋の周辺に保管されているはずだ。」
「そっか……」
「早速、調べに行った方が良さそうですね。」
ヨシュアの答えを聞いたエステルが頷き、クローゼが提案したその時
「もしくは途中で遭遇した結社の猟兵達を制圧した後猟兵達の持ち物を調べて、その時に運よくセキュリティーカードがあったら、それを奪い取れば手っ取り早くすむわね♪」
レンは小悪魔な笑みを浮かべてとんでもない提案をし、レンの提案を聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「この腹黒妹は……」
「やっている事が完全に追い剥ぎじゃねぇか……」
「……まあ、レンの提案も一理あるからもし猟兵達と遭遇して制圧した後、彼らの持ち物を調べておくべきだね。」
「ヨ、ヨシュアさん……」
エステルはジト目でレンを見つめ、ルークは疲れた表情で指摘し、レンのとんでもない提案に同意したヨシュアをクローゼは苦笑しながら見つめた。
「キール兄!ドルン兄!それからみんな!そういう事だからもうちょっとだけ待っててね!すぐにカードを見つけて戻ってくるから!」
「はあ……仕方ねえな。」
「小僧……それに遊撃士の嬢ちゃんたち。その跳ねっ返りが無茶をしないように頼んだぜ。」
「ああ、任せて。」
「ま、ちゃんと手綱を握っとくから安心してて。」
そして自分達を救出する決意が鈍らない様子のジョゼットを見たキールは諦めて溜息を吐き、ドルンの頼みにヨシュアとエステルは頷いた。
「ふ、ふん……。ボクなんかよりも遥かに無鉄砲なクセに良く言うよね。」
「あ、あんですって~?」
「はいはい、その位で。―――それじゃあ、いったん出口付近にまで戻ろう。前方区画の第2層に行くには反対側にあるエレベーターを使う必要があるからね。」
「わ、分かった。」
「では、行くとしますか!」
その後エステル達はセキュリティーカードを手に入れるために目的の場所に向かい、その途中でエステルにとって見覚えがあるエレベーターを見つけたエステルは立ち止まってエレベーターを見つめた。
「あれ、このエレベーターって……」
「”聖堂”と”機関部”に移動するためのエレベーターだ。声紋パターンの認証を行うから”執行者”以上の者しか使えない。ここは諦めるしかなさそうだね。」
「そっか……」
「……ところで声紋パターンってなに?」
グロリアスの重要な部分に行けない事にエステルが残念がっている中、初めて聞く言葉に首を傾げたジョゼットはヨシュアに訊ねた。
「人間の声の周波数は一人一人異なっているんだ。それを機械が認識して資格があるかどうかを判別する……そういった仕掛けらしい。」
「な、なるほど……」
「わかったような、わからないような…………」
(うふふ、試してみる価値はありそうね♪)
ヨシュアの説明にジョゼットが頷いている中、あまり理解できなかったエステルは苦笑し、ある事を思いついたレンは小悪魔な笑みを浮かべた。
「改めて思いましたが結社の技術は凄まじいですね……ヨシュアさん、この船や人形兵器は一体誰が造ったのですか?」
「そうだね……”蛇の使徒”の一人にノバルティス博士という人がいるのだけど……結社で使われている導力機械は、その博士が率いる”十三工房”によて開発されていると聞いた事がある。」
「”十三工房”……」
「うーん……どういう人から知らないけど……その人、ラッセル博士よりさらにマッドな感じがするわね。」
(つーか、ディストかジェイドに近いんじゃねぇのか?)
ヨシュアの口から出た新たなる”蛇の使徒”の人物像を思い浮かべたエステルはジト目になり、ルークは疲れた表情で自分が知る人物達と重ね合わせていた。
「マッドというか……正直、得体の知れない人だよ。……教授を含めて”蛇の使徒”は全員そうだけどね。―――そろそろ行こう。」
「ちょっと待って。試してみたいことがあるわ。」
「へ……試すって何をする気よ。」
先に進もうとする自分達を呼び止めたレンの行動に首を傾げたエステルは不思議そうな表情でレンを見つめた。
「うふふ、すぐにわかるわ♪」
小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンはエレベーターに入って行き
「ちょ、ちょっと……!?」
レンの行動に驚いたエステルは仲間達と共にレンを追って行った。
「”聖堂”及び”機関部”への移動は制限されています。認証チェックを受けてください。」
レンがエレベーターを操作する装置に近づくと装置から機械的な声が聞こえてきた。
「No.ⅩⅢ―――”殲滅天使”ユウナよ。”機関部”に向かうわ。」
「――――認証しました。」
「へ……」
レンの声を聞いて反応した機械的な声を聞いたエステルが呆けたその時エレベーターは起動して下に降りた。
「うふふ、上手くいって何よりね♪」
「ど、どうなっているの!?このエレベーターは”執行者”って連中の声にしか反応しないそうなのに、どうしてその娘の声に反応して動いたの……!?」
仲間達と共にエレベーターから出たジョゼットは信じられない表情でレンを見つめた。
「……恐らくだけど”執行者”であるユウナの声紋パターンとレンの声紋パターンが一致したから起動したんだと思う。」
「え……でも先程のヨシュアさんの話では人間の声の周波数は一人一人違うとの事ですが……」
ヨシュアの推測を聞いたクローゼは戸惑いの表情でレンを見つめた。
「あら、忘れたの?レンとユウナは髪の色を除けば全部瓜二つよ。―――勿論声もね。」
「あ………」
「そう言えば二人は双子だったな……だからこそ動いたのか。」
自分の喉元を指さしたレンの指摘にクローゼが呆けている中、ルークは複雑そうな表情でエレベーターを見つめた。
「うふふ、それでどうする?せっかく機関部まで侵入できたんだし、置き土産にエンジンに細工をしてこの船を落とす”仕込み”をすれば、結社全体にダメージを与えられるわよ♪」
そして小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンのとんでもない提案にエステル達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「何でお前はそんな物騒な考えがすぐに思いつけるんだよ……」
「というかゼノさん達や銀さんをあたし達に隠れて合法的に雇った事といい、やっぱりあんた、あのユウナの双子の姉だけあって、手回しの良さや腹黒い事を考えたりする事も似ているわよ。」
「ハハ……今はドルンさん達の救出が先決だし、それにもしこの船を落とせば外に出払っている教授や”執行者”達がアルセイユを占領する為にアルセイユを襲撃する可能性も考えられるからそれはしない方がいいよ。」
ルークは疲れた表情で呟き、エステルはジト目でレンを見つめ、ヨシュアは苦笑しながら指摘し
「それもそうね。じゃあ、さっきの階層に戻りましょう。」
ヨシュアの指摘に納得したレンは再びエステル達と共にエレベーターに入り、装置を起動させて元の場所に戻った後エステル達に気づかれないようにさり気なく小型の機械をエレベーターの出入り口の傍に置いて探索を再開し、エステル達がそのフロアからいなくなると何と”銀”が空間から現れ、レンが置いた機械を拾って機械を起動させた。
「No.ⅩⅢ―――”殲滅天使”ユウナよ。”機関部”に向かうわ。No.ⅩⅢ―――”殲滅天使”ユウナよ。第二層に向かうわ。」
小型の機械を起動させると、レンの声が機械から聞こえてきた。
「クク、こんな物まで所持していたとはな……”天使”ではなく、”堕天使”と呼ぶべき狡猾さだな。」
レンが置いた機械が携帯の録音機であり、録音機に”蛇の使徒”や”執行者”しか起動できないエレベーターを起動させる為に”執行者”であるユウナと同じ声を持つレンがエレベーターを起動させる言葉を録音して自分への依頼の成功率を高める為に録音機を置いて行った事を悟った銀は口元に笑みを浮かべて呟いた後、エレベーターに入り、録音機を使って機関部に向かい始めた。
その後セキュリティーカードを手に入れたエステル達がドルン達が捕えられている場所に向かっていると、突然エネルギー障壁が起動して、エステル達の背後を塞いだ。
「な……!?」
「ど、どうなってるの!?」
「クク……やっと捕まえたよ。」
突然の出来事にジョゼットとエステルが驚いたその時、ギルバートがエステル達の進行方向から現れた。
「ギ、ギルバート!?」
「まあ……先輩?」
「ギルバート……特務兵に孤児院の放火を指示したダルモアの元秘書か……」
「うふふ、大した障害ではないわね。」
「……艦内にいたのか。」
ギルバートの登場にエステルとクローゼが驚いている中、ルークは真剣な表情でギルバートを見つめ、レンは小悪魔な笑みを浮かべ、ヨシュアは静かな表情で呟いた。
「やれやれ……艦に侵入した連中がいると聞いてどんな愚か者かと思ったが……やはり君達だったわけか。」
「あれ……ねえコイツ、あんたたちの知り合いなの?」
得意げに語るギルバートの顔を見て、何かに気づいたジョゼットは目を丸くしてエステル達に訊ねた。
「ええ……王立学園のOBですが……」
「学園を襲った時点でOBの資格なんか無いってば。汚職市長の元腰巾着であたしたちが捕まえたんだけど……」
「クーデターの時の混乱で脱走して”結社”に身を投じたらしい。」
「あはは、やっぱりそっか。ボクたちと同じく、レイストン要塞の地下に捕まっていた市長秘書だよね?『僕は無罪だ!』とか言って泣き喚いていたからよく覚えてるよ。」
エステルとヨシュアの話を聞いてギルバートの事を完全に思い出したジョゼットは口元に笑みを浮かべてギルバートを見つめた。
「なっ……!?」
「まあ……」
「幾らなんでもヘタレ過ぎだろ……」
「え、えーっと……。まあ、そんなに気にする必要ないと思うわよ?そういう情けない経験を糧にして人って成長するもんだと思うし……。……そんな格好をしてる時点で糧にはなっていないみたいだけど……」
「……エステル。全然フォローになってないよ。」
「というかむしろ、追い打ちをしているわよ♪」
ジョゼットの答えにギルバートが驚いている中クローゼは目を丸くし、ルークは呆れ、ギルバートから視線を逸らして呟いたエステルのフォローを聞いたヨシュアは呆れ、レンはからかいの表情で指摘した。
「き、き、貴様ら、どこまで僕をコケに……。いいだろう……もう手加減などしてやるものか……。この新・ギルバードの力、思う存分見せつけてくれるわッ!」
好き勝手に自分を貶し続けているエステル達の会話に怒りを抱いたギルバートが手を上げると、奥から獅子の形をした人形兵器が現れた。
「な、ななななっ!?」
「き、機械仕掛けの獅子!?」
「”十三工房”の新型か……!」
「ハハハ、獅子型人形兵器、”ライアットアームズ”だ!その驚異の性能に戦慄するがいいッ!」
そしてエステル達はギルバートと人形兵器との戦闘を開始した!
「グルル……ッ!!」
「わっ!?」
戦闘開始早々人形兵器は凄まじい速さでジョゼットに突進してジョゼットにダメージを与え
「ヴァリアブルトリガー!!」
「グルッ!!」
「キャッ!?」
レンの銃撃を跳躍して回避した後クローゼにのしかかり、クローゼにダメージを与えた。
「烈震天衝!!」
「虎牙!破斬!!」
「双牙斬!!」
そこにエステルとヨシュア、ルークがそれぞれ人形兵器に向かって三方向から攻撃をしてダメージを与えたが
「グルルル……ッ!」
「っとと……!」
「!」
「チッ、素早い上に頑丈とか厄介な奴だな……!」
人形兵器は怯んだ様子はなく、次々と爪の部分を振るってエステル達に反撃し、エステル達はそれぞれ防御や回避行動に移っていた。
「キール兄の特製の爆弾を食らえっ!」
その時ジョゼットが爆弾を人形兵器に放り投げて銃撃で爆弾を撃ち抜いて爆発させてダメージを与え
「ブルーアセンション!!」
「プラズマウェイブ!!」
続けてオーブメントの駆動を終えたクローゼとレンがそれぞれアーツを放って追撃した。
「グルルル……ッ!」
水と雷による相乗効果を持つダメージを受けたにも関わらず人形兵器は怯まずにクローゼに突進し
「!!」
クローゼは間一髪で側面に跳躍して回避した。
「フハハハハッ!いいぞ、その調子だ!ついでにこれでも喰らえ!」
一方人形兵器を中々撃破できないでいるエステル達の様子を笑いながら見守っていたギルバートは手榴弾をエステルに投擲した。
「ハッ!!」
「へ………」
投擲された手榴弾に気づいたエステルは棒を振るって手榴弾を叩き落し、それを見たギルバートは呆けたが
「ギルバートの癖にあたしを狙うなんて、いい度胸をしているわね~?まずはあんたからよ!」
「ヒッ!?ま、まま待ってくれ!すまなかった!このとおりだ!頼む!仲直りをしようじゃないか!」
膨大な威圧を纏ったエステルに微笑まれるといきなりその場で何度も土下座をして謝罪を始めた!
「へ………?」
「さぁ、握手をしよう!」
ギルバートの突然の行為にエステルが呆けている中、ギルバートは頭を上げて立った後エステルに近づき、そして―――
「ひっかかったなぁ…………バカめ!お前なんてこうだ!お前さえいなければ!チクショウ!僕はエリートなんだぞ!コノ!コノォ!クソォ!どうだ!ざまぁみろ!バーカ!」
ギルバートは負け惜しみの言葉をいいながら、拳でエステルを叩き始めた!
「や、やる気がそがれる真似を………」
一方エステルは脱力をした後、棒を構え
「ま、待て、話せば分かる!」
エステルの様子を見たギルバートは焦ったが
「問答無用!!」
「ニャー―――――――ッ!?ぎゃふんっ!?」
エステルが振るった棒に吹っ飛ばされて地面に叩き付けられた!
「クスクス、中々面白い見世物だったわよ、三下さん♪」
「だ、誰が三下だ……って、ユ、ユユユユ、ユウナ様!?ど、どどど、どうして貴女様が奴等と一緒にいるんですか!?」
自分に近づいてきたレンの言葉を聞いて怒りの表情でレンを見つめたギルバートだったが、レンをユウナと見間違えて混乱し始めた。
「うふふ、残念♪レンはユウナの双子の姉よ♪」
「へ―――――」
そしてレンの答えにギルバートが呆けたその時
「―――八葉滅華。ヤァァァァァァァ……ッ!!」
「あ~りゃ」いりゃっ!いいっ!いたっ!」
レンは二振りの小太刀でギルバートに滅多斬りを叩き込み
「止めっ!!」
「せいっ!!」
最後に跳躍して強烈な一撃をギルバートに叩き込み、そこにエステルが遠距離から攻撃を放って追撃した!
「嘘でしょ~!?」
二人の攻撃を受けた事によって戦闘不能になったギルバートは信じられない表情で地面に跪いた!
「グルルル……ッ!」
「っと!剛魔神拳!!」
「やあっ!!」
一方人形兵器と戦っていたルークは人形兵器ののしかかり攻撃を後ろに跳躍して回避した後拳を振るって衝撃波を放って反撃し、ジョゼットもルークに続くように銃撃で追撃した。
「行きます―――コキュートス!!」
「おぉぉぉぉっ!!」
「グルッ!?」
その時アーツの駆動を終えたクローゼが広範囲を凍結させ、更に威力も高い水属性の最高位アーツを発動し、アーツによって足元から凍結した事と、ヨシュアの魔眼によって人形兵器は動きを封じ込められた。
「燃え盛れ……龍炎撃!!秘技―――裏疾風!斬!!」
「ガッ!?」
そこに剣に闘気による炎を宿したルークが強烈な一撃を敵に叩き込んだ後続けて電光石火の速さで追撃して敵から距離を取り、距離を取ったルークと入れ替わるようにジョゼットが敵の周囲を駆け回りながら火薬をまき散らし、更に爆弾を放り投げて銃弾を爆弾に命中させて引火させた!
「これで終わりだ――――ッ!スフィアデサイド!!」
「――――――ッ!!??」
爆弾による爆発で辺りにまき散らされた火薬も引火した事によって敵を中心に凄まじい大爆発が起こり、その爆発を受けた事によってついにダメージに耐えきれなくなった敵は消滅してセピスを落とした。
「ば、馬鹿な……。この僕が……新・ギルバートが……」
「あ、あの~、ちょっといい?確かに今までの人形兵器より段違いに強力だったけど……」
「でもそれって、あんた自身が強くなったわけじゃないんだよね?」
自身の敗北が信じられない思いでいるギルバートに首を傾げたエステルと呆れた表情のジョゼットが指摘した。
「え……」
「確かに『新』というのは少し違うような気が……」
「つーか、『旧』って言った方がまだ納得できるだろ。」
「クスクス、『新』は人形兵器の方だけって事よ、三下さん♪」
「……ぎゃふん。」
そしてクローゼとルーク、レンの正論に止めを刺されたギルバートは気絶して地面に倒れた。
「あ。」
「え。」
「まあ……」
「あら。」
「おっと……」
自分達の指摘によって気絶したギルバートを見たエステル達がそれぞれ呆けて黙り込んだが
「さ、さ~てと。急いで牢屋に戻ろっか?」
「そ、そうですね。」
「外に出ている”執行者”達がいつ帰ってくるかわからないし、とっとと空賊達を助けて脱出しようぜ。」
「うんうん。兄貴たちを助けないと。」
「うふふ、それじゃあ行きましょうか♪」
(さすがに可哀想かな……)
露骨にギルバートの話題を避けて牢屋に向かい始め、その様子を見たヨシュアは憐みの目で地面に倒れているギルバートに視線を向けた後エステル達の後を追って行った。
その後急いで牢屋に向かったエステル達は端末にセキュリティーカードをあてた。
~監禁室~
「―――認証しました。ロックを解除したい障壁の番号を選んでください。」
セキュリティーカードを認証した事によってドルン達の目の前の障壁が消えた。
「おお……!」
「た、助かった……!」
「キール兄ぃ、ドルン兄ぃ!」
障壁が消え、牢屋から出て来たドルン達をジョゼットは嬉しそうな表情で駆け寄った。
「ジョゼット……」
「ヘヘッ……。お前らにも、でかい借りを作っちまったようだな。」
「いや、お互い様だよ。」
「そうそう、前に脱出した時にはこちらが助けてもらったんだし。」
ドルンの感謝の言葉にヨシュアとエステルが答えたその時警報が艦内に鳴り響いた。
「やばっ……!」
「うふふ、今頃気づくなんて、結構抜けているわね♪」
「何でお前はこんな時もそんな呑気でいられるんだよ……」
「どうやら僕達の動きが完全に掴まれたみたいだ……みんな、急いで脱出しよう。」
「う、うん……!」
「よーし……いっちょ逃げるとするか!」
「野郎ども、遅れるんじゃねえぞ!」
「アイアイサー!」
その後エステル達はグロリアスから脱出し始めた。
~聖堂~
「フフ、なかなか楽しませてくれるじゃないか。あの様子だったら今日中には”中枢塔”まで辿り着けそうだな。」
一方その頃グロリアスから脱出するエステル達の様子をカンパネルラは感心した様子で端末で見ていた。
「でも、ここまで予定通りだと『見届け役』の意味って無いよねぇ。真の最終幕が上がるまでもう少し時間がありそうだ……それまでギルバート君でもいじって愉しませてもらおうかな?」
そして自分だけ何もする事が無い為暇そうな様子で溜息を吐いたカンパネルラは暇つぶしを思い付き、口元に笑みを浮かべた。
こうしてエステル達は空賊達と共に”グロリアス”から脱出した。途中、追手の強化猟兵と何回か交戦を繰り広げた後……エステル達は追撃を振り切って何とか居住区画まで戻って来た。
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