英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク
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プロローグ~聖なる焔の復活~
~???~
「―――が死―――世界――創る――――、どうしたらいいの……?」
謎の空間で少女は家族同然の大好きな人達に真の幸せを訪れさせる為に必死に考え込みながら、その身に秘める”神”の如き力で少女が生きる世界とは異なる数多の世界の多くの人々を見つめていた。
「!!この人…………――アと似た存在………」
数多の世界から炎が燃えるような赤い髪の青年の人生を見た少女は驚いた後自分の正体を知って青年が生きた”軌跡”を全て見た。
青年は我儘な人物であり多くの民達を死なせる原因を作ってしまった大罪者であったが、自分の出生と罪を知ると絶望したが立ち直り、自分が犯した罪を償う為にまるで人が変わったかのように多くの人々の為に必死に戦い続け、最後は世界の為に自らの命を差し出し、満足した笑みを浮かべて世界から己の存在を消した軌跡であった。
「………………………」
青年が生きた”軌跡”を見終えた少女は決意の表情になり
「貴方はもっと―――て、―――になるべきだよ……貴方を受け入れてくれた人達とは会えないけど、”偽物”でも――――って言ってくれる人と貴方を心から―――人とはいつか再会して、一緒に生きられるようにするね………そしてできれば――――を助けてあげて……!」
少女は全身から神秘的な光を出して祈りを奉げた。
”導力”というエネルギーが人々の生活の支えとなり、”空の女神”という名の女神が信仰されている世界――――ゼムリア大陸。広大な土地で西に位置し、千年以上の歴史を誇る小国―――『リベール王国』はとある理由で北の大国『エレボニア帝国』と戦争状態であった。小国のリベールに対し、大国のエレボニアとの差は圧倒的で誰もがエレボニアの圧勝と思っていたが、リベールの勇将カシウス・ブライトの策によって劣勢を覆して行き、ついにはエレボニア帝国軍を崩れさせた。カシウス・ブライトの作戦により孤立した一部の部隊が半ばやけ気味になり、リベールの都市の一つにして農業が盛んな穏やかな都市―――ロレント市を襲った。そしてあちこちで市民が戦闘に巻き込まれ、悲劇が生まれた。そんな中一人の炎が燃えるような赤い髪を腰までなびかせ、翠耀石のような碧き瞳の青年が光と共に現れた。
~リベール王国・ロレント市~
「………?(あれ?何で俺、意識があるんだ?消えたんじゃなかったのか?)」
目を閉じている青年は自分の意識がある事に疑問を思って恐る恐る閉じていた目を開いた。
「!?お、俺の身体が消えてねえ!?ど、どういう事だ、これは!?」
消滅したと思ったはずの自分の身体がある事に青年は戸惑い
「おい、ローレライ!どうなってんだこれは!?俺はアッシュと同化して消えたんじゃねえのか!?」
そしてすぐに気を取り直して声を上げた。しかし青年の叫びに対する返事は何も返って来なかった。
「キャ―――――ッ!?」
「!?」
するとその時悲鳴が聞こえ、声を聞いた方向に振り向くとそこにはエレボニア帝国兵に銃を向けられている女性市民が恐怖によって身体を震わせていた。
「リベールが俺達エレボニア帝国軍を追い詰めるだと!?大人しく俺達に従っていればよかったものを……!おかげで俺達は完全に孤立して、いつリベール軍に殺されるかわからない状態だ!せめて貴様らは道連れにしてやるっ!」
「ヒッ!?お、お願い!命だけは!」
「死ね――――ッ!!」
そして怒りの表情の帝国兵が銃の引き金を引こうとした瞬間、青年の身体は勝手に動いて手に闘気を纏わせ
「―――魔神拳!!」
闘気を纏わせた拳を振るった!すると拳から衝撃波が発生し、衝撃波はタイルを削り取りながら帝国兵に向かって命中し
「ガッ!?」
帝国兵を怯ませた!そして青年は帝国兵に向かって走り出して跳躍し
「―――崩襲脚!!」
「ガハッ!?」
闘気を込めた片足で帝国兵を蹴り飛ばした!
「無事か!?」
「は、はい!あ、ありがとうございます……!」
青年に助けられた女性は身体を震わせながら青年を見つめ
「グッ!?何者だっ!?まさか遊撃士か!?」
青年に蹴り飛ばされた帝国兵は起き上がって憎悪を込めた目で青年を睨んだ。
「ハアッ!?何だよ、遊撃士って!?そんな事より、何で軍人が国民の命を狙った!お前、それでも国を守る軍人か!?」
帝国兵の言葉に返さず青年は怒りの表情で帝国兵を睨んで叫び
「黙れ―――――ッ!邪魔をするなら貴様も殺すっ!!」
青年の問いに帝国兵は答えず、銃を構え直した。しかしその時青年は両手に闘気を練り、女性の前に出て練った闘気を解放した!
「粋護陣!!」
帝国兵が銃撃を放った瞬間、闘気による結界が青年を包み込み、青年を襲った銃弾を防いだ。
「何っ!?」
銃撃を防がれた帝国兵が驚いた瞬間、青年は鞘に納めてある炎の色を現すかのような紅の宝珠が付いた音叉の形に類似した刃の剣を抜いて突きの構えをし、周囲に漂う魔力を剣に集束した。すると剣には魔力によって発生した風が宿り
「空破!絶風撃!!」
青年が一歩前に踏み込んだ瞬間、青年は目にも見えないスピードで風を纏わせた剣で突撃して帝国兵の背後へと駆け抜けて帝国兵の身体に風穴を空けた!
「ガアッ!?ちく……しょう………!」
帝国兵は悔しそうな表情で絶命して地面に倒れた!
「ヒッ!?」
目の前で人が死んだ事に女性は悲鳴を上げ
「―――逃げろっ!何があったか知らねえけどここは危険すぎる!」
「は、はい!助けて頂いて本当にありがとうございます!」
青年の声に弾かれるようにその場から走り去って行った。
「何だよ、これは……!?酷過ぎるだろ!まさか”戦争”か!?」
女性が去ると青年は周囲に倒れている帝国兵や市民達の死体を、そして燃え盛る街―――まさに地獄絵図と言ってもおかしくない状況を見て悲痛そうな表情をして身体を震わせていたが
「……何で俺が生きてるとか、ここはどこだとか考えるより、今は一人でも多くの人達の命を助ける事が先決だ!」
すぐに気を取り直し、青年は一人でも多くの罪なき命を救う為に戦火に包まれた街を駆けだした!
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