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ドリトル先生北海道に行く

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第六幕その八

「実際にこうして食べられているしね」
「そうだよね」
「僕達今こうして食べてるし」
「ここにいるお客さんも多いし」
 見れば結構な人達が先生達と同じ様にジンギスカン鍋とビールを楽しんでいます。飲んで食べてとても楽しそうです。
「こうした見たらね」
「日本人も決して羊は嫌いじゃないんだ」
「羊のお肉も」
「確かに匂いはどうかとなってるけれど」
 それでもというのです、
「味も好きでね」
「決して嫌いじゃなくて」
「食べるんだね」
「こうしてね」
「そうだよ、本当にね」
 それこそというのです。
「けれど牛肉や豚肉の方が多いんだ」
「日本人が食べるお肉は」
「その二つだね、まずは」
「どうしてもね」
「そうなっているんだね」
「そうなんだよ、まあそのこともね」 
 先生はビールをまた飲んで言いました。
「変わっていくかもね」
「日本人の羊肉への馴染みも」
「それもだね」
「美味しいことは確かだから」
 それでというのです。
「食べる量は増えていくと思うよ」
「そういうことだね」
「日本人でも」
「そうなっていくんだね」
「僕はそう思うよ、それじゃあね」
 先生は皆にあらためて言いました。
「もっと食べようね」
「このマトンを」
「そしてお野菜も」
「ビールも」
 皆も一緒に楽しみます、そして。
 心ゆくまでジンギスカン鍋とビールを楽しみますがそのビールについてもです、先生は皆にこうしたお話をしました。
「日本人は今ではビールを普通に飲んでるね」
「うん、先生もそうでね」
「普通に何処でも売ってるしね」
「もう皆ね」
「むしろ日本酒より飲んでるかな」
 そこまで沢山飲んでいるというのです。
「それこそね」
「飲みやすいからね、ビールは」
「すっかり日本人の友達になってるよね」
「そう、そのビールが日本に入ったのは」
 このことのお話をするのでした。
「やっぱり明治からなんだ」
「そうなんだね、明治からなんだね」
「ビールにしても」
「そういえば日本はお米だからね」
「日本酒ばかりあったんだね」
「そうだよ、それが明治になってね」
 明治維新からです。
「ビールも入ってね」
「それでなんだね」
「日本人もビール飲む様になったんだね」
「そういう風に」
「そうだよ、日本は本当に明治から大きく変わったんだ」
 先生はビールを飲みつつ日本の歴史のことをお話します。
「これまでの日本に西洋も入ってさらに独特のものが出来たんだ」
「日本の中の西洋?」
「いや、日本の中に入った西洋かな」
「欧州のどの国でもないし」
「アメリカでもないからね」
「西洋風の日本かな」
「それになるかな」
「そうだね、西洋風であってね」
 それでというのです、先生も。 
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