転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1315話
交流区画へとやって来た、俺、ハルカ、エリナの3人は、エアカーを降りて徒歩で街並みを見て回っていた。
「こうして見ると、街そのものは私達の世界とそう変わらないのね」
近くにあった服屋を眺めながら呟くハルカ。
服に関してはあまり詳しくないが、どこかの世界から出店しているその服屋は、俺の目から見ても中々にいい服に見えた。
まぁ、女もののワンピースだから、正確な価値は分からないが。
だがハルカが感心したように見ているという事は、多分いい服なんだろう。
「……そう? 随分と私達の世界とは違うと思うけど」
飾られている服を眺めていたハルカと俺に、そんなエリナの声が聞こえてくる。
エリナは、服ではなく全く違う方向へと視線を向けている。
そのエリナの視線を追うと、何でそんな言葉がエリナの口から出たのかがすぐに分かった。
何故なら、視線の先ではネギま世界からやってきたのだろう魔法使いが風の精霊を生み出して周囲を動き回らせていたからだ。
確かあの魔法はネギが得意としていた奴だな。
俺も火蜥蜴の精霊なら呼び出せるが。
「……そう、ね。ちょっと私達の世界とは違うわね」
ハルカがそう呟いた時……
「ガアアアアァァァァァァアアァァァッ!」
そんな声が周囲に響き渡る。
「ちょっ、な、何!?」
あまりにタイミングがよすぎたのだろう。ハルカは近くにいる俺へと抱きつき、慌てて周囲を見回す。
エリナの方も、突然響き渡った声に慌てて周囲を見回していた。
だが、俺は特に驚いていないし、周囲にいる交流区画の面々も同様だと気が付いたのだろう。
そして、今の声がそんなに驚くべき事ではないとも。
まぁ、周辺の連中は驚きはしてないものの、迷惑そうな表情を浮かべて上を見ている者は多い。
「ったく、誰だワイバーンに鳴かせてるのは。交流区画の上でそんな真似をするとか、マナー違反だろ」
「確かにな。ただ、恐らく初めてワイバーンに乗ってテンションが高くなり過ぎたとか、そんな感じなんじゃないか? ……俺も初めてワイバーンに乗った時は興奮したし」
「うん? ああ、お前さんSEED世界の人間だったか。俺の場合は魔法界で似たようなのに乗った事があるから、そこまで驚きはなかったんだけど」
「いいよなぁ、ネギま世界か。……にしても、この世界の区別ってどうなってるんだろうな? マクロス世界はまだ分かる。マクロスってのが象徴的な世界だって話だし。ただ、ギアス世界はギアスとかいう名前の超能力を研究していた……しかもそれはシャドウミラーと敵対していた相手がだろ? 何だってそんなのの名前を世界の名前にしてるのやら」
「それを言うなら、俺のネギま世界だってそうだろ。何なんだよ、ネギまって。焼き鳥屋だけしかない世界なのか?」
聞こえてきたそんな話に、ワイバーンの事など忘れたかのようにハルカとエリナの2人からジト目を向けられる。
いや、別にネギま世界は焼き鳥屋とかそんなんじゃないんだけどな。
それとネギまってのは、長ネギとマグロの鍋にも……いや、そんなの今は関係ないか。
もっとも、俺のネーミングセンスは自分で分かる程に自信がない以上、責められると言い訳のしようもないが。
「さっきのはワイバーンって言って、いわゆる飛竜って奴だな。とある世界と戦争になった時に鹵獲した飛竜を飼い慣らして繁殖させたものだ。今では、そのワイバーンに乗って飛び回るのはホワイトスターでも人気のスポットだぞ」
「……ワイバーンって……いえ、魔法があるんだし、そのくらいはあってもおかしくないわよね。私にも乗れる?」
ハルカのこの順応性の高さは色々な意味で凄い。
男ならともかく、女がワイバーンに乗りたがるかと言われれば……いや、皆無って訳じゃないだろうけど。実際、牧場区画でやってるワイバーンの飛行体験には女の客も多いって話だし。
一応ワイバーンの世話代とかの問題もあるし、ワイバーンに乗るには多少の金を貰っている。日本円にして5千円程か。
これで稼ぐ金の収入も馬鹿にならないくらいの額になってるんだよな。
ワイバーンを飼う中で最も金が掛かる餌代に関しては、キブツを使って日々マブラヴ世界から運ばれてくるBETAの死骸で食べ物を作ってるし。
一方、興味深い様子で上を見上げていたハルカとは裏腹に、エリナの方は少し深刻そうな表情を浮かべて俺の方へと視線を向けていた。
「どうした? ワイバーンは襲い掛かって来たりはしないぞ? もし襲ってきても、俺なら素手でどうにでもなるし」
「いえ、違うわ。心配しているのはそっちじゃなくて……ねぇ、アクセル。今まで実際にどこかの世界と戦争になった事があるの?」
「うん? どこの世界に行っても、戦いは必ずあるぞ?」
それこそ全く戦闘のない世界に……正確には俺達シャドウミラーが戦闘に巻き込まれないような世界には行った事がない。
だが、エリナは俺の言葉に首を横に振る。
「そうじゃないわ。シャドウミラーと異世界丸ごとが敵対したことはないのかって事よ」
「……あるな」
エリナの言葉に関連して脳裏を過ぎった苦い思い出に、視線をとある方へと向ける。
そこは、以前に交流区画のあった場所。
一時期は廃墟になった場所。
今は復興が終わったが、それでも交流区画として使おうとは思えない場所だ。
そんな風に思っていると、先程の世界の名前について話していた者達の声が再び聞こえてきた。
「他には……ああ、ワイバーンか。……門世界ってのも、名前通りだったよな門があったし」
「……そうだな。門世界か。シャドウミラーと敵対すればどうなるかってのをこれ以上ない程に示した世界だよな」
「ふんっ! あんな奴等、滅亡して当然だ! くそっ、忌々しい」
「お前、もしかして……」
「そうだよ。俺の友人も、帝国が最初に襲ってきた時に……」
「そうか。けど、これが供養になるかどうかは分からないが、帝国って国は既に地上のどこにもない。歴史上希に見る無謀な国、馬鹿な国、愚かな国として、門世界では未来永劫語り継がれていく事になるんだ。シャドウミラーに喧嘩を売った愚かな皇帝共々な」
「ああ。……ちっ、くそ。嫌な事を思いだしてしまったな。ちょっと気分直しにゴーヤクレープでも食ってくか」
そう告げ、男達はそのまま去って行く。
……ゴーヤクレープ買う奴、初めて見たかもしれない。
そんな俺の思いとは裏腹に、エリナの方はこちらに驚きの視線を向けている。
「どうした?」
「今の人達が話していたのは、本当?」
「門世界の帝国か。そうだな、概ね間違いない。言っておくが、あの戦いはそれこそ不可避の戦いで、向こうからホワイトスターに侵略をしてきたんだ。戦わないという選択肢はなかったし、この交流区画を見て貰えば分かるように、ここには多くの世界の住人がいる。言わば、客人と言ってもいい。そんな面子が殺され、奴隷として誘拐されたんだ。シャドウミラーとしては生半可な態度で接するような事は出来ないってのは分かるだろ?」
そう告げ、シャドウミラーと門世界の帝国でどのような戦いがあったのかを説明する。
神という存在が実在するという事に驚いてもいたし、何より俺達が持っているシステムXN以外にも異世界へと繋がるシステム――門――があるのに驚いてはいたが。
「色々な意味でその帝国というのは凄いわね。そもそも中世のような戦力でシャドウミラーに対して侵略をしようとするなんて、自殺行為にしか思えないわ」
ニーズヘッグやミロンガ改、メギロートといった存在を見ているからこそ、生身でシャドウミラーの戦力と戦うという事がどれ程無謀な事なのかを思い知っているエリナがしみじみと呟く。
「ま、向こうにとっては自分達の帝国というのが唯一絶対の存在だと思い込んでいたんだろうな。結局最後はその愚かさを理由として滅んでいったんだが」
それも無理はない。まさか周辺の国々の多くを支配し、国の名前すら存在せず、自分達は帝国というただ唯一の支配国だと考えていたような奴等だ。
どうしたって俺達の存在を理解出来た筈がない。
その結果が国の消滅と未来永劫皇族の愚かさを語り継がれる事になるというものなのだから、自業自得と言うべきだろう。
「……私達の世界でも同じ事にならないように祈ってるわ」
「祈るだけじゃなくて、行動してくれ。……それより暗い話は後にして、もう少しこの交流区画を見て回るか。何か興味深いものはあったか?」
暗い空気を変えるべくそう尋ねると、最初に反応したのはハルカだった。
「あ、じゃああのワイバーンってのに私も乗ってみたいんだけど」
「あら、それは面白そうね。私も近くから見てみたいわ。ワイバーン……ドラゴンなんて、まさか本物を生きて間近で見る事が出来るとは思わなかったもの」
「ワイバーンは飛竜であって、一応竜種ではあるけど、門世界の本物の龍って訳じゃないんだけどな」
「……なにそれ。何種類もあるの?」
俺の言ってる事の意味が分からなかったのか、首を傾げるハルカとエリナ。
「そうだな、門世界の生き物……いわゆるファンタジー系の生き物の標本とかがある博物館みたいな場所があるから、今度行ってみるか? そこに行けば俺が倒した龍の標本とか、オーク、ゴブリン、トロールといった標本とかも置いてあるぞ」
「……オークとかいるんだ。もしかして、『くっ、殺せ!』とか女騎士が言ったりするの?」
「ハルカ、貴方ねぇ」
呆れたように呟くエリナだったが、俺は頷きを返す。
「ハルカが期待している展開があるかどうかは分からないが、女騎士は存在したぞ。それも、一国の姫が騎士団長をしているようなのがな」
「色々と凄い世界だったのね。あ、でもアクセルが戦場に出ているのを考えると、皇帝が戦場に出ているようなものなんだし、そんなに不思議でもないのかしら」
「俺の場合は物理攻撃が意味ないからな」
そう呟くと、ブリッジで起きた件を思い出したのか、ハルカとエリナの2人が不機嫌になる。
「今更言っても仕方ないけど、出来ればああいう真似はしないで欲しかったわね」
「私もハルカと同意見よ。見ていた私達が、どんなに驚いたと思う?」
「その辺の話は後にして、取りあえずワイバーンに乗りに牧場区画まで行くぞ」
微妙に俺が不利な話題になったので、話を誤魔化しながら2人を牧場区画の方へと引っ張って行く。
誤魔化されているのは理解したのだろうが、ここで言い争いになってもつまらないとでも考えたのか、2人は特に何を言うでもなく俺に手を引かれるがままエアカーの方へと戻っていくのだった。
……エリナは手を握られて顔を赤く染めていたのだが。
それよりもっと凄い事をクリスマスパーティの晩にやったのに、男慣れしていないところは変わっていないらしい。……当然なのかもしれないが。
「うわ、本当にワイバーンよ。映画とかで見るのと同じ感じ」
「え、ええ。……こうして間近で直接見ると、今まで映画とかで見てきたのがいかにリアリティがなかったのかが分かるわね」
ワイバーンを前にして2人はそれぞれ驚きとも、恐れとも、喜びが混ざったような、複雑な表情で呟く。
実際こうして見ると、ワイバーンは色々と迫力があるのは事実だ。……ただ、俺の場合は炎龍とかを直接この目で見ているし、なによりグリフィンドラゴンのグリが召喚獣として存在しているからな。
そっちの迫力に比べると、やっぱりワイバーンは下級の竜種だと言われても納得してしまう。
「アクセル様!? 戻っていらしたのですか!?」
不意に後ろから聞こえてくる声に振り向くと、そこにはエルフの女がこちらを……より正確にはオレを驚きの表情で眺めていた。
「ああ。ちょうどついさっきな」
「御無事の帰還、お祝い申し上げます」
「気にするな。それよりお前は?」
「はい、ワイバーンの世話をする為に……」
そう答えながら、エルフは、チラリと目を見開いて俺の方を見ているハルカとエリナへと目を向ける。
ワイバーンを見ているよりも驚いているのは、やっぱりエルフの俺に対する態度だろう。
ここまで敬っているのを見れば、確かにそんな風に思っても当然だろうが。
「そうか、頑張ってくれ」
「はい。では失礼します。……アクセルさまの帰還を皆に報告してきますので」
「あー……うん。まぁ、頑張ってくれ」
再び同じ事を言ったが、そこに込められている感情は大きく違う。
深々と一礼して去って行くエルフの女を見送り、改めて溜息を吐く。
仰々しいのは苦手だって言ったんだけどな。
「アクセルって本当に敬われてるんだ」
「ハルカ、幾ら何でも正直に言い過ぎよ」
「まぁ、お前達の気持ちは分かる。ただ、エルフ達は色々と特別だからな。精霊を……混沌精霊の俺を崇めているし」
「一国の代表で、神様でもあるの?」
ハルカの言葉に、以前ロゥリィに亜神の一種に近いと言われた事を思い出す。
「ま、そうだな。似たようなものかもな。それより、ワイバーンに乗ってみるんじゃなかったのか?」
話を誤魔化す為にそう告げ、それからキャーキャー言いながらもハルカとエリナはワイバーンに乗り……ホワイトスター内での時間が夕方に近くなった時、俺達はホワイトスターにある俺の家の前へと到着した。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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