イナズマイレブン~クロスライジング~
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奈良最強の選手
前書き
奈良シカTVに着いた俺たちだったが…
キャラバンで移動し、奈良シカTVに着いた俺たちは、入り口に向かう。
「おい雷藤。あの監督はどうして来てないんだよ」
そんな中、染岡が俺に話し掛けた。
「何か用事があるから、先に行っておいてくれってさ」
「用事って…!エイリアと戦うより大事な用があるのかよ!?」
その話を聞いた鬼道も話に加わる。
「よせ染岡。俺たちの敵はこの中にいる。気を引き締めていけ」
円堂は俺たちに振り向き声を掛ける。
「よし!それじゃあ乗り込むぞっ!」
俺たちが入ろうとすると、入り口に立っていた警備員が俺たちを止める。
「こらこら。今は立ち入り禁止だぞ!」
「えっ!?」
「宇宙人退治に政府のSPフィクサーズが踏み込んだところだ。子供の出る幕ではない。引っ込んでいたまえ」
一喝された円堂は警備員に向かい反抗する。
「そ、そんなあ!俺たちだって宇宙人と戦うぞ!」
壁山も続いて反抗する。
「そうッス!俺たちSPフィクサーズと試合して勝っているッスから!」
壁山の言葉を聞いた警備員の2人は、顔を見合わせると腹を抱えて笑う。
「…ぷっ、ははは!冗談はよしたまえ。さあ危ないから下がってなさい」
俺はその2人を横目で見た後、円堂に話し掛ける。
「円堂。どうやらここは俺たちの力を証明する必要がありそうだな」
円堂は俺の言葉に首をかしげる。
「証明するって…どうやって?」
「格好は悪いが、瞳子監督に全国優勝チームって証明してもらおう。子供の話ならともかく、大人の話なら信用してくれるかもしれない」
「うーん、そんなにすんなり行くものかな…」
「当たって砕けろだ」
「まあ、取り敢えずキャラバンに戻って監督に相談してみるか…」
俺たちがキャラバンに戻ると、瞳子監督が丁度出てくるところだった。
「貴方達、何をしているの?エイリア学園はどうなったのかしら」
「それが……」
円堂が瞳子監督に詳細を説明し終わると、瞳子監督は大きなため息をつきながら話す。
「…ふう。少しは自分の頭で考えるということを知らないのかしら」
いちいち気に触る言い方だが、人間不思議なもので慣れて来たな…。
そんな中、やはり染岡が叫ぶ。
「な、何だとぉ!?」
瞳子監督はそんな染岡を軽く目で見た後、俺たちに話し出す。
「子供だから認めてもらえない。そんな状況で私が出て行っても何も解決しないわ。それどころか、やはり大人に頼るしかないただの子供と思われるだけよ」
痛いところを突かれたな…。確かに瞳子監督の言う通りだ、だけど…。
「…それは百も承知です。ですが、この方法が一番早いと判断した結果です」
俺がそう訴えるも、瞳子監督は一言、言い切る。
「それは判断を誤ったわね」
「…………」
そんな俺と瞳子監督の言い合いを見た壁山が呟く。
「ら、雷藤さん相手に…容赦ないッス」
瞳子監督は今度は軽いため息をして話す。
「いい?私たちが旅に出た理由は何かしら?」
風丸がその言葉に反応して呟く。
「それは地上最強のメンバーを集めることで…」
「そうよ。当然この奈良にも隠れたサッカーの強者がいるはず。中には地元では知らない者がいない程、有名な選手もいるでしょうね」
その言葉を聞いた円堂は手をポンと叩き話し出す。
「そうか!そいつをメンバーにして連れて行けば…!」
「もしかして、話を聞いてくれるかもッス!」
「で、でも…そんな選手の居場所なんて、どうやって調べるでやんす?」
「それには及ばないわ。響木監督がこの奈良の選手リストをファックスで送ってくれたわ」
「選手リスト?」
「これから旅をする中で、貴方達は沢山の選手に出会うはずよ。響木監督に連絡したい時は、そこの窓際にある通信機を使って頂戴」
俺は円堂が貰った選手リストに目を向け、円堂に話し掛ける。
「取り敢えずはその選手リストに目を通してみようぜ」
俺たちがそのリストに目を配ると、驚きの名前があった。
「お、おいおい。マジかよ」
俺は知らず知らず呟く。
「えっと、なになに…。奈良市街区の桜の木の下によく現れる…だってさ」
「なかなか洒落てるな、あいつ…。円堂…行ってみようぜ」
「ああ!こいつが仲間になれば百人力だぜ!!」
「まあこいつが奈良最強の選手って言われても疑わねぇな」
そして俺たちは市街地の桜の向かった。
俺たちが市街地に到着し、桜のもとに向かって行くと満開の桜の下で寝転がっている人が居た。
俺が桜に近付くと、俺に気付いたのか男は俺を振り向いた。
「ん?君は…雷藤?」
「ああ。最近会ったのに久し振りに感じるな…。なあ黒薔薇?」
そう奈良最強の選手と呼ばれていた選手は、フットボールフロンティアで世宇子中との死闘後に最強の敵ナイトメアとして現れた、ナイトメアキャプテンでエースストライカーの黒薔薇 咲夜だった。
「一体奈良まで何しに来たんだい?」
「エイリア学園のことは知っているよな?」
「勿論さ。学校を破壊しまくるイカれた奴らだろう?」
「…ああ。知っているなら話は早い。奈良最強の選手と言われているお前の力を貸して欲しいんだ」
「ふうん。俺が雷門にねえ。面白い提案だな」
円堂は考える黒薔薇にさらに話す。
「黒薔薇!お前の力があればエイリア学園を倒すことが出来るかもしれないんだ!」
黒薔薇は腕を組んで考えた後、やがて顔を上げ口を開いた。
「そこまで言われたら、断る訳には行かないな…。わかった、俺は雷門イレブンに協力しよう」
そんな少し口元を緩めながら話した黒薔薇に円堂は、黒薔薇の手を握り握手をした。
「黒薔薇サンキューな!お前がいたらエイリア学園にも負けないぜ!」
円堂に半ば強引に手を握られ、ブンブン上下に腕を振られている黒薔薇は話す。
「わ、わかったから!手を離してくれないか!?」
「あ、ごめんごめん!」
円堂の握手から解放された黒薔薇は、軽く咳払いをした後話す。
「それで何をすればいい」
その黒薔薇の問いに俺が応えた。
「取り敢えずは今から奈良シカTVに向かう。そこにエイリア学園が居るんだ」
「なに?今、エイリア学園は奈良にいるのか?」
「ああ。だから俺たちはお前を探しに来たんだ。すまないが時間がないんだ、今からすぐに移動する。ついて来てくれ」
俺たちはキャラバンに戻り、黒薔薇に背番号17のユニフォームを配布した後、急いで奈良シカTVに向かった。
後書き
黒薔薇「エイリア学園がまさか奈良に来ていたとはな…」
円堂「ああ。黒薔薇頼んだぜ!」
黒薔薇「任せておけ」
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