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ドリトル先生北海道に行く

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第七幕その二

「日本のね」
「ああ、あの凄く歴史の古い」
「王子も確か皇居に行ったことがあるね」
「あるよ、そして天皇陛下にもお会いしたけれど」
 王国の太子としてです、王子はその役目を果たしたのです。
「あんなに緊張したことはそうはないね」
「大変だったね」
「うん、太子としての務めを果たしたよ」
「その皇室の存在も証拠なんだ」
「日本が多民族国家であることの」
「皇室、天皇は英訳するとエンペラーになるんだ」
 先生はご自身のお国の言葉も出しました。
「皇帝だね」
「そうだね、皇帝になるね」
 エンペラーとすると、とです。王子も頷きます。
「確かに」
「皇帝は複数の宗教、民族を治める存在なんだ」
「そうなんだ」
「欧州ではローマ皇帝の継承者、中国では中華世界の統治者だね」
 そうした意味もあるというのです。
「トルコではスルタンでありカリフかな」
「領主でありムハンマドの継承者」
「そうなるかな」
 スルタン=カリフです、かつてトルコはオスマン=トルコという国でしたがこの国にもまた皇帝が存在していたのです。
「あの国だと」
「成程ね」
「日本の皇室は天照大神の子孫とされているね」
「神様の子孫だね」
「伊勢神宮のね」
「あの三重県の物凄く大きな神社だね」
「あの社に祀られている太陽の女神の子孫とされているんだ」
 それが日本の天皇陛下であり皇室の方々だというのです。
「聖徳太子という人が当時の中国の皇帝、隋の煬帝に日いづる国の天子と文で書いたけれど」
「ああ、あのお話ですね」
「有名なお話だね」
 トミーも王子も頷きます、そのお話を聞いて。
「あのお話もなんだ」
「日本の天皇が皇帝であるっていうことの証拠なんだ」
「そうだよ、そして皇帝は一つの文明を治める存在でもある」
「じゃあ日本の天皇も」
「文明の統治者なんだね」
「そう、日本文明のね」
 それになるというのです。
「これはハンチントンという人の考えだけれど」
「日本は一つの文明」
「そうなるんだね」
「そうも考えられるよ」
「ううん、アイヌ人も日本人で」
「日本もまた多民族国家で」
 トミーも王子も考えています、日本のことについて。
「天皇は皇帝で」
「日本文明があるんだね」
「僕もそうかもって考えているよ」 
 先生が学問の中で辿り着いたお考えです。
「日本の文化はかなり独特だしね」
「文明なんですね」
「この国にあるものは」
「そうかも知れないね、それでアイヌの人達のこともね」
「この旅行で、ですね」
「見ていくんですね」
「夕張に行って」
 そしてというのです。
「アイヌの人達ともお会いするよ」
「ううん、北海道ってね」
「凄く盛り沢山なところだね」
 動物の皆もここで言うのでした。
「何かとね」
「美味しいものがあって」
「海も夜景もあって」
「西洋もあってね」
「おまけにアイヌの人達もいるなんて」
「凄く色々あるんだね」
「そうだよ、生物学的にも独特だしね」
 このことにも言及した先生でした。 
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