| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

selector KAMENRIDE WIXOSS

作者:紡ぐ風
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

特別編
  劇場版さらばselector KAMENRIDE WIXOSS エクストラハント

 
前書き
ライダー一言図鑑
仮面ライダーNEW電王:『仮面ライダー電王』の劇場シリーズに登場。良太郎の孫である幸太郎が変身した未来の電王。当時は運も無く力も弱い良太郎を馬鹿にしていたが、四人のイマジンの中心となり惹きつけるパーソナリティを見て考えを改めた。戦闘の際にはカウント内で敵を倒そうとするなど、まだ精神的には良太郎に追いつけていない。
仮面ライダーアマゾンアルファ:『仮面ライダーアマゾンズ』に登場。制御装置を着けずにアマゾンを制御している鷹山仁が変身する野生型のアマゾン。しかし、ヒモでマンション住まいのどこが野性的なのかは不明。彼のポリシーで、彼はアマゾンを狩る。
仮面ライダーアマゾンオメガ:『仮面ライダーアマゾンズ』に登場。身体が弱く自宅生活を強制されていた水澤悠が変身する養殖型のアマゾン。現在はある組織に所属してアマゾンを狩っている。
仮面ライダーアマゾン:『仮面ライダーアマゾン』に登場。インカ帝国の末裔に育てられた日本人、山本大介が変身するマダラオオトカゲという架空の生物のライダー。野生育ちである為、噛みつきや引っ掻き回す攻撃を抵抗無く行える。 

 
それは、ある晩秋の出来事であった。二人の男女が夜の公園で帰り道に休憩するために芝生に転がった。
「今日は楽しかったね。」
「ああ。今日は付き合ってくれてありがとう姉ちゃん。」
「気にしなくていいよ。それより、明日のデート、頑張りなさい!」
どうやらこの二人は姉弟らしく、弟の明日のデートの為にリハーサルをしていたらしい。
「今日は付き合わせたお礼にジュースでも奢るよ。姉ちゃんは何がいい?」
「本当に?何でもいいの?」
女性は悩み、
「じゃあpipeで出している大岩井のグレープジュースで。あれ美味しいんだよね!」
そう言った次の瞬間、男性の首から上は無く、首からは血飛沫を散らしていた。
「嘘?走介ぇ!」
女性は弟の死体に向かうが、その女性の左腕も、何者かに食いちぎられていた。
「キャーーーーーーーーーーッ!」
女性は悲鳴を上げる。女性が顔を上げるとその左腕を食べている者が居た。
「ウソ、誰ッ!」
その言葉を聞き食べていた者は振り返る。
「キャーッ!」
女性はさらに悲鳴を上げる。
無理も無い。何故なら、自分の左腕を食べていたのはゲンゴロウの姿をした怪人だったからだ。しかし、その悲鳴を上げた次の瞬間には、女性は亡骸となっていた。
「これで、百人。」
怪人はそう言いながら男女の死肉を貪っていた。

翌日、るう子達はアナログ放送の10チャンネルをつけ、ニュースを観ていた。
『おはようございます。ニュースのお時間です。何者かによる連続惨殺事件の新たな被害者が発見され、今回で45件目、被害者は百人となりました。昨夜、東京都墨田区の公園で休憩していました姉弟が遺体となった状態で発見され、警察は同一の犯人による犯行とみて捜査を続けています。』
「また起きたのね、最近続いている連続惨殺事件。」
御味噌汁を飲み終えたユキがそう言った。
「その所為でるう達の学校も臨時休校になって大変だよ。」
「でもタマはるうとWIXOSSが出来て嬉しい!」
「タマ、こんな時にそういう事を言っちゃダメでしょ。」
「ちがう!こんな時だから元気を出さないと!」
「それにしても、恐ろしい世の中になったわねぇ。」
るう子とタマの会話を聞きながらハツはユキに話した。
「それにしても、この事件変よね。」
ユキはそう言う。
「ユキ、どうしたの?」
「考えてもみて。私達が住んでいる一帯に肉食動物なんて犬や猫しか居ないし、ましてや動物園から猛獣が逃げ出したって話も聴かないわ。」
「ユキ、それってどういう事?」
「多分、何らかの生物兵器か何かだと思うわ。」
「こんな時に繭から貰ったベルトがあればるう達で戦えるのに。」
るう子がそう言うと、
「るうちゃん。るうちゃんはもう、戦わないって決めたんでしょう?それなら、その答えを通しなさい。」
ハツはるう子に言う。
「だからもしもの話だよ。それに、もうるう達は戦えないし。」
「そう。ならこの話はおしまい。ユキちゃんは、今回の事はどう思う?」
るう子はハツに答え、ハツはユキに質問した。
「明らかに妙ね。まるで、仮面ライダーの怪人が起こしているみたいな─」
ユキがそう言った途端、何者かに窓ガラスが破壊される。
「誰ッ!?」
るう子達が振り向くと、蜂のような怪人が飛んでいた。
「セレクター小湊るう子、タマ、ユキを発見。これより捕獲に入る。」
蜂の怪人はそう言うとるう子達に向かって飛んで来る。
「とにかく逃げるわよ!」
ユキが先導しるう子達は部屋から逃げ出した。
「追跡開始。」
蜂の怪人はるう子達を追う。
「あれ、一体何!?」
「解らないわ。」
るう子達が走りながら話していると、
「遊月!みんな!どうしたの!」
るう子と同様に走りながら遊月と一衣、清衣と文緒がやって来た。
「私達、変な怪物に襲われて逃げて来たの!」
「るう達もだよ!ということは!!」
遊月達と合流したるう子は一安心したがすぐ警戒した。すると、
「セレクターを発見。捕獲にかかる。」
るう子達の周りに蜂、ゲンゴロウ、イソギンチャク、蜻蛉、ハンミョウの怪人が現れる。
「万事休すね。」
るう子達は頑張って逃げようとしたがイソギンチャクの触手が迫って来る。
「やっぱり、もう無理だ。」
るう子は諦めて目を瞑った瞬間、青い電車がイソギンチャクの触手を引き潰して遮りながら走行し、通り過ぎると、一人の青年が居た。
「お前達がセレクターか。少し下がっていろ!」
青年はそう言いベルトを装着する。
「貴様、何者だ?」
「お前達が今噂のアマゾンとか言う怪人か!変身!」
"ストライクフォーム"
青年はNEW電王ベルトにパスを通し仮面ライダーNEW電王に変身。契約イマジンのテディが変形した銃剣、マチェーテディが飛んで来る。
「幸太郎、カウントは。」
「いや、未知の相手だ。カウントは止めておこう。」
「了解。」
NEW電王はテディと会話しながらアマゾン達を斬り裂いて行く。
「私はセレクターの捕獲に入ろう。」
ハチアマゾンは飛翔するが、
「させるか!」
NEW電王はマチェーテディの銃で射撃しハチアマゾンの羽を破壊して落下させて一刀両断。ハチアマゾンを撃破する。
「相手は電王だ。倒せば幹部への昇格も有り得る。行くぞ!」
トンボアマゾンは率先して突進するが、
「テディ、やっぱりカウントしよう。カウントは15、それだけあれば十分だ。」
「了解。15、14、13、12、11」
テディはカウントを始め、NEW電王はアマゾンズを斬り裂いてゆき、
"フルチャージ"
NEW電王は必殺技を発動。ゲンゴロウアマゾン、トンボアマゾン、イソギンチャクアマゾンに必殺技のカウンタースラッシュを撃ち込む。
「まだだ!」
"フルチャージ"
NEW電王はさらに必殺技を発動。ハンミョウアマゾンに必殺技のキック、ミドルスパートを放つ。
「3、2、1………0!」
テディのカウントゼロに合わせてアマゾン達は爆発する。
「ちょうど0秒。」
NEW電王はそう言うが、
「いや幸太郎、一体逃した。」
ハンミョウアマゾンだけは生きており、逃げて行った。
「大丈夫か?」
NEW電王は変身を解除する。
「はい。でも、どうしてセレクターの事を?」
るう子は幸太郎に質問する。
「話せば長くなる。これを持って来てくれ。」
幸太郎はるう子達にデンライナーの乗車券を渡し、NEWデンライナーの中に入れる。
「おやぁ、幸太郎君、一体何のつもりですかねぇ?」
るう子達を見るなり、オーナーはそう言った。
「仕方ないだろ。今回の事件にはセレクターの協力が必要不可欠なんだ。」
「そうですか?それなら、乗車券を拝見させていただきますねぇ。」
オーナーはるう子達の持つ電王用の乗車券を見て納得した。
「それでは、幸太郎君。説明をどうぞぉ。」
「ああ。まず、君達を襲ったさっき奴ら、あれはアマゾンって呼ばれている怪人だ。ある製薬会社が作ったウイルスが4000体の人型生物になり、それらが脱走した。普段は人間の姿をしているが、奴らは人間を食っている時に至福の時を感じる。」
「それじゃあ、最近起きている惨殺事件って!」
「ああ、奴らの犯行だ。しかも奴らは死んだ瞬間に蒸発するから証拠も出せない。困った事態だ。」
「でもどうして?あの戦いで、私達の世界と仮面ライダーの世界のリンクは途切れた筈。」
「それが、奴らは見つけたんだ。本物のクリエイトウィザードリングを。」

その頃、ハンミョウアマゾンはある会社に戻り社長室に入る。
「どうした半田?セレクターは?」
「済みませんゼロ様。電王に妨害され、私も命からがらで伝えに来るのがやっとの事でした。」
「なるほどな、方向ありがとう。だが!」
ゼロと呼ばれた男はハンミョウアマゾンに杖を突きつける。そして、
「失敗した部下は用済みだ。」
杖の先端からビームを放ち、ハンミョウアマゾンを射殺した。
「仮面ライダーめ、余計な真似を!」
ゼロは怒りを露わにしていた。

「それで、俺は様々な事を調べた。勿論翔太郎にも依頼した。そして、この会社にたどり着いた。」
「財団法人ランダーグループ?」
「それって、最近株式上場を始めた!」
不思議に思っている遊月に清衣は説明した。
「ああ、しかも、この会社の得意分野が薬品及び薬剤だ。」
「それじゃあ!」
「この会社は多分、アマゾンを一体捕まえ、そのデータを元に暴走しない完全型のアマゾンを。」
「それにしても、この社長のゼロ=ランダーって人、随分と怖い人だね。」
文緒は言う。
「そりゃあそうだよ。だって部下をアマゾンにする奴だよ。」
「そうじゃ無い。目的はセレクターを殺す事じゃ無くて捕まえることだったみたいだ。まるで、ボク達を何かの実験の道具に必要としているみたいな。」
「なるほどね。だから香月やばあちゃんも狙われなかったのね。」
文緒の言葉にユキは納得した。
「そうだ。話し忘れていたが、俺が何故セレクターの事を知っているか話していなかった。」
「そうだった!何でですか!?」
「君達の世界では、俺達仮面ライダーは作品となっているだろう。それと同様に俺達の世界では君達の世界が作品として放送されているんだ。」
「でも、私達の作品を観そうに無いあなたがどうして解ったのかしら?」
「俺も直接は見てないから解らないが、君達の世界の作品が消滅した話を聞いて何か時間の中でヤバい事が起きていると思って侑斗に探って貰ったんだ。そうしたら、偶然ふたせと出会ってセレクターの存在を知ったんだ。」
「そうか、ふたせはこの事を話していたのか。」
「それから、特異点である事を利用して俺はこちらの世界を監視していたが、ある日灰色のオーロラが現れてそこから三体のアマゾンが現れたんだ。」
「じゃあ、それを利用してランダーグループは!?」
「ああ、そんなところだ。」
「それで、ボク達に協力してほしい事とは?」
「セレクターは一度仮面ライダーの力を使っていた事は知っている。力を貸してくれ!」
「私達も、力を貸したいのはやまやまですが、あの戦いに決着を着けるために全てのベルトを壊してしまい、戦える状況に有りません。」
「いや、そうじゃ無い。アマゾンは俺が倒す。君達にはゼロを倒してほしい。奴も、危険を冒す気は無いだろう。」
「はい、解りました。」
るう子達は納得した。すると、
「君達、出来たての天ぷらでも食べていくか?」
謎の老人が山菜や川魚などの天ぷらをトレーに載せながらやって来た。
「あなたは?」
「俺は山本大介。今はしがないインカ帝国の研究家だよ。」
(山本大介?どこかで聞いたことがある気が…)
遊月に名前を聴かれた老人はそう名乗り、ユキは疑問に思った。
「さあ、食べたかったらどんどんいいよ。どうせまた作ればいいだけだ。」
「ホントに!?いただきます!」
遊月達は大介の作った天ぷらを食べ始めた。

その頃、ゼロ達は─
「こちらが、あなた方に頼まれていたアマゾンズレジスターです。」
「では、約束のアマゾンウイルス三本を渡しましょう。」
ゼロは財団Xからアマゾンズレジスターと呼ばれる物を貰い、報酬としてウイルスデータを渡した。
「それでは、何かありましたら是非とも我々に御協力を。」
幹部はそう言い残し去って行った。
「これでいい。私は完全な力を得た。もう奴らはどうだっていい。」
ゼロはそう呟いた。

結局、用意した天ぷらを全て食べてしまったるう子達を幸太郎はデンライナーから降ろす。
「何かあればまた言ってくれ。」
幸太郎はそう言ってデンライナーの扉を閉め、デンライナーは時間の線路に去って行った。その瞬間、
「見つけたぞ、セレクター!」
キノコアマゾンとカエルアマゾンが現れる。
「そんな!?これじゃあ!」
るう子達が驚いていると、バイクと車が一台ずつやって来る。
「そこまでだ!」
「お前を狩らせてもらう。」
バイクに乗っていた童顔の青年と、車に乗っていた男性はそう言う。
「貴様達、何者だ。」
「こういう者だ。」
二人はベルトを装着し、左側のグリップを捻る。
〔アルファ〕
〔オメガ〕
「アマゾン…」
「アマゾン!」
二人はそう言い、車に乗っていた男性は仮面ライダーアマゾンアルファに、青年は仮面ライダーアマゾンオメガに変身した。
「お前達、同族だったのか!」
「ああ!ただ、食うのはお前達だ!」
〔バイオレントブレイク〕
アマゾンアルファは必殺技を発動。キノコアマゾンを八つ裂きにし、撃破する。
「僕の方も終わらせる!」
〔バイオレントスラッシュ〕
アマゾンオメガも必殺技を発動。カエルアマゾンの舌を引き裂きながら向かい縦一文字に斬り裂いて撃破する。
「終わったか。」
アマゾンアルファがそう呟いた瞬間、
「お前達が、今勝手にアマゾンを名乗っている奴らか。」
そう声が響き、るう子達が振り向くと、大介が居た。
「大介さん!」
「君達と一緒に居れば、きっと会えると思っていた。お前達に、アマゾンを名乗る資格は無い!」
大介はそう言う。
「おっさん何者だよ!」
アルファはそう言う。
「知りたければ教えてやる。」
大介はそう言うと、上着を脱ぎ捨て、上半身は薄手のシャツに左腕に腕輪という不思議な状態となり、
「アァァァ、マァァァ、ゾゥォォオオオオオオン!」
“アーマーゾーーン”
大介は腕をクロスさせて腕輪を共鳴させる。それによって古代インカの力が解放され仮面ライダーアマゾンに変身した。
「仮面ライダー、アマゾン!」
アマゾンは名乗りを上げる。
「思い出したわ!あの人は栄光の七人ライダーの六人目、アマゾンライダーだったわ!」
「モンキーアタック!」
ユキが大介の正体を思い出していると、アマゾンライダーはオメガに飛びかかり一度引っ掻いて投げ飛ばす。
「何なんだこいつは!」
アルファはアマゾンライダーに突進するが、
「ジャガー、ショック!」
アマゾンライダーはアルファの右肩を噛み千切り飛び跳ねる。
「いてぇなオイ!」
「その程度で、仮面ライダーやアマゾンを名乗っていたのか!」
アマゾンライダーはアルファ達に言い放つ。
「チクショウ、このヤロー!」
アルファ達は立ち上がるが、
「大ッ!切ッ!!断ッ!!!」
アマゾンライダーは必殺技の大切断をアルファ達に放つ。アマゾンライダーはこれでもかというくらいにアルファ達を両腕のアームカッターで切り裂き、アルファ達は火花を散らしながら変身が解除される。
「くっ、大丈夫か!」
アルファに変身していた男性、鷹山はオメガに変身していた青年、水澤に声を掛けるが、元々身体の弱い水澤は既に気絶している。
「テメェ。」
「お前達は、命の一つも賭けず戦っていたのか?だとしたらお前達はこの子達以下だな。るう子、みんな、ランダーグループは俺達で潰しに行くぞ。」
大介は変身を解除し、るう子達を連れてデンライナーに戻る。
「なるほどな。上には上がいるってワケか、ッ!」
鷹山はその後ろ姿を見てそう呟き気絶した。

一方、サンショウウオアマゾンはゼロにある報告を行っていた。
「ゼロ様、木野達がアマゾンに敗れ、セレクター達が向かって来ています。」
「構わない。いや、むしろ好都合だ。我々の最後のピースであるセレクター。そのセレクター達が自ら我々の所に来ようとしているのだ。嬉しいに決まっているだろう。だが、何故貴様は戦わず帰って来た。」
ゼロは杖からビームを放ちサンショウウオアマゾンを消滅させた。
「来るなら、来てみろ。セレクター達よ!」
ゼロは笑っていた。

幸太郎と大介は既に変身し、るう子達を引き連れてランダーグループに入り、社員は気絶させ、アマゾンを倒しながら進んで行く。
「長い道のりだな。」
「ああ。だが、もうすぐ社長室。そこにゼロは居る。」
アマゾンライダーを先頭にして進むと、やがて社長室が現れる。
「一気に突入するぞ!」
NEW電王の言葉に合わせて一同は突入するが、入った瞬間に幸太郎と大介の変身が解除された。
「特殊な磁場でも流れているのか?」
幸太郎が悩んだ瞬間、
「その通り!そして、ようこそ、セレクター!」
ゼロが現れる。
「お前が今回の事件の首謀者か!」
「いかにも。だが、君達はここで終わる。」
幸太郎の問いにゼロは答え、アマゾンズレジスターを右腕に装着する。そして、アマゾンウイルスを自身ち注入した。
「何をする気だ!」
「決まっているだろ。こうするのさ。アマゾン!」
ゼロはそう言うと、身体が変化し、鳳凰を象った甲冑を纏った怪人に変身した。
「我が名は、ゼロアマゾン!この世界を支配する者だ!」
ゼロアマゾンはそう言うと槍からビームを放ち攻撃する。
「やるな。だが、これが全てでは無いぞ。バーチャルリアライズシステム、作動!」
ゼロアマゾンがそう言うと、空間が歪み始める。
「何が起きているの!?」
「何、簡単な事さ。これからこの空間は君達も良く知っているあの場所に変化するだけさ。」
ゼロアマゾンが言い終えると、空間は辺り一面白い空間、白窓の部屋に変わる。
「ここって!」
「そう、君達が良く知っている白窓の部屋だ。そして、食らえ!」
ゼロアマゾンがビームを放つと、清衣はピルルクの姿に、遊月もルリグ時代の姿に変わってしまう。
「どういう事!」
「私は、ルリグと仮面ライダー、全てを倒し、力の証明をしたいのだよ。その為にはセレクターが必要だった。だから誘拐しようとしていたのに、まさか自分達から来るとはな。」
ゼロアマゾンはそう言うと槍を振り回しピルルクを攻撃した。
「どうした?せっかくルリグなったんだ。アーツでも使えばいいのに。」
「とにかくやってみよう。ドント・ムーブ!」
ピルルクは光の鞭を伸ばすが、ゼロアマゾンは切り裂いて防ぎ、薙払う。
「くっ、このままじゃ!」
「もしかしたら!繭!居たら返事して!」
るう子はこの空間の構造を利用し繭を呼ぶが、
「無駄だ。繭も私の制御下にある。呼んでも無駄だ。」
ゼロアマゾンは無駄だと言う。それでもるう子は呼び続け、
「るう、呼んだ?」
繭が現れる。
「何故だ!貴様は私が制御していたはず!」
「私も選んだから。るう達と戦いたいって!るう、受け取って!」
繭は戦極ドライバー、ダブルドライバー、キバットベルトを投げ渡す。
「誰か、二人をグロウして!」
「解った。ピルルク、グロウ。」
「ユヅキもグロウ、レベル5!」
二人の言葉でピルルクはレベル5のACROに、遊月も遊月・伍に進化。更に、
〈フルーツバスケット!〉
「ガブッ!」
「変身!」
〈極アームズ!大!大・大!大・大将軍!〉
〔エクストリーム!〕
「来い、タツロット!」
鎧武は極アームズに、ダブルはサイクロンジョーカーエクストリームに、キバは飛翔態に変身する。
「ば、馬鹿な!」
「それだけじゃ無いの!」
繭はゴーストドライバーを装着し、ムゲンゴースト眼魂をセットし、
「変身!」
{チョーカイガン!ムゲン!ゴ!ゴ!ゴ! ゴ!ゴ!ゴ! ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!}
ゴーストムゲン魂に変身する。
「行くよ、みんな!」
鎧武はアームズウェポンを全て召喚しゼロアマゾンにぶつける。
「ムシュフシュ、ヴィーグル、行きな!」
遊月も龍のシグニを砲台にして爆撃を放つ。
「くっ、だったらこちらも!」
ゼロアマゾンは新たにウイルスを取り出すが、
「クェーーーッ!」
キバ飛翔態が蹴り上げウイルスが入ったビンは割れ、中から死んだウイルスが溢れて来る。
「よくもやってくれたな、仮面ライダーめ!」
「何を言っているの。私達を再び仮面ライダーとルリグにしたのは他でもない貴男自身よ。」
ピルルクはA・M・Sの力を利用して殴りつける。
「だが、私はまだ終わらん!」
『みんな、あの腕輪を狙わないで!あれはあいつの制御装置だから、壊れるもの暴走しちゃう!』
「解ったわ。」
〔サイクロン!マキシマムドライブ!ヒート!マキシマムドライブ!ルナ!マキシマムドライブ!ジョーカー!マキシマムドライブ!〕
「行くわよ、タマ。」
『うん!』
「『ビッカーファイナルイリュージョン!』」
ダブルは必殺技のビーム砲をゼロアマゾンに放つ。ゼロアマゾンは槍でガードするが、代わりに槍を破壊されてしまう。
「おのれ!」
「みんな!一気に決めるよ!」
〈ソイヤッ!極スカッシュ!〉
「ウェイクアップ!」
〔プリズム!マキシマムドライブ!エクストリーム!マキシマムドライブ!〕
{チョーダイカイガン!ムゲン!ゴッド!オメガドライブ!}
四人は必殺技を発動。キバ飛翔態は炎を纏ってゼロアマゾンに突進し、トリプルライダーキックを追撃でゼロアマゾンに放つ。更に、遊月とピルルクの砲撃をゼロアマゾンは受ける。
「おのれ、まだ、負けるわけには!」
ゼロアマゾンはそう言い残し爆散した。
「これでまたるうとお別れだね。」
爆発の影響でバーチャルリアライズシステムは破損し、遊月とピルルクのルリグ化は解除されたが、同時に繭も粒子になり始める。るう子達の変身も当然強制解除され、るう子は繭に抱き付く。
「お別れなんかじゃ無い。繭は、ちゃんとみんなの心に居る。だから安心して。」
「解っているよるう。だから、私はちゃんとここに居るから。」
そう言い残して繭の映像は消えてしまい、ランダーグループの計画は破綻。クリエイトウィザードリングもアマゾンによって破壊された。
「さて、俺達ともお別れだ。」
「そんな!せっかく友達になれたのに!」
「何、運が良ければまた会えるさ。だから安心しろ。そうだ大介さん。るう子達に、例のヤツを。」
「ああ。」
幸太郎は大介にある事をお願いした。
「るう子、遊月、一衣、タマ、ユキ、清衣、文緒。これは、俺がまだジャングルで育っていた時に、育ててくれた部族の族長が教えてくれた、友情のサインだ。」
大介は両手の指を内側で交差させて小指だけ立たせ、友情のしるしを見せる。
「コツはサインを送る前に名前を言ってからやるのがポイントだ。だから、今回は、アマゾン、るう子、遊月、一衣、タマ、ユキ、清衣、文緒、トモダチ。」
大介はお手本を見せる。
「ありがとうございます。それなら、るうも。るう子、アマゾン、トモダチ。」
一同を代表してるう子が友情のサインを大介に送る。
「ありがとう。みんな、友達は大切にするんだぞ!」
大介は最後にそう言ってデンライナーに乗り、デンライナーは時の線路に戻って、今回の事件は幕を降ろした。
「これで、るう達のライダーバトルは全部終わったんだよね?」
「ええ。」
「さて、帰りになんか食べて帰ろうよ!」
「遊月、あなた大丈夫なの?」
「何が?」
「将来の為にお金貯めなくて。弟と事実婚するなら少なくともここを離れないといけないわ。理由は解るでしょう。」
「まあ、知らない土地の方が過ごしやすいけど。」
「そうなれば引っ越しや生活で大変になるわ。だから貯められる時に貯めなさい。」
「アドバイスありがとう、清衣。」
「仕方ないわ。これが今私に出来ること。願いを知った少女に、少しでもアドバイスする事が、私の罪の償い方だから。」
「あんたも大変だよね。そういえば、あんたの友人はどうなったの?」
「アミカは、お母さんが元気になったから普通に暮らしているわ。」
「そう、良かったじゃん!」
「ありがとう。」
「さあ、肉まんでも食べてから帰るか!」
「あなた、さっきの話聴いていなかったの?」
「聴いていたよ。でも、こんな事学生だから出来る事だよ。大人になったら、それこそもうみんなで集まれないだろうし、それなら今の内に楽しめる分を楽しもうよ。」
「あなたらしいわね。」
「まあ、そういう事!でもるう子達の所はいいよね。みんなと違って賞金が三倍だったもん!」
「確かに!」
「それじゃあ今日は小湊家の奢りでパーティーだ!」
「ええ~、遊月ひど~い!」
「冗談だよ!もう、るう子はすぐ本気になる。」
「本気になっちゃダメ?」
「いいに決まってんじゃん!」
「君達は相変わらずだね。ボクには羨ましいかぎりだ。」
「なんだ文緒さん、妬いているの~?」
「そうじゃ無い。ただ、楽しいことはいい事だなって、思っただけだ。これもセレクターバトルのおかげかもね。」
「タマもるうに会えて良かった!」
「そうね、ただ繭の嫌な辛い部分から生まれた闇だった私も、るう子のおかげで変わる事が出来たもの。るう子には感謝してもしきれないわ。ありがとう。」
「もう、ユキもそんなにかしこまらないで。」
「まあ、この話はもう辞めよう!とにかく、肉まんを買いに行こう!」
遊月は、ノリで話を転換させて、帰路に向かわせた。

翌日の新聞やニュースはランダーグループの不正な汚職、更には急な倒産でいっぱいであった。
「あら、最近の事件、ランダーグループが犯人だったのね。」
ハツはただ頷いていた。
「ばあちゃんゴメン。るう、戦っちゃった。」
「解っていたわ。でも、自分から話したんだから、るうちゃんはもう大人の仲間入りだ。今日のお夕飯はるうちゃんの好きなものでいいわよ。」
「怒ってないの?」
「今の話で怒るところ、あるのかしら?」
「………ない。」
「なら、このお話はおしまい。お夕飯の話をしましょう。」
「うん!」
〝きっとみんな、大人になったら会えなくなる。だから、今やれる事を、るうはやる。それが、るうの選択! 〟
Fin.









外伝、制作決定!
主役は、この二人!

「僕の歴史?この世界を救えるなら、安い買い物だ!」 ─希望を紡ぐ男、凪風雅─


「やがて、この街の少女全てを絶望の声で埋め尽くすの!」 ─絶望を与える少女、ウリス─



全く真逆の二人が織り成す、Vシネマだから出来た展開!
Vシネマ「selector KAMENRIDE WIXOSS外伝 仮面ライダーディロード/仮面ライダーソーサラー」
こう御期待! 
 

 
後書き
とりあえず、オリジナルの敵の紹介をします。
ゼロ=ランダー/ゼロアマゾン
薬剤研究をサブで行っている財団法人ランダーグループの社長。常に杖を持っているが、この杖は強力な武器になっている。偶然捕まえたトンボアマゾンを研究しアマゾンウイルスを大量生産。それを元手に財団Xと取引し、自身もアマゾンに変身する。名前の由来はアマゾンに出てきたゼロ大帝とガランダー帝国。/ゼロが変身した鳳凰のアマゾン。身体を甲冑で包み、防御が高い。モチーフはガランダー帝国のシンボルマーク。また、今回登場したアマゾン達はガランダー帝国の獣人がモチーフ。

本当のあとがき
とりあえず、これでメインは終了です!皆さん、今まで御愛読ありがとう御座いました。もし宜しければ、感想を書いていただけると嬉しいです。それでは、また別の作品でお会いしましょう! 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧