遊戯王アークファイブゼロ
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バニシング
精霊編
十代は遊矢と会う
ピンポーンという間抜けな音が鳴った。ぴくりと反応する。ママの友達かな?そう考える。はいはいハーイという声が聞こえ、バタバタ玄関口に向かっていった。そして、しばらく話声が聞こえた後だんだん声が大きくなってくる。ガチャという音と共にこの部屋が開く。ママが子連れの若い奥さんを連れて戻ってきた。
『こんにちはー、十代ちゃん。はじめまして、榊洋子よ。こっちは遊矢、よろしく。』
その声と共に赤ちゃんが隣に降ろされる。どうすればいいのか分からず、最終的には...。
『アーイ』
こういう返事で返しておく。こういうときには、こういう感じが一番だ。ん?こっちをキラキラした目で見てる。すると、こっちに手を伸ばしてきた。
『キャー、しっかり返事して可愛い。もう、本当にいい子ね、もらっちゃおうかしら』
そして、撫でくりまわしてくる。な、なんだ。これ。涙が出てきた。
『アーン、ウギャアアアン』
最終的に、泣いてしまった。それが飛び火したのか。赤ん坊までも。
『ふ、うあ、あああ、アアアン』
泣いてしまった。でも、まだ赤ん坊の精神年齢に引っ張られるらしい。泣き止まない、激しくなってくる。
ママが、背中を叩いてくれた。安心してきて、眠くなってくる。すやすや、眠ってしまった。それが、初めての出会いだった。
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後日談での話だが、嬉しそうに俺のことを誉めてくれてたらしい。それで、調子に乗って赤ん坊は、ふて腐れてたらしい。
『やっぱり、赤ちゃんでも感覚的に分かるのかしら、お母さんを独り占めされてると思ったのかしら』
俺も分からず、不思議そうに見上げていた。それを見て何を思ったのか。
『分からないし、いいわ。時期に分かるでしょう。』
そう呟いて、ご飯ご飯今日は唐揚げー。と言いながら、料理をしにいった。そして、すやすや寝た。
『可愛いねえ、十代は』
クリクリー、という会話があったらしい。後日聞いて、恥ずかしさのあまり身悶えしたという。
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