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ドリトル先生北海道に行く

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第六幕その二

「表だったよ」
「じゃあ毛蟹だね」
「今夜はそれだね」
「毛蟹になったね」
「うん、そうなったよ」
「よし、それじゃあね」 
 先生も王子達のお話を聞いて言いました。
「毛蟹を食べに行こうね」
「毛蟹の鍋だね」
「それだね」
「うん、毛蟹鍋だよ」
 それだとです、先生も言うのでした。そうして。
 皆でその毛蟹を食べに行きました、お店に入ってです。
 皆でお座敷の席で毛蟹鍋を食べます、そのお鍋の中に。
 白菜にお豆腐、お葱に茸にです。それに。
 蟹、毛蟹が入っています。その毛蟹を見て動物の皆は言いました。
「美味しそうだね」
「この毛蟹ね」
「確かに外見は怖いけれど」
「如何にも堅そうだけれど」
「これがいいんだよね」
「とてもね」
「うん、じゃあね」
 それでと言う先生でした。勿論先生もそのお鍋を見ています。
「今から食べようね」
「よし、それじゃあ」
「蟹を食べよう」
「お豆腐もお野菜も」
「それに茸もね」
「そして全部食べたら」
 それからも言う先生でした。
「雑炊を食べようね」
「日本ではお鍋の後はそれだよね」
「最後は雑炊を食べて」
「それで締めだね」
「それになるよね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「その雑炊まで食べようね」
「あとおうどんもありますね」
 トミーがここで言いました。
「締めには」
「あっ、それもあるね」
「それじゃあ今日は雑炊にして」
「それでだね」
「明日はおうどんとかどうですか?」
「いいね、じゃあ明日になったらね」
 先生はトミーににこにことしてお話をします。
「どっちかに決めよう」
「そうしますか」
「明日にね。それじゃあ」
 先生はあらためて皆に言いました。
「今から毛蟹を食べようね」
「そうしよう」
「是非ね」
 皆も応えます、こうしてでした。
 皆お鍋を食べはじめました、お豆腐に白菜、葱に茸にです。
 勿論蟹も食べました、蟹は王子とトミー、チーチー達が器用に素早く殻を割って中身を出してそうしてでした。
 皆で食べます、その蟹の身を食べてです。
 先生は笑顔で、です。こう言いました。
「いや、噂通りね」
「美味しい」
「身が一杯入ってるし」
「あっさりしていてね」
「それでいて味が確かで」
「いいね」
「いや、本場だけあって」
 先生はまた言いました。
「美味しいね」
「何か蟹ってね」
「北の方が美味しいよね」
「北陸もそうだし」
「この北海道のなんか特にね」
「うん、蟹はね」
 先生も実際にとです、皆に答えます。
「寒い海の生きものだからね」
「どうしてもだね」
「寒い場所で獲れたものが美味しいんだね」
「そうなんだね」
「そうだよ、だからね」
 それでと言うのでした。 
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