転生特典は聖槍の影打
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16話 人はテンパると我を忘れがち
前書き
こんばんは、ワッパーです。
なんと今回3話連続投稿!ここまで投稿出来るとは自分でも驚いています。
「空〜早くしなさい!日が暮れるわよー」
「わーったよ……ったく、あいつ何であんなにキビキビ動けんだよ…実年齢的に「何か言ったかしら?」いえ何も!」
こんにちは、櫻井空です。現在、訳あって旅に出てます。
「そろそろこの辺で野宿かしらね〜?」
こんな呑気な発言をしてるが俺と同じ聖遺物の使徒のルサルカ・シュヴェーゲリンを仲間に加えて気分新たなに旅をしています。
『ルサルカ嬢よ、今日の夕餉は何だろうか?』
「喜びなさいフェン、今日なんと〜……骨つき肉よ!」
『何………だと……ルサルカ嬢よ…そんな豪華な夕餉を味わえるのか…っ!…』
『』の会話をしているのは俺たちの足元にいる青い子犬…実際の体躯はこれの何十倍もある巨大な狼 神殺しの魔狼
フェンリル
俺の使い魔で、俺たちはフェンと呼んでいる、本当に喋っているという訳では無く、俺の神器、魔獣創造で作った翻訳オウム (仮)を介しての会話をしている。
「ほらフェン、お手」
「……………」サッ!
ルサルカがお手を要求すると高速でそれに応えるフェン……野郎…いつの間にか飼いならされてやがる…っ!
それでいいのか神殺しの魔狼……っ!
「空も早くなさいー夕飯が無くなるわよ〜」
何ッ!それは困る!
空の知ってるルサルカは黒円卓の中でも数少ない料理の出来る人物、実際に此方のルサルカも料理が上手なのだ
それが食べられないのは問題だ!と先ほどまでの疲れなど忘れて全力疾走する空
……結局、なんやかんやで空も飼いならされているのでした。
その後、楽しい夕飯を過ごし、少しの間、仮眠を取り歩き始めると…
「ねぇ………」
「……言うなルサルカ……」
目の前には、とても立派な洋館が建っていた…来る途中人っ子ひとりいなかったのに…
「ここ来る途中に人里とかあったか?」
自分が見てないだけであったかも知れない…そんな一途の望みを掛けて隣にいた一人と一匹に問いを投げたが
「無いわね」
『それどころか人すら居なかった…』
問答無用と言わんばかりの即答に、やれやれと空はため息を吐く
怪しさ100%、もし仮に大雨や嵐に襲われていたら我先にと飛び込むだろうが、現在の気候は夜だが雲1つない晴れだ、アンサーは簡単で
「「罠だ (でしょ)」」
『だな….』
ワンちゃんにすら読まれる始末の罠……まぁ魔獣なのですがね
「どうする?」
「いや、どうするも何もスルーでしょこんなのに関わるなんて面倒くさいったら、ありゃしないわ」
『同感だ、急いでいる旅路では無いが寄り道をしている暇も無いだろう』
よし、なら
「行くぞ、もう少しで人里に着く」
空が地図を広げ、方位磁石や星から大まかな位置を確認する。
『空よ、今思えば魔獣創造で乗り物を作った方が早いのでは?』
「作れるの〜?確かアレ、イメージした魔獣を作るって能力じゃなかったかしら〜?」
「いや、創造系の神器ってイメージ次第だろ?試すだけタダだしな、やってみるよフェン」
そう言って空はイメージした、どんな悪路でも対応可能な立派なジープを
すると…なんという事でしょう〜何もなかった虚空に立派なジープが現れたではありませんか〜 (某リフォーム番組的な感じで)
「マジかよ……」
顔が青い空に対して
「判決……ギルティ」
『同じく』
無慈悲な魔女と狼であった
「っておい待て!そんな事より早く此処から離れ……」
「どうしたのかしら?そ……ら……」
『ん?』
三人の視線が怪しい洋館に集まった
理由は凄く単純明解!洋館の中に居たんであろう幽霊的な奴らが群れをなしてこちらに向かって来ているではありませんか〜
「「ぎゃああああああ!」」
2人と一匹は先ほどまでの会話など一瞬で忘れてジープに乗り込んだ
「そそそそ空!早くなさい!で無いと幽霊に捕まるわ!」
「んな事ァ解ってんだよ!んだよ!無視したのがそんなに気に食わなかったのかよコンチクショウ!」
『最近の幽霊はアグレッシブなのだな…』
「「言ってる場合か!」」
運転席に座った空が慌てて鍵を回すが
「おい!何でエンジンが入らねぇんだよ!」
何度。鍵を回してもエンジンが入らず動く気配すらない
「知らないわよ!今ここでホラー映画のお約束なんて守らなくていいから早く出してぇ!」
助手席に座ってるルサルカは、かなりテンパっていて普段の冷静さが欠片も無い
『恐らく外観だけしかイメージしていないのでは?』
「「偉く冷静だな (ね)フェン‼︎」」
こんな状況なのに動じていないフェンさんまじて貫禄あるわー
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