ドリトル先生北海道に行く
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第八幕その五
「八条大学文学部歴史学科卒業です」
「専攻は北海道の歴史かな」
「民俗学です」
「そちらなんだね」
「北海道、アイヌの風俗習慣そして伝承はとても面白いので」
「そうそう、そうなんだよね」
先生はアイヌのお姉さんの言葉ににこりとして返しました。
「アイヌの文化もね」
「あれっ、確か」
ここで、です。お姉さんは先生のお顔をじっと見てあらためて言ってきました。
「貴方はドリトル先生ですか?」
「僕のことを知ってるのかな」
「はい、先生は有名ですよ」
笑顔で先生に言ってきました。
「イギリスから八条大学に来られたお医者さんですね」
「そうだよ」
「医学部の教授さんで他にもあらゆる学問に通じておられる」
「いやいや、ただ好きなことをしているだけだよ」
「先生のことでしたらこの資料館でも有名ですよ」
「そうなんだね」
「まさか来られるとは思いませんでした」
この資料館にというのです。
「お会い出来て何よりです」
「そこまで言ってくれるんだね」
「ずっとお会いしたと思っていました」
「僕もアイヌの人達の資料館に来られて嬉しいよ」
「ではアイヌのこともを」
「この資料館で見ていいかな」
「はい、どうぞ」
是非にというお返事でした。
「案内させて頂きます」
「それじゃあお願いするね」
「では」
「この人って」
「そうだよね」
ここで動物の皆はお姉さんを見てお話をしました。
「奇麗だよね」
「うん、黒髪に黒い目で」
「日本人らしいね」
「そんな奇麗さだよね」
「アイヌ人って民族が違うって聞いてたけれど」
「同じじゃない」
他の日本人、つまり大和民族と似ているというのです。
「イングランド人とスコットランド人と同じ?」
「違うって聞いても似ていない?」
「そうだよね」
「そっくりだよね」
「だから混血しているんだよ」
先生はその皆にもお話します。
「アイヌ民族と大和民族はね」
「母は大和民族です」
お姉さんもにこりとして言いました。
「実は」
「あれっ、そうだったんだ」
「といいますか確かに私はアイヌ民族ですが」
それでもというのです。
「アイヌ民族と大和民族は昔から交流がありまして」
「それで、なんだね」
「混血もしています」
「だから外見もだね」
「同じなんです」
「同じアジア系なんだね、確か」
ここで先生はこんなことを言いました。
「アイヌ民族はコーカロイドという説もあったね」
「最初はですね」
「髭が濃くて肌の色とかもそうした感じだったそうで」
「縄文系という説もありますね」
お姉さんもお話します。
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