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英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

作者:sorano
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第5話(FC篇開始)

ゼムリア歴1202年――――







~朝・ロレント郊外・ブライト家~







「ん……?」

朝の小鳥が鳴く声と朝日のまぶしさにエステルは目覚めた。

「う~~~、まぶし。もう朝か……今日の当番はお母さんだったわね。ヨシュア達はまだ寝てるのかな……」

朝食の当番が誰であったかを考え込んでいるとハーモニカの音と剣撃が聞こえてきた。

「あは、みんなもう起きているみたいね。よーし、あたしも支度しよっと。」

ハーモニカと剣撃を聞いて家族全員が起きている事に気付いたエステルは腰までなびかせている栗色の髪を銀色の髪留めでツインテールにし、赤色に統一したハーフパンツとジャケットを身に纏って部屋を出てベランダに向かった。



「―――行くわよ、お兄様!魔神剣・双牙!!」

「させるかっ!魔神拳!!」

エステルがベランダに出るとヨシュアがハーモニカを吹き続け、家の前ではレンとルークは同時に衝撃波を走らせて互いの攻撃を相殺した。



「二の型・改―――疾風追連!!」

「秘技―――裏疾風!!」

互いの攻撃を相殺した二人は同時に電光石火の速さで詰め寄って互いの武器を打ち合わせて相殺し

「斬!!」

ルークは木刀から斬撃波を放ち

「っと!!」

襲い掛かる斬撃波を回避する為に近くにある木に向かって跳躍したレンは木を蹴って斬撃波を軽々と超える高さへと跳躍しながら二本の木刀に闘気を溜め込み

「燃えちゃえ!龍炎撃!!」

落下のスピードも利用してルーク目掛けて闘気を纏った二本の木刀を振り下ろそうとした。しかしその時

「駆けろ地の牙!!」

ルークは木刀に魔力を纏わせ

「魔王地顎陣!!」

地面に叩きつけた。魔力を纏わせた木刀が地面に叩きつけられると地面に亀裂が入り、亀裂から凄まじい衝撃波が発生し、闘気を纏った木刀を振り下ろしたレンに襲い掛かった!



「キャッ!?」

衝撃波によってレンは吹っ飛ばされたが空中で受け身を取って着地した。

「空破!絶風撃!!」

しかしレンが着地した瞬間、ルークが一歩前に踏み込んだ瞬間レンに詰め寄り、レンが持つ二本の木刀を吹き飛ばした!吹き飛ばされた二本の木刀は近くの木に当たって落ち、ルークは武器を吹き飛ばされて驚いているレンに木刀を突き付けた。

「勝負ありだな。」

「むぅ、今回も負けだわ。今度こそ勝てる自信が結構あったんだけどなぁ。」

「ハハ、自信は持っていいと思うぜ。実際何度かヒヤッとした事もあったし。」

自分の敗北に頬を膨らませているレンにルークは苦笑いをしながら答え

「本当!?じゃあ、もっと頑張ろうっと!」

大好きな兄に褒められたレンが嬉しそうな表情で答えたその時、拍手が聞こえてきた。



「ひゅー、ひゅー、やるじゃないヨシュア。それにルーク兄とレンも相変わらずスゴイわね~。」

「おはよう、エステル。」

「よう、エステル起きたか。」

「おはよう、エステル。うふふ、いつもやっていることだからそんなに凄くないわよ。」

エステルの存在に気付いたヨシュア達はそれぞれエステルに視線を向けて朝の挨拶をした。



「もしかして、僕達のせいで起きた?」

「ううん、ちょうど起きた所よ。でもヨシュアったら朝からキザなんだから~。お姉さん、聞き惚れちゃったわ~。」

「うふふ、それには同感するわ。ヨシュアって、ハーモニカが本当に上手いわね。」

「何がお姉さんだか。僕と同い年のくせに、それに妹のレンからも呼び捨てにされてるじゃないか。」

エステルからからかいの表情で見つめられたヨシュアは呆れた様子で溜息を吐いた。



「チッチッチ、甘いわね。同い年でもこの家ではあたしが先輩なんだからいうなれば姉弟子ってやつ?レンとは昔から妹兼友達感覚だから慣れてるし、それにヨシュアだって呼び捨てにされてるじゃない。」

「うふふ、エステルの言う通りよ。それにレンはちゃんとエステルをお姉さんだと思ってるわよ?」

「それ、ホント~?だったら、今あたしの事を”お姉ちゃん”って呼んでよ。」

「クスクス。それを言って欲しかったら、もうちょっとそのそそっかしい所を治す事ね。」

「むっかー!相変わらず、小生意気な妹ね!」

「ハア……おい、朝から口喧嘩は止めとけ。」

「「はーい。」」

血が繋がっていない姉妹のいつものやり取りを見たルークは呆れた様子で溜息を吐いて指摘した。



「それにしても、相変わらずハーモニカ吹くの上手いわね~。あ~あ、あたしもうまく吹けたらいいんだけどな~。簡単そうにみえて難しいのよね。」

「君がやっている棒術よりはるかに簡単だと思うけど……ようは集中力だよ。」

「うふふ、ジッとしている事が嫌いなエステルには絶対無理でしょうね。」

「うっさいわね!全身を使わない作業って苦手なのよね~。眠くなるし。ヨシュアもハーモニカはいいんだけどもっとアクティブに行動しなきゃ。ヨシュアの趣味って後は読書と武器の手入れでしょ。そんなインドアばっかじゃ女の子のハートは掴めないわよ~?」

小悪魔な笑みを浮かべる妹の指摘を聞いて怒鳴ったエステルは自分がからかわれる元となったヨシュアに矛先を向けた。



「それは同感ね。ヨシュアは元がいいんだからもっと積極的になれば恋人の1人くらい作れるんじゃないかしら?」

「悪かったね、ウケが悪くて。(それに僕の気持ちも少しはわかってほしいよ……)」

二人に指摘されたヨシュアはエステルを見つめた。

「うん?何かあたしの顔についてる?」

「別になんでもないよ。」

(うふふ、ヨシュアったら相変わらず気持ちがバレバレよ。まあ、それに気付かないエステルも相変わらずの鈍さにおかしくなっちゃうわ。)

義理の兄が心の中に秘めている義理の姉への想いに気付いているレンは口元に笑みを浮かべて見つめていた。



「?なあレン、2人の顔になんかついてるか?」

その時3人の様子に首を傾げたルークがレンに尋ねた。

「(ふぅ……お兄様も鈍いんだから……いつもは素敵なのにこういうことには鈍いのよね~。男の人って、みんなこうなのかしら?)ううん、なんでもないわ。―――そう言えばお兄様こそ、恋人を作らないの?」

敬愛する兄の唯一の欠点に心の中で溜息を吐いたレンは答えを誤魔化した後からかいの表情になってルークを見つめて尋ね

「いい”っ!?」

尋ねられたルークは表情を引き攣らせた。



「あ!それはあたしも気になる!ルーク兄の事、カッコイイって言う女の人達もいっぱい街にいるし!」

「そうだね。兄さんはもう27歳と、とっくに結婚してもおかしくない歳だから、少なくても恋人は作ってもおかしくないよね。」

「お、お前らなあ………」

更にエステルとヨシュアからも矛先を変えられたルークは呆れた様子で溜息を吐いた。

「うふふ、もしかしてお兄様がいつも大切にしまっているあの写真に写っていた人達の誰かかしら?黒髪のツインテールの人?金髪の人?それともスタイル抜群のアッシュブロンドの髪の美人さん?」

「んなっ!?お、お前、一体いつの間にあの写真を見たんだ!?」

しかしレンの口から出た自分にとって思い出の品であるかつての仲間達と共に撮った写真をレンが知っている事にルークは驚き

「え!?なに、今の話!滅茶苦茶気になるんですけど!?」

「へえ……初耳だね。」

エステルは興味深そうな表情になり、ヨシュアは目を丸くした。



「おーい、4人とも朝食の用意ができたからレナが冷めない内に来いと言ってるぞ。」

その時カシウスが玄関から出てきて子供達に朝食が出来た事を伝えた。

「は~い。」

「わかったよ、父さん。」

「んもう、ここから面白くなる所だったのに。」

(た、助かった………)

話が中断された事にレンは頬を膨らませ、ルークは安堵の溜息を吐いた。そして4人はそれぞれ食卓に着き朝食を取り始めた。



~ブライト家~



「「ごちそうさま~」」

「はい、おそまつさまでした。」

「2人とも、朝からよく食べるなぁ。兄さん並じゃないか。」

ヨシュアは食事の際、お代りをしたエステルとレンを思い出して感心した。

「いいじゃん、よく食うこととよく寝ることは大事よ♪それにお母さんのオムレツは大好きだし。」

「うふふ、エステルの言う通りだわ。それに朝から運動もしたからお腹も凄いすいてたんだもん。後、ママのオムレツは世界一だもん♪」

「まあ、2人の言うことには同感だな。俺も少しは料理するけどこんなに上手く作れねえしな。(それにこういう食事はいつ食べてもいいもんだな。屋敷の時は行儀作法がどうとかでウザかったからな~。行儀を気にしない食事ってホント、気が休まるぜ。けど実際母さんのオムレツは美味すぎだろ。ファブレ家でもあんな上手いオムレツは出なかったぞ?)」

かつて貴族としての生活を思い出したルークは異世界に来てから何度も体験し続ける暖かい食卓に心の中で笑みを浮かべた。



「ふふ、ありがとう。あなた達がたくさん美味しく食べてくれるおかげで作りがいがあるわ。」

「まあ、しっかり食って気合を入れておくんだな。今日はギルドでエステルとヨシュアは研修の仕上げがあるんだろう?」

「うん、そうね。ま、かる~く終わらせて準遊撃士になってみせるわ。」

父親の忠告にエステルは余裕そうな笑みを浮かべて頷いたが

「エステル、油断は禁物だよ最後の試験があるんだから。」

「え”?試験ってなに?」

ヨシュアの指摘に表情を引き攣らせた。



「うふふ、すっかり忘れていたようね。まあ予想はしていたけど。」

「エステル、お前なあ………確か昨日の時点で聞かされてなかったか?」

「シェラさんが言ってたよ、合格できなかったら追試だって。」

エステルの様子にレンは小悪魔な笑みを浮かべ、ルークとヨシュアは呆れて指摘した。

「……やっば~完璧に忘れてたわ……ま、いっか。何とかなるでしょ。」

「はあ、君って()は……呑気っていうか、楽天家というか……」

「俺には何でそんな危機的状況でも気楽にできるのか、理解できねぇぜ。」

「全く嘆かわしい。この性格は誰に似たんだか。」

エステルのお気楽さに男性達は呆れ

「む、少なくとも父さんほどじゃないわよ。」

「うふふ、確かにママはもっとしっかりしてるもんね。」

「全く似たもの父娘(おやこ)ね、この人達は……」

レンは小悪魔な笑みを浮かべ、カシウスの性格もよく理解しているレナは苦笑いをしながらエステルとカシウスを見つめていた。



「それにしてもいいわね、エステル達はもう準遊撃士になれるんだから……レンは後5年も待たないといけないから羨ましいわ。」

「ま、こればっかりはどうにもなんないわ、お姉さんの特権てやつね~。」

いつも自分をからかう小悪魔な妹に羨望の眼差しで見つめられたエステルは自慢げになり

「何が特権なんだか……それにそう言うレンだって16歳になったら準遊撃士じゃなく正遊撃士になるって聞いたよ。そっちのほうが凄いじゃないか。しかも今の時点で既に二つ名持ちだし。」

ヨシュアは呆れた様子で溜息を吐いた後苦笑いをしながら幼き天才少女を見つめた。



「確か”戦天使の遊撃士(エンジェリック・ブレイサー)”だったかしら?」

「ああ。それにしてもあっさり”八葉一刀流”を”皆伝”した事も驚いたが、まさかユリアどころかモルガン将軍にまで勝つとはなあ。これは将来が楽しみだな。」

「ハハ、実際にレンは遊撃士協会からも特別扱いされているからな。」

レナの疑問にカシウスは頷いた後苦笑しながらルークと共にレンを見つめた。

「うふふ、それ程でもないわ。それに正遊撃士になる件だってまだ『仮決定』だし。」

「まあな、まだ協会はかなりもめているから今の所はわからん。」

「そりゃ、規定年齢に達してもいない今でも遊撃士と同じ扱いしている上、規定年齢に達した途端正遊撃士なんて、前代未聞だもんな。」

含み笑いをしているレンの言葉にカシウスは頷き、ルークは納得した様子でレンを見つめた。



「レンはいいわよね~。試験がなくて、16歳になれば自動的に準遊撃士になれるんでしょ?」

「あら、試験なら受けたわよ。結構難しかったけどいっぱい本を読んでいたおかげでわかった問題もあったし。それに手帳があっても、レンの見た目で信じない人達もいたから、結構苦労しているわよ?」

お気楽な姉に羨望の眼差しで見つめられたレンは目を丸くして説明し

「しかも正遊撃士にしかわからない問題も混ぜてあったのに満点を取った上、闘技大会で優秀な成績を残すという条件をクリアするどころか、優勝しちまったからなあ。」

「まあ……そんな経緯があったの。」

「さすがのエルナンもそれ程の優秀な結果を出されたら反論もできなかったんだろうな……」

ルークの説明を聞いたレナは目を丸くし、カシウスは苦笑し

「エステル、間違いなくレンは僕達よりはるかに難しい試験を受けてるし僕達より苦労しているよ……」

ヨシュアは疲れた表情で指摘した。



「そう言えばレン。また通信社から写真集や独占取材の依頼が来ていたわよ?」

「えー、また~?今度はどこよ。」

誰から依頼が来ているのか察しがついていたレンは嫌そうな表情をし

「”リベール通信”よ。昨日ナイアルって人が女性カメラマンを連れて訪ねてきたのよ。」

「ああ、あの二人ね。それで?勿論、断っておいてくれたのよね?」

「ええ。娘はあくまで遊撃士として活躍して有名になりたいだけで、遊撃士の仕事とは関係のない人気取りをしてまで有名になる事は望んでいませんって言っておいたわ。」

「うふふ、さすがママね。」

伝えてもいない意志をレナがちゃんとわかっている事に内心嬉しく思うレンは微笑みながらレナを見つめていた。



「こんな小生意気な娘の写真集なんか出して、本当に売れるのかしら?」

「まあ、レンの容姿なら、間違いなく人目につくしな。」

「そこに加えて遊撃士協会から特別扱いされ、既に二つ名持ち。人気が出る事は間違いなしだろうね。」

「やれやれ。そんな下らん事に力を入れるより、もっと他の事に力を入れて欲しいものだ。というか今更だがレン、お前の”副業”の稼ぎなら遊撃士をやる必要もないと思うんだがな……」

レンの写真集や独占取材を望む通信社の意図が理解できないエステルはジト目になってレンを見つめ、その一方理解しているルークとヨシュアは苦笑し、カシウスは呆れた様子で溜息を吐いた後あることを思い出してレンに視線を向けた。



「レンの”副業”って確か……」

「株や相場の事だよ。確か相当稼いでいるって話は聞いた事があるけど……」

考え込んでいるエステルに答えを口にしたヨシュアはレンを見つめ

「うふふ、詳しい金額は秘密にさせてもらうけど少なくても今のレンの総資産はエレボニアの”四大名門”より上だと確信しているわ♪」

「ブッ!?」

レンの答えを聞いたルークは噴いた。

「え~と、その”四大名門”ってなんの事??」

「”四大名門”というのはエレボニアの貴族の中でも最も権力がある大貴族の事だよ。彼らが持つ権限はエレボニア皇家に次ぐとも言われているよ。」

「あ、あんですって~!?それじゃあレンって、滅茶苦茶お金持ちじゃない!」

「しかもそこに加えてラインフォルトやヴェルヌ、エプスタインといった大企業の大株主でもあるから、それぞれの企業にとってもレンは重要な人物だからな……」

ヨシュアの説明を聞いたエステルが驚いている中ルークは表情を引きつらせてレンを見つめ

「うふふ、あんまり騒がれたら面倒だからレンが彼らの大株主である事を知っているのは上層部の極一部だけどね♪」

レンは笑顔で答えた。



「えっと……”大株主”って何なの??」

「簡単に説明すればその会社にとってのパトロンかな。株主にもよるけどその会社にたくさんのお金を投資していたらその会社もその株主が口出しする事を無視できず、むしろその株主の言う事を聞かなくちゃならないんだ。」

「そ、そうなんだ……って、レンがラインフォルトやヴェルヌみたいな大企業の”大株主”ってルーク兄が言っていたわよね!?それじゃあレンがその気になればその大企業を好きにできるの!?」

「うふふ、さすがにそこまではできないけど、少なくても会社経営とかには口を出せるわよ。」

「と、とんでもないわね……って、レン。まさかとは思うけどあんたがその”大株主”になっている会社で”ストレガー社”もあるの?」

レンの答えを聞いた疲れた表情で溜息を吐いたエステルはあることに気づき、冷や汗をかきながらレンを見つめて訊ねた。



「ええ、あるわよ。あの会社って中々律儀よね♪新作が発売したら、いつも向こうから送ってくるもの♪勿論無料でね♪」

「あ、あんですって~!?あたしはいつもおこずかいをやりくりして買っているのに、レンだけタダなんてズルいわよ~!」

「うふふ、これも”大株主”の”特権”ってやつよ。わかったかしら、お・ね・え・ちゃ・ん♪」

悔しがっているエステルを面白がるかのようにレンは小悪魔な笑みを浮かべて答え

「ムッカー!相変わらず小生意気な妹ね~!」

「まあまあ。それでレン、そんなにお金があるのにどうして遊撃士を目指すんだい?」

レンを睨むエステルをなだめたヨシュアはレンに視線を向けて訊ねた。



「遊撃士はレンにとっても憧れの仕事だから、目指しているのよ。株や相場でお金を儲けているのはただの暇つぶしよ。どうせ暇をつぶすんだったら、お金になる事をした方が将来何かあった時の為に役立つと思ってね。」

「ハッハッハッ!まさか株や相場でボロ儲けをされている張本人に”暇つぶし”代わりにされているなんて誰も思わないだろうな。」

「フフ、そうね。……レン?貴女がお金をたくさん持っている事は知っているけど、貴女の将来の為にも無駄遣いをしてはいけないわよ?」

レンの答えを聞いたカシウスが笑っている中、レナは真剣な表情でレンに指摘した。

「はーい、勿論わかっているわ。まあ、無駄遣いを気をつけるべきなのはレンじゃなくてむしろエステルだと思うのだけどねぇ?」

「何でそこであたしが出てくるのよ。」

「ハハ……」

意味ありげな笑みを浮かべるレンに見つめられたエステルがジト目になるとヨシュアは苦笑していた。



「ま、いいわ。ヨシュア、速く最後の研修を受けに行こ!」

「わかった。じゃあ行ってきます。」

「じゃあ、俺も行ってくるよ。」

「行ってらっしゃい、気をつけてね。」

「頑張って来い、2人とも。」

「うふふ、今夜はご馳走になるように応援しているわね♪」

それぞれから応援の言葉を貰い、エステルとヨシュアはギルドに向かい、またルークも仕事を探しにいっしょにギルドに向かった…… 
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