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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第一章 WORLD LINK ~Grand Prologue~
  龍騎 ~蘇る記憶~



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

城戸さんのものと思われる悲鳴が聞こえる。

ショーウインドーのガラス。
そこの前で異変は起こっていた。

そこに駆け付けると、いま正に蜘蛛の化け物・ディスパイダーが城戸さんをガラスの中に引きずり込もうとしており、たどり着いた瞬間に城戸さんがガラスの中に消えてしまった。
ミラーワールドは鏡でなくても、姿が映り込む物なら構わないらしい。


「今のが!?」

「ミラーモンスターだ(バッ!)」

キィィィン、カシィン


蓮がガラスにライダーデッキを向け、ベルトが腰に現れる。
そして構えをとり


「変身!」

カシュッ、キィィィ・・パリィ!

デッキをベルトに挿入し、仮面ライダーナイトに変身する。


「お前は?」

「多分行ける」

蒔風がミラーワールドに向かう意思を持ちながらガラスを触ると、指が入りこんだ。


「(ライダーでなくても行けるとは・・・・異世界の者というのは本当かもな)」

「どうした?」

「いや、行くぞ!」


バシュ、バシュン

鏡の中に二人が突撃する。
その姿を見たものはいなかった。



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「はぁ、はぁ、はぁ・・・・なんなんだよ」

いきなり現れた化け物。
驚いている間に引きずり込まれ、更に城戸真司はパニックに陥っていた。



なんなんだよ、これ!?

蜘蛛の化け物がいきなりガラスから出て来て・・・・それで・・・ガラス・・・ミラーワールド?
まさかこないだ来た人が言ってたのってこのことか!?

なんて考えてると、化け物が彼のすぐ後ろに迫る。

「う、わぁ!」


辛うじて避けるけど転んでしまった。
ダメだ・・・喰われる!


《Advent》


そう思い目をつむるとそんな機械音が聞こえてきた。
そっと目を開けると、目の前に今度は蝙蝠の化け物が現れてきたではないか。

「なんなんだ!なんなんだよ!?」
襲われるかと身構える城戸。
だが、そのモンスターはまるで城戸を庇うように飛び回る。


「城戸!大丈夫か!?」

後ろから二人の人影が走ってきた。

一人は何日か前に来て、変なこと言ってた人だと言うことを思い出す。
しかし、もう一人は鎧のようなものを着ていて、わからない。


「蒔風、城戸を連れ出してくれ」

「おぅよ。城戸さん、こっちに」

なにがなんだかわからないうちに、さっき襲われた場所にまた鏡を通って戻って来る。


「大丈夫ですか?」

「はぁ、はぁ。なああんた。あれはなんなんだよ・・・教え・・・っつう!」

「いませつめ・・・どうしましたか!?」


何か知ってそうな蒔風に、城戸が掴みかかって質問しようとする。
だが、何か頭が急に痛んで、何かの知識が流し込まれ始めてきた。



なんだ・・・頭が・・・・・痛い?
違う・・・・オレはこの光景を知っている?

「が、ぁ・・・・」

「城戸さん?城戸さん!」

うるさい
少し黙っててくれ・・・・

デッキ・・・ライダー・・・戦い・・止める・・・龍騎・・・・蓮・・・



様々な単語が彼の頭の中で反芻される。
そして、それが一つの記憶を紡ぎだし、失われたモノが戻ってきたとたん、手の平に何かが現れる。



「それは・・・ライダーデッキ!?」

蒔風が驚きの声をあげる。
対し、城戸の目には覚悟が宿った。


「そういう・・・ことか」



城戸が立ち上がる。
デッキをガラスに向け、構え

「変身!」

ベルトに挿入し変身した。


仮面ライダー龍騎
人を守ると願ったライダーに。



そして龍騎はガラスに向かう。

戦いの場に
友のもとへ


---------------------------------------------------



「ぐ・・・ハァ、ハァ・・つ、強い・・・だと?」


仮面ライダーナイトは、ミラーモンスター・ディスパイダーに苦戦を強いられていた。

この蜘蛛型モンスターは、確かそう珍しいモンスターでも、強いモンスターでもない。
初めての敵にするにはレベルが高いが、ナイトほどのライダーが苦戦するような相手ではない。

だが、しかし

ギシュゥゥゥゥゥゥ!


蜘蛛らしく八本の脚で次々と襲い掛かって来る。

「クソッ!」

-Sword Vent-


このディスパイダーの強さは、彼の知る過去の物とは違っていた。


デッキからカードを取り出し、剣型の召喚機、ダークバイザーに挿入する。
そうすると、蝙蝠型の契約モンスター、ダークウィングがもう一本の剣、ウィングランサーを手渡してくる。


それをも使い、二刀で受けていくナイト。

ディスパイダーの体躯は、大きなゾウくらいはある。
高さは3メートルほど。その相手が、八本の足でナイトを叩きつけようと襲い掛かってくるのだ。


それを次々と回避、防御していくナイトではあるが、次第に力押しされ、腕の動きが間に合わなくなり――――


《Trick Vent》


しかし、ナイトはトリックベントで分身を三人作り出し、そいつらに任せ猛攻から抜け出した。

だが一息つく暇もなく分身はいとも簡単に掻き消され、再びモンスターが迫ってきて



「これしかないか・・・」

フォン

デッキからカードを取り出し、ダークバイザーに挿入する。


《Final Vent》


「ふっ、はぁっ!!」

一気に飛び上がり、剣を真下に、脚に添えるように構えモンスターに向ける。

そして契約モンスター、ダークウィングがマントと化して背中に付く。
身体をドリルのように覆い、敵を貫かんとする。


飛翔斬
いままでもこの技で多くのモンスターを、敵を貫き撃破してきた必殺技だ。

しかし、それさえも


ギシャァァァァァァ!
プシァァァァァァァァァァァァ!


ディスパイダーが糸を吐くいてくる。
その程度の糸、飛翔斬の回転の前には無力だ。当たったところで散らして終わりだ。


しかしこのモンスターはやはり、普通のものとは違った。
真正面ならばナイトに効果などなかっただろう。
しかし糸は、真正面を逸れ、側面に当たる。


本来弾き飛ばせるはずの糸が、べたりと張り付いてきたのだ。

「グッ!?そこもか!?」

糸の思った以上の強化に驚きながら、自分から糸を巻き取ってしまいナイトが大地に墜ちる。


「ッガ!こいつ、本当にただのモンスターか!?」

普通のモンスターならばこんな戦法をとることなどない。
しかし、そんなことは些細な問題であった

いま正に、蓮は死を覚悟した。


しかしその瞬間




《Strike Vent》

ドゴァァァァ!

炎の塊がナイトに迫るディスパイダーを弾きとばす。
蓮は首を回し、炎の来た方向を見た。


そこには、赤き龍がたたずんでいた。
そしてそれとともに幾度となく見てきた、あのライダーが歩いてくる。

秋山連が、唯一友と呼べる男が。



「り、龍騎?・・・・・城戸!?」


コクリ

龍騎は言葉を発さずに頷くと、カードを取り出し、左腕の召喚機・ドラグバイザーに入れ、スライドさせる。


《Final Vent》


龍騎が構え、腰を落とす。
ドラグレッダーが龍騎を囲むようにまた、力を溜める。

「ふっ、おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


そして高くジャンプし、ドラグレッダーもそれに合わせ、回りながら上昇する。
頂点に達し、龍騎が蹴りの体勢をとり、ドラグレッダーはその龍騎に炎を吐きつける。

そして龍騎が紅蓮の烈火に包まれ、眼前の敵に迫り――――


モンスターが糸を吐きかけるが、すべて炎に焼き尽くされる。
更に八本の脚で防ごうとするが蒔風が放った紅い光球が飛んできて、その脚を粉砕する。



そしてファイナルベント・ドラゴンライダーキックが炸裂し、ディスパイダーを爆発と共に消し去った。



--------------------------------------------------


戦いが終わり、ミラーワールドから出てきた三人。


「城戸・・・・お前・・・」

「蓮。オレ、全部思い出したよ」

「何故だ・・・何故記憶が戻った?」

「世界が必要だと判断したんだろう」

「世界が?」

「「奴」という存在に立ち向かうために、失われた力と記憶を戻した、ってとこか」

「うん、そうみたいなんだ。蒔風のことは記憶が戻った時に知った・・・にしても蓮」

「なんだ」

「あんな風にライダーバトルを終わらせるなんて、オレは思い付かなかった。ありがとうな。おかげでオレも・・・」

「ふん、オレは恵理が一番喜ぶ結末にしただけだ。お前らのことは、ついでだ」

「そうかよ」

「で、早速だが・・・」

「あ、待ってくれ蒔風。どうやらもう一人記憶と力が戻った人がいるみたいなんだ」

「なんとまぁ。誰ですかい?」

「城戸・・・まさか・・・」

「あぁ。多分蓮が思い出してる人と一緒だと思う」

「その人は?」


「北岡秀一。弁護士だ」


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「ち、ナイトの対策はしていたが、やはりというかなんというか・・・・やはり世界が力を戻したか・・・・」

街角で「奴」がつぶやく。

「ふん、だったらこっちも考えがある・・・・」


そうして「奴」が歩き出した。
向かう先にはチンピラが五、六人。裏路地でうめきながら倒れていた。


そして男が一人立っている。

「なんだ貴様は・・・・オレをイライラさせるな・・・・」


「奴」が笑う。

記憶を戻せるのは、なにも世界だけじゃないんだぜ?




to be continued

 
 

 
後書き

・ライダーカード
ミラーライダーたちの戦術。
彼等は自分の持つバイザー(カード読み取りのデバイス。各ライダー度とに違う)にカードを装填し、発動させることでその能力を使用できる。

全ライダーが所有しているカードはモンスターとの契約カード・アドベントと、必殺技発動のファイナルベントのみ。
ライダーが違えば同名のカードでも効果が違う場合もあるし、ライダーごとに所有するカードも異なる。

攻撃手段であったり、武器の召喚、能力の発動など、その効果は多岐にわたる。、



・ミラーワールド
鏡の中の世界。ここに住まうのは、ミラーモンスターだけとされている。
ちなみに、鏡でなくても姿が映るのであればミラーワールドの門はどこにでも開く。

ライダーたちはそこにライダーデッキをかざすことで、バックルを腰に装着するのだ。

また、ミラーワールドにおいて人間は次第に消滅していってしまう。
ライダーに変身することで大幅に軽減はできるが、やはり時間制限はつく。

ミラーワールド内でしか戦えない、というわけではない






さて、ここで龍騎系のライダーの説明をしましょう。

彼らはカードを使って戦うライダーです。
カードをそれぞれのライダーの持つバイザーにベントインして読み込ませ、その能力を発動させます。

アリス
「アドベントとか、ソードベントとかありましたね」

アドベントは契約モンスターを召喚するカードで、ソードベントはまんまソードを装備するカードです。

アリス
「ちなみに契約モンスターとは・・・各ライダーは何らかのモンスターと契約して力を得ており、そのモンスターはまちまちです」

龍騎ならドラグレッダー、ナイトならダークウィングですね。

アリス
「あと、トリックベントはナイトだけのカードで、分身を作り出します」

ストライクベントは手甲状の武器を装備するもので、龍騎の場合は火炎を相手にぶつけます。






アリス
「次回!!!最初の荒れくれライダーが動き出す!!!」

で~はま~たじ~かい~~





戦え!!それがライダーとなった者の宿命だ!! 
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