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ドリトル先生北海道に行く

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第五幕その八

「イギリスとは別の進化を遂げた」
「それが日本の鉄道だね」
「新幹線もそうだね」
「ああ、あれだね」
「王子も新幹線に乗ったことがあるね」
「あるよ、何度かね」
 王子は先生ににこりと笑って答えました。
「あっという間に目的地に着いて」
「そしてだね」
「うん、びっくりしたよ」
 その速さにというのです。
「僕もね」
「あれも日本の鉄道だよ」
「そうだよね」
「私鉄も沢山あるしね」
「そうそう、関西でもね」
「八条鉄道は全国でね」
 日本で唯一の全国区の私鉄です。
「他にもね」
「関西も多いね」
「日本の各地に私鉄があってね」
「九州もあるよね」
「うん、西鉄がね」
 先生はこの会社の名前を出しました。
「あるよ」
「そうだね」
「日本は近代化と一緒に鉄道を取り入れて」
「進化させていったんだね」
「そうなんだ」
「そしてこの北海道でも」
 そのタイヤの地下鉄の中で言うのでした。
「こうした進化を遂げたんだよ」
「凄いね」
「何か日本人はそうしたことが多いね」
「アイディアが出てね」
「工夫をしていく人達なんだね」
「タイヤの鉄道は路面電車であったかな」 
 ふとこうも言った先生でした。
「東欧の何処かに」
「そして日本でもあって」
「こうして使っているんだね」
「そうだよ、このアイディアをね」
 先生はそこにご自身も勉強するものを見出しながら言うのでした。
「僕も勉強しないとね」
「うん、日本人のね」
「この独特なアイディアを勉強してね」
「そうして身に着けるべきだね」
「何かとね」
「そう思うよ、学問にもね」
 それにもというのです、先生の専門分野においても。
「既存のものに独自の発想、アイディアが入れば」
「それでだね」
「色々変わるんだね」
「道が開けたりするんだ」
 学問のそれがというのです。
「これまで気付かなかったことに気付いたりね」
「そうなったりするんだね」
「学問でも」
「先生の専門分野でも」
「そうなんだ、ニュートンもコペルニクスもガリレイもそうだったしね」
 これまでの人類史上の偉大な学者さん達もというのです。
「それまでの固まった考えに囚われずにね」
「新しい考えも入れて」
「そうして学んでいくべきなんだね」
「学問も」
「日本の学問でもあるみたいだけれど」
 既存の概念に囚われる、そのことがです。
「欧州の学問はその日本の学問よりずっと酷かったからね」
「キリスト教だね」
「そう、キリスト教の概念に囚われ過ぎていたんだ」
 欧州の学問はというのです。
「ダーウィンの進化論にも反論があったしね」
「天動説にもだね」
「そう、ガリレイのね」
 先生は王子に答えます。
「あの考えも否定されたしね」
「当時はね」
「ガリレオ=ガリレイが生きていた頃はね」 
 先生は残念そうにです、地下鉄の中でお話します。 
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