赤とオレンジ
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第0章 原作前
神社の黒髪
俺ーーー波風空8歳!冥界に行ってから3年の月日がたった。この3年間で父ちゃんに特別な空間に修行をつけてもらった。
まずは、螺旋丸という技を学んだのだが、
これがまた難しかった。
第1段階が第一段階は、魔力を掌で乱回転させ水風船を割る。
第2段階は、乱回転時の魔力密度を高めて威力を増幅し、水風船より硬いゴムボールを割る。
第3段階は、これまでの修行の成果を最大限まで引き出した上で、形状を掌サイズに留める。
というものだった。
第1段階だけでも3週間かかってしまった。
残りの2つは3週間ずつだった。
時間がかかった分威力は相当なものだ。
そして次だ。
実は俺には神器-セイクリッドギアと呼ばれるものがあった。それも14種の神滅具の一つの赤龍帝の籠手があった。
この世界でいう赤龍帝だ。これには父ちゃんと母ちゃんもびっくりしていた。赤龍帝だと判明してからというもの修行がもっと厳しいものとなった。
なんでこんな厳しいものになったかというと
父ちゃんが言うには…
「赤龍帝は対になる白龍皇という存在がおり戦う運命であるんだ」
ということだった。その為毎日のように厳しい修行を受けている。
赤龍帝の籠手には『赤い龍の帝王』−−−ドライグというドラゴンが宿っていた。
ドライグ曰く
『俺と白龍皇で二天龍と呼ばれている』
とのことだ。
この赤龍帝の籠手の能力は
『boost』の掛け声で10秒毎に己の能力が2倍になる。
『explosion』の掛け声で倍にした能力が発動される。
『transfer』の掛け声で倍加した力を他の人に譲渡する事ができる。
というものだった。
「なんで赤い龍と白い龍は戦う運命にあるんだ?」
父ちゃんに言われたことをドライグに聞く。
『大昔に神と天使、堕天使、悪魔の三つ巴の大戦争をしていた』
その話は父ちゃんと母ちゃんから聞いていた。
『その時、いろんな種族もそれぞれの勢力に力を貸していた。だが、ドラゴンだけはどの勢力にも力を貸さなかった』
「なぜだ?」
『さて、どうしてかな。明確な理由はわからない。だがな、ドラゴンってのはどいつもこいつも力の塊で、自由気ままで我儘だった。中には悪魔になったり、神に味方になったりしたドラゴンもいたようだがな。大半は戦争なぞ知らんぷりして好き勝手に生きていた』
ドラゴンって迷惑だな。
『その戦争の最中に大喧嘩をし始めた馬鹿なドラゴンが2匹いた。戦争なぞ知るかと、三大勢力の面々をぶっ飛ばしながら喧嘩をし始めたんだよ。三者にとって真剣に世界の覇権を巡る大戦争をしているのに、そんなのお構いなしに戦場を暴れまわったのだからな』
「なんでそこまで喧嘩してたんだ?」
『さぁーな。今やそいつらも覚えてないだろう。それで怒り心頭の三大勢力が初めて手を取り合った。「この二匹のドラゴンを先に始末しよう!」とな』
ケンカとせいで同盟って。
本当にどんなけ暴れまわったんだよ
迷惑すぎるだろ!
『喧嘩の邪魔をされた二匹は怒り狂った。「神ごときが、魔王ごときがドラゴンの決闘に介入するな!」てな。まぁ、バカ丸出しの逆ギレだ。』
『話を聞いてれば、バカなドラゴンだな。』
九喇嘛も俺と同じ意見のようだ。
『結局、二匹のドラゴンは幾重にも切り刻まれ、その魂を神器として人間の体に封印された。神器に魂を封じられた二匹は人間を媒介にしてらお互いに何度も出会い、何度も戦うようになった。毎回、どちらかが勝ち、どちらかが死んだ。たまに出会う前に片方が死んで戦わないこともあったがな。』
「それがお前と白い龍ってことか」
『ああ、そうだ。今回の宿主はお前さんだった。まさかそんな歳で俺を覚醒させるとはな。だから少し楽しみでもあるんだ。』
俺は白龍皇と戦うことは楽しみにしてないぞ。死にたくないからな。
『いざとなったらワシの力も使え。そうすれば勝てるだろう』
ありがとうな、九喇嘛。
「ドライグもこれからよろしく頼むな。」
『ああ、相棒。俺こそ頼む』
場面変わって
今、俺が何をしているのかと言うと
外をランニングしている。
技を鍛えたりするのもいいけど、体力もしっかりつけないとね!
『『空〔相棒〕嫌な気配を感じるぞ』』
九喇嘛とドライグに言われる
確かに変な気配を感じる。
気配を辿っていくとそこは階段がありその上には神社があった。
近づいていくたびに気配のようなものがどんどん強くなっていく。
『空、気を引き締めろよ』
九喇嘛から注意される。声音も真剣なものだ。敵はそうとなものだという事だ。気をつけて挑まないといけない。そしてこれが始めての戦闘となる。油断しないようにしないと。
九喇嘛モードになり、眼を写輪眼に変化させ急いで階段を駆け上がっていった。境内には誰もいない。だけど……奥から数人の気配を感じた。
奥の方に進み建物の中に進むと、室内はボロボロ。タンスが倒れ、畳は抉れ、テーブルはひっくり返され、夕食が散らばっている。
「その子を渡してもらおう。忌々しき邪悪な黒き天使の子なのだ」
術者が6人で巫女装束に身を包んだ黒髪ストレートの優しい雰囲気の女性とその女性によく似た小さな女の子を囲んでいた。
「この子は渡しません!この子は私の大切な娘です。そしてあの人の大切な娘!絶対に渡しません!」
小さな女の子を庇うように女性が叫び女の子を今一度、強く抱きしめる。
女の子は……泣いている。
「・・・貴様も黒き天使に心を穢されてしまったようだ。致し方あるまい」
術者が刀を抜き、真上に刀をあげた。
俺には関係ない。それでも見過ごすことはできない。
その刀は振り下ろされた。
だが、それを俺は受け止めた。
少女side
「その子を渡してもらおう。忌々しき邪悪な黒き天使の子なのだ」
嫌だ、私は行きたくない。
「この子は渡しません!この子は私の大切な子です。そしてあの人の大切な娘!絶対に渡しません!」
母様・・・。父様助けに来てください・・・。
すると男は刀を抜きはじめた。
や、やめて。母様が死んじゃう。誰か助けて・・・
そして振り下ろされると…
そこにはオレンジの衣?を着ている私と同じ年くらいと男の子が刀を受け止めていた。
空side
刀を衣で受け止めると、真ん中にいる首謀者だと思われる人物に話しかけられる。
「少年よ。なぜそこの2人を助ける?あの忌々しき黒き天使に穢されたものなのだぞ?貴様も邪魔をするなら斬るぞ?」
「俺からしてみれば、お前らの方がよっぽど穢れてるぜ?」
この言葉にキレたのか襲いかかってくる。
「このガキを斬れ!」
首謀者に命令され、残りの5人が一斉に斬りかかってくるが、
俺はその斬りかかってくる奴らを九喇嘛の魔力の鎧から腕を6本出し、1本で螺旋丸を作り出し、残りの腕で5人を捕まえ
「螺旋吸丸!」
螺旋丸に5人を押し当てた。その5人は鮮血を飛び散らかせ再び起き上がる事はなかった。
「なぜ貴様は守ろうとするのだ!貴様には関係ないはずだ!これは姫島の問題なのだ」
後退りしながら、叫びながら訴える。
だが、無論俺にはそんな言葉は届かない。
「何も悪い事をしてない人を見過ごすわけにはいかないだろ!」
そして、俺は螺旋丸を左手に作り
「螺旋丸!!」
「ぐぁああああああ」
首謀者と思われる男に一撃入れた。
女性とその子供が近づいてくる。
「どうもありがとうございます。助かりました。ケガはしてないですか?」
「ケガはしてないですよ。2人とも無事でよかったです」
「私とお母様を助けてくれてありがとうございました」
女の子が顔を赤くしながら俺を言ってくれた。
「それじゃ、俺は帰りますね。」
「お礼をさせてください」
と女性から話しかけられるが、
「自分が好きでやったことだから気にしないでください」
その言葉を残して神社を去り、俺は家へと帰っていった。
少女side
かっこよかったな。
「母様、あの男の子とまたあえるかな?」
「あの男の子に惚れちゃったの?顔が赤いわよ」
母様に言われ、自分でもリンゴのように顔が赤くなっているのが分かった。
「朱璃、朱乃無事か!?」
これは父様の声。
声の方を向くと黒い翼を羽ばたかせて私と母様の側に来る。
「私も朱乃も無事よ」
「父様・・・実はね…」
父様−バラキエルは憤怒の表情で母様−姫島朱璃はにこやかに笑っていたのだった。
「私と母様を助けてくれてありがとう」
この言葉が周りに響き渡った。
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