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ユキアンのネタ倉庫 ハイスクールD×D

作者:ユキアン
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ハイスクールD×D 歩き始めた男

 
前書き
導入部みたいな物なのでいつもより短いです。 

 


「ディケイド、いや、大ショッカー首領、門矢士!!オレは貴様を許さん!!」

「オレの名はプロト・ディケイド。貴様のディケイドより前のコンセプトで改造された改造人間だ」

「ディケイドの為に人としての姿を奪われたオレたちの怒りを受けろ!!」

「なぜだ!?何故勝てない!?貴様の為に犠牲になったものたちを忘れ、のうのうと生きている貴様に!?」

「ここまでか。みんな、すまない。仇を打てなかった。だけど、子供を見捨てるなんてことはできなかった。望まない体だけど、それでもオレは仮面ライダーだから。門矢士、もう二度と忘れるな。お前のその力は多くの犠牲の元にある。それに恥じない姿でいてくれ。お前が仮面ライダーを名乗るなら。それを忘れた時、オレはまた貴様の命を狙う為に蘇る。必ずだ、必ず蘇ってやるぞ!!」








全身に痛みが走る。オレは、まだ世界に存在するのか?

「大丈夫ですか!?しっかりしてください!!」

声からして少女だろう。その少女がオレを起こそうとするが、生憎とオレの体は変身していなくとも200kgを超える。簡単に動かせるような重さではない。ライダーパワーもほとんど残っていない所為で重力低減装置と重力制御装置も稼働していない。ああ、これはやばいな。自己修復装置に回すライダーパワーすら残っていない。ギリギリ生きているだけか。

「む、りを、するな。オレ、は、たすか、らん」

視覚系統が不調なのか視界がぼんやりしている。いや、意識もぼんやりとしているか。

「諦めちゃダメです!!」

諦めちゃダメか。ああ、オレだって諦めたくはない。だが、近くにオレを修復できる施設と技術者がいないのなら無理だ。そう思っていた。体の一部が暖かくなり、そこの生体部位が修復されるのを感じる。

「どうして!?傷が治りきらない」

「いや、それを、全、身に、頼む」

何をされているのかはわからない。だが、生体部位が修復されるなら生命維持装置に回すライダーパワーを自己修復装置に回せる。どれだけ時間が経ったかはわからないが、それでも自覚できるぐらいに死の危機から脱することができたようだ。体を起こし、傍に生えている木にもたれかかる。

「助かった。ありがとう」

ようやくはっきりとオレを助けてくれた少女を見ることができた。金髪碧眼の若いシスターのようだ。

「まだ傷が」

「いや、これ以上は君の力でも無理だ。オレの体のほとんどは機械だ。生身の部分はもう治っている。生身の部分だけでも治ってくれれば命は繋げる」

すでに体の修復は始まっている。変身機構とエネルギー生成のタイフーンを最優先で。

「君はオレの命の恩人だ。名前を聞かせて、ああ、オレの自己紹介がまだだったな。オレは千石恭弥だ」

「千石さんですか。私はアーシア・アルジェントと申します。アーシアとお呼びください」

「それじゃあ改めて、ありがとう、アーシア。君のおかげで死なずに済んだ」

深く頭を下げて感謝を伝える。

「頭を上げてください。それに私は完全に治療出来たわけでもないですし」

「それでもアーシアが傷を癒してくれなければ死んでいた。その分の感謝は受け取ってほしい」

「分かりました。ですから、頭を上げてください」

強く言われては従うしかないな。謝礼として渡せる物は、大した物がないな。その時、センサー内に急に反応が現れた。悪意のある気配から敵の可能性が高い。生き残る確率を増やすために何かがないかを探し、相棒が少し離れた位置にあることに気づき、呼び寄せる。

「ああ、いたいた。あれが今回の目標だよ。傷つけずに捕まえて。男の方は殺せ」

センサーで感知した通り、11人、男が1人に残りは女、それもシスターらしき服装だが雰囲気がマッチしない。つまりはそういうことなんだろう。

「逃げるぞ、アーシア」

起き上がり、アーシアの前に立ち準備しておく。

「ダメです。仙石さんだけでも逃げてください。私は大丈夫ですから」

「何、一緒に逃げても労力は変わらないからな。オレの相棒がすぐ傍まで来ている」

同時に現れた奴らの背後からオレの相棒が、専用バイクのトルネードが奴らを跳ね飛ばしながら目の前に停まる。アーシアをシートの後ろに座らせてメットを渡し、ベルトを出してから素早く跨り、ベルトからライドルを引き抜いてロープに変化させて互いが離れないように結んでから、アクセルを全開にして森を駆け抜ける。

背後から追いかけてくるのがわかるが、ミラーには姿が映らない。不思議に思っていると上から高エネルギーが降ってくるのをセンサーが捉えたので回避し、空を見上げると、全員が同じ翼を広げて飛んでくる。はっ、長いレースになりそうだ。

既に2時間近く走っているが、未だに奴らは諦めない。森はとっくに抜け出し、近くの町に寄ってみたが人一人いない異様な空間も駆け抜け、今は郊外を走っている。オレはともかくアーシアの体力の限界が近い。仕方ないが、最終手段だ。ライドルロープを一度解き、アーシアをトルネードに結びつける。そしてトルネードを自動で走らせてオレは飛び降りる。完全とは言えないが、この2時間近くで戦えるぐらいには修復が終わった。

「とうとう観念したか」

「観念。違うな、面倒になっただけだ。貴様らのような外道は此処で討つ!!」

右手を腰に左手を右上に伸ばし、そこから左手を左へと回していく。そして、左上まで回したところで左手は腰に、右手を左上に伸ばす。

「変身!!」

ベルトのタイフーンが周囲の空気を勢い良く吸い込み、オレの姿は1号からZXまでの力をすべて搭載したライダーに、仮面がマゼンタ色の1号、プロト・ディケイドに変身する。

「な、なんだそれは!?何かの神器の禁手化!?」

修復にライダーパワーを回してしまったために技は使えて3発。長時間の戦闘も推奨されない。そして敵は空を飛んでいる。導き出す答えはこれしかない。

「ライダーパワー、全開!!きりもみシュート!!」

両手を伸ばして上半身を大きく捻り、反動をつけて逆側に一気に捻り、竜巻を起す。竜巻に煽られて敵が竜巻の中央に集まる。オレは残っている右足にライダーパワーを集中させる。右足で飛び上がると同時に捻りを加えて、右足をドリルの先端に見立て燃え上がる。

「ライダー穿孔火柱キィィィック!!」

4人が魔方陣らしきものを出して防ごうとしていたが、それらも全て蹴り貫く。後に残ったのはバラバラに燃え上がる肉片だけとなる。着地すると同時に全てのライダーパワーを使い切った影響で変身が解ける。右足が若干動かしにくいが、ライダーパワー不足で不完全な火柱キックのおかげでこの程度で済んだと見るべきだな。

「やれやれ、悪はどこにでも存在するんだな。なら、そいつらから人々を守ろう。それが仮面ライダーだからな」

離れているトルネードを呼び戻しながら、オレは歩き始める。これがオレの仮面ライダーとして歩み始めた最初の一歩だ。
 
 

 
後書き
GW中に何本か更新したいです 
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